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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

ムッソリーニ

イタリアが世界を驚かしたのは、ムッソリーニのローマ進軍以来ではないかと思ってしまいますが、毎度お騒がせな中国は、何時まで眺めても飽きません。

韓国の朴槿恵大統領の就任式には団派の劉延東国務委員(ヒラの政治局員)を派遣、その頃、習近平総書記はあの台湾の連戦氏と会談、使い道の無い爺さんを北京に呼び寄せて何をしたいのかは不明です。

それから韓国の窓口が劉延東女史ならば、日米の窓口が政治局常務委員の王岐山氏ですので、この推測通りならば中国は韓国を日米よりも格下にみていることになります。


「個人が外交の窓口」と言うのは中国に限らず、意外と一般的なのですが、中国はそれが余りに顕著で、観ている方はその「窓口争奪戦」に辟易してしまいます。

格好の例が総書記殿の初の外遊先がロシアに決まったこと、ロシアは当初、呉邦国全人代委員長(前政治局常務委員)の「縄張り」でしたが、温家宝総理(同左)が奪取して今に至っていると言うのが小誌見解、このままで行けばロシアの窓口は温家宝氏から李克強次期総理大臣に譲ることになりますが、ベトナムからミャンマーまでの窓口を団派に奪われ、おそらく窓口が無い状態の習総書記としては「新規開拓」に乗り出さざるを得ないのではないかと思われます。

これをみても総書記の非力ぶりがうかがえますが、今の中国は利権の争奪戦をやっている余裕はありません。


小誌が折に触れて紹介しています宮崎市定京大名誉教授の師に矢野仁一氏(こちらも同左)がおられ、この方の著書を読んでいると中国は全く変わっていないことが分かります。

西洋各国が中国との交易を求めて拠点を築いたのは、明末清初の辺りまで遡るそうで、英国も舟山諸島に進出したのですが結局引き揚げています。

理由はと言うと現地官僚が難癖をつけて袖の下を求めてくる、江戸時代の長崎奉行もオランダ相手に結構えげつないことをしていたそうですが、それが可愛く見えるほど中国の現地要人は貪欲で、それだけで採算が取れなくなるから引き揚げざるを得なくなりました。

一説によると1820年時点の中国のGDPは世界全体の3分の1、阿片戦争が1840年ですから中国の繁栄も峠を越えた感のある時期ですが、逆に言えば明末清初からその少し前まで中国はまさに高度成長期に真っ只中にあり、確かこの間に人口も2億から6億に増えています。

ただこれはあくまで「近世的繁栄の極致」であって「近代」とは無縁の発展で、近代国家=列強と本格的に邂逅した1840年を境に中国の先行きは暗転しますが、歴史から全く学ばないから同じことを繰り返しています。

今まで利益が出るから我慢してきた外資も、日本が先鞭を付ける形で腰が引けつつあるのをみて、採算が取れないからと中国での事業展開を縮小又は撤退するのは間違いないでしょう。

無用な費用を外資系合弁企業に強いないこと、これが喫緊の課題だと言う認識が習総書記にはないと思われます。

半端でないしっぺ返しを喰らうことになりますが。

(続く)

by 4kokintou | 2013-02-27 00:12
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