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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

奇々怪々

先日、李克強総理(政治局常務委員)が訪英した際、エリザベス女王との面会を英国側に強請したとか、結局バッキンガム宮殿ではなくウィンザー城で拝謁は実現したのですが、目立たぬ事件かも知れませんが、中国を裏で操っていたのが英国であれば、今回の一件はまさに画期的と言えます。

その前に想起すべきは、今回の面会劇には前例がありまして、相手国の国家元首に予約を入れずに面会をねじ込んだ人物と言えば副国家主席時代の習近平氏、その先例に倣ったとも言えますし、一種の意趣返しであったとも考えられます。

折に触れて「親オバマ勢力」、「反オバマ陣営」と言った表現を使わせて頂いていますが、前者の領袖は表向きこそオバマ大統領ですが、「本当の黒幕」は英国王室ではないかと言うのが、かねてからの小誌推測で、それを裏付けるかの様に、オバマ大統領が打ち出す政策や決断は、全て米国の国力を弱体化させるか、その権威を失墜させる性質を持つものばかりです。

共産主義中国だって、大英帝国のお膳立てが無ければ、「米帝の傀儡」蒋介石率いる国民党に蹴散らされていた筈、毛沢東が中華人民共和国の建国を宣言したまさにその日、英国は中華民国と断交し共産主義中国を国家として承認したのですから、英国の思惑がどの辺にあったのか、贅言を要しないでしょう。

中国側も革命を声高に叫ぶ連中ほど、実は親英的な場合が多く、香港上海銀行の上海支店は、上海が革命派の牙城であるにもかかわらず営業停止に追い込まれたことは一度もなく、香港支店も香港返還以降、一度たりとも同様に危機に直面したことはありません。

英国(王室)は中国を、現地の子分を使って食い物にする対象としか思っていないでしょうし、その子分の流れを汲むのが現職国家主席の習近平氏、対して「反英愛国的」なのが胡錦濤「長老」とその周辺、各々の源をたどれば毛沢東と陳独秀に遡ります。

今に至るまでの共産主義中国は、「親英革命的」分子と「反英愛国的」分子の権力闘争と言っても過言ではなく、反英派は親英派に苦杯を嘗めさせられてきましたから、その黒幕の英国王室に直談判することなど夢のまた夢でした。

それが今、国務院総理と言う肩書を携えながらとは言え、反英派の中心人物の一人が老いたる英国女王に面会を無理強いする、隔世の感とはこのことを言うのでしょうか、英国も受け入れざるを得ないほど親英派が衰弱していることを認めざるを得なかったと思われます。


前党中央弁公庁主任で、息子の不始末(超高級車を超速度超過で乗り回した挙句に事故死)が祟り、現在は同統一戦線工作部長に左遷されている令計劃氏(中央委員)の身辺にも、「鬼の王岐山(政治局常務委員)」率いる党中央紀律検査委員会の追及の手が及んでいるそうです。

同氏の兄と山西省副省長が「重大な規律違反=例によって汚職」容疑が取調べを受けているそうですが、留意すべきは令計劃氏を含め、三人全員が山西省出身者だと言うこと、そして何より忘れてはならないのは、同省は石炭を初めとする鉱物資源が豊富な場所で、「天然資源利権」が存在すること、それを山分けしている一人が、李鵬元総理の息子で李小鵬氏だと言うことです。

令計劃中央委員が在籍していた弁公庁主任は、党総書記の秘書室長とでも呼ぶべき役職、この人物は確かに団派で、党中央の共青団に属していましたが、傍流ではないにしても「団派本流」と言いかねる人物、要は「中国共産主義青年団中央書記処書記」にはなれず、宣伝部長止まり、キャリア官僚ではあるが三番手程度と言えば分かり易いでしょうか。

推測ながら、息子がフェラーリを乗り回していた時点で、胡錦濤「長老」は令計劃氏を見限っていたのではないか、「長老」はこの種の奢侈が大嫌いですし、「身内」であっても役立たずはお払い箱にする人物ですから、その点では冷徹です。

今回の最終標的は、そうなると李小鵬山西省省長(副党書記)と言う結論になります。

(続く)

by 4kokintou | 2014-06-21 18:43
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