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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

中韓多忙

アップルとサムスンの特許侵害訴訟で、見方はまちまちですが株価だけで言えばサムスンの敗北、そのサムスン電子を抱える韓国国債をムーディーズが格上げ、日本や台湾と同格にまで引き上げました。

「祖国統一」と言う名の朝鮮半島南部占領を訴えて止まない北朝鮮と国境(休戦境界線を接し、中国と漁業問題でいがみ合い、そして日本に喧嘩を売る韓国を格上げすると言うことは、「まだ韓国には潰れて欲しくない」と言う、米国側一部勢力の意思表示だと思われます。

一見、韓国の肩を持つ様な今回の格付け判断ですが、日韓関係がこじれた方が好ましい、つまり日本の「右傾化」を喜ぶ向きが存在するのでしょうが、蟷螂の斧を自覚しつつも「真正保守」を自称する本誌は、櫻井女史を初めとする「職業保守」に追随する意思は全く無く、どうぞご随意に飛んだり跳ねたりして下さいと言うのが率直な感想です。


丹羽駐中大使の乗った車が「襲撃」されたそうですが、官尊民卑どころか「官」しか存在しないような国の大使に、大手商社最高首脳経験者とはいえ「民間人」を任命する、その政治的感覚の鈍さに当時は驚倒しましたが、外務省も少しは良識があるのでしょう、漸く「差し替え」に動いた矢先の事件でした。

お払い箱寸前の駐在大使を狙ったところで、日中関係に衝撃が走る訳が無く、中国現政権も微動だにしないと思われますが、現政権に「恥をかかせて面子を潰す」点では効果があったかも知れません。

外交と言う政府直轄事項に関する事件ですから、直接的には温家宝総理に一太刀浴びせることを目的とした行為でしょうが、中国の「近世的(=前近代的)部分」がまともに露見した一件と言えます。


今後、駐日中国大使等を狙う日本人が出てくるかも知れませんが、それは一種の政治的主張ですから犯行に及んだ後は逃げ隠れしないでしょうし、それで日中関係が動揺したり日本政府が緊張したりするのとは別の話です。

そんな輩は日本の恥だと言う意見が大勢を占めるでしょうが、それが今のヨレヨレ民主党政権に止めを刺すことになる筈は無いですし、日中間も粛々と処理することになると思われます。

この点から中国は違いまして、国家(政府)に恥をかかせる、外交面で少々ながら窮地を陥らせる、換言すれば国益を損なうことを好ましくないと考える中国人は意外と少ない、「国益を損なっても私益優先」と言う見方が罷り通る社会と認識せざるを得ません。

これをやられると成り立たないのが「近代」で、その成立要件は多々ありますが、「公>私」も近代の特徴の一つで、個人に対する公権力の絶対的優越が無ければ、それは「近代国家」ではありません。

今回の「襲撃犯」が逃走しているのは、「逃げる方が少しでも現政権に打撃を与えることが出来る、各地の反中央勢力が勢い付く」と確信しているからで、胡錦濤政権はそう言った「私闘」を繰り返しながら時間を費やしていたかと思うと、それでも「近代の扉」を叩くべく試行錯誤していた事実に思いを馳せると、言葉に出来ない思いがこみ上げてきます。


来日中国人観光客の数が20万人を突破(7月)した由ですが、昨今の景気減速で「富裕層」の数は減っているらしく、この層に属する観光客は空路入国し百貨店に直行します。

これに対して最近増えているのが「その一歩乃至二歩手前層」で、航路来日し百貨店にも顔を出しますが、本命は格安ドラッグ・ストアだそうで、そこから浮かんでくるのは中国の医療事情と医薬品の現状で、漸く日本に届く様になった「脱貧困層」の、いじましいまでの自己防衛策です。

それにしても、民主党政権と言うのは中国にとっても「厄災」以外の何物でもありませんでした、「日中戦略的互恵関係」、五分の杯だけど日本よりも格下と認めその真髄を学ぶ時間を浪費したのですから。

(続く)

by 4kokintou | 2012-08-28 00:11
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