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北京の大気汚染の様子を観ていると、その汚染源の住民や企業は首都がどうなろうと全く意に介していないことが分かります。
北京だって偉そうに言えた義理ではなく、自分達の飲料水を確保するために、周辺の水源から強引に上水を引っ張ってきています。 愚考するに、アフガニスタンに国境があると考える方が間違っている訳で、まずは地図から国境線を消し、次に隣接する部族や民族、それに宗教は宗派で色分けし、最後にこの地域の均衡を保つにはと考えると、やっと浮かび上がるのが国境線と理解した方が実情に近いと思われます。 当たり前なのに見落とされがちなことは「アフガニスタンには産業がない」、この点では熱帯雨林や砂漠と同じなのですが、「力の空白」を許す様な許さない様な不明瞭さが、アフガニスタンには存在します。 例えば旧ソ連の首脳は、アフガニスタンを占領すればインドやパキスタン、それにイランと言った周辺国は縮み上がり、それがひいては米国の軍事戦略に衝撃を与えると言う目算から、アフガニスタン侵攻に踏み切ったのでしょうが、当時のカーター大統領の態度が一変したことは別としても、占領した筈のアフガニスタンで逆包囲状態に陥った旧ソ連軍を観て、周辺国はソ連を見限るに至りました。 オバマ大統領もアフガニスタン撤退を加速させると言明していますが、米国国民からすればこの派兵は勝利なのか敗北なのかはたまた引き分けなのか、解釈に苦しむところではないでしょうか。 カイバル峠と言えば古来より地政学的意味が大きい場所ですが、むしろ経済学的な分水嶺としての意味の方が大きく、その証拠にパキスタンから東は人口が稠密なのに対し、そこから西はペルシャ民族の居住地を除いて人口が希薄、つまり東側は「人口を養うだけの産業がある」のに対し、西側は「それだけの産業がない」と言えます。 ただ、中央アジアと中東は石油の宝庫ですから、インド洋全体の監視を怠ることは許されず、その役割を担っているのがディエゴ・ガルシア島、英領ですが島全体が米海軍基地と言う結構微妙な「インド洋の目を腕」です。 開通した石油版「ビルマ・ルート」の稼動が本格化する時期は存じ上げませんが、現段階でイラン産の原油を購入するのは自殺行為ですし、アフリカ産の石油を受け入れるのは政敵に塩を送る様なもの、サウジを初めとする中近東から輸入すると考えるのが妥当と思われます。 そのミャンマーの港湾に中国海軍の艦船が常駐しているかどうかも不勉強ですが、どれだけ海軍を増強しても無意味です、米国海軍に「瞬殺」されますから。 「陸軍(領土)無き所の海軍に存在意義なし」で、ミャンマー陸軍がパイプラインと中国艦船を死守すると言う想定は、最早お笑いの域に達していると思われます。 とするとインド洋をを巡る原油については、搬出元も搬入先もまずは米国(=国家権力とは限らないところが米国らしいと言えばらしい)、それからインドに仁義を切っておかないと大変なことになる訳で、日本は米国の子分ですから、日本国籍の船舶に手を出すことは米国と事を構えることに等しいですから、日本の船舶の安全航行は約束された様なものですが、中国は違うと言うか、突き詰めれば共産主義国ですから「敵」です。 日本は米国の国益に貢献する限りにおいて、米国から牽制される筈はありませんが、中国も(おそらくサウジも)予め話を付けておかないと、海上で寸断されたら終わりです。 それにしてもこの海上石油搬送路を繋いだ米国は策士ですね、目の前に両国のアキレス腱をさらけ出させた訳ですから。 (続く)
by 4kokintou
| 2013-01-14 23:25
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