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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

ミャンマー事変

先日、ミャンマー軍司令官が習近平国家主席を表敬訪問、そのお互いの余りのよそおしさに国家主席殿の器の大きさがうかがえましたが、ミャンマーとしては筋を通したと言うことで、遅くとも11月までに少数民族と停戦合意と首脳が発言、前後してテイン・セイン大統領が2015年の大統領選挙には再出馬しないと明言、この大統領選挙にスー・チー女史も出馬に意欲を示していますが、夫が英国籍の女史を国家元首に迎えるには、再び英国の影響下に甘んずるか、英国と縁を切るかのいすれかを選択する選択する必要があります。

その習国家主席、「周辺外交活動座談会」なるものに出席、座談会と言っても政治局常務委員全員と軍幹部が参加し2日間に亘って催された行事で、国家主席殿も発言されていますが主宰者は李克強総理、内外の報道機関は議題を絞った今回の座談会を「異例」と評していますが、政軍の最高幹部が終結した会議を国家主席兼党総書記の習近平氏が主宰しないことこそ異例中の異例、序列に厳しいお国柄ですから「序列首位を差し置いて二位の人物が会議を主宰し、それに他の政治局常務委員や軍最高幹部も異議を挟まない」と言うことは、控え目に言っても李総理が実質序列首位で習主席は総理の言動に口出しできない、もっと言えば背後の胡錦濤「長老」に手も足も出ないばかりか、周りの政治局常務委員や軍幹部も籠絡されていることが分かります。

ここまで非常識なことをして無理を通してきたことのツケが回ってくるかもしれません。


わざわざ湖南省まで出向いて現地大手国有企業の不正を暴いた挙句に、同省長沙市の公安当局に拘束された広東省系新聞記者が、報酬と資料を貰って記事を書いたと「白状」、でも報酬も資料も出所が不明と言うのですから、湖南省側が無理矢理言わせたと解釈して間違いなさそうです。

湖南省としても「無傷で」返す訳には行かない、広東省側は現地に送った以上、記者が拘束されて「白状」するのは百も承知、中国中央テレビが記者の謝罪の現場を放送したと言いますから、今度はこのテレビ局が「炎上」するのではないかと思われます。


お隣の韓国では日本客相手の旅行代理店に閑古鳥が鳴く有り様、日本に依存しながら日本に毒づくことを国是としているお国ですから、確かに日本からの客が減っては大変と言うことでそれらの代理店に政府が緊急融資、財閥には常時同じ手法を用いているでしょうから、その点は抜かりないでしょうが、根底には韓国系企業の体力そのものの低下があるのではないかと思われます。

日本人観光客が25%減れば一大事ですが、それで政府が乗り出すのも考え物で、民間の取引金融機関に任せれば良い筈ですが、思いの外金融制度が「前近代的」な韓国では、民間の流動性が尽きつつあるのではないかと推測されます。

その韓国、相変わらず大統領と財閥(+官僚)の軋轢が激しく、今回の舞台は検察庁、財閥の意を汲んだ検察官が昨年の大統領選挙時の朴候補(当時)の不正を調査しようとしたところ、大統領側がその検察官の更迭、例によって暴露合戦に発展している模様です。

仕方ないですね、「食うか食われるか」ですから。


相手に「頭を下げる」、これは結構辛い話で、唐までは「貴族社会」、貴族社会の拠り所は「家格」と「系図」、唐の時代ですら王室なんて糞喰らえと思っている貴族は数多く存在し、唐の昭帝がある貴族に子弟同士の結婚を持ちかけたところ、「唐王朝は家格が低すぎるし、歴史が短すぎるし、遡って出自が卑しい(多分、武川鎮の雑胡)」とに理由でにべもなく断れています。

つまり政治は勝手にするが良い、でもそれは我々貴族の既得権益を侵さない限りにおいてと言うのが当時の貴族の総意だったと考えられます。

では北宋に至り趙氏が天下を握って、あの中国人が素直に頭を下げるのか、趙氏だって「馬の骨」ですから、「頭を下げる」には余程の我慢が必要ですし、それを続ける何らかの理由が無ければなりません。

貴族が滅びたのもその辺りにあると睨んでいます。(この点については稿を改めます)

(続く)

by 4kokintou | 2013-10-27 17:37
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