現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou
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中国式外交

その国家が肥大化し過ぎて、度を越して非効率かどうかを判断する適当な指針が、「副」です。

そして中国は、国務院も、国家を領導する筈の中国共産党も、上は中央から下は市町村単位に至るまで、肩書に「副」が付く人物が無数に存在します。

ですから国務院副総理は複数(張高麗、劉延東、汪洋、馬凱の四名)存在しますが、これが所属する派閥の意を汲んでバラバラに動くから、馬鹿正直に追跡しているとなんだか幻惑されてしまいます。

団派の汪洋副総理は、訪中した日本経済界要人と会談、本当かどうか知りませんが、日本側は習近平国家主席か李克強総理との面談を希望していたそうだが、官尊民卑の中国からすれば、余程の懇意でなければ格違いですから面会は叶いません。

それより、全く正反対の陣営に属するいずれかと会いたいと言う神経が分からない、報道を信じる限りの話ですが。

おそらく最初から、話し合いの相手は汪洋副総理で決まっていたと思われます。

習近平国家主席云々は、相手の面子を潰さないための一種の煙幕、汪副総理との話の内容は、団派の元締め胡錦濤「長老」の所まで上がって来ることになります。

換言すれば、日本の経済界は「長老」陣営に賭けている、習国家主席やその周辺とは遣り取りをしても無駄と判断していることが伺えます。

日本が「長老」側に肩入れしている動かぬ証拠が例の「上海自由貿易試験区」、「経済特区」が従来の既得権益層の金の卵を産む鶏なら、「試験区」は団派を中心とする「長老」陣営肝煎りの縄張り、その「試験区」に登録した日本企業が78社に達しています。

上海の守旧派からすれば、日系企業が「試験区」に殺到すればするほど旨みが減る訳で、と言って「特区」も「試験区」も国家公認ですから、登録を理由に因縁をつけることも出来ません。

その「試験区」を「長老」陣営は全国に、特に「特区」が既に存在する都市には漏れなく併設する腹積もりですから、守旧派既得権益層の焦燥は察するに余りあり、習近平国家主席の特使の肩書で国連の会議に出席した張高麗筆頭副総理(政治局常務委員)が、間接的に日本の動向を牽制しているのは、これ以上「試験区」に進出して貰いたくないと言う守旧派の意思表示です。

ですが困ったことに、理財商品の販売額の激減が示す通り、中央銀行を含めて国務院は李克強総理(政治局常務委員)が完璧に掌握していますから、締め上げられる一方で反撃の糸口さえ見い出せません。

資金繰りに困ったからアリババをニューヨークで新規上場させた、おそらく習国家主席以下の守旧派要人(とオバマ米国大統領陣営)は子弟名義で未公開株を事前に受け取っていたと推測されますが、白昼堂々の汚職行為が党中央紀律検査委員会の捜査の網に引っ掛かる訳がありません。

中国系金融機関が今年第二四半期の段階で、「隠れ不良債権」を表に出すことを余儀なくされている現実も踏まえますと、アリババ上場は錬金術と言うよりむしろ窮余の策、罠に嵌っていることを理解しているかどうかは不明ですが、それ以外に当座をしのぐ術がないものと推測されます。


話は変わりますが、インドシナ諸国(ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ)とミャンマーの、かつての中国側窓口は、当時の習近平副国家主席でしたが、それを国家主席就任の少し前に強引に奪ったのが「長老」陣営でした。

と言う訳で面子もあって、習主席はこれらの国々に戻ってくる様にあの手この手で工作していますが、ベトナムに対し同国共産党序列第一位(書記長)を呼び付けたところ、ベトナム側は代理の全権大使を派遣してきました。

習近平主席が剛腕かどうか、説明の必要のない一件と思われます。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-09-27 16:29
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