人気ブログランキング | 話題のタグを見る

現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

やっと元朝(=大元)に復帰

誤謬のご指摘有難うございます、でも昔より今の方が(親殺しも含めて)物騒になっている印象を受けるのは、媒体等に「洗脳」されているからでしょうか。


全人代閉会を告げる記者会見で温家宝首相が、今回の日本の大災害に関して「心から哀悼の意」を表明していましたが、日本の現政権には相変わらず愛想を尽かしているが、日本国とその国民には敬意を抱いていることを遠回しに言っているのだと思われます。

それから米国系格付機関ムーディーズも「当面は格下げの必要なし、しかしこのまま手を拱いているのならばその限りにあらず」と言った趣旨の見方を公表しているのは、要は「早く潰れろ、今の民主党政権」との意味と解釈しています。


だいぶ遠回りをして漸く「蒋介石」の手前の元朝(=大元)にたどり着きましたが、此処で何故、元朝にこだわるかと言いますと、「北宋以降の空白期」だからです。

そう言いながらいきなり寄り道しますが、「特殊法人日本放送協会(NHK)」が西太后を扱った物語を放映していますが、その中で兄は状元、弟は自宮宦官と言う設定の(貧乏だった)兄弟が出てきますが、そんな荒唐無稽な話、現地の中国人にせせら笑われている筈です。

内廷に一族の人物を宦官として送り込み、その中枢に食い込むことで一族が「表の権力」も手中に収めると言うことがあった、(外戚勢力壊滅後の)後漢や唐末期ならまだしも、清朝は士大夫層(=大地主=知識階層=宗族階級)が、満州族や蒙古族貴人と共に実権を握っていた時代、科挙と言う名の「試験地獄」を潜り抜けて状元つまり筆頭合格者を出す家が、人減らしも兼ねて兄弟を宦官に出すと言うのは、矛盾を通り越して無知です。(事実に基づいているのなら御免なさいと素直に謝りますが)

そこまで貧乏ならば科挙に受かるのは夢のまた夢、科挙の受験勉強のためにどれだけの経済的負担を強いられるのか、逆に進士になれるのなら弟は自宮宦官になる必要がない家柄です。


話を戻して、漢朝滅亡以降の中国、特に華北は四分五裂の末に異民族が跳梁跋扈し、干戈が絶えず、これでよく本来の漢民族が生き延びられたなと感心せざるを得ないほど、混乱の極致にありました。

統一を成し遂げた隋も短期間で滅び、唐も太宗の時代と安史の乱以前の玄宗時代を除き、曲がりなりにすら統一を維持出来ず、華人と異民族を問わず軍閥が各地を実効支配していました。

「北宋以降」における皇帝絶対主義は、「皇帝(及び皇族)は華人でも異民族でも可、あらゆる要求を満たす、但し実権は士大夫階級が握る」と言う宗族主権国家がその実態でした。

この考えは漢民族国家(北宋、南宋)にも異民族王朝(遼、金)に受け継がれましたが、全く拒否した王朝が次に出現しました。

元朝です。

元朝は華人に対する権威も権力も全て否定しました。

二級国民(=被支配者階級)に規定し、しかも「二級国民の上=漢人」、「同下=南人(蛮子)」に占領時の居場所で区分しました。

王安石の改革が南北対立の様相を呈し、派閥抗争に堕したのも両者の反目が背景にありましたが、それは宗族階級の内部抗争で、北側に住んでいると言っても、間違っても華北の百姓や商人が、華南の宗族階級の上に来ることはありませんでした。

それを元朝はやってのけた、一種の革命です。

(続く)

by 4kokintou | 2011-03-15 23:07
<< 選りによって花粉症 不祥事の由は天子様の不徳にあり >>