現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou
お気に入りブログ
真説「春秋」
真説「論語」
真説「孔子」
現代の超克
記事ランキング
以前の記事
その他のジャンル

序章

どうやら「鬼の王岐山」率いる党中央紀律検査委員会の追及の手は、「政治局常務委員経験者({長老」、中国では「元老」が一般的な様子)にまで及びつつあり、周永康元党中央政法委書記も、その網に絡め取られつつある模様です。

薄熙来氏の失脚で、「現職の政治局員」は汚職捜査の聖域でなくなり、今回の周永康氏粛清劇で「長老」も安全地帯ではなくなりました。

いずれ「現職の政治局常務委員」も摘発の対象になると思われますが、まず「現職の政治局員」で「重大な規律違反」を理由に、党中央紀律検査委員会のお世話になりかねない人物は存在するかと問われれば、小誌の回答はイエスです。


18名の「ヒラ」政治局員の中で、軍人枠の3名はこれで一丁上がり(鄧小平を軍人とみるか背広組とみるかは判断が難しいですが、林彪で軍人は懲り懲りと言うのが一般的な中国人の感覚でしょう、だから軍人は政治局員止まり)、従ってこの3名(馬凱、許其亮、範長竜)は対象外です。

それから団派か胡錦濤「長老」の思想に共鳴している人間集団(9名)も、追い詰める側であって追及される側でないので除外、とすると残るは孫春蘭天津市党書記、孫政才重慶市党書記、李建国中華全国総工会主席、孟建柱党中央政法委員会書記、趙楽際党中央組織部部長(中央書記処書記)、栗戦書党中央弁公庁主任の六名です。

この内、グーグルで天津と入力してスペースを押すと「破綻」と出て来る天津市は、その情報の中身を信じるならば実質的破産状態にあり、直轄市政府を財政破綻させれば出世の目はありませんし、そう言った人物に限って脇が甘いから汚職で摘発されやすいです、「遼寧、大連閥」に属しているのも致命的です。

ですが党中央政法委員会を握る孟建柱、同じく組織部部長の座にある趙楽際両氏の方が標的となりやすい、何故なら公安を掌握する党中央政法委員会を、胡錦濤「長老」陣営は目の仇にしていますし、党人事を把握する組織部は是が非でも抑えておきたい部署です。

特に趙楽際政治局員は、青海省の政治ボスであると同時に、その後は陝西省(習近平国家主席の地盤)で箔を付けてから中央入りしていることを踏まえると、習主席に近い人物、狙い撃ちされても不思議ではありません。


次に「長老(元老)」、すなわち「政治局常務委員か政治局員を最後に党中央から勇退した人間集団」ですが、記憶違いでなければ現在の最年長は宋平氏、ただここも今回の一件で無風ではいられなくなりました。

党中央紀律検査委員会が「重大な規律違反」で取り調べるとすれば、それは李長春元党中央精神文明建設指導委員会主任(元政治局常務委員)、それに李鵬元総理です。

精神文明建設指導委員会は宣伝を含めた思想統制がその職務、イデオロギー面で政敵を糾弾出来る立場にあります。

しかも李長春氏は「遼寧、大連閥」の領袖的存在ですし、「親江沢民、反胡錦濤、反温家宝」的姿勢も今となっては仇です。

李鵬元総理は電力を初めとする工業関連の利権を握る人物ですし、胡錦濤「長老」陣営の周恩来に対する冷ややかな評価を考えれば、その既得権益の少なからぬ部分を継承した李鵬氏は許し難い存在です。

最後に「現職の政治局常務委員」で粛清対象となり得るのは劉雲山氏、「党中央書記処常務書記、党中央精神文明建設指導委員会主任」と言う肩書と、習主席べったりの姿勢が全てを物語っています。

それでは「現職国家主席」習近平氏と、「国家主席級長老」江沢民氏はどうなるのか、実は中国共産党の歴史が既にその答を出していますが、それについては、習主席と胡「長老」の関係を含めて、稿を改めて解説したいと思います。

(続く)
[PR]

by 4kokintou | 2014-07-30 22:19
<< 承前 ~粘着質と言う致命的弱点~ 雑感ですらあるかどうか >>