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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

江沢民の見方

今、中国は三派閥に分かれているといいます。

「太子党」と「共青団」と「上海閥」です。

勿論、きっちりと分かれている訳ではないので、二重、或いは三重に属している有力者も多々いますが、このことから、次のことが分かります。

「太子党」:「太子」は有力者の子弟のこと。日本で言えば、「二世議員」が近い

「共青団」:「中国共産主義青年団」の略称。エリート中のエリートの集まり。

「上海閥」:言わずと知れたカネの象徴。


すなわち、今の中国は、「毛並みが良くて(=太子党)」、「頭が良くて(=共青団)」、「金がある(=上海閥)」の内、少なくとも2つを押さえる人物しか、指導者になれないのです。

江沢民は、金は有るけれど、叩き上げ組だからエリートではないし、親が日中戦争時の対日協力者であったと言われるほど、毛並みは良くない。

とすると、江沢民は「金」オンリー。鄧小平による大抜擢がなければ、地方のオヤジです。


対する胡錦濤「現」国家主席、「共青団」を束ねているくらいであるから、エリート中のエリートのまたその頭目です。つまり、頭は抜群に良いです。

でも、金はない。これまでは素寒貧でした。

毛並み、家柄も微妙なんですよね。広い意味で言う所の「伯父さん」が、あの胡耀邦、天安門事件で失脚した人物です。

いまだ名誉回復されていませんから、云わばタブーです。


とすると、「金」は江沢民。「頭」は胡錦濤、毛並みは突出した人物なしという状況でした。福田総理訪中までは。

福田総理によって、権力バランスが崩れたのが分かります。

胡錦濤氏は、「頭」+「金」になりつつあります。

(続く)

by 4kokintou | 2008-01-12 20:51
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