現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou
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今年の最後っ屁

安倍政権誕生と前後して、特定失踪者数がほぼ倍増、日朝交渉は完全に「瀬踏み」の段階に入りつつあります。

(続く)
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by 4kokintou | 2012-12-31 17:15

無邪気な剽窃

年末と言うこともあって頂戴したご意見を読み返していたら、早い段階で「胡錦濤とウォール・ストリートの手打ち」に言及されているお便りがあり、小誌も別のところを含め「胡錦濤陣営とGSの和解」については推論していましたが、折角のご意見に弊意申し上げなかったのは失礼でしたので、この場をお借りして深謝させて頂きます。


新年(2013年)は習近平国家主席(予定)にとって極めて厳しい1年になると思われます。

その最大の理由は、解決困難な課題が山積していることでもなければ(確かに事実です)、問題解決能力が欠如していることでもなく(これもその通り)、もがけばもがく程に事態が悪化することにあり、要は誰も習氏の顔色をうかがうつもりなど更々ない「非力で軽量」な最高指導者と言う点にあると思われます。

それと今後は最大の政敵たる胡錦濤「長老」と対峙することを迫られますが、この長老、右に出る者がいないほど頭脳明晰だけでなく、忍耐力でも抜きん出ていますし(小誌なら今頃江沢民を殴っています)、何よりも「中国人的粘着質」と言う点でも人後に落ちないのではないかと推測しています。


小誌は「鄧小平と陳雲の時代」とでも評すべき時期が存在したと思料していますが、この時は常に守るのが鄧小平、攻めるのは陳雲、まさに文革時代の「司令部を砲撃せよ」を実践したのが陳雲氏で、謳い文句は時に「民主化」であったり時に「反日」でした。

ですから中国には「民主化」屋や「反日」屋はいても、つまり「運動家」は存在しても「主義者」は存在せず、日本でも職業左翼や職業反原発「運動家」が存在しても、本気でその主義主張を実現しようと考える人間が少ないのと同じ、韓国では左翼がむしろ財閥の走狗となっています。

文革以降、毛沢東とその後継者による「司令部への砲撃」で中国は死屍累々、鄧小平が首の皮一枚で生き残り、周恩来の番頭とも言うべき宋平が旧宗族階級や胥吏の子弟を匿っていなければ、主だった宗族と胥吏の名家は間違いなく「族滅」に遭っていたと思われます。

ですから今回が初めてなのですね、毛沢東の流れを汲む連中が「司令部」に立て籠もり、砲撃を受け続けた集団が砲撃する側に回るのは。

そして「21世紀の新法党」たる団派の領袖、胡錦濤「長老」からすれば、此処に至るまでに斃れた同志や先人に報いるには、同じやり方で相手を「処分」するのが最高の供養となりますから、「富の再配分=貧富の格差是正」と「共産主義国家に存在してはならない富豪の抹殺」、つまり「司令部」の連中に「自裁せよ」と迫ると考えられます。

兎に角、来年3月20日頃に国家主席交代以降の「政治日程」を、団派は持ち前の精密さで練り上げていると考えるべきで、日朝国交樹立は上半期の事件とすれば、逆「司令塔を砲撃せよ」は今年後半の中国政局最大の出来事になると思われます。

日本の安倍総理にはおそらく複数の振付師がいますが(それでも暴走するんだから頭が痛い)、習国家主席(予定)は孤独で、盟友オバマ氏も我が身に降りかかる火の粉を振り払うのに精一杯です。

その間にも、日米の外交窓口にして党中央紀律検査委員会党書記を務める王岐山政治局常務委員が、重慶を突破口に汚職摘発を本格化させますが、それを止める政治力の持ち主は居ないと言うか、「長老」が後押ししているのですから止まる筈がありません。

(続く)

追記
ヒラリー国務長官、仮病だと思います。
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by 4kokintou | 2012-12-31 17:06

雑感雑書

小泉元総理の秘書官だった飯島勲氏が官邸入り、前後して安倍総理が拉致被害者家族と面談、北朝鮮拉致問題の「安倍政権の下での」解決を約束、完全に「北朝鮮国交樹立」態勢が整いました。

今回は中国(と言っても胡錦濤「長老」勢力)の口利きで、米国系金融資本(有体に言えばGS)の了解の下、日朝両国が国交を樹立することになります。

期限は上四半期(6月)一杯、7月早々には参議院選挙がありますから。

6年前の自民党参議院選挙惨敗の張本人が安倍総理その人、「ねじれ現象」の元祖がこの人物ですから、6年前の雪辱を期していると考えても間違ってはいないでしょう。


全人代は来年3月5日に開催、期間は2週間ですから晴れて「習近平政権」が始まるのは3月20日頃と言うことになりますが、早々から試練が待っていると思われます。

「党が国家を指導する」共産主義中国においても、対外的な顔は国家主席ですから、現段階で中国発の政情不安や経済危機は「胡錦濤国家主席」治世の汚点となりますので、習氏が国家主席に就任した以降にそれらは顕在化することになると思われます。

そもそも上得意と喧嘩すること自体が自殺行為なのに、習近平氏は「反日」を材料に胡錦濤政権を揺さぶったのですから、この人物は「国益よりも私利私欲が大事」と言う近世的思考の持ち主です。

胡錦濤陣営も反胡錦濤勢力の裏工作を「見て見ぬふり」をしていた節があります。

これで対日関係修復は習近平国家主席(兼党総書記)に化せられた宿題となりますが、日本の窓口は胡錦濤氏直々の指名で王岐山政治局常務委員ですので、習氏も口出し出来ません。

「国家単位の日中関係、つまり習近平政権と安倍政権は冷え切ったままだが、日中戦略的互恵関係が復活した今、胡錦濤陣営と安倍政権は密接に連絡を取りながら日朝国交樹立へと邁進する」と言うのが小誌憶測です。

韓国が保守派大統領でなければならない理由もこの辺りにあり、「日本の北朝鮮承認」や「米国財界を怒らせた財閥解体(円安とウォン高の同時進行はその一環)」と言う苦渋を飲み込むには、人気取り政策で保身に走ることを屁とも思わない現職大統領や左翼系候補では困る訳です。


「官僚が企業を食い物にしている」と激怒したのが湖南省党書記を務める周強氏、それは中国における共産主義革命が「(近代化に)失敗した革命」であり、主権者が「旧士大夫層」から「中国共産党員」に入れ替わっただけの「共和制下の易姓革命」と理解すれば解決する問題です。

これに対し胡春華政治局員(広東省党書記)は、中国の近代化には日本を経由する必要があり、ある意味「皇民化」しないと果たせないと言う部分を理解しているだけ周強氏より進んでいると言えますし、同氏が昇進もせず現職に留め置かれている理由を問われたご質問の回答にもなっているのではないかと考える次第です。


お気付きの読者も多いかと思われますが、小誌は現代中国語について「没字碑」であるにもかかわらず、碌に調べもせずに突っ走癖があり、時にご叱責を受けることがあります。

それでも良いやと思いつつ書き連ねていきますが、現代中国で「赤」と「紅」は違うと認識されているのか、旧ソビエトの軍事組織は「赤軍」、日本でも「連合赤軍」や「日本赤軍」を名乗る集団が存在しましたが、「紅軍」と自称することはありませんでした。

逆に政権を獲るまでの中国共産党の軍事部門は全て「紅軍」、赤軍と称されることはなかったと記憶しています。

いつも思うのですが、中国人はもの凄く古いものにこだわり続ける、進歩に対して臆病な人間集団ではないのでしょうか。

これって五行思想で説明がつくのではないか、そう愚考しています。


五行と五色を順に記します(但し便宜上、火(紅)を先頭、本当は木(青又は緑)が先頭)と次の様になります。

火(紅)→土(黄)→金(白)→水(黒又は玄)→木(青又は緑)

次に確か宋王朝(北宋、南宋)は「火」だったと何かの本で読んだ記憶がありますので(だから年号に使う取って置きの漢字は「炎」)、歴代王朝を順に並べると、

宋(北宋、南宋)→元(大元)→明(大明)→清(大清)→中華民国→中華人民共和国

これと五色を重ね合わせると、

宋(紅)→元(黄)→明(白)→清(黒又は玄)→中華民国(青又は緑)→中華人民共和国(紅)

となります。

律儀なもので、中華人民共和国の国旗は五星「紅」旗、ついでに言えば中華民国の旗の名称は「青」天白日満地紅旗、「青」の字が入っているのは偶然でしょうか、それと「白」で民族主義を、「紅」は連ソ容共に揺れる国民党の心理を表現しているのではないでしょうか。

「赤旗」が共産主義の象徴であることは、当時の中国人も主に日本人留学生経由で知っていた筈ですし、それでも「紅」にこだわったのは図らずも易姓革命思想に依拠した、当時の中国系共産主義者の心理が透けて見える様です。

(続く)
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by 4kokintou | 2012-12-30 23:52

ギリギリ及第点

今回は周囲の「振付師」が励ましたり後押ししたり、余程有能な人物なのでしょう、おそらくオバマ筋から横槍が入ったと思われる「林芳正外相」構想は断念するも、同氏を農相として入閣、曲がりなりにも中国と「日中戦略的互恵関係」の精神に則って交渉出来る態勢は整いました。

ご参考までに、王岐山氏(国務は副総理、党務は政治局常務委員兼中央紀律検査委員会党書記)が訪米した際、オバマ大統領と面談していますが、両者の口から「米中戦略経済対話」の言葉は出ずじまい、当たり前の話で、ゴールドマン・サックス系閣僚(ヒラリー国務長官、ガイトナー財務長官)が実質的に退いた今、相手側の交渉役が存在しない以上、この対話は最早過去の話です。

オバマ大統領は一貫してこの米中対話の蚊帳の外、そして中国(と言うより引き続き窓口を務める王岐山氏)にオバマ大統領及び親オバマ政権と交渉する気持ちは皆無、「新たな関係を構築」云々と言っていますが、裏を返せば「貴方とは少なくとも今、無関係」と面と向かって言っているのであって、要はこれからの4年間、交渉する機はありませんと宣言しているのと同じです。

米国(と言うかオバマ大統領陣営)を遠ざけ、日本を手繰り寄せる王岐山氏の手腕、これからとくと拝見させて頂きます。


最新鋭空母「遼寧」の戦力化は4~5年後と中国の軍事関係筋が発言、その頃には戦力化じゃなくて陳腐化か老朽化じゃないのかと思う小誌ですが、やはりこの「玩具」を購入した最大の理由は、胡錦濤「前」指導部による中国海軍(少なくとも北海艦隊)寝返り工作の一環とみるのが正しいようです。


余り注目されていないことを二件取り上げます。

まず中国の銀行管理当局が国内大手行に対し、自己資本比率の指針を明らかにしまして、それによると2013年末で9.5%以上、2015年末には11.5%を超えることが義務付けられているそうです。

幾ら辻褄合わせの名人たる中国人でも、無理を重ねれば重ねるほど歪みが生じてくるのは已むを得ません。

面従腹背で指針を無視して済む問題かどうか、ひょっとして敵は本能寺で政府系金融機関かも知れません。


宝鋼集団製鉄所で死傷事故発生、人命軽視と言えばそれまでですが、無理な増産に走っている気配があります。

どうも習近平「軽量級」総書記は、各方面から軽くみられているのではないか、意向や指示が全然浸透していない印象を受けます。

肝心なのは、これでもまだ国務は「胡錦濤国家主席・温家宝総理」体制で責任を職責を担ってくれている点で、これが来年3月の全人代で自らが国家主席に就任すればどうなるか、その船出は初手から大時化になると言うのが小誌の見立てです。

(続く)
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by 4kokintou | 2012-12-27 16:48

最終決戦

下野(?)した胡錦濤陣営の今後の基本戦略は、「敵失を待って、手に負えなくなって八方塞になった敵方から相談を持ちかけられる」形に持っていくことと思われ、今の党執行部の統治能力の無さ(非力)と不協和音(一致団結に程遠い)を踏まえると、基本的には正鵠を射ていると言えますが、ただ「その時にしか出来ないこと」もあります。

胡錦濤国家主席も温家宝総理も政治局常務委員を退いた以上、中国共産党に於ける表向きの立場は「ただの人」ですが、公職としては高い地位を今だ保持しています。

勿論、共産主義国家ですから「党が政府を指導する」建前上、国家元首も国務院最高指導者も党の方針に従わねばならず、両氏は「一介の党員」過ぎませんから党の方針策定に関与出来ない筈ですが、そうでもないのが中国の中国たるところです。

温家宝総理が今、最後のご奉公とばかり熱意を傾けているのが「鉄道省の交通省への吸収合併、事実上の解体」で、鉄道省と言うのは「準軍事部門」の扱いを受けていた時期もあった経緯から、今も独自の警察、検察、裁判所等を持っているそうで、要は「同省を支配する勢力の利権の温床」であり「半独立的行政組織」と言えます。

この鉄道省解体案はまず、来年2月の党中央委員会総会に提出され、3月の全人代で審議されるとの由、いつも思うのですが、「誰が案を提出」するのか、この辺りが良く分かりませんが、反対勢力を敵に回して法案成立を狙うだけの「実力」を温家宝総理は余していて、2月は党内で、3月には全人代を舞台に最後の一戦に臨むのですから大したものです。

李克強次期総理に任せても良い案件かも知れませんが、胡錦濤、温家宝両氏からは時として「殺されても構わない」と言う決意が映像から伝わってくることがあり(小誌の勘違いかも知れませんが)、鉄道省に関しては「これだけは己の手で潰して後顧に憂いを残さない」と決心していると思われます。

当時の鉄道大臣を解任し、同省関連予算を大幅に削ったのは他ならぬ両氏、その総仕上げが交通省への吸収合併と言うことになり、確かに両氏の立場に身を置けば解体せずに引き渡したのでは、今までの苦労は何だったんだと言うことになります。

ですがこれだけの大型既得権益ですから、守旧派抵抗勢力も必死、習近平総書記もこちらの属すると思われますが、総書記殿に相応の「実力(権力ではありません)」があれば鶴の一声で守旧派抵抗勢力の勝利となるのですが、そうならないと言うことは、この「見習い総書記」を誰も当てにはしていないと言うことになります。


胡春華政治局員の広東省党書記就任には、団派の内部からも危ぶむ声が挙がっていたそうで、反中央的傾向が強い上に汚職が蔓延る同省は、胡春華氏の手に余ると言う意見もあったのでしょうが、それでもねじ込んだのは胡錦濤「長老」その人でしょう。

かつて団派出身者を無能だからと左遷した胡国家主席、おそらく広東省を制する手腕がなければ、中央に行っても使い物にならないと考えているのだと思われます。

それにしても奇妙なのは、広東省(党書記)はまるで団派の縄張りみたいな扱いを受けていて、それを誰も奇異に思わない点で、党書記の人事異動の際、それを伝える記事は半で押したように「党中央は」で始まりますが、その党中央って具体的には何処で、如何なる党職の人物(普通なら組織部長でしょうが)がその決定に参画したのか、経緯や手続きは一切触れられることはありません。

おそらく「党中央」以外の場所で決まっているのでしょうが、その政策にしても人事異動にしても「表向きでない本当の権限の所在地」が分からないと、中国は理解出来ないと考えられます。

(続く)
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by 4kokintou | 2012-12-24 17:25

萎えた

もう少しと言うところでパソコンが突然凍って、それまで書いてきたものが真っ白に、気持ちが萎えてしまったので大事な点にだけ言及しますが、安倍次期総理大臣は「(日中)戦略的互恵関係」に言及しています。

中国側、厳密には胡錦濤陣営が待ちに待ったこの言葉、これは同時に「習近平総書記を含む反胡錦濤勢力を相手にせず」宣言でもありますから、その衝撃は相当なものがあると思われます。

つまり安倍次期内閣は「反習近平内閣」、とすれば「反オバマ内閣」でもあり、実際、大統領と会談するための訪米は来年2月で話が進んでいます。

それに対し「(ロシアを含む)東アジア反オバマ勢力総決起」とも言える安倍氏の特使外交は積極的で、北朝鮮の取り込みが最終目標ですから、関係諸国に特使を派遣する形で話を進めています。

ロシア(プーチン大統領):森喜郎元総理大臣(イルクーツク宣言を作成した仲)
これは「メドヴェージェフ首相一派を相手にせず宣言でもあります。

中国:高村自民党副総裁
副総裁が国務委員と面談するのですから、相手の顔も立ちます。

韓国(朴次期大統領):額賀、竹下、小渕の三氏(衆議院議員)
あの金大中事件が起きたのは父親の朴大統領時代、これを「政治決着」させたのが田中角栄総理(当時)、額賀派は田中派の末裔ですから、この特使の人選は妥当と言えましょう。
因みに、娘の朴次期大統領は胡錦濤総書記(当時)とも小泉総理(これも当時)とも会談し、面識がある人物です。

これで北朝鮮を取り込んで、日本の指導と中国胡錦濤陣営の監督の下、「改革開放路線」に引き込む準備が整いました。

(続く)
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by 4kokintou | 2012-12-23 12:07

窓口

王岐山政治局常務委員(党中央紀律検査委員会党書記)が訪米しオバマ大統領と会談、それにしても面妖なのは中国共産党の最高指導者の一人とは言え、それはあくまで党務の話であって、公務(国務)上の肩書きは次回の全人代まで「副総理」ですから、米国の国家元首が中国の行政の三番手以下(温家宝総理、李克強筆頭副総理が上位)と会ったことになります。

中国と言うのは面白い国で、国毎に「窓口」となる要人が決まっていまして、例えば日本は胡錦濤「長老」が指名した王岐山氏と李克強次期総理の二枚看板になると言うのが小誌の見立て、この布陣で「日中戦略的互恵関係」の再構築に臨みます。

ロシアの窓口は、従来は呉邦国全人代委員長(来春全人代で公務も勇退)だったのですが、それを温家宝総理が奪取、おそらく李克強次期総理に譲られるものと思われます。

ミャンマーとインドシナ四カ国(ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ)の窓口は他ならぬ習近平総書記だったのですが、それを取り上げたのが当時の胡錦濤総書記、今の窓口は不明ですが、現職の方の総書記でないのは間違いありません。

これに関連して言えば、石油畑でない習総書記が最初の歴訪地としてアフリカ諸国を選んだのは、アフリカ関連石油及び天然資源利権の新規開拓或いは利権の再分配が目的と思われます。


王岐山副総理の訪米の目的は、まず「米中戦略経済対話」の実質的棚上げ、要は米国の窓口役を引き続き同氏が担うことを告げた上で、主な交渉相手はオバマ新政権ではなく、大統領と鋭く対立する米国系金融資本であること、それからオバマ陣営が王氏を通さずに無断で中国国内の要人や団体と交渉することは厳禁であること伝えたと思われます。

奇妙なことに、ほぼ時を同じくして日米中で新政権が発足するのですが、共通点はその顔触れが酷いか、その可能性が非常に大きいことです。

まず中国ですが、権力中枢(=政治局常務委員)で統治者としての資質を有すると思われるのは李克強、王岐山の両氏だけ、例の「高齢権力亡者四人衆(兪正声、劉雲山、張徳江、張高麗)は利権獲得能力に長けていても政権担当能力に疑問符が付くと言いますか、権力(既得権益)維持に関心はあっても政策遂行には興味がありません。

そして習総書記ですが、この人物が急に頭角を現したのは、陸軍少将にまで登りつめた嫁を貰ったこともさることながら、それと前後して別に強力な後ろ盾を得たのではないかと推測しています。

習近平氏は太子党に分類されますが、太子党の中でも「格付け」があり、やはり頭脳明晰であることが望ましく、習氏が若い頃から「太子党の希望の星」で無かったと言うことは、「毛並みは良いが人の上に立つだけの器ではない」と判断されていたからでしょう。

総書記は「父から引き継いだ陝西軍閥」と「嫁の後ろ盾の(おそらく)山東軍閥」を支持母体としていますが、これでは軍部に偏り過ぎで、民間の在野で比類の無い政治力を有する人間の推挙が無ければ、この「毛並み(血筋)は良いが能力に疑問符が付く世間知らず」が権力の頂点に登りつめることは無かったと思われます。

では「比類なき政治力を有する人間」と言えば、上海閥(江沢民氏)すら畏怖させ、団派本流も沈黙させる人物と言うことになりますが、それは陳雲こと廖陳雲の息子、陳元氏(中国国家開発銀行の行長、1994年以降現職)だと言うのが小誌の憶測です。

鄧小平氏と互角以上に渡り合い、江沢民氏を抜擢したのも父親の陳雲元副総理、毛沢東の信頼も篤く、その息子とあらば「特級太子党」です。

その陳元氏の立場から言えば、己とその一統の権益を守る最大の楯が習総書記と言うことになります。

傀儡政権であり求心力の全く無い指導部と言うことになります、新体制は。


日本については少なくとも麻生、石原、額賀それに安倍氏本人が「地雷原」ですので、早々に余程の業績を挙げないと展望が開けてきません、それにしても頭が痛い。

良い所もあるのですが、「国益に利する人物の登用」と言う発想が薄いため、帳消しにして余りあります、それでも民主党歴代内閣よりましですが。


米国は大統領陣営と金融資本との「二元外交」になります。

大手金融資本を敵に回すと言うことは、それらは財界、官界、学界、それに政界(の一部)に睨みが利きますから、来年1月20日に発足するオバマ新政権の顔ぶれは碌なものにならず、大統領の非力だけが浮き彫りになる組閣名簿になると考えられます。

事実、次期国務長官は意中の人物を断念せざるを得ず、2004年民主党大統領候補(息子ブッシュに負けた)ケリー上院議員を指名、議会からすれば「仲間内」ですから上下両院も承認するでしょうが、主だった国々は相手にしないでしょう。

今に至るも国防長官やCIA長官と言った要職が決まらないのは、皆尻込みしているからで、加えて与党である筈の民主党の一部勢力も、金融資本を利権を代弁する形で大統領に批判的な言動を取るでしょうから、オバマ氏は「人材は集まらない、身動きは取れない」状況にあります。

来年は「世界規模の政治的空白の一年」になるやも知れません。

(続く)
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by 4kokintou | 2012-12-22 11:15

対中外交だけ及第点

報道から察する限り、頭の痛くなる陣容になりそうな第二次安倍内閣ですが、これだけは周囲から釘を刺されているのでしょう、林芳正参議院議員を外相として起用するとの由、これにて外交の骨格が固まりました。

日本では福田康夫氏が、中国では(公務は残っていますが)胡錦濤氏が時を同じくして第一線から退いて「長老」となりました。

両氏は日中戦略的互恵関係を構築した「義兄弟(に限りなく近い親友)」の関係ですから、相前後して「長老」になるのは誠に好都合と言えます。

少なくとも「団派本流(及び胡錦濤思想信奉者)」が日本を如何に重視しているのか、それは裏表の対日外交布陣から分かります。

まず統括者が胡「長老」、表向きの(換言すれば「国務」或いは「公務」としての)筆頭窓口は李克強総理大臣(予定)、裏側と言うか「本音」の窓口は「長老」ご指名の王岐山政治局常務委員(兼党中央紀律検査委員会党書記)、副首相と国務委員も団派本流かそれに近い人物が充てられると思われます。

整理すると対日外交は、

胡錦濤>李克強+王岐山>団派本流政治局員(副総理)>団派系中央委員(国務委員)

何とも豪華な顔触れです。

対する日本側は、

福田康夫>安倍晋三>林芳正>日中戦略的互恵関係の真意が分かっている事務方

これをみれば分かりますが、「互恵関係=五分の杯」と言っても日本が上座で、胡錦濤「国家主席」と福田康夫「首相」で五分ですから、その上に天皇を戴く日本が頭一つ抜けていることになります。

それが分かっているから、相手の顔を立てて「互恵」関係と謳っているのです。

林芳正氏を小誌が注目していたのは、肝心な時(例えば団派本流の省党書記級人物が北京に全員集合している時)にこの人物も現地に滞在していたとか、「偶々」重要な場面に居合わすことが多く、これは偶然ではなくて福田氏の後継者的存在ではないかのかと睨んでいたからです。


もうすぐ発足する安倍新内閣の顔ぶれを個別にみてしまうと、日本語が不自由な総理経験者や、前東京都知事の馬鹿息子を初め、賞味期限切れの人物ばかりなので困りますが、この内閣に取り得があるとすれば「要人幹部全員参加内閣」と言う点にあります。

すなわち大事なことは閣内で了解が取れれば良い訳で、と言っても重要案件は間違いだらけの経済政策ではなく、この内閣に突破口があるとすれば、それは外交です。(気付いていればの話ですが)


今回の「東アジア政変」の影の主役とまでは行かぬまでも、胡錦濤「長老」の意を汲んで精一杯のことをしたのが、北朝鮮の三代目でした。

つまり北朝鮮のミサイル発射が駄目を押す形で、日本での政権交代と自民党圧勝を演出し、更には韓国では反財閥系保守派に勝利をもたらし、同時に「米(オバマ)中(習近平)仲良し倶楽部」に恥をかかせることになりました。

米中の金権体質権力者達を敵に回してまでミサイルを発射した背景には、日中(こちらは福田・安倍系と胡錦濤の流れ)の思惑があり、分かり易く言えば日中戦略的互恵関係(=団派対日同盟)に北朝鮮を巻き込むことにあり、その答は「(参議院選挙前の)日朝国交回復」にあります。

仲裁役は中国(表向きは李克強総理)、北朝鮮は拉致被害者の全員返還(死亡者は遺骨返還)と賠償請求権の実質的放棄(従軍慰安婦等を含む)、日本側は植民地時代についての謝罪、賠償は要らなくても国交回復が実現すれば、日本の資本と技術、それに人材は北朝鮮に渡りますので、経済も一気に活性化する可能性があります。

安倍自民党総裁に価値を見出すとすれば、それは小泉訪朝団の随行員として北朝鮮要人と現地で会談していること、つまり「顔見知り」であることは大きな強みで、「安倍+林」の布陣で中国「団派本流」関係修復と北朝鮮問題に乗り出さないとすれば、これはもう詐欺です。

中国側の思惑は、渤海付近からみた場合、日本と交易する上で常に障害となっていたのが朝鮮半島で、旧聞に属しますが小誌が「朝鮮半島を取り払った東アジア地図を想像してみると全然風景が変わってくる」と言った旨の私見をご紹介したうえで、「朝鮮半島運河構想」を勝手に打ち上げましたが、渤海経済圏を縄張りとして上海を枯らしたい団派本流からすれば、北朝鮮の日本海と黄海の港湾が整備され、その間の道路整備がされるだけでも願ったり叶ったりです。

資本主義的に言えば、北朝鮮は理想的な資本投下の場所で、どう考えたって収益率は高いですし、公共事業もやり放題です。

資本と技術を出す日本が発注元、請け負うのは「金王朝三代目商店」、但し現場監督は中国が担当し現地労働者を使うことになりますが、これって「日中による金王朝保護」の役割も果たしています。

これだけの大事ですから、安倍内閣の陣容は自ずと決まってきますし、韓国大統領も反財閥(と言うか財閥潰し)大統領でなければなりません、「もう反日で騒ぐな」と言う意思表示ですから。

それにしても、これが事実とすると、誰がこれだけの絵を描いたのでしょうか。

(続く)
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by 4kokintou | 2012-12-21 17:14

四川事変に広東事変

自民党が政権復帰、民主党は下野と言う生易しい表現では済まない「分裂、解党」が視野に入り、既存報道媒体が右も左も一致団結して叩いた維新があわや野党第一党になりかねない今回の総選挙でしたが、自民党に「薄氷の勝利」の認識が無いと、半年後の参議院選挙で維新に思わぬ苦戦を強いられるかも知れません。

民主党は「複数定員区で議席を獲得出来るか、比例で維新を上回ることが出来るか」を問われる選挙になる可能性があります。


自民党の大勝で、折角「同盟国」北朝鮮のミサイルのお蔭で、韓国大統領選挙で「保守バネ」が効きそうだったのに、「反日左翼バネ」も目覚めたみたいで、正論を通して財界とも一線を画する保守派候補に対し、迎合政策で結果的には財閥擁護に回っている左翼候補と言う、奇妙な選挙戦になっています。

面白いのが中国の反応で、外務省報道官の顔色まで変わるほど安倍「極右」自民党の圧勝は衝撃だったみたいで、声明文の表現にまでその動揺ぶりが現われています。

その中国では今、「淫祠邪教」が摘発されているそうですが、邪悪な宗教団体が社会不安を醸成するのではなく、特に底辺層の苦しみがその素地になっていることが多いのは、中国史を振り返れば一目瞭然、やはり「非力な」新米総書記殿に、現状打破の腕力は期待出来そうにありません。


「胡さん」一族の若大将こと胡春華政治局員(勿論「団派本流」)が広東省党書記に就任、前任者の汪洋政治局員の次の党務関連の情報は入手待ちです。

劉奇葆氏が党中央宣伝部長に転出した四川省ですが、後任の王東明氏(詳細不明)は元重慶市党書記兼政治局員だった薄煕来氏に対し「恨み骨髄」だそうで、符合するかの様に四川省副総書記が解任されたことを踏まえると、目的の一つは「薄氏率いる雲南財閥の解体」、もう一つは「汚職撲滅に名を借りた遼寧省・大連閥粛清」と考えられます。

それから浙江省、陝西省、吉林省で党書記が決定との未確認情報、いずれも省長からの「昇格」らしいです。


習総書記の国家主席就任後の最初の歴訪先がアフリカ諸国に決まりそうですが、もう中国は「(石油)資源利権外交」をしている余裕はありません。

外遊中に大事件が起きても小誌は責任を負いかねます。

(続く)
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by 4kokintou | 2012-12-19 00:56

ミサイルその他

小誌の見立てよりは少し早かったですが、荒天強風で延期になるとの見方の裏を掻く形で北朝鮮がミサイル発射、思いの外に制御技術があるんだと感心すると共に、南朝鮮(=韓国、これでも自称保守)の諜報能力(情報収集能力)の意外な低さが露呈する一件となりました。

北朝鮮の三代目、若いけれども苦労人かも知れません、なんせ実母が「在日」ですから。

軽蔑の念ほど已み難いものは無く、それが父親の「部下」であれ己の「子飼い」であれ、父方と母方の「血筋」(成分と言うらしい)を足して割ったら、三代目よりも血筋が低くなる者は皆無、おまけに権力闘争もあって人を観る目が養われている印象を受けます。


その第一書記殿の人格形成に影響を及ぼした人物と言えば、まずは実母(金正日夫人)が挙げられますが、その「親日、親胡錦濤」路線を見る限り、胡錦濤「長老」の意を受けた王家瑞対外連絡部長の存在も大きいと思われます。

今回のミサイル発射劇が、これまでのものとは異なるのは、中国が婉曲な表現ながら自制を求め、発射後はこれも回りくどい言い方でそれを非難している点で、ミサイル発射通告及び実行は、習近平氏が党総書記に就任した後の出来事ですから、総書記の「好ましくない」と言う判断が表に出たと考えられます。

三代目は胡錦濤氏が公務(国家主席他、これは現職)のみならず党務(政治局常務委員、総書記、党軍事委員会主席)も担っていた時点で、王家瑞部長を通じて擦り合わせを行ない、最終的には北朝鮮の最高幹部が訪朝して話を詰めています。

そして胡氏が総書記である間は騒ぎを起さず、習氏が後を襲い、しかも「日韓ダブル選挙」と言う美味しい事態が出現した瞬間にミサイルをぶっ飛ばしました。

習総書記も黙っていれば良いものを、非力と言われるのが嫌だったのでしょう、口出しして無視されて恥を掻いてしまいました。

今後益々、「うるさ型年寄り常務委員四人衆(兪正声、劉雲山、張徳江、張高麗)」に対する抑えは利かなくなると思われます。


胡錦濤「長老」とその同志の動向をみていると、国家(国家主席他)と党(総書記他)の最高指導者に就任する以前から、公務と党務を退いた後のことを考えていたのではないか、「利権の巣窟」鉄道省の解体に温家宝総理が、政治局常務委員から退いた今になって着手している事実が、今の中国における「本当の権力の所在」を物語っています。

そしてここからは、今回の選挙で敗れた挙句に政治的に抹殺されるであろう橋下徹氏に是非理解頂きたいのですが、「少数でもその支持が強ければ勝てる、弱い支持は数が多くても力に欠ける」と言うことです。


先日、大阪を訪れましたが、大阪府議会、大阪市議会共に「維新+公明」が与党を構成しています。

だから今回の総選挙でも、公明党が候補を出している選挙区では、維新は候補者を立てずに配慮してきました。

お人好しにも程があり、公明党を支持する宗教団体が実質所有する建物に(その建物の所在地は自民と維新の激突区、公明候補不在です)、通常ならば「比例代表は公明党」と言うポスターだけの筈なのですが、並んで自民党候補の顔写真が並んで貼られていました。(この前の日曜日=12月9日に貼られたと言うのが、現地の知人の印象)

要は最初から中央での「自民+公明」の絆を切るつもりは、公明党側には更々無く、府議会と市議会で維新と組んで与党に回るのは「与党の旨み」にあやかりたいから、そして地方で金縛りにしておいて重点選挙区には潜在的には最大の政敵となり得る維新の立候補を取り下げさせた挙句に、自民と維新が競り合っている終盤になって「維新追い落とし」の旗幟を鮮明にする、政治の世界は騙されるのが馬鹿です。


胡錦濤氏(と言うか中国人)は数限りない裏切りに遭遇してきたでしょうし、今日まで誠実で忠実だった人物が寝返ることも稀ではありません。

「近代」は皮肉にも「相手を信頼すること=相手も自分も同胞」と言う意識を醸成することから始まりますが、「友党」公明党が土壇場で裏切った場合の「保険」を掛けておくのは、近代でも前近代でも同様に必要です。


橋下大阪市長が「既成(寄生?)勢力の粉砕」、「既得権益の打破」を力説しているのは正しいですが、それは先の大阪市長選挙で共産党すら実質的に対立候補を支援したことからも分かる様に、たとえ芥子粒みたいなものでも既得権益を剥奪されることは耐えがたい苦痛なのです。

しかも市長はその「出身母体」を裏切っています、本来ならばその出自から言えば「人権」を振りかざして、「平等」ではい「特権」を求めるのがその立場なのですが、橋下氏は「皆が等しい線までは認められても、如何なる特権は認められない」と言う立場ですので、その門地や出自を逆手にとって、法令や行政上の特権を享受している連中からすれば「許されざるべき裏切り者」です。

不敗神話が崩れ去りつつある今、今度は既得権力層が「維新」の切り崩しを図り、そうして弱体化したところで次の大阪市長選挙で「汚職見本市」大阪市を反対勢力が奪回する、その後は冤罪で弁護士資格剥奪です。


絶好の比較標本ですので、「胡錦濤と橋下徹」も暫く考えてみたいと思います。

(続く)
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by 4kokintou | 2012-12-13 23:18