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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

上海は例外

巧みな政策、つまり世界的な景気減速に伴う雇用情勢の悪化に備え、予め受け皿を用意しておく(=3中全会で帰農の環境を整える)ことで、(潜在的)失業者の救済を試みる北京(胡錦濤政権)ですが、上海とその周辺(=江沢民とその取り巻き)は例外です。

上海株式市場は総合指数が2,000ポイントを割り込んだままですし、これはむしろ広州の話ですが、企業倒産や経営者の夜逃げ(韓国人が多いらしいです)で従業員が職を失う事例が多発し、一部では暴徒と化しています。

広東省(広州)と言えば、年末年始の豪雪で交通機関が途絶した際、温家宝総理の現地陣頭指揮と省の最高権力者(現地党書記、共青団)の叱咤激励にもかかわらず、現地幹部は江沢民氏の意を汲み、面従腹背を決め込んで中央を困らせました。

ですから北京からすれば、広東省や上海で幾ら江沢民系企業が潰れたとしても、或いは金のなる木であった上海市場が廃れていっても、何ら憂慮する必要もないし、救いの手を差し伸べる理由もありません。

北京が上海とその周辺を支援するのは、中央に対し全面降伏した時に限ります。

上海や広州その他の相手方「地盤」は荒れるに任せ、地方からの出稼ぎ労働者には必要な対策を施すと言うのが、胡錦濤国家主席、温家宝総理を筆頭とする現執行部の腹積もりだと考えられます。

参考までに、中国経済減速を指摘する報道記事を幾つか、下記掲載します。(カッコ内は拙評)

http://www.pekinshuho.com/jj/txt/2008-09/04/content_149082.htm
低迷する不動産市場、忍び寄る外国資本
(忍び寄る外国資本と言うのが、モルガン・スタンレーである点が面白いです。やはりゴールドマン・サックスは中国市場から締め出しを食らいます)

http://j.people.com.cn/94476/94674/6513358.html
国産自動車の生産・販売台数、700万台超 1~9月
(自動車産業も完全に構造不況業種です。当然再編成の対象、江沢民系要人は一掃の運命に)

http://j.people.com.cn/94475/94700/6512178.html
(厳しさ増す中国家電業界、生産・輸出が大幅減)

http://j.people.com.cn/94476/94674/6513105.html
マンションの8割以上が値下がり 北京
(上海ヒルズと言われる森ビルの高層建築物は入居率が悲惨な水準、江沢民と手を結んだことへの天罰)

http://j.people.com.cn/94476/94674/6516819.html
中国造船業が低迷、世界経済の低迷受け
(造船業は中国海軍の「縄張り」ですが、深刻な業績悪化が海軍の手に余りつつあり、そのため江沢民色が薄まりつつあります)


話変わって、麻生太郎総理に対する評価を少しだけ改めます。

今回の「毒入り食品」事件に対して、中国すなわち胡錦濤政権に対して挑発的言辞を弄さず、冷静に対処している点は評価できます。

おそらく福田総理(当時)退陣会見直前の、長時間に及ぶ直接会談で福田氏から諄々と諭されたのではないでしょうか、「日中関係は現状維持を遵守せよ」と。

現段階に至るまで福田政権の対中政策を踏襲している点は素直に見直すべきですが、それと麻生首相が納得、賛同してそうしているのかは別問題で、「江沢民的」部分もある人物ですから、完全に信頼している訳ではありません。

人格、人間性については、取り巻きを含め前回と変わらずの論外。

ただ、それと政策とは別物ですから、その点に限って評価する次第です。

(続く)

by 4kokintou | 2008-10-20 17:04
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