現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou
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財政規律、流浪将軍

資本主義国では重要閣僚なのに、社会主義国では軽量級扱いされるのが「大蔵大臣(財務大臣)」で、資本主義が貨幣に絶対的価値を置いているのに対し、社会主義では究極的には貨幣の廃貨を目指している事実が、この様な違いを生むのでしょう。

ですが財務省の権限が弱いと財政規律が弛みがちになり、放漫財政に傾くことになります。

そもそも中国共産党が「人民と国家を領導」しているのですから、財政規律も党の決定次第です。


ソ連が健在な頃、不思議で仕方なかったのですが、「第二工業省」なんて官庁があり、兎に角、省庁と大臣の数が多かったのが印象に残っています。

今の国務院にも30近い省庁(=部)があり、その上に国務委員、副首相ときてやっと温家宝総理にたどり着けますから、効率の悪いこと甚だしの感があります。

海軍のステルス機と航空母艦は一種の政治的配慮、飴と鞭の「飴」ではないかと思われます。

小誌の推測が正しければ、海軍が中央に寝返ったのは比較的最近です。

とすると中央とすれば何らかの「恩賞」を与えねばなりませんが、其処までは分かるとして、では何故「丸見えステルス」に「艦載機の飛ばない空母」なのか、答えは「完成品を作ったら予算が打ち切られる」からです。

仮に本当に完璧なステルスを作り上げたら、今度は大量生産に移る必要がありますが、流石の中国経済でも負担に耐えられませんし、空軍がその大量生産に対応出来ないでしょう。

と言って「ステルスも空母も欲しい」とごねられたら、断れませんし、ここが日本と異なりますが、往々にして左翼政権では「失敗作だったから次の予算をくれ」と言うごね得が罷り通ります。

ですから旧ソ連にしても今の中国にしても、「国防予算の実態」を推測する暇があったら、出来上がった代物を眺めている方が余程大事です。

中国のことですから、国防予算に限らず、使途不明金や接待費が「国防上」必要不可欠だと思われます。


将軍様もご多忙のご様子、体調不良との風聞も届いています。

半年で3度も訪中して、将軍様からすれば虫酸が走る胡国家主席とその度に面談せねばならないのか、業腹でしょうが国際儀礼上、致し方ありません。


今回の訪中では、

後継者は同行せず
(胡主席に面会拒否されると面目丸潰れだから)

中国は飛行機で来いと言っているのに今回も列車
(おそらく渦中の鉄道利権が絡んでいると思われます。江沢民一歩の意趣返しとすれば、将軍お召し列車は少しでも長く中国に滞在した方が、その周辺の時刻表が乱れに乱れますから、これは嫌がらせ以外の何物でもありません)

温家宝首相を出し抜く意図もあってか、北京の威令が届いていない北東部から入国しています
(この辺りは習近平氏の策謀と読んでいます、逆に言えば遠回りすることになりますし、遠回りしてでも入国する必要が国境の両側に存在していたことになります)

訪中の目的は、旧満州地区では朝鮮族からの「集金」、江沢民氏と習近平氏の縄張りまで足を伸ばしたのは、これも「物乞い」が目的、北京には用事なし。


それにしても習のお坊ちゃん、調子に乗り過ぎている感があります。

足下を掬われなければ良いのですが。

(続く)
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by 4kokintou | 2011-05-28 12:15

今暫しの休憩を

執筆者が言うのもおかしな話ですが、小誌の記事を作成する際、体力となけなしの知力の消耗が半端ではなく、くたばりそこないでは書けないと言う心境に至っています。

時には役に立つこともありますので、末永く付き合ってやって下さい。


お便りに多謝、古代より中央集権型軍隊の育成には、文官は欠かせぬものです。

馮道も時流の波に従っただけで、時流に乗って「士大夫層」にのし上がる気は無かったみたいです。

それにしても、なまじ統治能力が欧州よりも優れているから、その維持費は膨大です。

最近は特に海軍と空軍の「活躍」が目立ちますが、あれは予算獲得運動の一環で、その支出は国家維持費の一部です。

それにしても丸見えのステルス機、タッチ・アンド・ゴーが出来ない空母艦載機、敢えて断言すべきと思いますが、中国が日本と比較して最も劣っている分野は軍事部門です。

(続く)
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by 4kokintou | 2011-05-18 05:19

雑感しながら承前

中国の鉄道建設予算が1、000億人民元削減されるそうです。

江沢民「前」国家主席に忠誠を尽くしてきた鉄道省の領袖が解任されたのに続く激震で、一説には削減額が2,000億元との報道もありました。

順当に考えれば、江沢民一派が巻き返して半減に留めたのではなく、一派から寝返った者や中間派取り込みのための一種の軍資金と考えるべきで、正解は「江沢民一派の既得権益、1,000億人民元の純減」と言えそうです。


これだけの予算削減は相当な景気抑制効果があり、かつて日本でも鉄は「産業の米」と呼ばれていましたが、今の中国は当時の日本と似ている点があり、鉄鋼業が大きな位置を占めているのは事実です。

そして鉄道は「鉄の塊」だから鉄道と呼ぶのであって、中国国内市況が2月半ばから急速に悪化(日経より引用)している現実を踏まえると、相当な締め付けと金融引き締めが実施され、漸く効果が顕れつつあると判断して差し支えないでしょう。

ですから中国金融市場を待ち受けているのは、「金詰り、株安、不動産投げ売り、原材料買い控え」、そして「採算度外視の輸出」です。


と言っても日本とは「棲み分け」が完了している分野が多く、まだ競合している分野でも中国製は「日本人の目から観て最低の合格点」ですから、品質と価格で差別化が進みつつあります。

激突しているのが欧州市場で、中国勢は何としても売り捌きたい、欧州各国は「日本の最低合格点は、欧州では一級品」ですから、良質廉価な製品の流入は何としても防ぎたいから反ダンピングで迎え撃ちますが、そんなことで引き下がる中国人ではありません。

と言う訳で欧州周辺の、その「縄張り」諸国に乱入し、その市場そのものを奪うだけでなく、その地を経由して欧州に殴り込みをかけます。


年齢が分かるかも知れませんので少々嫌々お話しますが、当時の社会のテストで絶対出てきた言葉が「加工貿易」でした。

「日本は資源に恵まれず、原材料を輸入して製品を海外に売る、加工貿易が生き延びる唯一の道です」なんてことを社会の教科書に堂々と記載されていました。(因みに、当時はひらがなで解答を書くと、良くて三角でした)

振り返れば当時の日本は、単純な加工貿易の段階を通り越していたと思われますが、中国は今まさに「加工貿易」の段階に登りつめ、日本型「技術立国」、「貿易立国」への道を模索しつつあります。

日本と付き合うとこれだけの「特典」が付いてきます。

実質的に日本の風下に立って師と仰ぐ訳ですが、その事実に気付いた時に精神的におかしくならない様に、日中には戦略的「互恵」関係が存在するのです、「五分の杯」です。

BRICSと言いましても、兵器以外は一次産品しか国際競争力の無いロシア、航空産業を除けば製造業の育成で見劣りするブラジル、まだ国内市場を潤すことが先決のインドと異なり、曲がりなりにも加工貿易を一通り勉強出来た中国、その鍵はかつての「天敵」日本にあったのですから皮肉な話です。


うろ覚えで恐縮ですが、確か唐の皇帝で貴族の娘を貰いたいと話を持ちかけたところ、家格が違いすぎると言って断られた例があったと記憶しています。

間違ってはならないのは、「貴族の方が家格は上で皇帝が下」と言う返事で、貴族(全盛)時代と言うのは皇帝すら「格下の新参者」として見下げる風潮が罷り通っていました。

この世相が一変したのは「北宋以降」で、「北宋以前」は貴族社会だとすると、貴族制から士大夫主権国家に変貌を遂げたのはその間の五代十国(907年~960年)、唐朝の命運を事実上絶ち切った黄巣の乱(875年)から数えると、革命を成就させるには充分な時間です。

後漢の滅亡以降、分裂傾向の強かった中国ですが、唐の末期まで貴族(制度)は健在で、王朝の興亡と貴族制度のそれは一致しませんでしたが、五代十国では唐王朝と貴族制度は運命を共にしました。

そして五代十国は「群雄割拠」、軍閥の蔓延る時代で、北宋成立と共に地方政権が一掃されるのは分かりますが、軍閥は忽然と姿を消し、貴族も歴史の舞台から退場するとすると、考えられるのは一つです。

経済的地力を付けた士大夫層(=宗族階級=知識人=地主層)が、軍閥を財政援助しながら貴族から全てを収奪していった、こう考えるのが妥当と思われます。

この観点に立てば、「北宋以降」の文民支配も納得がいきます。

(続く)
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by 4kokintou | 2011-05-10 00:03

中国のブルジョア革命

別にマルクスの屁理屈を無理矢理当てはめるつもりはなく、特に日本史に至っては「非ユークリッド」の世界ですから、「ユークリッド」の世界の一端を担うマルクス主義歴史観など、適用の仕様がありません。

例えば日本ではいまだにプロレタリア革命が到来していませんが、それどころか左翼政党は選挙の度に勢力を損ねる一方で、もうやけくそになって暴力革命路線の立ち返って一か八かの勝負に出るしかないのではないかと愚考する次第です。

ではその日本、ブルジョア革命や絶対主義革命は存在したのかと言えば、これも要領を得ない話で、過去に(今でも?)「明治維新はブルジョア革命か絶対主義革命か」と言った問い(或いは論争)があったそうですが、新撰組の様な似非武士集団に金品を収奪される豪商の姿からは、「ブルジョア」の気概がまったく感じられませんし、表向きは「絶対主義革命」だとしても、維新の実行者の「形而上の本音」は別の所にあることは、明治天皇が徹底して拒んだにもかかわらず、臣下が勝手に対清戦争のための大本営を設営する(勿論戦争開始前に)、これ以上の不敬もありますまい。

こんな日本に「ユークリッド型」理論を適用しようとするのが愚かで、今まで日本は多くの左翼御用学者と言う愚者を養ってきたことになります。


では中国はどうか、ブルジョア革命ならばあったと思われます、中国人が自覚していないの最大の難点ですが。

それは「北宋以前」と「北宋以降」の間です。

(続く)
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by 4kokintou | 2011-05-05 23:53

欧州に優る統治能力

産経新聞の記事で初めて知りましたが、今年1月に天安門広場にて建立された孔子像が、4月下旬に撤去されたそうで、同紙も現地識者の言葉を紹介する形で「孔子を顕彰することは毛沢東の否定につながる」と指摘しています。

この間に「親孔子非毛沢東」派と、「非孔子親毛沢東」派の間で激しい鍔迫り合いがあったと推測されますが、孔子に対しても毛沢東に対しても「総合評価で」愛憎半ばする中華民族の真情がうかがえます。


建てた側は、外務省を掌握する以前に「孔子学院」を私的外交機関として活用してきた(今も稼働中)胡錦濤国家主席とその周囲、但し国家主席を含めた全体の総意か、一部の独走かは不明です。

対するは反胡錦濤派、江沢民一派や「太子党」も含まれるでしょうが、こちらは売られた喧嘩ですから一致団結している筈です。

かつての文革の謳い文句の一つが「非孔(非林)運動」でした。

非林は失脚後の林彪のことですし、非孔の真の標的は周恩来と言うがの中嶋峰雄氏の説ですから、孔子は追い落としのための道具に過ぎなかったのですが、中国史では時に「反儒学」の嵐が吹き荒れます。

特に辛亥革命前後は、政権側(清朝、士大夫層)は必然的に儒学擁護派、反体制派は儒学否定派の色合いが濃かったですから、辛亥革命の成功は儒学と孔子の否定につながります。

余談ながら、蒋介石の愛読書が孟子であるとの説が事実ならば、それは既成概念と伝統への劣等感の吐露以外の何物でもなく、皇帝を廃した、つまり儒教を否定した孫文の後継者としては失格です、恥でも何でもないですが。


今回の孔子像撤去騒動は、必ずしも旧宗族階級の敗北とは一概に言えません。

潜在的な反対勢力を炙り出している可能性は大いにあり、中国人はこの種の政治的戦術が得意ですし大好きです。


全てではないにせよ、欧州各国がマーストリヒト条約を批准してEU(欧州連合)を結成した背景には、日本の台頭があり、このままでは日本に各個撃破されるとの恐怖が欧州を団結させました。(現実に実質的黄禍論が堂々と議論されていました)

対する中国、阿片戦争以降、少なくとも文化大革命終結に至るまで、致命的かつ無数の政治的誤りを犯しながら、「反日」を合言葉に辛うじて統一を持ちこたえましたが、国力を上向かせることが出来たのは日本と手を結んだからでした。

そして今、日本を拒んだ広義の欧州、すなわちウラル山脈からアイスランドに至る地域が大規模な地盤沈下を伴う地殻変動に直面しているのに対し、日本を「甘受」した中国には分裂の兆しすら存在しません。

翻って明治維新以降の世界は、日本を如何に「解釈するか」を問われることになりました。

そして結果的に日本を取り込んだ米国の勝ちで、米ソ冷戦も日本の動向で勝敗が決まったと言っても過言でありませんし、中国も己を日本(人)化すると言う、一種の「皇民化政策」を自己の判断で採用して飛躍の糸口を掴みました。

(続く)
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by 4kokintou | 2011-05-03 02:22