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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

知的頽廃の成れの果て

歴史は1840年の阿片戦争勃発を以って中国「近代」の始まりとしていますが、そうではなくこの歴史的事件により「近世型大帝国」清朝(=大清)が没落の第一歩を踏み出すと共に、「近世」から「近代」へと飛躍するのに失敗し、むしろ文明の退化をその特徴とする「退世」に突入してしまい、その「退世」は文化大革命の終焉後も続いて今に至っています。

結局、1840年は西欧近代列強との「文明の衝突」が始まった時であって、決して「近代」に手が届いた訳ではなく、「破竹の勢い」の経済発展の現状も所詮は槿花一朝の夢、しかもその夢物語は、選りによってあの日本に頭を下げ、或いは真似をして初めて現実のものとなったのですから、中国人の伝統的感覚からすれば溜まったものではありません。

知的頽廃でも知的退化でも結構ですが、その最大の特徴は幼稚化(幼児化)、何処の国でも子供は同じで、我儘は言うわ、駄々をこねるわ、大声を張り上げて相手を威嚇するわ、約束は平気で破るわで、全くもって中国の「退世」終幕の兆しは見えて参りません。

ですから次の様な記事を目にすると頭が痛くなり、挙句に「嗚呼、已んぬる哉」と天を仰いでしまいます。

「中央紀律検査委、春節の花火や爆竹の公費購入・贈呈厳禁」(人民網日本語版)

今までは公費で花火や爆竹を購入しても何のお咎めもなかったことを、この報道を教えてくれています。

日本では国であろうが地方であろうが公的機関が花火や爆竹を購入するとすれば、必ず法的根拠が必要となりますが、これこそが法治国家の「いろは」、中国でそれに相当する法律が存在するかどうかは存じませんが、何が哀しくて党中央のしかも紀律検査委員会が通達を出さねばならないのか、その通達は党支部に限られるのか、それとも国務院及び地方政府に対する拘束力があるのか、「曖昧」は法治国家の最も嫌うところですが、致し方ありません、「退世」なんですから。

今回、中国が設定した防空識別圏なるものも、上海閥が勝手に設定したか、習近平国家主席の(事後)承諾乃至は暗黙の了解を得て実行したことと推測され、逆に言えば上海閥に連なる人脈は、日本が挑発に乗ってくれねば起死回生の一手が打てないほどに追い込まれているとみて差し支えなさそうです。

ロシアの都市サンクトペテルブルグで開催された「中国観光年」に閉幕式で汪洋国務院副総理(党政治局員)が式辞を述べたとの由、これで汪洋政治局員が窓口として担当する国は、少なくとも日米露であることが判明、汪道涵海峡両岸関係協会会長を叔父に持つ一方で、団派傍流(党中央共青団書記経験者を「団派本流」とするのに対し、地方共青団出身者を「団派傍流」と呼んでいます)ながら、胡錦濤「長老」陣営が総力を結集して引き立てている人物です。

2年後の党大会ではまず確実に、王滬寧党中央政策研究所主任と共に政治局常務委員会入りしていると思われます。

ただ、Wikiでは若い時に苦労したみたいな記述がありますが、1955年生まれで1975年入党ですから「広義の太子党」です、でも習近平国家主席と同様に「若い時に辛酸を嘗めた」ことにしなければ説得力が無いと言うのが小誌の推測です。


その習国家主席が党総書記に就任して1年が経ちましたが、下降気味だった地価を押し上げて前年同期比20%の上昇率を記録させたことだけで、北京の地価は東京と同水準に達しているそうです。(生活水準は五分の一)

遠からず「中国型」不動産バブルも弾けますが、これも「主犯」はおそらく上海閥、最期の足掻きと見做しています。

ですから海外進出は、不正蓄財を海外に逃すことが目的で、上海汽車集団(本社は勿論上海)がタイの財閥で、潮州(広東省)系華僑の謝国民氏を総帥に戴くチャロン・ポカパン(CP)と提携して同国に進出するのも、党(中堅)幹部の不正蓄財を合法的に海外逃避させるための手段と考えるのが妥当です。

日本人は朝野を問わず祖国を離れたがらないのに対し、中国人の場合は家族を海外に住まわせ、自分だけは残る事例が多いと仄聞しますが、しこたま儲けたのなら自分も逃亡を図れば良いと思うのですが、要は「国土をしゃぶり尽くす」つもりなのでしょう。

残念ながら、それをやっている限り中国に近代は訪れません。

(続く)

by 4kokintou | 2013-11-25 23:23
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