現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou
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瑣事もゆるがせには出来ず ~広東攻防戦~

現執行部(胡錦濤国家主席)の追及の手が弛む筈もなく、各地で反対勢力が必死の抵抗を続けているのですが、そんな時こそ「本音」が出ると言うか、「反日」は顔を出しますし、まだ有効だったのかと言う「一人っ子政策」です。


日支事変(日華事変、日中戦争とも)関連の書籍を読んでいて、八路軍(紅軍)はひょっとして山東省、山西省、陝西省当たりの軍閥の寄り合い所帯ではないか、そう思えてくる訳です。

1937年の盧溝橋事件及び上海事変以降、蒋介石率いる「装備だけ近代化」国民党軍は、「骨の髄まで近代化、軍事思想は超大国の卵級」の大日本帝国軍に敗北を重ね続けますが、中国共産党が兵力を展開して多少なりとも抵抗したのが山東省と山西省付近で、朱徳総司令、彭徳懐副総司令、林彪第115師団長(「正式には「師長」らしい)、賀龍110師団長、劉伯承129師団と言う豪華顔触れ(と言うか毛沢東粛清一覧表)で、なけなしの4万5,000人を繰り出して迎撃したのが山西省(太原)、別の抵抗地帯が山東省(済南付近)でした。

国民党軍もそうですが、中国共産党の部隊も逃げるのが大得意で、「日本軍を引き込んで身動きが取れなくさせる」戦術と言う点では奇しくも両党(両軍)は一致していますが、それで重慶と延安に逼塞していたら何のことはない、安全な場所まで逃げたら其処だったと言うだけでしょう。

中国を考える場合、河川を単位に思考を巡らせるべきで、「黄河閥」とか「長江閥」と言った考え方も成り立つのではないかと愚考する次第で、上述の三省も「黄河閥」と言えますし、黄河の源流が何処にあるかは存じ上げませんが、「新彊王」王楽泉政治局員の出身地が山東省であるのも偶然ではないと思われます。


まずは「反日」から。

山東省の地方自治体政府当局が日本産輸入サンマ24トンを抜き取り調査したら「安全基準を超えるカドミウムが検出」されたとの由、東日本で獲れたと思われるサンマが中国に行ってたんだと感心しつつ、山東省のことですから「反日」に事寄せた党中央への抵抗と考えられます。

一方、陝西省では一人っ子政策を遵守すべく、妊娠七ヶ月の女性に強制堕胎手術を施し、当局は批判を受けて謝罪しているそうですがおそらく蛙の面に小便、党中央に対して「やれるものならやってみな」と挑発しています。

この陝西省は父親の代から習家の「私兵」でしょうから、習近平氏が胡国家主席に対し抵抗を試みていると考えています。


広東が燃えています。

党書記は汪洋政治局員、数年前の春節豪雨の時は、地元幹部から徹底的な面従腹背の洗礼を受けました。

広東省は「半独立王国」などと揶揄されますが、汪兆銘政権時の権力の源泉の一角でもあり、蒋介石は磨り潰す様に国民党南京政府の連中を「漢奸」として粛清しましたから、旧汪兆銘政権要人と中国共産党が手を握ると言う奇怪な提携が成立しています。

共産党との手打ちの際、広東側は一定の自治権と兵権の承認を求めているでしょうから、建国後もそれは守られたと推測されます。

共産党政権は毛沢東の大中華主義に基づきますから、実態は「中国共産党と言う流浪軍閥も含めた中小軍閥の寄り合い所帯」と言うのが小誌所見です。

その広東で汪洋党書記が実行に移しつつあるのが「自治組織や労働組合の直接選挙」(日経新聞より)、以前のお便りと重ね合わせて考えれば、「中国を共青団化するための実験場」がこの広東と言えます。

そして現政権が異常なまでに汪洋政治局員に肩入れするのか、あの薄煕来前政治局員との出世競争が取沙汰されていたこともありますが、汪洋氏の存在そのものが中国の将来を左右しかねないのです。


汪道涵氏(海峡両岸関係協会初代会長、因みに現職は陳雲林と言う、どう考えても陳雲元副総理と縁があると思わざるを得ない人物)を叔父に持つ汪洋党書記、叔父は台湾との交渉窓口を務めましたが、交渉窓口と言うのは往々にして利権の窓口で、特に中国の場合は裏社会出身者が握っていることが多いです。

その甥が1978年の共青団中央書記処書記を経て(やはりそれ以前に胡耀邦氏が共青団の門戸を開放したと推測されます)権力の中枢に登りつめつつある、旧宗族階級の反省とそれに伴って得た「寛容」と「開放(解放)」の精神、すなわち小誌が「近代への扉の鍵」を体現する人物、これが広東省党書記です。

寛容と言っても、近代を否定し国家を己の享楽の道具に使う連中や、公私の「私」を優先する輩(=太子党、親が偉いから自分も特権的地位を自動的に保障されるなんて中国憲法の何処を読んでも書かれていないし、そもそも太子党そのものが私的集団で中央集権の妨げです)は排除せねばなりませんが、出自がこれらに該当する人物でも、一定の手続き(=共青団的論理)に従って出世の階段を上るならば大いに歓迎と言う明快な意思表示が同氏の存在なのです。

だから汪洋党書記は絶対に常務委員入りしますし、反対勢力は殺してでもそれを阻止したい人物です。

中国が近代の扉に手が届くのか、答えは1年以内に出ます。

(続く)
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by 4kokintou | 2012-06-19 00:37
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