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武力を尊ぶ気風は世界各地に残っていまして、その多くは部族社会で徹底した男尊女卑、そして戦好きです。
面白いことに文化の中心地は意外と「文弱」で、「花の(華の)」とか「文化の都」と言った修飾語が付く様になれば軍事国家としては脱落です。 小誌は今に至るまで、「花の」や「文化の」と言った形容詞句を用いて説明した文章にお目にかかったことは無いですし、ドイツについても時に「文化」はあっても「花の」はありません。 欧州で言えばルネサンス以降の先進国はイタリア(の諸侯)とフランス。それに加えるとすればオーストリア(ハプスブルグ家)でした。 この仏伊(墺)からみれば、英普(後の独)露は周辺国の田舎者、相手にするのも煩わしい辺境民族でしたが、皮肉なことに後世、順に「海の覇者」、「陸の王者」、「なりそこないの超大国」にになりました。 中近東以西のアジアでは、インドと中国が「文弱」、面白いことに近代の前の近世においては、「文化水準=国力(軍事力)」だったと言え、欧州の仏伊にしても、アジアの中印にしても文化の中心地帯が最も栄えていて、四方を野蛮な辺境民族を抱えながら、アジアの場合は周辺を「同化(中印で大きな差がありますが)」することで繁栄を保ってきました。 産業革命は、人間に獣化を迫る側面があります。 その一番手、英国では国内で囲い込み等の優勝劣敗の原則が貫かれ、その余勢を駆って海外進出に乗り出しますが、未知の人種や民族と遭遇した時の判断基準は「尚武」か「文弱」かでした。 ですからインドではグルカ兵を植民地支配の手先に使い、アフガニスタンとパキスタンに棲息する一連の部族は「尚武の塊」みたいなもので、しかも東西交通の要衝でもありますからありとあらゆる武器が入手可能で、武器は一度作れば、材料さえあれば「自給自足」が可能です。 つまりインド支配における大英帝国の「二本の爪」はネパール(グルカ兵)でありアフガニスタンで、中国では上海と香港が直轄の出先機関なら、本国に代わって目を光らせていたのが、血統よりも「お家大事」、血筋より家格を大事にすると言う奇妙な国にして辺境国家日本でした。 その日本も奇妙な存在ですが、米国も説明がつかない部分がありまして、当時最大の獣たる英国から独立を果たしたのですから充分に、否、それ以上の獣なのですが、人間とは伝統的観念が好きで、中世までの(=独立同時の)格で言えば、仏伊(墺)が一等国、英普は二等国、米国民なんてそれ以下です。 しかも米国は生まれながらの野獣、でありながら「先輩野獣」大英帝国を好いていませんから、その「獣的生き方」には付いていけませんから、「自由と平等」なんて革命思想を掲げ、一方で反野獣外交とも言うべき「門戸開放政策」を訴えることになります。 ですから太平洋戦争と言うのは、「東西野獣横綱決勝戦」でもあります。 (続く)
by 4kokintou
| 2011-12-14 00:25
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