現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou
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男はつらいよ、大将様もつらいよ

北朝鮮の大将様もさぞ辛かろう、こんな国家と言う名の「私領」を相続するんじゃなかったと悔やんでいることでしょう。

盟主国たる中国の最高権力者には「跡目相続」はおろか、お目通りも叶いませんし、若造ですから軍や党の長老やお目付け役が何かと口を挟みます。

この人物に子飼い集団が存在するかは不明ですが、まだ各方面の要職には「狒々爺」が居座っています。


将軍様の三男坊こと大将様に対する小誌の評価は、「年齢の割に怜悧」です。

まず中国に対しては、父親と北京が大喧嘩していたのですから、その息子に対する相手の評価は言われずとも分かりますし、頭を下げに行ってもとんでもない要求を突きつけられるのが落ちです。

南朝鮮(=韓国、煩瑣を避けずに言いますが、これでも頑固一徹保守です)を恫喝したくとも、米国大統領が点数稼ぎにしゃしゃり出て(と言うか、米朝間の緊張を高めることが先の米朝間の非公式会談の合意事項と考えられます)喧嘩腰で韓国を庇うので、これも期待薄ですし、ロシアに何がしかの好意を求めることは時間の無駄です。

とすると交渉可能で尚且つ即答が期待出来るのは、日本しかありません。


まず今回のミサイルは、韓国をかすめてフィリピン近くで着弾するそうですが、その意味の第一は「中国沿岸と主要部分全てが射程距離内」と言う、中国に対する威嚇行為です。

話がそれて恐縮ですが、例のおもちゃ空母ワリヤーグ、あれの意味が分かりませんでしたが、今回のミサイル騒動で自分なりの得心しました。

件の空母は頻繁に演習に出航しますが、渤海から下って黄海にすら進んだ形跡すらありません。

そんな必要が無いからです、北朝鮮の(核)ミサイルに対する抑止力と考えれば、つまり「対北朝鮮専用空母」であれば説明が付きます。

北朝鮮が黄海側にミサイル基地を多数設置しているのは、最大の仮想敵国を中国と看做しているからで、北京の喉元に匕首を突きつけて漸く均衡を保っています。

中国側とすれば複数のミサイル基地を同時に叩くには、陸軍を派兵して占領するか、空軍基地から爆撃機を発進させるかしかありませんが、この勝負は時間との戦い、先手を取った方が勝ちです。

それなら空母を可能な限り接近させて基地を同時空爆するのが得策と言う結論になります。

ワリヤーグに関しては、日本への重大な脅威と唱える一部の「職業保守」の愚見は一笑に付すべきですが、小誌も含めて、何故あれだけ海軍力の向上に寄与しない艦船を中国が購入したのか、対北朝鮮限定と考えれば合点で行きます、ぼろ空母でも北朝鮮に限って言えば「不沈空母」ですから。


日本をミサイルの関係は項を改めます。

(続く)
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by 4kokintou | 2012-03-26 23:31

何勇

今秋の全体会議で大抜擢があるとすればこの人物、何勇と思われます。

党中央書記処書記にて党中央紀律検査委員会副書記、紀律検査委員会書記は賀国強ですが、おそらく実権を剥奪されているのでしょう。

共青団出身ではありませんが、胡耀邦総書記(当時)に登用された人物で、現政権に近い人物とみて差し支えないでしょう。

党中央書記処書記は習近平氏を筆頭に6名で構成されていますが、少なくともその内の3名(李源潮、何勇、令計劃)は胡錦濤国家主席寄りの人物ですから、ツボは外さない現政権の人事の巧みさには舌を巻かざるを得ません。

その鬼より怖い紀律検査委員会に送られるのが薄煕来夫妻、しかも単なる汚職ではなく「反党行為」で裁かれるそうで、因みに「反党」で失脚した人物の一人が習近平氏の父親です。


話変わって、胡錦濤国家主席は呉伯雄(客家系本省人)国民党名誉主席と会談、国民党にはもう一人、連戦「名誉主席」が健在で、「名誉」が付かない現職の党主席(馬さん)を含めると「トロイカ主席体制」になっています。

おそらく国民党の中で上海の連中と距離を置いているのがこの人物ではないかと思われます。

会談の目的は「台湾=国民党が上海閥を後方支援しないこと」の確認、これに尽きると思われます。

(続く)
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by 4kokintou | 2012-03-26 00:07

香港事変

香港の不動産大手幹部が当局に汚職容疑で拘束されましたが、これも胡錦濤派による反主流派追い落とし工作の一環と思われます。

香港では今月25日に行政長官選挙が実施されますが、党中央が推す候補が優勢に選挙戦を進めています。

江沢民一派や太子党に近い候補は失速していまして、その背景には劉延東政治局員(女性、国務委員、共青団出身、私見では胡錦濤国家主席の愛人)の説得工作が効いている模様です。

この調子で行けば多分、劉延東女史は中国共産党史上初の女性政治局常務委員になると思われます。


それから李克強副首相がボアオ・フォーラム(4月)で基調演説しますが、このフォーラムの議長はご存知福田康夫元総理、2010年の閉幕後に議長に選出され、初めて議長を務めた昨年のフォーラムでは胡錦濤国家主席が基調演説を行いました。

今回は李克強副首相が基調演説を担当、と言うことは胡主席の代役を李副首相が務めることになりますが、李克強氏が選ばれた最大の理由は福田元総理との面談にあり、その目的は「日中戦略的互恵関係」に再確認にあるならば、李氏が次期国家主席との結論が得られます。


ご存知の通り、今回の権力闘争は人民解放軍まで巻き込んでいますが、軍の最高幹部が雪崩を打つ様に今の党中央に寝返る一方、軍内部において粛軍を唱えているのが劉少奇元国家主席の子息である点を踏まえると、一連の出来事は「文化大革命に対する反革命の総仕上げ」と解釈せざるを得ません。

そして軍内部に標的にされているのは誰か、中国は長老の発言権が強く(だから今も健在、故人ではない)、しかも習近平国家副主席の庇護者にして1984年時点で22歳の彭麗媛を引き立てた「情夫」、そして江沢民一派に属し、1984年時点でこれだけの横車を押せるのであるから、その後も順調に出世した人物と言えば、該当するのはただ一人、遅浩田。

(続く)
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by 4kokintou | 2012-03-24 02:57

我、帰還す。斯の者、失脚す。

命に別状はなく、意識も明瞭だったのですが、黄泉の国へと誘われている様な感覚が抜けず、残り少ない余力を振り絞っても、やることなすこと裏目に出て、蝋燭の炎が消える時ってこんなものかなとまで考えてしまいましたが、「後生により佳き物をより多く、より悪しき物をより少なく残すことが、今を生きる者の使命」を胸に、再び立ち上がることにしました。

そういう訳で、休載している間にも中国情勢は眺めてましたが、「重慶事変」前後の胡錦濤政権の攻勢は、鬼気迫るものがありました。


首相自らが公式の席で、地方行政区(重慶市)の最高権力者の進退に触れるのも異例ですが、温家宝総理の記者会見で特筆すべきは文化大革命に触れたことで、それはすなわち「文化大革命の受益者の総粛清」を宣言したにも等しいと言えます。

他方で都市在住の農民工が行政サービスを受けられるように戸籍制度の変更に着手し、またパキスタンのパイプライン計画から手を引いていますが、これが反胡錦濤派の利権潰しであることは容易に想像が可能です。

失脚した薄熙来重慶市党書記(党政治局員)の後任が張徳江政治局員ですが、何が哀しゅうて国務院副総理が、大都市とは言え地方の党書記をせねばならないのか、これも異例中の異例と言えます。

張徳江副総理は漢族ですが、北朝鮮の金日成大学卒業、浙江省や広東省の党書記を務めていますから、江沢民一派の北朝鮮窓口担当と考えられ、そんな人物を重慶に「島流し」したのは、事実上の左遷でしょう。

これに関連して興味深いのは、北朝鮮高官が「米国が核の傘を提供するなら核兵器は不要」との発言をしている点で、北朝鮮は本来なら中国の核の傘(=縄張り)に入っているべきが、其処から離脱して自由裁量の範囲を広げたいから独自の核戦略を進めてきたのが、胡錦濤国家主席は「三代目」の大将殿を認めないからお目通りならず、最後の裏道も今回の異動で断ち切られたのであれば、胡国家主席と北朝鮮の大将様を繋ぐ外交経路は皆無と言うことになり、頭を下げに行くか(=自ら北京の傀儡と化すか)、別の人物と交替するか(中国には長男と言う切り札があります)、選択肢は狭まりつつあります。


今回の政変劇では、習近平(もう敬称略)を中心に据えて考えると見方を誤ります。

それにしてもお坊ちゃん、今回の外遊は見苦しかったです。

気持ちは分かるがゴールドマン・サックスのCEOも出席した会談で、「散々良い思いしてきたじゃないか、誰のお蔭で上手いものにありつけたんだ」と言う意味のことを仰いました。

袖にされつつあるからと言って文句言っても、相手の気分を害するだけと言うことも分からんのであれば、大国の指導者は務まりません。


反主流派も遅れ馳せながら危機感を抱いたのでしょう、でも「雷峰に学べ」って時代錯誤も甚だしく、例の「烏坎村に学べ」の大合唱にかき消され、同時に汪洋広東省党書記(政治局員、当然団派)の株が大いに上がりました。

そして温家宝首相が「文革全否定」を広言したのに対し、「粛軍」宣言したのは胡錦濤国家主席でした。


現段階で北京の意向に逆らい続けているのは、地域では浙江省、江蘇省、広東省、そして何と言っても上海で、重慶もこの列に加わっていましたが、この度、脱落しました。

広東省は既に現地要人の粛清に着手していると思われますし、同様の農民一揆は習近平のお膝元、浙江省でも発生し、江蘇省については胡主席が直々に「小康社会の実現」に言及していますから、狙い撃ちされていることは間違いなく、それこそ総崩れの感があります。

官庁では鉄道部(鉄道省)が北京の手に落ちた今、残るは薄熙来氏が前任者を務めていた商務省で、海外との特許紛争、商標登録、そしてレア・アースの問題は全て商務省が絡んでいます。

その商務省を日米欧が提訴すると言うことは、「反胡錦濤勢力の抹殺は国際世論を含めた総意」を意味します。

米中間で話がついているから、ミャンマーではスーチー女史が「地方遊説」します、ベトナム、タイも然り。


話を粛軍に戻しますと、軍内部には既に激震が走っていまして、おそらく国家主席の意を受けた副総参謀長が、人民解放軍の国軍化を提言、停職処分を喰らったとの噂が流れています。

因みに人民解放軍は中国共産党の「私物」でして、私物だからこそ「私物化=私兵化、傭兵化」するのであって、形態的にはナチスのSA(突撃隊)の同じ部類に属します。

海軍と空軍、それに陸軍の少なからぬ部分は北京に寝返ったと言うのが小誌見解ですが、陸軍と言えば彭麗媛少将、別名、習近平の嫁さんですが、以前も並み居る党幹部の前でその美声を披露した後、自分を真ん中に国家主席と首相を侍らせた写真を撮るとは、思い上がりも甚だしいですが、お坊ちゃんに力量があるからそうなったのではなく、嫁はんに軍最高幹部(=情夫)の後ろ盾があるから出来た芸当です。

最高権力者が粛軍を口にした以上、切り崩し工作は相当進捗していると考えるのが妥当です。


ですが胡主席や温首相が本当に屠りたい人物、それは江沢民氏すら頭の上がらない人物、それは誰かと言えば、陳雲こと廖陳雲氏の息子で中国国家開発銀行総裁の陳元氏、これ以外にありません。

(続く)
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by 4kokintou | 2012-03-16 15:59