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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

考えるヒント ~空母増強論を嗤う~

中国海軍は最近、空母(航空母艦)を建造し、或いは貰い受けた艦船を改修しているそうです。

そこで飯の種が転がり込んできたとばかり、「職業保守」のお歴々が「中国(海軍)の脅威」を声高に唱えていますが、自衛隊を初めとする専門家が如何に理解しているかは兎も角、もう少しお勉強してから自説を披瀝するのが筋と言うものではないでしょうか。


太平洋海戦時に八隻の(制式)空母を擁し(五隻の水上機母艦を除く)、その内の六隻を真珠湾に投入した日本人なら教わらなくとも分かる筈ですが、航空母艦が裸で発進させる馬鹿が何処にいますか。

仮に10隻の中国製航空母艦(艦載機各60機)が進水し海上に現れても、極論すれば潜水艦一隻で事足ります、魚雷を10発以上積んでいれば。

空母ほど防御力を削ぎ落とした艦船はなく、反射神経と運動神経は無いし、おまけに発着時には不動の姿勢を強いられます。

しかも対潜水艦攻撃力も無いに等しいですから、潜水艦にすれば居場所を突き止められても怖くないですし、艦載機による機雷攻撃も、深刻に想定する必要はありません。

潜水艦の天敵は駆逐艦、航空母艦の天敵は(高速)巡洋艦、今でも通じる常識です。


では空母を中心とする護衛船団が空母10隻分完成したとして、それが脅威かどうかですが、まず艦載機は「攻撃型」、「迎撃型(船団防衛任務)」に分かれ、攻撃型は更に爆撃・魚雷(水雷?)搭載型とそれらの護衛戦闘機に分かれます。

とすると計600機の内、護衛戦闘機でない攻撃型艦載機は200期程度でしょうか。

しかも護衛艦を含めて全てを動力を原子力に出来ませんし、食糧や予備兵器を勘案しますと、油槽船を含めた輸送船が、航続距離に応じて参加隻数が増していきます。(真珠湾でも油槽船八隻随行)

これだけの「役立たず」を敵襲から護るのに、どれだけの戦艦、重巡、軽巡、駆逐艦が必要になるでしょうか。

しかも空母艦載機は一般に航行距離が短く、何よりも空母が使用不能になればお陀仏です。


本誌の結論は次の通り、「今回の海軍力増強は、江沢民を見限って自派に寝返った海軍へのご褒美」、空母船団の実戦経験の無い中国海軍、太平洋戦争で散々経験した日本海軍、この差も大きいです。


少し心が立ち直ってきましたので、例の件はあと少しご猶予の程を。

(続く)

(了)

by 4kokintou | 2010-12-21 12:08
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