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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

祝! 習近平総書記、国家主席就任

本日(3月14日)付にて国家主席に就任されたとの由、日経なんて「全権掌握」なんて持ち上げているのですから大したものです。

その習国家主席が率いる「偉大なる中華民族」国家たる中国で、3,000匹だか6,000匹だか知りませんが豚の死骸が川上から流れてきたそうで、意想外のことをやってのける点ではやはり中国は「大国」です。

何事にも規模が一桁小さい日本ですが、仮に300匹の豚の骸を河川に捨てる段階で、誰かに見つかってしまいますし、少なくとも事が露見した段階で事件の全貌が判明するものですし、死んだ豚を河川に投棄して良いかどうかは日本でも中国でも法的に規定がある筈、法治国家で尚且つ禁止法令があるのであれば、言い換えれば日本であれば豚を流した個人や法人が罪に問われます。

ところが中国では誰の仕業か公にならない、おそらく公然の秘密なのでしょうけれど伝わってきません。

法律に抵触するような行為でも、首謀者が有力者であればお咎めなし、名前が報道もされないことに中国国民も不感症になっている現実に危惧を感じざるを得ません。


全人代では鉄道省解体を巡っての攻防が山場を迎えている模様で、日経は中国の新指導部が主導権を握って推し進めているかのような印象を与えかねない記事を掲載していますが、これは温家宝(前)総理の最後の大仕事とでも言うべき改革で、新指導部は既得権益擁護派が多いですから骨抜きを図るのに必死です。

一方で海洋諸部門は「国家海洋局の中国海警」に統合、勝手気ままに尖閣諸島へ出入りすることを抑え込む方向で温「長老」は動いています。

鉄道省は関東軍みたいな部分もあれば、中国陸軍の利権的な部分もある巨大な組織で、海洋部門も当然海軍が一枚噛んでいるのですが、中国は何事に就けても「組織としての上下関係」よりも「個人的繋がり」が優先されますので、どこの海洋部門は海軍の誰の意向を受けて動くといった具合で、お上の思惑が一致しない限り統一行動を執ることが出来ません。(唯一の例外が「反日」、これだってバラバラ)


中国の自動車保有台数が1.2億台に達し、僅か5年で倍増したことを報道機関は伝えていますが、首都の主要交通機関が自転車だった時期はそんなに過去ではないですし、ましてや文化大革命真っ盛りの頃は自転車の数すら少なく、下手に自転車なんて乗っていればブルジョアの烙印を押されかねなかったのですから、中国も表面上は「近代化」したものです。

一方で2月の消費者物価指数の伸び率は3.2%、北京に限れば4.6%に達し、加えて不動産価格が急騰しているのはご承知の通りです。

物価について新指導部はやはりアクセルとブレーキを同時に踏む考えで、日銀がジャブジャブと垂れ流すジャパン・マネーが中国に流入しているとの噂もありますが、それを考慮に入れなくとも遊休設備の再稼動を進める一方で(当然資金需要が発生します)、土地については締め付けを強化しても効果は期待出来ません。

習新体制、その船出から相当危なっかしく思えるのですが如何でしょうか。

(続く)

by 4kokintou | 2013-03-14 22:14
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