現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou
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連動する国際情勢

国内で反対分子の「処分」を進めている北朝鮮、今度は米国特使の入国を直前になって拒否、己に従わぬ守旧派をあらかた片付けたと判断したのでしょう、その守旧派が窓口となっている米国側の特使も用無しと言う理屈です。

2008年の大統領選挙で大逆転を果たしたオバマ候補(当時)ですが、その時に後ろ盾となったゴールドマン・サックス(GS)から突き付けられたであろう条件の一つが、「外交と経済には口出しするな」、四年間に亘るヒラリー前国務長官の時代、オバマ大統領は一度たりともヒラリー女史の発言を否定することはありませんでした。

と言って外交も経済運営もしない大統領なんて格好悪いし、人脈は作っておいて損はありませんので、何かあると「特使」を派遣するのがオバマ「外交」の常套手段でした。

従って今回の特使もオバマ氏の個人的使節とみるのが妥当で、それを蹴ったと言うことは「反オバマ」の旗幟を鮮明にしただけでなく、北朝鮮国内に「親オバマ勢力」は存在しない、それらは全て「抹殺」したとの意志表示とも受け取れます。


時を同じくして韓国では諜報機関の国家情報院が、左翼系野党統一進歩党の最高幹部らを内乱陰謀容疑で逮捕、関係個所に家宅捜索も入っている模様です。

産経新聞などは統一進歩党のことを「親北」と表現していましたが、親北朝鮮の名の借りた国内財閥御用政党と言うのが小誌の読み、だとすれば北朝鮮としても最早利用価値は皆無(形だけ抗議声明を出すかも知れませんが)、韓国としても要らぬ緊張を招く必要はありませんから、今回の一件、南北首脳の間では「暗黙の了解」が成立していることになります。

両方を納得出来るのは胡錦濤「長老」陣営か、日本では安倍総理の「指南役」級の人物、東アジアは「反オバマ」一色に塗り変えられつつあります。

ですから今頃になって欠陥空母「遼寧」に乗船し閲兵しても遅いんです、習近平国家主席殿、それじゃあ情報収集能力が小誌並みです。


それにしても中国人と言うのは義理堅いと言うか、日本の民主党議員団に党内序列第四位の兪正声政協会議主席(政治局常務委員)が面談、絶対に見逃してはならないのがこの人物から「日中戦略的互恵関係」の言葉が出たこと、換言すればこれまで「小姑四人組((張徳江、兪正声、劉雲山、張高麗)」の一人に数えていた兪政協会議主席が、元々そうだったのかも知れませんが政治的立場を「親胡反習」に移しつつあることがうかがえます。

習国家主席が努めて使用を避けているのが、この「日中戦略的互恵関係」と、胡錦濤「長老」が提唱し、最後には党規約にねじ込んだ「科学的発展観」ですから、このいずれか乃至両方に言及することは、少なくとも国家主席と距離を置いていることを表明したのも同然です。

それでも9月3日から10泊11日の外遊に出かける国家主席殿、期間中に何が起こっても「余の与り知らぬこと」と言い訳したいのでしょう、臆病者と言う点では小誌も同じ範疇に入りますので、その気持ちは分かりますが、悪手です。


中国ってつらいなぁと思うのは、先日の新聞記事で、それが主題ではなかったのですが「保利集団の本社ビルにCIC(中国投資有限公司集団)の本社が入っていると書いてあったことで、保利集団をWikiで調べてみると「一生楽して暮らしていける連中」の名前が幹部職に並んでいました。

まだ薄汚い(何を以って薄汚いとするかは別として)連中の子息なら救われるのですが、「賀さん」だの「鄧さん」だの「姫さん」だの「葉さん」だの「楊さん」だの、あの文革を潜り抜け二度とこの様な国家だけは作るまいと誓った筈の子弟が、親の権威を笠に着ながら親の業績を否定して余りある立場に安住しています。

親不孝と言う概念はないのか、中国には。

そして「胡錦濤思想」を突き詰めていけば、それが恩人であれ誰であれ「分不相応で憲政に悖る行為に走る人物は全て粛清」することになり、両勢力はいずれ激突することになります。

そんな暇も体力も時間も残されていません、中国要人各位殿。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-08-31 22:01

蠢動

北朝鮮で「三代目」こと金正恩第一書記が、夫人がかつて在籍していた銀河水管弦楽団関係者らを「処分」したかと思えば、今度は5月に就任したばかりの朝鮮人民軍の総参謀長が更迭、現地で大掛かりな「粛清」が始まっていると解釈しても差し支えないと思われます。

対象が守旧派、言葉を代えて表現すれば「安倍訪朝阻止派」、それだけは「偉大なる指導者」第一書記様の命令でも聞く訳には行かない最後の一線と頑強に抵抗しますので、それに対する報復も益々血なまぐさくなるものです。

換言すれば第一書記は日朝国交樹立に政治生命を賭けている、そしてそれを影で支えているのが胡錦濤「長老」陣営であると言うのが、かねてからの小誌持論であることはご既承知の通り、なりふり構っていられない為政者が此処にも存在します。


立ち話でも「防衛相会談が成立した」と騒いでいる呑気な島国のことはさておき(それでも中国にすれば結構な譲歩ですが)、比大統領が9月3日に開会式が予定されているASEAN博覧会への欠席を表明、領土問題を抱える中比両国としては譲れない面もあるのですが、前回(第六回)もそうですが開催地は広西チワン族自治区、地理的関係から言っても広東経済圏に属し、そのためか確か粗鋼生産量が突出しているところです。

この博覧会の「本当の主催者」は誰なのか、中国はここから確認せねばならないので困ったものですが、言えることは比大統領はその「本当の主催者」を袖にしたと言うことです。

おそらく「本当の主催者」陣営も狙い撃ちされるのでしょうが、9月3日から13日まで「外遊(逃避?)」する習近平国家主席は開会式に出席するのか、興味のあるところです。


この前、中国共産党ニュース(日本語版)に目を通していたら、右側の欄に偉人記念館の案内があり、「毛沢東記念館」、「周恩来記念館」は分かるとして、その下に「劉少奇記念館」と「朱徳記念館」の案内がありました。

そう言えば朱徳も毛沢東に粛清されなかった数少ない人物、ただどこまで忠実だったかは今となっては分かりませんが、林彪まで殺した毛沢東としては、軍の統制を維持するうえで朱徳を最高位ながら名誉職に祭り上げざるを得なかったと思われます。

因みに別のところに掲載されているのが「鄧小平記念館」の案内、2002年には「鄧小平記念館」サイトが開設されましたが、その運営管理者が「中国共産党青年団中央」と「中央文献研究室」、これだけで団派の鄧小平に対する「存念」と言うのが分かります。


香港系英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストが前政治局常務委員の周永康「長老」を汚職容疑で近く調査と報道、金を積めば何でもする報道機関の連中でも、書いて良いことと悪いことの区別はついていますから、これがたとえ観測記事だとしても、少し旧聞に属しますが日経でさえ噂の域に過ぎないとしながらも同氏失脚の可能性に言及していますから、決して信憑性は低くないと思われます。

それにこれだけの「大物」を釣り上げるには時間がかかる、だから間違いなく仕留めてからと言うことで、通常ならば10月開催の党大会が11月にずれんだと思われます。

中国も北朝鮮に負けず劣らず「粛清」と「処分」が続く、ただそれにも「お国柄」が出るもので、日本は選挙を通じて民主党と言う無能私利私欲集団を「大量抹殺」し、北朝鮮では戦前の日本の影響と共産主義思想が融合した「処分」が執行され、中国では中国共産党の結党以前から燻る路線対立の一世紀近くに及ぶ「清算」が進行しています。

余談ながら、周「長老」の身辺捜査を報じた記事にある、「習近平国家主席ら指導部に近い情報筋」と言うのは、誰が考えても王岐山政治局常務委員と党中央規律検査委員会のこと、汚職案件で他の部署は口出し出来ません。

但し情報を流したのは劉奇葆党中央宣伝部長(政治局員)、王岐山氏は非団派系ながら胡錦濤「長老」の信頼が特に暑い人物、そして劉宣伝部長は「団派本流」です。

ついでながら日本の最高裁に相当する最高人民法院の院長は周強中央委員、薄熙来の運命もこの人物の匙加減次第とも言えますが、周強氏も「団派本流」、偶然かどうかは読者各位でご考慮あれ。


それから、重要な意義があるのは分かるが、それ以外は全く分からないのが

中共中央が党内法規を初の集中見直し(出典:人民日報)
(http://japan.people.com.cn/204937/8382622.html)

どなたか解説してやって下され。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-08-30 19:31

発表が雑

中国共産党は27日に政治局会議を開催、その席で党大会(正確には「党中央委員会第三全体会議(三中全会)」を11月に開催することを決定したそうです。

過去3回は10月開催でしたから、それよりも開会時期がずれ込んでいる点も気になりますが、国家元首の外遊然り、党大会の日程然り、政治局員が雁首揃えた会議で、何故直前にならなければ決まらないのか、いまだに腑に落ちないのは小誌だけでしょうか。

今回の中国共産党中央政治局会議の主宰者は勿論、習近平総書記、ただその内容をみると「団派の筋書き通り」の感が否めません。

それによると、習総書記が主宰したその会議では、

「腐敗の取締りと予防システムを構築し健全化する2013-2017年作業計画」
「地方政府の職能転換と機構改革に関する意見」
これらを審議及び採択、

「改革を深化する自信を持つべきで、また改革深化の正しい方向を堅持しなければならない」と明記、

「腐敗の取締りと予防システムの構築を推進することは、党の重要な政治任務と全社会の共通責任」
としたうえで(中略)、
「腐敗蔓延の勢いを断固として抑制することを重要な任務と目標とし、『虎』と『ハエ』をともに取り締まることを堅持し、共産党幹部の規律や法違反の案件を厳しく摘発すべき」と明言しています。

止めに上海自由貿易試験区(原文では上海自由貿易テストエリア)について、その設立を「改革開放の措置の一つ」と規定、「政府機能の転換、管理モデルのクリエイティブ、貿易と投資の利便化を図ることなどに重要な意義がある」との由です。


分かりやすいところから取り上げると、上海自由貿易試験区の「重要な意義」とは、持って回った言い方をしていますが、上海に団派の牙城を構築して反対派の利権を根絶やしにすること、見方を変えれば現地の反対勢力にそれを阻止するだけの政治力が残されていないことを物語っています。

腐敗防止(=汚職)で目を引くのが「虎とハエ」の件、今回は大物を撃つぞと宣言しているのに等しく、この時点では薄熙来氏もペトロ・チャイナ幹部も「過去の人」で新鮮味に欠けますし、「虎」は現職の政治委員以上、もしくは大物「長老」です。

現職を摘発すると、その後の人事が大揉めになりますから、ここは噂の周永康「長老」(前政治局常務委員)が本命、李長春「長老」が対抗馬ですが、大穴として小誌は廖陳雲こと陳雲(故人)の息子で前国家開発銀行董事長の陳元氏を挙げたいと思います。

「虎」退治は二か月で充分との目鼻がついたから、11月開催としたのでしょうが、それにしても非力です、総書記兼国家主席殿。


今月26日に北朝鮮の金正恩第一書記が「重大な結論を下した」と思ったら、夫人が在籍していたこともある劇団員を「ポルノ製作、販売」の罪で20日に公開処刑を実施、中には第一書記の所謂「元カノ」のいたそうですが、要は反対勢力の粛清以外の何物でもありません。

何に反対するかと言えば「安倍訪朝」、内心、出自の低い第一書記を見下している守旧派は、我こそは金正日ひいては金日成思想の正統な継承者と自負している筈で、しかも対日交渉には膨大な利権が絡むのは言うまでもなく、守旧派にとってはそれを三代目にさらわれるのは心外以外の何物でもありません。

安倍訪朝の前提条件は多々ありますが、何より北朝鮮の国論が一本化される必要があり、それを拒む者はたとえ妻子でも政治的には「抹殺」する必要があります。(夫人の動静が気になるところです)

日本にいるから血なまぐさいことに顔をしかめても何らお咎めを受けない、一歩外に出れば血なまぐさいことは当たり前、その時の反応次第で自分が次の犠牲者になりかねないのが国際政治です。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-08-29 18:44

為政者としての心構え

人民日報のホームページを除くと、「中国東北部各地で洪水被害(毎日更新)」とあります。

原因は何にせよ、日々更新しなければならないほど被害が深刻なことだけは明らかで、中露両国の総理大臣(李克強、メドヴェージェフ)が電話会談で、口先だけでも緊密な連携を確認し合せざるを得ないほど、事態は悪化し長期化する見通しにあります。


そんなことはお構いなく習近平国家主席は10泊11日の外遊(逃避旅行?、昇進旅行?)に出ますし、被害地の黒竜江省では地方政府幹部役員や現地党要人の乱痴気騒ぎが始まっています。

役職=役得を心得る不届き者にとって、災害ほど旨い話はありません、義援金だの復興資金だのが下りてきますから、その一部をくすねれば良いのであって、少し旧聞に属しますが四川大地震の際にも現地幹部、要人は大いに有卦に入りました。

換言すれば被害者は後回し、この感覚が中国を発展途上国(と言う名の未開発国、多分使っちゃいかん言葉なのでしょうが)の段階に留めている最大の要因なのですが、辛亥革命も共産中国建国も「以前の支配階級が享受していた特権を我々が我々が独占したい」と言うの本音で、革命理論やその精神は口実と言うか、本音を隠す隠れ蓑に過ぎませんでした。

これを明治維新と比較すると分かりやすく、明治維新の政治目標は「富国強兵、殖産興業」、近代国家に変貌した西洋列強(初期段階においては清朝や帝政ロシアすら脅威でした)に呑み込まれないためには、脇目も振らずその実現に邁進する必要があり、だからこそ「国民」の協力が必要、革命(維新)の目標を公言することは不可欠であり、それ以上に宣言した以上は実現に向かって歩みを進めることは明治政府の義務でした。

この点で今も日本は路線変更しておらず、明治維新の精神を継承していることは、あの痛ましき東日本大震災をみれば一目瞭然、当時の政府の無能ぶりに対し朝野を挙げて思想信条に関係なく指弾し、復興予算の名を借りて利権をばら撒こうとした当時の民主党政権に対し、国民は国政からの事実上の退場と言う意思表示を示しました。

そして習国家主席にも東北地方は目に入っていない、この人物にとって中国とは、そして中国人とは「陝西軍閥に象徴される利害関係者」だと思われてなりません。


中国金融当局の認識によると「理財商品」はネズミ講だそうで、その認識が正しいとすれば国家全土にネズミ講が蔓延していることになります。

ネズミ講も頼母子講もあまり変わりはないけれど、頼母子講が行き詰ってついでに国家経済が破綻したのがかつてのアルバニア、ネズミ講は日本でも時に発生しますが、詐欺師の連中も割が合わないと考えたのでしょう、例えばお手軽なオレオレ詐欺に軸足を移しています。


招商銀行、建設銀行に続いて中信銀行の不良債権が30%増、中堅銀行(新聞の表現を借りれば準大手行)が相次いで保有する不良債権残高を積み増ししていますが、おそらく地方政府に対する査察の進展に伴い、新たに指摘された案件の増加に伴い、関連債権を不良債権として計上せざるを得なくなっているものと思われます。

「鬼の王岐山」率いる党中央規律検査委員会が「重大な規律違反=100%汚職を意味します」容疑で、中国石油天然気集団(CNPC)最高幹部を調査中と発表、同社社長だったのが前政治局常務委員の周永康「長老」、この企業はペトロチャイナの株式の90%を保有しています。

確かに周永康「長老」は危ない、李長春「長老」(遼寧、大連閥の領袖)も、そして江沢民「大長老」も。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-08-28 19:27

こっちなんです ~日本経済新聞社様へ~

本日(8月27日)付の日経新聞二面に、「習近平の中国」と題した連載が始まりましたが、その見出しが「いったいどっちなんだ」、毛沢東の思想的後継者を自負する(勘違いする?)習近平国家主席と、鄧小平路線を踏襲しようとする李克強総理との間に埋め難い溝があり、記事の表現を借りると「股裂きになる現状」だそうです。

ご一読頂ければ、この記事の執筆者は己で答えを出しておきながら、そのことの気付いていないことが分かります。

国家主席を旗頭とする陣営は最早、金をばら撒いて暴徒を動員する資金にも事欠きつつあり、唯一の武器は言葉だけ、それも鼎の軽重を問われる事態に至りつつあります。

習国家主席が就任早々に「贅沢禁止令」を発したのは御承知の通り、その煽りで高級酒の売上は激減、高価な飲食店でも閑古鳥が鳴く始末でした。

それが記事によると、黒竜江省では国家主席の命令は空文と化し、現地の党幹部が酒池肉林を再開している模様で、国家主席殿の威令は半年ももたなかったことになります。

因みに黒竜江省党書記は王憲魁氏(へー中央候補委員でもなれるんだ、省党書記)、鉄道畑の出身、習主席が虚礼廃止や贅沢禁止を打ち出したのは、目立てば「鬼の王岐山=党中央規律検査委員会」の餌食になると言う警告なのですが、同じ年の省党書記からすれば国家主席といえども非力なお坊ちゃんの命令なんて何時までも聞いていられない訳です。

但し遠からず撃ち落されるでしょうが。

以上を踏まえると「両陣営から舐められた、金欠国家元首」、これが習近平氏の真の姿であり、来月3日から13日までの外遊は、当人がまさに「責任回避の臆病者」以外の何物でもないことを如実に示しています。

外遊の件は後述するとして、記事で取り上げているのが「上海自由貿易試験区」、国務院(つまり李克強総理)が鳴り物入りで打ち出した構想で、「団派の切り込み隊長」汪洋副総理(政治局員)が「米中戦略経済対話」で「改革への意気込みの証し」と説明しています。

この試験区構想について地元幹部や企業が冷ややかなのは当たり前、「地元幹部潰し、地元企業潰し」の道具だから。

それより江沢民「長老」がおそらく大枚をはたいてキッシンジャー元国務長官を上海に呼び寄せ、自ら公の場に姿を現して健在を誇示したその頃、団派の領袖たる胡錦濤「長老」が上海を「観光」していたそうで、敵の牙城に正面から堂々と乗り込んだと言うことは、その陥落が近いとも取れますし、キッシンジャー氏と話し合いの席を設けた可能性も否定出来ません、つまり敵地で。


六か国協議を切り盛りしていた中国外交部の武大偉氏が8月26日に訪朝、ご無沙汰だったのは六か国協議が頓挫していたから、仲介国の事務方の最高責任者が動き出したのは六か国協議が再び機能し始めたから、但し「裏の六か国協議」ですが。

習近平国家主席外遊発表も同じ26日、北朝鮮の金正恩第一書記が朝鮮労働党中央軍事委員会拡大会議で「国の自主権を守り、党の先軍(軍事優先)革命偉業を推し進める上で指針となる重要な結論を下した」のも同じ8月26日、偶然か否かは各位ご判断の程を。

逃げたい気持ちは分かりますが、今回の習主席外遊は素人でも理解出来る致命的要因を含んでいます。

薄熙来氏を見捨てたことでその権威が地に墜ちたことは別としても、G20サミットが9月5日から2日間の日程なのにもかかわらず、9月3日から13日まで祖国を離れることは、その間の政治的出来事について「私は関わっていない」と白を切りたいから、とすると薄熙来裁判の判決も、「安倍電撃訪朝発表」も、その外遊期間中、安倍総理はプーチン大統領に筋を通す必要がありますので発表はそれ以降、続いて判決の順番でしょうか。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-08-27 17:37

叶わぬ望み

今回の薄熙来裁判に限りませんが、政治的行為には真の敵味方は誰かを炙り出すとともの、その各々の力量と実力を白日の下に晒す効果があります。

例えば習近平国家主席が薄熙来氏に抱いてきた感情、或いは両者の政治的立場の近さ(或いは遠さ)、「理」と「情」を分けることが出来る人物なのか、その辺りの分別が無いのか、薄氏にとって有利か不利かは別として影響力を及ぼすことが出来るのか、要人は全て試されている訳です。

薄熙来氏はまだ一縷の望みを抱いているでしょうが、早晩、誰も援軍にやってこないをことを思い知らされるでしょう。

そして「絶望」に襲われる。

人は希望を持つ限り再起し得る「敗れざる者」ですが、絶望に支配されると「勝てない生き物」と化してしまいます。

毛沢東夫人の江青女史は獄中死しましたが、あれが報道通り殺害や事故死でなく自殺だとしたら、それは最後の望みを断ち切られ絶望したから、具体的には「文革派同志」と思っていた連中が裏切ったからでなく(その程度で中国人は死にません)、そもそも同志と目していた輩が毛沢東思想と文化大革命の意義を理解する意志すらなく、それを己の保身と立身出世の道具としか見做していなかったことを悟った瞬間に、死への誘いが脳裏を掠めたものと考えられます。


横道にそれたついでに、毛沢東が粛清しなかったのは江青と康生(あの中国のべリア)、そして周恩来、あと一人いた記憶が朧げにありますが、大した人物では無かった筈ですので割愛しますが、江青と康生は政治面において毛沢東に極めて忠実だった、換言すれば毛沢東は両者を通して理想とする政治の実現に邁進したとも言えます。

つまり両者の言動を分析すれば毛沢東の「正体」は暴ける訳で、それを一言で表現すれば「俺様が最も偉く最も正しい、故に意義を挟む者は生存を許さない」、これに尽きます。(これを「思想」と呼ぶに相応しいかは別として)

但し両者は毛沢東の「理想」の体現者で有り得ても、実務(国政)に関しては無能ですし、そこを抑えていたのが、旧胥吏階層を束ねていたと小誌が推論する周恩来です。

中国共産党が天下を手中に収めるにあたって、最大の難題は「軍政なら何とかこなせるが民政はからっきし駄目」と言う、政治のいろはでした。

胥吏集団がそのまま国務院(但しノンキャリア)に移行したとの小誌推論が正しければ、実務に長けた(=自分より優れた部分を持っている)周恩来を毛沢東は憎んでいた筈、だから折に触れて粛清を仄めかすが、周恩来が頭を下げるので勘弁してやらざるを得ない、毛と周のこの関係は、周恩来が毛沢東よりも先に死ぬことを悟った瞬間まで続きます。

ですが毛沢東に恫喝される度に左顧右眄する周恩来の政治姿勢は、おそらく多くの政治的犠牲者を伴った筈で、そもそも周恩来の根本的政治信条は「胥吏階層の抹殺阻止」、周恩来が頭脳明晰であることと、近代「国家」や「国民」国家の概念を理解していたかと言えば、残念ながら落第点です。


話を薄熙来裁判に戻しますが、裁判の長期化は必至、一審の判決(確か中国は二審制)が出るまでにまだ時間を要すると思われますが、習国家主席は9月3日から13日までの外遊を発表、サンクトペテルブルグで開催されるG20(9月5日から2日間)にも出席するそうですが、「逃げたな、見捨てたな」と言うのが第一印象です。

確かにこの裁判は「敵は本能寺」の側面もありまして、「汪洋副総理:権利侵害・偽造事件の行政処罰情報を公開」(人民日報)だそうで、とすれば副総理としては序列第三位の汪洋は「偽造防止、農業、対米交渉窓口」を担当していることになります。

団派はこの人物に入れ込んでいる、何故なら団派以外の勢力を取り込む窓口たり得る存在だからです。

それから「上海市が42の金融措置を発表」(同上)、これは少し前に取り上げた「上海自由貿易試験区」のための措置で、この試験区なる物が上海閥の根城を「枯らす」ための胡錦濤「長老」陣営の「刺客」であるとの本誌の見立てに誤りが無ければ、「団派傍流」ながら韓正上海市党書記は、江沢民陣営を追い詰め、主だった部署を掌握しつつあると言えます。

出世します、この二人。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-08-27 00:02

粘る薄さん

薄熙来元政治局員(元重慶市党書記)が頑なに拒んでいるのが、大連市党書記時代の汚職容疑、それなりの理由があることは既述の通りですが、「憲政」こそがこの裁判の隠れた争点と思われます。

この裁判の特徴は、薄氏の元側近や細君が検察の筋書き通りに供述している、つまり「司法取引」が成立しているのに対し、薄熙来氏本人はが徹底抗戦する様は連日公開されていると言う点にあります。

「上海四人組」の領袖たる江青女史の裁判を公開にせざるを得なかったのは、この毛沢東夫人を失脚に追い込んだ側(鄧小平)にとっても、裁判を受けて立つ側(江青)にとっても必要だったからで、前者は文化大革命の終幕を公式に宣告することが、後者は潜行する「文革派」に来るべき時の決起を促すことがその目的でした。

今回の一連の裁判の内、元側近や細君の裁判は「筋書き通り」、それに対し薄熙来の審理は「事前のすり合わせなし」、だから徹底抗戦するのですが、実はそれこそ攻める側(=胡錦濤「長老」陣営)の思う壺です。

「長老」陣営の真の狙いは、公開裁判を通じて審理そのものが法的手続きに基づいて進められていることを国民に知らしめること、つまり法治国家の何たるかを国民に対し実演してみせているのです。

踏み込んで言えば「人治」からの決別、法を犯せば等しく処罰される、社会的地位その他が理由で便宜を図って貰ったり、逆に不利益を蒙ることはないと宣言しているのと同じです。

ですから薄熙来氏の裁判が始まる少し前から、中国の論壇で盛んに主張されたのが「憲政=建国の精神否定」論で、それでは一党独裁の根拠が無くなるではないかと言いたくなりますが、論者は都合の良い部分だけは大いに行使しても、憲法に基づく政治は罷りならんと訴えていますから、「ご都合主義憲政賛美、政治用語としての憲政否定」がその趣旨と言わざるを得ません。

そして法治国家と立憲政治のお手本と言えばわが日本、これら(すなわち日本)との距離が今の中国の政治的立場でもあり、そして最も遠い所にいるのが習近平国家主席です。

申し訳ないがご尊顔を拝する限り、お勉強はあまりお好きでなかった印象を受ける小誌ですが(名誉のために申しますが、某島国の財務相よりは少し上です)、推測が正しければ、「法治国家」とは何か、「立憲政治」とは何か、永遠に理解出来ないと危惧する次第です。

中国は進歩していない、進歩どころか退歩している、ですが「変化」しているのも事実、その変化を強いているのが日本なのです。


逆説的な言い方になりますが、習近平体制は天が与えた千載一遇の、しかし中国にとって最後の好機だと思われます。

もうすぐ中国の政治経済情勢はお坊ちゃまでは手に余る状況になり、退陣を余儀なくされるか、現職に留まったとしてもそれは最早名誉職に過ぎなくなります。

それを機に「利権享受派=隠れ文革派」を一掃し、毛沢東主義を否定し共産主義一党体制
の解体に着手する、そのうえで堂々と「国民に選ばれた共産党政権」で勝負すれば良いのです。

そろそろ「反日」は止めましょう、こちらの気分を害するからでなく、近代史を紐解けば「反日」を声高に叫んで碌なことはなかったことはすぐに分かります。

これが「歴史の正しい認識」と言うものです。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-08-25 23:37

眺めていて飽きない国

薄熙来元政治局員(元重慶市党書記)が法廷で条件闘争を展開、大連市幹部時代の容疑についてのみ頑なに否認しています。

これはおそらく、小誌で言うところの「遼寧省、大連閥」に対する意思表示で、敵方に「動かぬ証拠」を渡されたくなければ俺様を後方支援して助けろと言う意味だと考えられますが、この派閥の長は李長春「長老」(前政治局常務委員、元党中央精神文明建設指導委員会主任)、それとこの人物に近い周永康「長老」(前政治局常務委員、元党中央政法委員会書記)と共に、最近になって失脚説が散見されていますから、元政治局員を救済するどころの騒ぎではないでしょう。

金融界に目を向けると、招商銀行に続いて同じく準大手の交通銀行の不良債権額が17%増、一方で誤発注をやらかした光大証券は総裁が辞任、水面下での動きが活発化している様子がうかがえます。

それから汚職疑惑の華潤電力、炭鉱投資で批判の矢に晒されていますが、取得価格が採算の合わない水準に跳ね上がるのは当たり前、皆が「抜いて」いますから。

中国に限らないのですが、採算性と言う概念が希薄と言うか、「投資」はその組織の利潤を増すための行為ではなく、それを通じて「私利私欲」を満たすための手段に過ぎず採算性は二の次、「投資」の規模は大きければ大きい方が良いと言う結論になります。

ただ分かっていないのは「資本主義はその原則を犯す者に必ず報復する」、共産主義国家を称しながら「社会主義的市場経済」、分かりやすく言えば「中国共産党商店」を唯一の窓口とする資本主義を採用している以上、必ず無理が生じてそれに耐え切れなくなります。

団派とその周辺が強行しようとしているのは、政敵を葬ることで肥大化した中国経済の贅肉を削ぎ落す(=敵方企業と地方政府、それに金融機関を整理する)「ソフト・ランディング」(ハードの間違いではありません)で、それに対し死にもの狂いで抵抗する連中は、究極的には「ハード・ランディング」を選択していることになります。



「上海自由貿易試験区 改革を新たな段階に」との記事が人民日報に掲載されていますが、上海で今更、自由貿易の「試験」もないだろうと言うのはおそらく皮相な見方で、これは胡錦濤「長老」陣営の上海制圧のための拠点、具体的には浦東新区に象徴される上海閥の根城を「枯らす」ことが、この試験区とやらの使命かと思われます。


終戦記念日が近づくと第二次世界大戦の惨禍を取り上げる国内報道機関は、何の疑問もなく犠牲者(戦没者)は310万人と語っているが、この数字は伸びたり縮んだりしません、絶望的な局面の戦時下にあっても戸籍が整備され人口統計が正確だったからです。

戦死者(軍人)は230万人、過半数が餓死者だったと言いますから言葉もなく、民間人の80万人はその殆どがサイパン陥落以降、もっと絞れば硫黄島失陥に伴う、原爆を含む主要都市への大規模波状爆撃による犠牲者と推測されます。

岡崎某なる外務官僚出身の評論家を小誌が蛇蝎の如く嫌うのは、日露戦争時の国民は無知だったと言わんばかりのことをその著書に記したり、都合の悪い存在である松岡洋右については軽く触れるだけ、申し訳ないが日露戦争時の日本は「近代国民国家」だったので、戦死者の家族への通知と言う形で究極の個人情報が公表されていたのですから。

だから日露戦争の戦局は戦場に赴かなくとも家族のみならず地域社会が実状を把握していますし、それは日本国民が共有していることを意味します。

従って断じて当時の国民は無知でも蒙昧でもなく、「武士の戦い」で同時に「近代夜明け前」だった戊申戦争の時期と異なり、日本は「近代国家」なのですから、国民が「近代」が強いる負担の大きさに呻吟しながら戦っていたのです。

クワウゼヴィッツが訴える様に戦争は外交の延長線上にあるのであれば、過日の大戦の敗北には外務省も少なからず糾弾される立場にあると思われ、のほほんと「軍部の横暴と暴走」を槍玉に挙げるのは責任回避以外の何物でもありません。


横道にそれましたが、先の大戦時の民間人犠牲者を「最大1,000万人」とする中国や、「700万人以上」と称する旧ソ連は、見かけ上は如何におどろおどろしくとも所詮「前近代(ソ連は「半近代」でしょうか)」、戸籍が国家経営の基本であることは言うまでもありません。

ですから旧ソ連は一瞬たりとも超大国ではなかったし、中国も超大国はおろか大国にすらなれません。(国土面積は別として)

中国の戦死者(軍人)は132万人(こちらはやけに細かい)、仮にこの数字を信じるとして、では日本軍の犠牲者はと言えば、満州事変から敗戦の約15年間を通して10分の1が精々ではないか、そんな印象を持っています。

追伸

国内の右翼(右派?)の皆様へ。

所謂「ヘイト・スピーチ」をやっている暇があるのなら、中韓両国の反日映画・番組を集めて編集し(お互い様、版権も印税も無視)、「お笑い中韓反日選集」なんて作品を作成しユーチューブか何かに載せれば良い、国民感情も一気に同情的になるし、両国民の思考経路と本音が一度に理解出来るし、「職業保守」櫻井よしこ女史はやらないから、安全地帯にいますから、「職業左翼」の菅直人(敬称略)と同様に。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-08-23 19:07

着々

駐日中国大使と先日面談した福田康夫元総理が、今度は「日韓フォーラム」に出席のため訪韓、韓国大統領府は朴槿恵大統領と元総理との会談はないと断言、一方で22日に両者が話し合いの席を設けることで調整中との報道もあり、情報が輻輳している感がありますが、顔を合わせるか否かが大事なのではなく、「指南役」の元総理が直々に出馬することに注目すべきで、要は「駄目を押す」作業に入っているのです。

本人はそう思っていないでしょうが、安倍「木偶」(或いは「傀儡」)総理による電撃訪朝の際に韓国が受ける衝撃は並大抵のものではない筈、韓国の一般国民も分かっているのですが、「反日」が唯一の国論である以上、反日が生活の糧の「反日屋」の訴えが幅を利かせることになります。

「反日屋」は総じて裏で財閥に繋がっていますから、「反財閥」大統領としてはこの連中を抑え込むことが財閥の勢力を削ぐことにもなりますから、日韓は「反財閥」で利害が一致しています。


ここで「裏の六か国協議」を纏めてみますと、

ロシア:森元総理が地ならし(プーチン大統領と面談)のうえ、9月6日に日露首脳会談(安倍、プーチン会談)

中国:
ボアオ・フォーラム(今年4月)に福田元総理がフォーラム理事長として出席、余程気掛かりだったのか、習近平国家主席が海南島まで足を運んで福田理事長を表敬訪問

北朝鮮:
李源潮副国家主席(政治局員)が訪朝、金正恩第一書記と協議、朝鮮戦争時の中国人戦没者慰霊碑の「墓参」にも両者とも参列

日本:
「親オバマ」民主党政権を打倒し、同党に対し衆参両院選挙で壊滅的打撃を与え再起不能に、これで「親オバマ」勢力は東アジアの重要な拠点を喪失

韓国:
朴大統領の財閥「締め上げ」工作が功を奏しつつあり、それが一定の支持に繋がっている(最近の株価下落がこの味方の正しさを物語っていると思われます)


肝心の米国が無いではないかと思われるかも知れませんが、何せ「元締め」ですし敵方の頭目オバマ大統領を抱えている事情があるので、表舞台には出られませんが、まず確実にこの国の大手金融資本は動いています。

対する「表の六か国協議」なのですが、米国西海岸で米中首脳会談(オバマ、習近平会談)が行われただけで、それぞれ尻に火が点いていますので他人の面倒をみる余裕がありません。

オバマ大統領の「口先外交」には米国民もうんざりしていますし、「今日の薄熙来は明日の習近平」、同じ様な経歴の持ち主ですから、小誌が国家主席殿立場なら背筋が寒くなります。

習国家主席を介してオバマ大統領と昵懇な福建省系東南アジア諸国華僑にも報復の手が伸びつつあり、インドネシアやタイ、マレーシアそれにシンガポールが狙い撃ちされています。

金融資本の手口は限られていまして、予め仕込んでおいて八方手を尽くして囃して相場を盛り上げ、そこでさっと手を引いて地場の連中に高値掴みさせ、挙句に不良債権まみれにして身動きが取れなくさせてしまう、これに尽きます。

あれ、じゃあ昨年11月中旬からの日経平均は「罠」なのかと思われた読者は鋭い、最終的にはその通りでしょうが今は違う、安倍総理が「御用済み」じゃないし、今の日本国債は国際金融市場で「宝物」です。

分不相応なことをすると必ず報いが来る、これがバブルの最大の教訓なのですが、大多数はその後の日本を嗤いながら「バブルほど素晴らしいものはない」と考えていました。

ですから21世紀は「バブル群発と連続破裂」の時代と化し、懲りない輩が標的となりつつあります。

ですからオバマ大統領に近い東南アジアの華僑も米国どころではなく、中国に送金して不動産市場を支え地方政府を支援するのが精一杯でしょう。

韓国系財閥も然り、後は北朝鮮で「粛清」が済んでいるかどうかが問題です。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-08-22 19:03

歴史の使命

昨日は理不尽としか表現の仕様がない事実を発見しまして、己の全てが正しいとは言わないものの、この世はやはり「木の葉が沈んで石泳ぐ」のかと嘆息するばかりでしたが、共産主義中国の建国以来、この国民はまさに理不尽な体験の連続でした。

ちょっと道草しますが、小誌は努めて中国「人民」と言わず「国民」と表記してきました。

確かに「国民」党主導の中華民国が先に誕生していたのは事実で、中国共産党が成立させた国家が中華「国民」共和国では紛らわしいし実質的に同義ともとられかねません。

他方、日本の左翼勢力は戦前から「人民」を使っていた関係もありますし、共産主義が国家主義(ナショナリズム)を排し国境を越えた国際的連帯を標榜していた点からも、その国名に「国民」が付くのは如何なものかと言われても致し方ありません。

従って「起て、万国の労働者」や「世界(同時)革命」は民族主義や国家主義を超越してこそ初めて出てくる発想で、レーニンそしてスターリンが帝政ロシア(ロマノフ王朝)打倒後の新国家名を「ソビエト社会界主義共和国連邦(ソ連)」としたのも当然の帰結で、ロシア民族による革命だったとしてもそれは発火点に過ぎず、ですから国名に「ロシア」が入る余地がなかったのです。

このソ連の観点からすると、中華人民共和国は共産主義の理念から後退している、何故ならば「中華(China)」とは何事だ、共産主義は「遍在」すべきものであって「偏在」すべきものでなく、地名更に民族名(そして「国」)を連想させる用語を挿入することは罷りならない、ソ連の傘下に入るのであれば十六番目の共和国として「地域的民族的特性」を考慮しても良いし、先輩格のモンゴルの様にコミンテルンに忠実で実質的にソ連の勢力圏であれば、お手本にして教師たるソ連の承諾を得た国名を称することは認められますが、親分の許可を得ず勝手に国名を付けるのは「分派行為」です。

そもそもモンゴルを巡って水面下で縄張り争いしてきた両国ですから、最初から水と油の関係で、共産主義中国がソ連方式に従うのならかつてのソ連同様、複数(ソ連の場合は15)の共和国や自治国から成る「社会主義連邦」であるべきです。

要は「ソ連が嫌い」だから徹底して反抗した訳で、名称が全然違うのもそこに端を発していると思われますが、漢文(中国史)を少しでも習っていれば「人民」は拙かったことに思い至る筈です。

例えば日本では「官吏」は立派な日本語ですが、ひょっとしたら今でも中国では「官」と「吏」は別物、同様に「人民」は違和感なく日本で使えますが、少なくとも古代中国史を紐解けば、これはおかしいと言う話になります。

端的に言って「人」は一級市民、「民」は二級市民、その下に「臣(奴隷階級)」が存在しますが、これって清朝(=大清)や今の共産主義中国にも当てはまります、但しひっくり返っていますが。

辛亥革命以前の中国における実質的主権者は宗族階級(士大夫層)、農民に代表される被支配者層がその下に存在し、裏社会や軍に籍を置くものはその下に見做されていました。

今は逆で裏社会や軍閥出身者が最上級(そのご本尊が毛沢東)、農民とかは相変わらず形のうえでは次で、かつての支配階級は打倒された筈ですから陳独秀や劉少奇の流れを汲む旧宗族階級出身者は最下位に身を寄せねばなりません。

ところが統治能力の点で最上層が最も劣り、最下位の連中に政治を委ねればならない、それが癪で既得権益も削られるから、一段落すると粛清が始まって「反右派闘争」だの「文化大革命」だのと利権と縄張りの奪い合いに没頭します。

ですからこの国民が唯一蓄積し得た知見は「国を見限ること」、華僑と言う先輩がいますから同じことをすれば良く、最近は日本にも押し寄せているらしいです。

今の中国が世界史に貢献出来るとすれば、「偉大なる中華民族」と自称して悦に入ることでもなければ「中国の夢(「無限」の間違いだと思います)」を重要思想として取り上げることでもなく、小誌が阿片戦争以降の中国の歴史を「近世」でも「近代」でもない「退世」と評した段階から脱し、「負の連鎖」を断ち切ることです。

過去の歴史において「負の連鎖」を克服し「退世」を斥けることが出来た例は皆無と呼んで良いほど少なく、別の意味で「退世」に突入しつつある日本の手本になり、ここで再び日本よりも先を歩む「常態」に戻ることが出来ます。

今頃になって金(ゴールド)を買い占めても、それこそ国際金融資本の餌食になるだけで、申し訳ないが中国は「夜郎自大」の「田舎者」の水準にまで堕していることを自覚すべきです。

反日番組が多すぎることへの批判が漸く公になりつつあります。

中国も韓国も生き延びる唯一の条件は「反日」ではなく克「反日」なのです。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-08-21 19:06