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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

「北朝鮮」と「北京権力闘争」と「北宋以前」

今回の「将軍様重態」の件では、専制君主制について色々と勉強させて貰いましたし、自分なりに掘り下げて分析できた感触が得られましたが、そのまた下の根っこの部分、「核心」については、本ブログ左下にひっそりと掲載しております、「お知らせ」欄にあるメルマガ
(登録NO. P0004864の方)に書かせて頂くつもりですので(発行時間はおそらく本日9月13日午後10時ないし12時、水曜と土曜が締め切りなので12までには出します)、最長1ヶ月の「冷やかし期間」もございますれば、ご興味があれば「まぐまぐプレミアム」のご説明をお読みのうえ、ご登録頂ければ幸いです。


宣伝ばかりでは読者に申し訳ないので、少し結論をご紹介しますと、

「それでも金正日総書記は、代理を立てるべきである」

です。


本誌では、将軍様は専制君主であり、後継者候補が複数(それも同母兄弟)存在する以上、代理を立てることは困難と申し上げましたが、それでも代理は必要なのが現下の政治情勢なのです。

詳しくはメルマガにて、済みません。


本題の中国に戻ります。

これが事実であれば、そして実効性を伴った措置ならば、北京(胡錦濤政権側)から上海(江沢民一派)への、水爆クラスの政治的爆弾ではないかと思われます。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=200809/2008090400982
(07年は8600億円相当=資金洗浄摘発-中国)

まず、中国の政府要人、党幹部と言うのは、ほぼ例外なくマネーロンダリング(資金洗浄)してまで、国家や国民からくすねた金を、海外の銀行に預けて隠匿、不正蓄財していることが分かります。

勿論、そんなことする輩は、上海一派と太子党(馬鹿殿軍団)しかいませんから、それらに対する「主要宗族連合政権」による締め上げであることは明白です。

そんでもって、江沢民と馬鹿殿にそんな便宜を図ってきたのは、言わずもがなですが、読者各位ご存知の通り、「ご~るどまん・さっくす」。

この世界的証券会社、もうすぐ世界中で袋叩きに合うでしょうね。

ついでに言えば、米国財務省から日本企業、金融機関に対して、例のファニー・メイ、フレディ・マック関連債権は処分しないで欲しいとの「説明」があった様ですが、説明の主がポールソン長官=、「ご~るどまん・さっくす」の息の掛かった者であれば言うことを聞く必要なしですし、モルガン・スタンレーの特別チームからの説明であれば、国益を優先して断固保持するべきと考えております。


次にこんな記事を発見。

http://www.pekinshuho.com/gjpl/txt/2008-09/09/content_150950.htm
(胡錦涛主席と温家宝首相、朝鮮成立60周年に祝賀電):出展北京週報

何の変哲もなさそうな記事で、単なる儀礼の域を出ない内容と思われますが、次の記事をみると、読み流せなくなります。

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080908AT2M0801U08092008.html
(中国、北朝鮮建国60周年で祝電)出典:日経

その他、産経新聞も同様の記述です。


呉邦国全国人民代表大会委員長の名前が抜けているのです、よりによって現地紙の発表で。

呉邦国氏は党内の序列では胡錦濤国家主席に次ぎ(と言うことは温家宝首相より上位者)、公式の肩書きも「全国人民代表大会委員長」ですから、祝電に名を連ねるのに、何ら遜色のない立場にあります。

にもかかわらず、日本語版とは言え、現地紙で名前が抹消されている。

今も昔も、中国でこんなことしたら、ただでは済みません。


呉邦国氏はロシア関係を仕切っていましたが、先日、ロシアに関して例の王岐山副首相が声明を発表していたので、あれっと思ったことがあったのですが、これはひょっとしてひょっとします。

いまだ政治局内にへばりつく「元老」の掃除が始まったのではないか、そんな推測をしています。

大体、年配の政治局員(常務委員)は、その時期的関係から江沢民氏がトップにいた時代に引き上げられた者が多く、どちらかと言えば江沢民寄りと考えられます。

それにしても、首脳人事にまで手をつける余裕が出てきた現政権、今後の動静が楽しみです。


やります、「北宋以前」。

先週土曜日のご説明で、法家思想は中国主流思想の一角として定着する再三の機会を逃したことは申し述べた通りです。

かいつまんで言いますと

秦の始皇帝:
当時の「中原」の住民、つまり滅ぼされた六国の側からみて、法律は占領地支配の道具に過ぎず、実情に適応させる意思など皆無で、秦の利益が優先された、搾取のための手段にしか過ぎなかった。

曹操:
祖父が宦官と言うことで、宦官の血筋に対する抵抗は上流階級を中心に強く、その人物が強行した「法治」は忌み嫌われた。

諸葛孔明:
人格、頭脳、先見性、家柄等、どれを取っても法家思想を現実に適用、定着させるには最適の人材であったが、居場所が悪く、結局、田舎の政治家で終わらざるを得ず、後継者も無く蜀の国も滅んだため、その思想も自然消滅してしまった。


面白いことに、諸葛孔明は法家的思想の持ち主であったにもかかわらず、庶民に圧倒的な人気を誇っています。

これは、庶民即ち非宗族系中国人にとって、少々厳しい法律でも、一律適用ならば我慢できる、我慢できないのは勝手に法律を作る、法的根拠と言う概念を持たない為政者=宗族集団であることを示しています。

ともかく、中国においては有史以来、どんなに短く見積もっても太平天国の乱以前まで、

「宗族の一員に生まれなければ、一生浮かばれない」

これこそが、中国史を貫く大原則なんですね。


ところで、宗族の側も北宋以前において、左団扇で過ごしてきた訳ではありません。

例えば、秦の統一は、翻って言えば六国の王族、つまり当時の代表的宗族の「根こそぎ殲滅」を意味しました。

楚の元王族が羊飼いでした。漢楚の争いをご存知ならばこの話はお分かりでしょう。

羊飼いは宗族階級の一員のすることではありません。

つまり、始皇帝はその後の「宗族攻防戦」の火蓋を切って落としたことになります。


始皇帝の最大の偉業
「宗族はどんなに歴史が古くとも、どんなに世間から尊敬されていようとも、根絶やしに出来る」

(了)

by 4kokintou | 2008-09-13 17:49
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