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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

義兄弟

「義」の定義は、法律的には文字通り「一義的」かも知れませんが、歴史的用語としては、日中で意味合いが若干ずれていますし、勿論法的定義とは異なります。

中国の「義」を理解するうえで最適の事例の一つとして、「桃園の誓い(桃園結義)」を挙げることに異論は少ないと思われます。

この誓約により劉備、関羽、張飛はその順番で義兄弟の契りを結ぶのですが、これとは別に劉備は諸葛孔明とも義兄弟の契りを交わしていたらしいです。(小室直樹の著書)

義兄弟ともなれば何でも許す、何をしようが認めますので、関羽が曹操の命乞いを聞き入れて見逃しても劉備は許しますし、呉の手回しで関羽と張飛が殺害されれば、堪忍袋の緒が切れたとばかり、当時の地政学的情勢も何のその、孔明の諫言も何のその、呉に攻め入って返り討ちに遭うのはご承知の通り。


読者からのお便りで、中国人との商談が如何に困難なものか、そして中国人の性根の悪さ、悪意に満ちた言動、不誠実極まりない態度を切々と嘆いておられましたが、この件、意外と「義」の概念で解けるのではないでしょうか。

まず己を座標軸の原点に置き、X軸を「自分との距離」、具体的には「義兄弟(盟友)-親友ー(普通の)友人-知人-赤の他人-迷惑な友人・知人-憎しみの対象-敵-弱者」の順に置きます。

次にY軸に「心を許す範囲」を取ります。

どんなグラフが出来るかと言いますと、X=0の時にYの値が頂点(しかも無限大=∞)になる(逆)放物線を描くのではないか、そして「赤の他人」辺りでY=0になるのではないでしょうか。

具体例を挙げますと、胡錦濤国家主席を原点に置きますと、福田康夫元総理大臣は「盟友」か「限りなく盟友に近い親友」の位置に置くことが出来ると思われますので、ほぼ限りなく「心を許せる相手」で、ですから福田氏が訪中したら絶対に面会しますし、訪日団はその種類にかかわらず元総理を主賓として招きます、政府代表は二の次です。


この仮説に従えば、一歩近づけば百倍親しんで貰えますが一歩遠ざかれば疎遠になるどころで済みません。

中国人と交渉の経験がある、或いは今でもお付き合いがある読者各位がございましたら、順番は検討の余地があるとしても、相手が己のどの位置に置いてみているか、逆にこちらから相手との距離感を計るのも一興かも知れません。


さて、盟友の話に戻りますが、まずこの質問が解けるかどうか、今から頭が痛いです。

「毛沢東の義兄弟(盟友)は誰ですか」

(続く)

by 4kokintou | 2010-10-13 03:00
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