現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou
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承前 ~習近平氏が国家主席(兼党総書記)になれた理由~

本題に入る前に少し朝鮮半島情勢に触れますと、砲弾の撃ち合いをしたかと思えば、9月にソウルで開催されるアジア競技会への参加を北朝鮮が発表、何故この時期に軍事的緊張を高め、何故この時期に現政権に有利な材料(大会参加表明)を提供するのか、答は簡単、6月4日に韓国で実施される統一地方選挙で、朴槿恵大統領率いる与党に勝って貰いたいから、要は南(朴大統領)と北(金正恩第一書記)は「出来ています」。

統一地方選挙を何処まで重要視するかも問題ですが、与党のソウル市長候補が現代自動車財閥の総帥である鄭夢九氏であることには留意しておいた方が良さそうです。

現代財閥の創業者一族の仲が悪いのは、創業者の死後に財閥が四集団に分裂したことからも明らか、「反財閥」を標榜する朴大統領が敢えて鄭夢九氏を市長候補に担ぎ上げたのは、ただでさえ脆いこの一族の結束に楔を打ち込むのが目的です。

ですから財閥解体が進めば鄭夢九氏は用済み、ソウル市長だから率いる財閥の資金繰りは面倒みてくれるなんて思っていたとすれば甘過ぎますし、それどころか脱税か汚職辺りで葬られる可能性もなくはありません。

朴槿恵大統領はその程度のことを平気でやってのける冷血漢、唯一の望みが「父親の名誉回復」ですから、それを阻止する勢力は断固排除する、これら大統領の信念です。

従って「反日」なんて優先順位が低く、敵対勢力に付け入る隙を見せないための政治的擬装と考えるのが最も妥当と思われます。

習近平国家主席の周辺に碌な人材がいないことは、その朴大統領との会談の際に「安重根記念館の建設を指示したのは他ならぬ私」と公言したり、ご丁寧にも「縄張り」の陝西省に「韓国光復軍記念石碑」を建立したりしていますが、日本人の感情を逆撫でする一方、朴大統領からすれば有難迷惑でしかなく、日本の世論が大統領に対して一層いきり立つだけ損と言うものです。

上述の言動だけでも、習国家主席の政治的感覚の無さが分かりますが、東(尖閣諸島、日本と対立)、南(南シナ海、ベトナムと一触即発)、西(新疆ウイグル自治区の憎悪の連鎖)と三方同時に事を荒立てる心理が理解出来ません。

もっとも、習主席が確固たる政権基盤を構築出来ていないとしたら話は簡単で、あちらこちらで承諾を得ずに手柄欲しさに事を構えているとすれば辻褄が合うのですが、それでも政治的力量の無さは歴然としています。

ですから余計に、これだけ凡庸な人物が権力の頂点に登りつめ得たのか、そこが疑問で、八大元老(八老)の子息でも必ずしも政界で出世街道をまっしぐらとは行きません。

「八老」とは鄧小平、陳雲、彭真、楊尚昆、薄一波、李先念、王震、鄧穎超、後に補充する格好で宋任窮、万里、そして習仲勲が加わっています。(例によってWiki丸パクリ)

この内、鄧穎超(周恩来夫人)の養子の李鵬が政治局常務委員(兼国務院総理)に、薄一波の息子(薄熙来)が政治局員(常務委員になる一歩手前で失脚)に至っていますが、両者共に人気が無く、政治的手腕は習近平氏と似たり寄ったりでしょう。

とすると「中国共産党的に血筋が良い」のは当然としても必要条件に過ぎず、何か別の決定的要因があると思われます。

「軍閥の合従連衡」ではないかと、こう考える次第です。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-05-25 00:48
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