現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou
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中国の統治能力 ~そして「制海権」の概念闘争について~ 所謂「承前」

一体、宿題を幾つ引きずったまま小誌は話を進めているのか、本人ももう何がなんだか分からなくなっているのですが、とりあえず奇跡的に覚えていたことから潰していきます。


その前にまた道草をしてお便りに対する弊意を開陳させて頂きますが、特に印象深かったのは家電分野だけとは言え、中国企業が日本企業に伍して戦っていると言うご指摘の部分で、中国全土に日本の家電企業が進出していますから、此処だけ例外的に互角の勝負になっているとしますと、大連の中国系家電企業は「日本勢の販売手法や顧客嗜好調査のやり方、更にはその根底にある日本人的思考経路を会得しつつある」と推測されます。

それが可能なのは「過去に見聞きしている」からで、とすると満州帝国にたどり着かざるを得ず、最後の瞬間の一歩手前まで満州帝国が平和だったこともあって、「やっぱり日本の時代が良かった」と言う結論になります。

だからと言って勿論、大連(≒中央政府)が日本に媚びた態度を執る必要は全く無く、むしろ現行の日中関係を踏まえると「冷却」させた方が得策、しかも本当に欲しいものこそ要らないふりをするのが「駆け引き」と言うもので、これと「大連は日本への突破口で、渤海市場構想は日本そのものを移植する装置」なのは、仮に後者が正鵠を射ているとしても別の話になります。

それにしても中国人が自らに「皇民化」を課す、心理的にさぞ辛いだろうな、これに耐えられるのなら江沢民との権力闘争なんて国家主席本人にとって精神的にも些事に過ぎないでしょう。


日清戦争は「制海権」に関する米英の概念のいずれが正しいかと言う疑問に決着をつける、20世紀の趨勢を決める重要な戦いでした。

当時の清朝(=大清)は師匠が大英帝国海軍ですので拠点主義(母港)主義、母港の守りを万全にしたうえで機をみて出撃するのですが、英帝海軍は後背地を獲られた経験がありません。

対する日本、母港の護りは同じく鉄壁だとしても、そんなことは二の次、また後背地そのものがない地形ですし、そんなことを云々するのは亡国の段階です。

ですから「見敵必殺」を胸に秘め、兎に角、優先されるのは索敵、索敵は多くの場合、無駄足になりますから、日本海や東シナ海の狭い海域が戦闘区域にしては、航海距離はもの凄く長くなります。

これが出来るのは「最初の師匠」が米海軍だったからで、記憶違いでなければ両方とも多くが英国製、ですから大英帝国は両国の建船思想の違いを理解していた筈です、全ての設計図が揃っていますから。


開戦当初の日英中の共通認識は「清朝海軍(=李鴻章の手持ち海軍)の方が優勢」、ですが結論は日本の圧勝でした。

まず清朝海軍は堅気のサラリーマン宜しく、家(母港)を出れば仕事場(戦場)に向かって、終われば帰宅するか、やむを得ない場合は別の港(親戚宅?)へ移動する。

ですから航行距離は短くしかも直線的です。

対する大日本帝国海軍、「より早く敵を発見」し、「より速く接近及び好位置を先取り」し、「被弾回避のためより複雑な運動をより多く執り」ながら、「より多くの砲弾をより速くより正確に的中させる」ことを使命とする、まあ、夜の街を徘徊するヤクザと同じで、腕力はサラリーマンの方が強いのですが、見つけたが最後、普段からの足腰の鍛えが違いますから追いつかれ、殴り合いになってもヤクザの方が喧嘩慣れしていますからサラリーマンの方が負けます。

それを繰り返している内に体力(艦船)も磨り減ってきますので家に閉じ篭ったら、ヤクザはその家の裏山に上って巨岩を投げつけてくる、勝ち目がありません。

後背地の確保は米英共に教えてくれませんでしたが、必要性は当事者の認識次第です。

20世紀が米国の世紀とすれば、その扉を開けたのは日本です。

(続く)
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by 4kokintou | 2011-04-30 17:56

大連再考(最高?)

大連と言うべきかそれを含めた遼寧省と言うべきか、胡錦濤国家主席とその周辺はこの地を「日本への窓口」として死守すべく、腕利きを送り込み続けてきました。

遼寧省の実質的最高幹部(=党書記)は、王珉(2009年11月~、そのまま引用すれば安徽淮南人)、その前任者張文岳(2007年10月~2009年11月、福建省浦城出身、単に「大学卒業」と表記)は少し怪しいですが、その前があの李克強(現第一副首相、Wiki丸パクリで「胡錦濤と同じく中国共産主義青年団出身」、「安徽省定遠生まれ。胡錦濤とは、戸籍上は同郷人」)ですから、反胡錦濤派の容喙を執拗に拒み続けている感があります。


大連(渤海)総合(先物)市場構想(仮称、と言うより小誌だけの称号)の中核都市たる大連市の党書記は、現職が夏徳仁(2009年5月、市長は2003年)、この人物が「大連外交」の立役者です。

張成寅(2005年12月~2009年5月)が前任者、その後の消息は不明、分かっていることをそのまま引用すれば、

「張成寅,男,漢族,1950年5月生,河北人。1968年2月參加工作,1969年4月加入中國共產黨。中共中央黨校在職研究生學歷。曾長期在國家經濟部門工作,1996年3月任昆明市委副書記、市長。后任中央國家機關工委副書記。」


げげ、薄熙来が1999年頃に「大連市委書記」(=上述の党書記に相当)を務めています。

この太子党、文革で紅衛兵になるのは構いませんが、(また丸パクリ)「親父が英雄なら息子は豪傑、親父が反動なら息子は馬鹿者」とする血統論を宣伝、とあります。

正解を教えましょう、世襲の場合、「親父が英雄なら息子は怠惰愚昧」、これで宜しいでしょう、息子殿。


これでは「死守してきた」と言うより、「血みどろで奪取した」と言う表現が正しいのかも知れません。


今の中国は時間帯を変更して大連と東京(=日本全体)の時差を無くすことも辞さずと考えているかも知れません。

大連は「日本への突破口」であり、何としても此処に日本の人材、資材(製品)、資金、それに技術と何よりもその精神を引き込まねばなりません。

その意味で小誌が呼ぶところの「胡錦濤革命」とは、「皇民化政策」に他なりません。

胡主席の偉さは、この苦杯を飲み干した点にあります。


「政治版ユークリッド幾何学」の火宅から、「同非ユークリッド幾何学」の極楽へ集団移住するには、これしか手段がありません。

ですが自分たちを最も手酷く殴り続けた(と認識されている)連中の居る場所が「目指すべき桃源郷」だなんて、完璧に正しい結論であっても受け入れられるものではありません。

それを思想的に消化し甘受したのが国家主席その人です。


それで、何で「上海討伐、日本への突破口」として大連が選ばれたのかと言えば、その立地的条件もさることながら、親日的である点で、それはすなわち「満州帝国建国の1931年以降、現在に至るまで現地で最も「善政」を施したのは満州帝国≒日本人」であることを承認することになります。

侵略国の支配下が最も理想郷に近かったと言うのは、特に中国人にとって許容出来ない考えですが、一方でそれが正しいことも心中で認めざるを得ません、無意識的にせよ。


大連市と言う地方自治体が、中央を差し置いて「独自外交」を展開していると素直に信じているのは、「職業左翼(左翼であることが生活の糧)」に食い物にされている馬鹿、もとい「非賢明左翼」の方々だけで、これは中央の意に沿った一種の外交で、「日本の現政権は憎んでいるが、日本国並びに日本人は決して憎んでいない」との意思表示、「菅許すまじ、余人誉めるべし」の感覚です。


中国人が公の場で使っても殺されない唯一の政治用語が「反日」ならば、一般民衆が公私の席で取り上げて良い話題の基準は、「政府系報道機関の記事か否か」です。

今回の研修生20名の件は、当人も含めて中国人が話題にして構わないとのお墨付きが出ましたので、その顛末に関する情報が国民同士で遣り取りされ、「政治版ユークリッド幾何学」の住人は否応無く「同非ユークリッド幾何学」との比較を余儀なくされます。

革命の前提条件がまた一つ整いつつあります。

(続く)
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by 4kokintou | 2011-04-30 00:28

有り難や有り難や

フォーブスの件に関するご意見、あっそうかと納得、気持ちの中で即時を持論を撤回しました。


ご指摘も有り難いのですが、別の意味ですが負けず劣らず有り難いのが大連市で、今回の東日本大震災で「中国人を救った日本人に基金を設立」すると共に、日系企業支援を表明して下さったのですから、少し古い表現を使わせて頂くと「神様、仏様、大連様」としか言い様がありません。

前者の件では、佐藤さんと言う方(現在も行方不明)が20名の中国人研修生の身の安全を確保されたとのことで、この場をお借りして佐藤様のご無事を心からお祈り申し上げますと共に、小誌が「最高規範」として提唱します、「最高位の徳(=生きる意味)とは、後世(後生)に可能な限りより多くの善を残し、可能な限りより少ない悪を伝える」を、日本人に対してのみならず海外の人々にも身をもって示された、日本史のみならず世界史に記すべき人物と愚考致します。

これが日本の真の強さで、「最高位の徳」を身に付けている無名の方々がまだ無数に存在している点で、中国人も「日本人には勝てないな」と腹の中では実感していると断言して差し支えないでしょう。


中国で仮に「同様の状況で佐藤さんと同じ行動を取れるか」と言う主旨の聞き取り調査を行ったら、身の安全が確保されていようが、回答の秘匿が確認されていようが、あらゆる必要条件と回答者の要求を満たしたとて、ほぼ100%が「絶対に同じ行動を取る」と解答し、そして言い切っても間違い出ない、「ほぼ100%」ではない、100%が同様の状況に出くわしたら「全く逆の行動」に出ます。

何故「100%」と言い切れるのか、佐藤様への失礼を承知のうえで申せば、政治学的には中国人の方が「正しい」からです。


政治学に於ける唯一と言って普遍的鉄則、ユークリッド幾何学の公理に相当するのが、ホッブスの提唱した「自然状態=万人の万人に対する闘争=無政府状態」で、無政府状態に陥ったら例外なく「己の身の安全を確保することを最優先し、家族を含む他人を蹴落としてでも生き延びることに専心する」からですが、この地球上に政治が誕生して以来、例外を決して許さなかった政治学上の公理が、日本において短期間に二度(「阪神大震災」及び「東日本大地震」も否定されたのですから、日本は「非ユークリッド国家」なのです。

ただ、現実のユークリッド幾何学が5種類の公理を無条件で承認するのに対し、非ユークリッド幾何学はその一種類だけを否定(抹消)しただけですから、両者とも「公理は存在」するのですが、政治学の公理は唯一つ、ですから日本はより正確に言えば「無公理国家」です。

実はこの用語も正確ではなく、日本国は(長期に亘って)「別公理国家」だった訳で、ではその「別公理」とは何かと言われても、それは政治学上の非ユークリッド幾何学を構築せよとの要請に等しく、これは項を改めさせて頂きます。


逆に政治学の「アジアに於けるユークリッド幾何学の最も忠実な信奉者」と言えば、これはもう言わずと知れた中国で、特に辛亥革命(1912年)の美名の下、皇帝と言う「国家を束ねる装置」を、受け皿も考えずに潰した孫文と言う名の、中国に自然状態を与えた「究極の政治的クルクルパー(下品と言われようが何といわれようが、これだけは譲れないので変えません)が幕を開けた近現代中国史、短くみても1912年から1949年(辛亥革命から共産主義中国建国)、妥当かも知れないのは辛亥革命から文化大革命の終結(文革終結の年月日に関する公式見解或いは定説等、ご教示頂ければ幸いです)まで、ひょっとすれば今に至るまでの「永久運動」は、ホッブスの学説の正しさと偉大さを雄弁に立証しています。

ですから蒋介石(国民党)と毛沢東(中国共産党)の対立は、誰が孫文の正統な後継者かを競う、「究極の政治的クルクルパー決定戦」の意味合いを含んでいます。

中国における勝者は誰か、それは台湾本省人です。

およそ半世紀(つまり複数の世代が会得し伝えるに充分な時間)、日本の実質的植民地であった台湾は、その「別国家公理」を体得出来たお蔭で、「究極の政治的クルクルパー決定戦銀メダル保持者」の毒素が中和することが出来ました。

金メダル保持者を選んだ国は「自業自得」の歴史をたどります。

そりゃあ言いたくもなりますね、「愛想が尽きた」とか「もう懲り懲り」とか。


大連の件もあらためて、一言だけ申せば、これも立派な外交です。

(続く)
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by 4kokintou | 2011-04-28 01:22

決戦前夜

実は個人的にも明日が「正念場」なのですが、胡錦濤国家主席にとっても勝負所が近づきつつあるのではないか、そんな印象を持っています。

国家主席は先日、母校でもある精華大学の創立100周年記念に出席したのですが、Wikiによればこの大学は義和団の乱の賠償金で設立されたみたいな学校で、あまり名誉のある沿革ではないと思われるのですが、漢人にとっては余程大事らしく、台湾にも「(国立)精華大学」はあります。

故宮博物館も張り合っていますし、どうも精華大学も孫文の流れを汲む「正統性」を争う必要があるみたいで、中国語には「没字碑」の小誌にとっては英語名のTsinghua Universityを何と読むかも分かりません。

卒業生には片や胡錦濤や朱鎔基と言った「清流(?)」、対するは習近平、呉邦国に連なる「濁流(?)」があり、個人的には通っていたら気が滅入るから遠慮したい学び舎です。

経済誌フォーブスが2010年に「最も美しいキャンパスランキング(フォーブスも焼きが回ったのでしょうか)」でこの大学を選出しています。

こんな基準で選出されても嬉しくも何ともないですが、わざわざ中国を含めたアジアから精華大学だけを取り上げたのは、何か含みがあるのでしょうか。

文化大革命時代は「1968年に中国共産党と人民解放軍の毛沢東思想宣伝隊が進駐」するまで、北京における造反(文革)派の拠点だったらしいですが、「進駐してから文革派の拠点としての色合いが益々濃くなった」と考えるのが常識的だと思うのですが、この時期の中国人は全員が文革賛成を叫んでいましたから、毛沢東や林彪の支配下にない「中国共産党と人民解放軍の毛沢東思想宣伝隊が進駐」したのかも知れず、こうなるともう凡人の推測の域を超えています。


それにしても(旧)宗族階級はよくぞ文革の嵐を凌いで生き残ったものです。

小誌は文革こそ「共産主義革命(プロレタリアート革命)」、厳密には「絶対者崇拝型共産主義革命」と理解し、孫文の辛亥革命は単なる「無政府状態=ホッブスの唱える自然状態=万人の万人に対する闘争」を将来したに過ぎず、共産主義中国建国は「蒋介石型絶対君主の否定クーデター」と解釈しています。

ではブルジョア革命は何処へ行った? 日本はどうなのってことになりますが、別に共産主義の教科書通りに歴史が展開する訳ではありませんから、ブルジョア革命もプロレタリア革命が無くとも恥じる必要はありませんが、それぞれの歴史を分かった「時代精神」を突き止める必要はあります。

(続く)
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by 4kokintou | 2011-04-26 00:21

水入り

米国も中国も粘り腰にかけては他の追随を許しません。

「ごーるどまん・さっくす」の司令塔ヘンリー・ポールソン元財務長官が海南島まで足を運んで、(おそらく)胡錦濤国家主席と激突しようが、胡国家主席の「私的全権特使」が米国に赴いてヒラリー国務長官と協議しようが、纏まらないものは纏まりません。

それでも協議を続ける点でのみ見解が一致、急遽「米中経済戦略対話」が5月9日と10日の日程で設定されました。

出席者は中国側が王岐山副首相と戴秉国国務委員、米国側もヒラリー国務長官とガイトナー財務長官で、双方とも顔触れに変わりありません。


一部報道によると、中国では製造業に減速の兆候が現れ、不動産価格の急騰も沈静化しつつある模様で、株式市場だけが高止まりしています。

胡錦濤政権側が譲れない一線は「江沢民一派を初めとする反胡錦濤勢力の一掃」、対するGSの主張は「中国における既得権益の保障及び再確認」で、理屈のうえでは折り合えますが現実には思い通りに事が運びません。


原因はヒラリー女史にあります。

GSの「大切な持ち駒」と言う側面もある人物ですが、この女性、大統領になりたいと言う「我欲」が強く、庇護者たるGSの利益よりも私益追求を優先して暴走する場合すらあり、ましてや国務長官として国益の増進に邁進する意識は更々ありません。

ですが表向きは国益の代弁者で無ければならず、その辺りの矛盾を中国側は読み取っていますから、譲歩の姿勢をみせません。

先日、温家宝首相が周小人中央銀行総裁を伴い、「習のお坊ちゃん」こと習近平国家副主席の「縄張り」である筈の浙江省に赴き、為替も含めた「金融政策手段を総合的に運用し、インフレ要因を取り除く」と明言しました。

日経によれば、利上げ支持派は温家宝総理と王岐山副首相、雇用重視派は李克強第一副首相らしいですが、真偽の程は別として、重要な経済の政策決定に副主席殿の名前が挙がっていないのが不思議です。

GSは「利権確保のためなら上海の盟友を切り捨てることも辞さず」、ヒラリーは「大統領になるための障害となる要因は一切認めない」との立場、相手の内部で疑心暗鬼を膨らますことは中国人の最も得意とするところです。

(続く)
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by 4kokintou | 2011-04-21 14:20

それでも中国は欧州諸国より統治能力の点で優れている

頂戴するお便りの中に貴重な情報が含まれていることが稀ではなく、小誌を通してそれに触れる機会が得られることに感謝しつつ、あらためて「読者の質の高さ」だけが取り柄である幸福をかみ締めています。

最近では来日する中国人留学生も増えていますし、加えて米加に留学及び移住する中国人の数はもっと多いですから、日米加のいずれかにいて、留学生と接触する機会があれば、時間はかかりましょうが壮大な「中国社会人脈図」が作れるのではないかと愚考しております。


当時の超大国で「海の覇者」大英帝国に散々に叩きのめされ、洋務運動で一息ついたのも束の間、格下の日本に敗れて今度はその日本の格下扱いを受ける羽目になり、英仏露独そして他ならぬ日本に蚕食された「近代中国」ですが、巡り巡って日本が中国の「お手本」であり「救世主」になりつつあります。

洋務運動と明治維新はほぼ同時期の出来事ですが、明治維新はある意味の洋務運動でしたが、洋務運動には「王政復古」の精神は存在しません、既に王政が存在していますから。

明治維新は侍と言う武装階級が、ある日突然、菊の御紋に平伏し、その結果、見た目「絶対王政」が誕生すると言う、当時の中国の王政支持者(=支配階級全員)にとって垂涎の偉業をやってのけたのですから、これ以降の中国は「日本」と言う存在に精神的呪縛を受け続けます。

万人に許された唯一の政治用語が「反日」であることからも、如何に中国が日本に対し神経質になっているか、そして日本が無頓着であったかが分かります。


中国の洋務運動と日本(江戸幕府)の開国では、根本的に異なるものがあります。

洋務運動は日本を意識する側面もありましたが、その師は大英帝国でした。

対する日本、最初に開国したのは米国、しかし列強と平和裏に同種の条約を交わした途端、米国を足蹴にして大英帝国を最重要国として交渉しています。

この外交的綱渡りの上手さには、舌を巻かざるを得ませんが、最初の開国相手が米国であることの重要性も決して看過出来ません。

日本は「列強の良い部分をそれぞれ取捨選択」しましたが、米国との接触は水が大嫌いな「金槌」国を有数の長距離海軍国へと飛躍させる契機となりました。

つまり当時の知識層を東シナ海に捨てる様な遣唐使の危うさは言うに及ばず、朝鮮出兵でも玄界灘の制海権確保に四苦八苦しています。

太平洋側は黒潮に乗ったら最後、生きて還れませんからその手前までが日本人にとって「海」な訳で、この国は「海に囲まれた純陸軍大国」でした。

それが米国の意図せざる「指導」で長距離海軍国を目指すことになりますが、同時期の中国はその性格上、「黄海、東シナ海、南シナ海の制海権を確保する」精々中距離海軍国を想定していました。

そして大英帝国は「3C政策(カイロ、カルカッタ、ケープタウン)」に象徴されます様に、陸地を横目に見ながらの航海術を得意としています。

そして米国はハワイを数少ない例外として太平洋無寄港を原則としていますから、「技術(艦船本体)は大英帝国、航海思想(制海権の概念)は米国」と言うのが日本の考え方になります。

日清戦争はこの両者の「制海権」の概念を巡る争いでした。


表題の内容は「承前」にて。

(続く)
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by 4kokintou | 2011-04-19 00:33

福田康夫と言う存在

福田康夫元総理が昨年4月にボアオ・アジア・フォーラム理事長に就任していたとは、不覚にも存じ上げませんでした。(同フォーラム理事長は周文重元駐米大使)

その際、福田新理事長が会談したのは習近平(国家副主席)です。

福田氏は今開催中のフォーラムに理事長として出席、今回は(単独ではありませんが)胡錦濤国家主席と面会しています。


今回の会談で判明したことは、中国側が如何に日中「戦略的互恵関係」を今でも重視し、立役者たる福田元総理を厚遇することで、その復活を希求している意思を鮮明にした点にあります。

簡単に言えば「今の民主党政権は一日でも早く抹殺し、それまで戦略的互恵関係は棚上げにするも決して清算しない」との意思表示です。

もう一つは福田氏の会談相手が習副主席から胡主席へと代わった点で、福田氏と胡主席との昵懇な関係を踏まえれば当たり前とも言えますが、米中が凄まじい鍔迫り合いの最中、北京から遥か彼方のボアオまで国家主席が足を運ぶこと自体が一種の「賭け」です。

今回のボアオでは、事務局長として実務を仕切る周氏が、あのヘンリー・ポールソン元米財務長官と会談しています。

ポールソン元長官は自他とも認める「ごーるどまん・さっくす」の司令塔の一人で、同社の中国関係を管掌しています。

対する周事務局長ですが、福田理事長と一緒に任命されたのですから、北京(胡政権)の福田氏及びGSに対する「リエゾン」と考えるのが妥当と思われます。

ポールソン氏は北京で習副国家主席と面談の後、ボアオ・フォーラムに赴いて同フォーラムの事務総長と会談しています。

一方、米国では劉延遠国務委員率いる訪米団がクリントン国務長官と既に協議を終えている筈です。

因みにクリントン長官、今日15日(現地時間)に欧州首脳と会談、16日に訪韓、17日の日曜日に日本訪問と、無茶苦茶な外遊日程を組んでいます。


それから「習のお坊ちゃん」が訪米を急遽検討しているそうです。

水面下で何かが進んでいる米中関係でした。

(続く)
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by 4kokintou | 2011-04-15 23:41

「団派」と「GS」の手打ち

劉延東女史(国務委員)と言えば、胡錦濤国家主席が権力基盤とする、中国共産主義青年団(共青団)の出世頭の一人ですが、男尊女卑の習慣が色濃く残る中国ではやはり力量不足だったのか、上海に「刺客」として送られたものの、特段の成果も挙げずに北京に召還されています。

この人物も劉少奇氏と同一宗族に属するのではないかと考えていますが、この度、米国のヒラリー国務長官の「招請」で訪米することになりました。(4月10日から16日まで、中国政府の公式発表は9日)

Wikiによれば、国務院の構成は、国務院総理(温家宝氏)を筆頭に同副総理が4名(筆頭は李克強、王岐山は最下位)、その下に5名の国務委員が存在し、劉女史はその筆頭ですが、管掌部門をみる限り「一丁上がり」の人物です。

その人物を1週間の日程で米国に派遣する、おそらくヒラリーも劉延東も代理人で、事実上は胡国家主席と「ごーるどまん・さっくす」の勝負で推測されます。

一方で4月10日、共産党浙江省委員会主催による江沢民氏の養父「江上青」氏生誕100周年に関する「座談会」(場所不明)が開催され、それに劉延東国務委員が出席したとの由。

時差の関係で座談会をこなして訪米の途につくことは可能でしょうが、開催場所も明らかでない、しかも浙江省はあの「お坊ちゃん」こと習近平氏が党書記を務めた地であること、劉国務委員以外の要人の名前が挙がっていないことを踏まえると、「嫌がらせ」としか思えないのですが。(この点、ご教示頂ければ幸いです)


主導権は中国側が握っていると思われます。

このままでは民主党候補はオバマで決まり、現職に刃向かうには相当の覚悟が要りますし、資金以外にも大義名分が必要です。

つまりこの協議、胡錦濤主席側から言えば決裂も辞さない、決裂しようがすまいが党内の粛清は粛々と進めるでしょうから。

GSとすれば、江沢民一派を含めた反胡錦濤派の「見殺し」はやむなし、後は条件闘争で、既得権益の再確認次第では上海市場からの撤退(=大連先物総合市場への乗り換え)も選択肢に入っているでしょう。

来週(4月18日)以降の中国政治経済情勢が愉しみです。

(続く)
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by 4kokintou | 2011-04-11 23:34

時間との戦い

中国は国内政局も外交も不可思議な点が多々ある国ですが、「人民元の史上最高値更新」と「上海株式指数3,000ポイント回復」と「汚職追放運動の進展」を、如何にして整合性を保ちながら説明出来るのか、少々思案に暮れています。

物価の上昇には歯止めが掛かりませんし、利上げや預金準備比率引き上げも効果が現れていません。

本来なら低所得層が騒ぎ出すのですが、今回はその兆しすらありません。

また、人民元の切上げは投機資金の流入を促し、不動産と株式市場においてバブルを招来するのは、小誌が申し上げるまでもありません。

にもかかわらず当局は自信満々で汚職摘発に乗り出していて、今回は北京五輪の競技場を設計した建築家が汚職容疑(経済犯罪)で槍玉に挙がっています。

一部邦字報道機関は、その人物を「北京五輪の競技場建設を担った、政府に批判的な文化人」みたいな紹介をしていますが、中国でお上に楯突いたらどうなるか、五輪の中央競技場の設計に携われるか、説明の要は無用と思われます。

そもそも北京五輪そのものが江沢民利権の塊であり、その計画に関わっているのであればその「文化人」も利権のおこぼれに与っている筈です。

つまりこの人物は「江沢民人脈に連なり、反体制民主主義運動家ではなく、反胡錦濤国家主席の立場にある」と断定しても良さそうです。

とすれば、江沢民一派(≒反胡錦濤派)追い落とし工作は順調に進んでいる一方で、江沢民一派を初めとする連中と癒着している「ごーるどまん・さっくす」が希求する「人民元高+上海株高」が実現しつつあります。

しかもこの時期にポールソン元財務長官(勿論GS出身)が中国に居るのも面妖です。(表向きはボアオ・フォーラム出席)

しかも習近平氏と面談しています。


「悪魔」と取引したのではないでしょうか、北京(胡政権)は。(決してカッコ内はごーるどまん・さっくすと読み替えないで下さい)

こう考えれば、筋道が通ります。


「悪魔」とすれば上海利権を認めてくれれば宜しい訳で、現指導部に刃向かっているのも得にはなりません。

他方、現政権が潰したいのは国内の政敵であって、「悪魔」は海外(しかも超大国)の住人ですから、喧嘩しているのも得策とは言えません。

上海にディズニーランドが新たに進出する理由は、江沢民一派との癒着によるものではなく、北京の了解を得てのことだと思われます。

とすれば、「お坊ちゃん」の処遇が問題になりますが、ポールソン氏は習氏に「引導を渡した」のではないか、こう考えると辻褄が通ります。

やはり次期国家主席は王岐山と考えたいです。

(続く)
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by 4kokintou | 2011-04-09 00:28

歴史と言う名の時空遊覧

歴史は先人が心血を注いで紡いだ、後世への贈り物です。

共産主義の発展段階論は、その発想そのものに血が通っていませんので受け入れられませんし、各地には各地の「約束事」があり、時代には時代の常識があります。

共産主義でも抹殺できるものと出来ないものがあります。


北朝鮮では宗族そのものを否定しているらしく(Wiki丸写し)、国民も己の宗族(両班)や本貫を知らないとのことで、将軍様の父上であらせられる金日成氏の妻女に「金」姓が複数存在する事実から察するに、両班制度は相当程度傷んでいると考えて良いと思われます。

他方、いずれも共産国ながら、中国の北朝鮮に対する見方、そして北朝鮮の中国に対する見方には、宗主国と朝貢国と言う意識が色濃く残っています。

時々、昼間や深夜に南朝鮮(=韓国)の番組を放映していますが、特に時代劇では中国のことをこき下ろしています。

また南北朝鮮が一致して主張するのが「高句麗は朝鮮民族の国」と言う点で、私見を申さば高句麗は女真族と推測していますが、兎に角、高句麗が中国の地方政権と言う主張には断じて随わない点では、南北の足並みが揃っています。

それでも北朝鮮は親分の承認が必要で、その親分たる中国の現政権が将軍様の三男後継を頑として認めないので、既成事実を積み上げるしかなく、正式指名出来ないでいます。


最近、北京(中央政府)による汚職摘発に拍車が掛かっていますが、その最終標的は「習のお坊ちゃん」こと習近平「副」国家主席と推測しています。

ですから下手をすると「禅譲」はなし、中国の歴史で散々繰り返された「皇太子廃嫡」が再現されるかも知れません。


そのお坊ちゃん、何と先日、ポールソン元財務長官と北京で会談、ポールソン氏は「ごーるそまん・さっくす」出身で、おそらくルービン元財務長官と共に元締め的存在と思われる人物ですが、汚職追及の最中に衆人注視の状態で顔合わせしたら、半分白状した様なものですよ、おぼっちゃま。


中国共産党政治局中央委員候補より高位の人物が何人存在するか存じ上げませんが、その原籍地を履歴に明記しているのはただ一人、胡錦濤国家主席のみです。

毛沢東すら抹殺し得なかった「封建主義の残滓」たる宗族制度を、中国共産党最高幹部が明らかにしていることからも、その「覚悟」がうかがえますが、安徽省績渓県は龍川にある胡一族の霊廟「胡氏宗祠」を原籍とする胡国家主席、ご先祖様が宗族入りしたのは16世紀半ば、国家主席ご本人で50代目(本家ならば)らしいです。(以上Wiki丸写し)

この胡氏を(旧)宗族階級の名家中の名家とすれば、今の主だった宗族は概ね明朝以降に成り立ったと考えて差し支えないのではないでしょうか。

所謂「系図売り」は(活版)印刷術が普及する以前に可能な商売で、例えば神君家康公を戴く徳川家は、系図を捏造する必要もないですからそのまま伝えられますが、まだ系図売りの余地があったから各大名はあれこれとご先祖様を「創作」しています。(家康公以前は怪しく、本当は賀茂家だったらしいですが、新田源氏の末裔としています)

中国では宋代に印刷術が普及した証拠に、新法党と旧法党の争いの際、政権が覆る度に互いに歴史を書き直すのは、それ以前に相手方の「皇帝公認の歴史書」が印刷されちゃって、抹殺や改竄が出来ないからです。

しかも印刷術は記載しないことによってどの一族が落ちぶれたかまで教えてくれますから、宋代の宗族階級は元朝(=大元)において相当程度衰退したか、雌伏を強いられたと考えられます。

ですから中国は元朝時代に最後の断絶の時期を迎えたと思われます。

(続く)
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by 4kokintou | 2011-04-07 23:45