現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou
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蹇蹇録再考

習近平と言う人物は相当な臆病者らしく、日経によると外出する際、先に待機させておいた数百人の護衛を、現地到着5分前になって一斉に取り換えるらしいです。

汚職摘発で自分だけ免罪符を貰ったばかりに、そしてその手柄を独り占めしたばかりに、「落馬(=失脚の隠語だそうで)」した党員の恨みを買っています。

その習国家主席の肝煎りで始まったアジアインフラ投資銀行(AIIB)ですが、「黒幕」英国が旗振り役を務めたこともあって、ロシアやサウジアラビアも含め、参加国は40か国を超える見通しにあります。

本来なら米国(オバマ政権)が先導役を務めねばならず、締切は今月末ですのでどさくさ紛れの参加表明の可能性も否定出来ませんが、敢えて強行すれば大統領の弾劾に繋がる惧れがあり、身動きが取れないから英国が代役を務めたのでしょう。

AIIB構想の真意は、資金繰りに行き詰っている中国系国有企業の当座の運転資金集め、ですから日本にとって不参加が正解(阿呆、いえ麻生財務相は乗りかけましたが)、ただ面白いのは北朝鮮も参加しない意向、と言いますか、最初から招待されていないのではないかと思われます。

建前上は唯一の軍事同盟国なのですから、邪険に扱えば両国に軋轢が生じていることが表面化しますので、実際は仲違いしていても、何が何でも取り込まねばならないのですが、その辺りの得失を習近平主席は勘案出来ない、好き嫌いと言った感情が優先する性格の人物です。

今に北朝鮮から強烈なしっぺ返しを喰らうことになります。


日清戦争が勃発した時点で、日本政府は英仏に等分して軍船の建造を依頼していたそうです。

この数字が、日本への受け渡し分だけを指すのか、受注残を加えたものを意味するのか、受注残だけを計算しているのかは不明ですが、両国にとって日本は結構な上得意客であったことは想像に難くありません。

この戦争において、日本にとって最も危険な瞬間と言えば、「高陞号事件」を挙げねばなりません。

清軍の兵士を満載して朝鮮半島に向かって疾走していたとはいえ、宣戦布告前の段階で実質的に英国籍の商船を撃沈したのですから(仕出かしたのは後の元帥東郷平八郎)、大英帝国は激怒しました。

そこで陸奥宗光外相が英国側と掛け合って事態を収拾したのですが、その際に陸奥は、日本が英国にとって「上得意客」であることを思い出させながら説得に当たったことになっていますが、そんなことで引っ込むほど、史上初の近代列強にして「海の覇者」大英帝国は柔弱ではありません。

陸奥の言い分が真実ならば、英国への発注を減らしてフランスの比率を高めるぞと匂わすことで、英国は矛を収めたことになりますが、それで解決するなら外交は不要です。

実際は半々だった英仏の比率を、実質的に全て英国に振り替えることで手打ちしたのではないか、そう考えれば話の筋が通ります。

何故三国干渉にフランスが乗ったのか、従来通り「上得意客」であるのなら、これ以上の愚策はありませんが、日本が不義理をしたと仮定すれば、フランスとしても意趣返しをする理由は充分にあります。

そしてプロシアは、ヴィルヘルム二世とロシアのニコライ二世が、「ウィリー」と「ニッキー」と呼び合う仲、ロシアに肩入れするのは当然です。

おそらく陸奥は、フランスを裏切ったことを墓場まで持って行った、三国干渉を甘受せざるを得ないことは、要求を突き付けられる前から理解していたと考えられます。

己の命を削ってまで日本を護ってくれた陸奥宗光に、心から哀悼の意を表したいと思います。

(続く)
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by 4kokintou | 2015-03-29 22:48
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