現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou
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キャリア、セミ・キャリア、ノンキャリア

片仮名を濫用するのはあまり好きではなく(言葉の意味が曖昧になってぼけるから)、出来ればこなれた日本語を使いたいのですが、今回だけはご勘弁の程を。

「党が国家を支配する」のは何も共産主義中国に始まったことではなく、議院内閣制を採用する民主主義国家にも該当する事柄で、ただ中国の場合は「永久不変の一党独裁」なのに対し、それらの国々では「国家を支配する政党が複数」(連立政権)だったり、「支配政党が交代」する点で大いに異なります。

共産中国が誕生したのは1949年、当時の自民党と民主党が合同して自由民主党(自民党)が誕生したのが1955年(所謂「55年体制」の始まり)、ほぼ同時期と言って良いのですが、日本の自民党は衆参合わせて数十回に及ぶ選挙の洗礼を潜り抜け、時に辛酸を嘗め、特に下野と言う苦杯を呑みながらも、ほぼ一貫して「一党独裁」かそれに近い連立政権を担ってきました。

少なくとも戦後の国政選挙において、不正行為を理由に選挙の無効を訴えた例は皆無、自由意志に基づく秘密平等投票が保障された選挙において、この事実は快挙を越えた「怪挙」、そして少なくとも日本は1980年代のバブル終焉まで右肩上がりを続け、下り坂かも知れない今でも、部分的には米国すら届いていない高みに到達しています。

対して「一党独裁型民主集中制」を採用した共産主義中国ですが、その歴史を一言で表現すれば「内紛に次ぐ内紛」、統治能力の欠如を露見させて余すところがありません。

それもこれも、「権力の受け皿の有無」と「近代に飛躍したか、近世に留まるどころか退世へと堕ちたかの違い」が両国の命運を分けたと言えますが、似通っている部分もあります。

仮に衆参両院議員と都道府県知事、政令指定都市及び中核都市の市長を「政治エリート=キャリア」としますと、日本における件の「エリート」の数は千人を越えないと推計されます。

一方、候補を含む中国共産党中央委員をこの国の「政治エリート=キャリア」と仮定しますとこれも数百人規模、この数百人であの広い世界最多の人口を誇る国を統治するのは無理というものです。

ですから党中央委員の数では、党中枢の要職を独占し、省や大都市の党書記を埋めるのが精一杯、つまり統治権(実権)は現地の生え抜き「セミ・キャリア」が掌握することになります。

ただ「地方ボス(「土皇帝」と言う、これに対応する立派な中国語があるそうです)」は権力を振りかざすことは出来ても、現実に行政や司法、立法(孫文の考えに立てばこれに監察=規律検査と考査=共産党入党が加わる)を執行するのは、事務遂行能力のあるノン・キャリア、これを中国の歴史用語では「胥吏」と言います。

その胥吏階級の名家中の名家に生まれたのが周恩来と言うのが小誌推論ですが、この稀代の名宰相の最優先事項は、如何なる激動の時代にあっても出身階級たる(旧)胥吏層を生き永らえさせることにあったと推察されます。

ですから断じて国家主義者ではありませんし、共産主義はそれが有効で胥吏の利益に叶っている限りにおいてその衣を着ていたと考えられます。

また、軍事的才能が人並み以下だったら、黄埔軍官学校の政治部副主任にはなれません、中国共産党が笑い者になるだけですから。

ですが周恩来は軍の指導者としての足跡を殆ど残さず、むしろ軍部とは距離を置いて生涯を送った感がありますが、それでは黄埔軍官学校での時間は無駄だったのかと言えば違う、おそらく「背広組による制服組の統制」、これを日本では文民統治(要は「シビリアン・コントロール)と言いますが、中国では人民解放軍の体裁を採りながら、その少なからぬ部分が私兵化していますから、「制服組」が剥き出しで存在することになります。

ただ軍人は政治と統治が下手と言うか、己の秩序を維持するのも満足に出来ない連中ですから、そこを補う事務職が必要になります。

周恩来はそこを抑えたのではないか、具体的には「いざと言うとき、換言すれば権力者の牙が旧胥吏層に向いた時、軍隊の兵站(武器管理と食糧)を握る手下が、軍隊と言う組織を身動き出来ない様にする」、これが周恩来の「軍事戦略」だったのではないかと思われます。

裏を返せば「場合によっては兵站を積極的に確保して軍隊の活動を活性化させる」ことも有り得、現実に実行に移したのではないかと思われます、文革時に、林彪系軍閥に肩入れし、劉少奇等の党中央に従う部隊は半身不随にして。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-11-30 20:49

疲れを知らぬ民族

粘着質と言うか疲労を知らぬと言う、はたまた唯我独尊を地で行くと言うか、兎にも角にも満足するまで不平不満を言い募るのが、同時代人としての中国人の特質の一つに思えてなりません。

逐一追いかけていると、とてもではないが息が切れてしまいますので、記憶に残っている事柄を順不同で考察することに致します。


久々に「鬼の王岐山」率いる党中央紀律検査委員会がお出まし、今回の標的は湖北省副省長ですから比較的小物ですが、三峡ダムを抱える自治体の党書記を務めた経歴を持つ人物ですので、思いの外に大きな「鍵」を握っている可能性があります。

その中国共産党ですが、党内法規の全面見直しを新華社通信を通じて発表、五か年計画だそうですから検討作業完了に5年を要する計算になりますが、その前年に現体制が5年目を迎えますので、見直し作業終了段階の党総書記が誰であるかは予断を許しません。

本件にしてもそうですが、「習近平総書記(国家主席)の指示に基づき」とか「主催する会議で議決した」と言った表現が挿入された記事は極めて少なく、その多くは総書記の与り知らぬ決定か、事後承諾等で黙認せざるを得ない決議であったと推察されます。

換言すれば、総書記の手の届かないところで話はどんどん進んでいく、ですが責任を取るのは習氏本人です、国家元首でもありますから。


いやいや、紀律検査委員会には失礼なことを申し上げました。

なめんなよとばかりに、国家信訪局(陳情受付機関)副局長を例によって「重大な規律違反の疑い」で調査中とのこと、中国では地方からの陳情が後を絶たず、それは良いのですが「都合の悪い」陳情者はまだ聴取に至らぬ段階で労働教養制度を悪用して収容所に送り込んで口封じを決め込むのですから、これは地方党幹部と収容所と国家信訪局による三位一体の陳情妨害です。

先の三中全会で労働教養制度が廃止になった以上、次に俎上に上るのが国家信訪局と言うのは確かに道理、最後の標的は地方幹部です。


最近の小誌が、中国の社会構造等を把握すべく悪戦苦闘していることは、読者各位におかれては先刻ご承知のことかと思われますが、その根底には「謎多き怪人」を如何に理解するかと言う課題が残っていたからでした。

それは畢竟、毛沢東の歴史的位置付けと、「退世」における中国の動きを追うことになるのですが、過去にご教示頂きましたが、毛沢東の「義兄弟」と言えば周恩来と言うのが通り相場と言うものの、周恩来の失脚を幾度となく企てたのが他ならぬ毛沢東、周恩来にしたって遵義会議で「寝返る」までは党中央に忠実で、従って反主流派だった毛沢東の考えに同調したのはそれ以降ですから、あまり親しい間柄とは言えないと思います。

黄埔軍官学校の政治部副主任を務めながら、周恩来はそれ以降、軍政には口出しせず、但し建国以来死亡するまで国務院総理の座だけは死守し、その点では「不倒翁」の呼び名に相応しい人物ですが、何故軍政からは身を引き、民政(国務院)に留まったのかの説明に出会ったことがありません。

生前から没後にかけて、ナンバーツーに徹した人物との評価が広まりましたが、本当にそうか、仮に両者が正面衝突していたら(現実に余命幾許もないと宣告された周恩来はそれ以後、毛沢東の意向を全く無視します)、結構良い勝負になっていたのではないかと考えられます。

政治学者の中嶋嶺雄氏の説に従えば、文化大革命は毛沢東(党、但し当時は反主流派)、林彪(軍)、それに周恩来(国或いは政務)の三者が結託した始まった奪権闘争で、三者は互いに批判しないことが合意条件ですから、周恩来は劉少奇と鄧小平を頂点とする当時の党中央を裏切ったことになり、それを今風に言えば「団派狩り」への加担を意味します。

結局、中国人にとって自分の次に可愛いのは出身母体ではないのか、そして軍事的才能がありながら軍事力を持たなかった周恩来の権力の源泉を調べることが、中国社会の実相に迫る一番の近道と考える次第です。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-11-29 22:26

革命か簒奪か

「支配階級の交代」が革命の定義として定着したのは、米国独立戦争(独立革命)とフランス革命を経てから、マルクスもその流れを踏襲しているとみられますが、これに対し日本の「維新」は旧支配者層(=武士)を取り込みながら、尚且つ「四民平等」を旗印に、その権利と権益を武士以外にも開放する形を採りました。

但し、権利は義務と責任がつきもので、それを端的に象徴しているのが実質的増税と国民皆兵制度、それまで国防と治安維持は武士が、納税は農民が請け負っていましたが、それ以降は税の種類によっては旧「工商」階級も含め一律に適用、農民からの徴税も強化されたのは御存じの通りです。

それもこれも「富国強兵」、「殖産興業」を大義とする「近代化」を急ぐためで、それでもよくぞ日清戦争に間に合ったなと感心せざるを得ず、日露戦争に至っては黄色人種(植民地)が白人(欧米列強)に勝利し得ることを実証した歴史的事件、直前に日英同盟を結んだ大英帝国も内心は狼狽したと思われます。

明治維新が成功した理由の一つとして、「権力の受け皿としての天皇の温存」が挙げられ、南北朝時代において地に墜ちた天皇(正しくは「治天の君」)の権威は、応仁の乱以降の無政府状態すら辛くも生き長らえて明治維新に至りました。

ですから権力の受け皿としての天皇制があったから、近代化すなわち近代列強への変貌、有体に言うならば「食われる側から食う側への変化(へんげ)」を成し遂げられた訳で、これと対照的なのが辛亥革命以降の中国です。


1840年(阿片戦争勃発)以降の中国は「近代」でもなければ、ましてや「現代」にも至っていない、「前近代=近世」からも後退しつつある「退世」と言う小誌持論は御承知の通りですが、それを更に分類すると「退世前期」と「退世後期」に分類され、表現を変えると「辛亥革命以前」と「辛亥革命以降」となります。

「前期」或いは「以前」の段階では、曲がりなりにも清朝(=大清)が受け皿となっていましたが、「後期」又は「以降」の時点に至っては「権力の受け皿を巡っての闘争」が主流となります。

従ってこの立場に立てば、辛亥革命と比較した場合、中華民国の成立や中華人民共和国の建国は瑣事に過ぎず、共産主義中国が誕生した時点が「近世ですらない退世」である点も踏まえると、1840年以降に中国で起こった「革命」は従来型思考のもの、率直に言って「簒奪」に過ぎないのではないかと考えられます。

ですから「北宋以降=近世」の中国の社会構造を考えれば(但し元朝に就いては別途十分な考察が必要とされます)、

皇帝(象徴的主権者)

士大夫層(宗族階級=大地主、実質的主権者)


胥吏

農民(自作農→小作農)

その他雑民(反社会的勢力、賎民集団他)

だったのが、共産主義革命成就以降は

(空白)

革命戦士(共産党員)

国務院及び地方政府

農民

(その他雑民)

反革命勢力

に変わっただけで、相変わらず権力の受け皿が不在で(だから内紛が絶えない、文革がその典型例)、士大夫層が革命戦士に変わっただけ、しかも毛沢東を戴く「共産党本流≒太子党、元をたどれば都市と農村を問わず食い詰め者集団)」も居れば、陳独秀らが設立した中国社会主義青年団や中国共産主義青年団の流れを汲む「団派」も存在し、これとは別に地域毎に独立色が濃く、一党独裁を唱えていますがこれだけの寄せ集め集団も珍しいのではないかと思われます。

ですから今回の防空識別圏設定の問題でも、案の定、米国はバイデン副大統領を派遣して事態収拾に動き出しましたが、幾らオバマ大統領が習近平国家主席と昵懇だと言っても、超大国として甘受できないものがあり、翻って言えば中国は超えてはならない一線を踏み越えてしまった、でもそれは「内々の事情」が為せる業で超大国を意識してのものではありません。

おそらく習国家主席は米国副大統領の説得を蹴りますので米中関係の悪化は必至、損をするのは習近平主席とオバマ大統領です。

そして上の図からも明らかなことは、胡錦濤「長老」陣営が目指していることは「空白部分の穴埋め」、つまり今後の総書記は「党中央共産主義青年団書記」経験者に限る、換言すれば「党中央団派書記」が総書記就任の絶対必要条件、次に「国(国務院)党(中国共産党)分離」、党中央から団派以外の勢力を粛清し排除したうえで、団派に属さないが「胡錦濤思想」に共鳴する人間集団を国務院で積極的に登用する、これで中らずと雖も遠からずではないでしょうか。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-11-28 22:44

出撃!

有難いことに、話題に事欠かないお国柄、流石に今日(11月27日)はどうかなと思っていたら、あの最新鋭航空母艦「遼寧」が青島を出港、駆逐艦二隻とフリゲート艦二隻(ロイター、日経はフリゲート艦を「護衛艦」と表現)率いて南シナ海に向けて発進したとの由です。

日経は尖閣諸島と絡めて報じていますが、北海艦隊が東海艦隊の「縄張り」にまで出張ることの方が異例で、政治的劣勢が明らかになるに比例して反発を強める上海閥の影響を、未だ払拭し切れていない東海艦隊に対して睨みを利かせるために、胡錦濤「長老」陣営が打った次の一手と想定されます。

それにしても外洋に出るまでに100回以上の訓練を重ねるとは、熟練を要すると言った類の問題ではなく、文字通り「構造的欠陥」を抱えている、換言すれば実際の性能は「大本営発表」を遥かに下回るとみられます。

しかも今回の「機動艦隊」は随伴する艦船が四隻、その気になれば日本はおろか台湾艦隊(潜水艦を含む)でも、空母共々全滅させることが出来るでしょうから、やはり艦砲は「内向き」との推論に至りますし、周辺国もそれを分かって見て見ぬふりをしているものと思われます。


ひょっとしてこう考えるのが中国の現状分析に最適かなと思ったりもするのですが、まず中国共産党の組織系統を考えると、

党中央→省党支部→市町村党支部→国有企業党支部
(但し党中央直轄、或いは省直轄の国有企業あり)

次に政府部門は、

国務院→省政府→市町村政府→国有企業
(国有企業に就いては同上、いずれの場合も金融機関を含むサービス業も含む)

こう言った構図になっているのではないか、そう考える次第です。

少し簡略に過ぎる嫌いもありますが、まず「党が政府を指導する」建前からすると、

党中央>国務院
省党支部>省政府
市町村党支部>市町村政府
国有企業党支部>国有企業

との力関係が成り立ちますが、同時に地方分権の傾向が強いですから、大手国有企業と言えども「党中央管轄」、「省支部管掌」、「市町村支部管掌」に寸断される、換言すれば一つの企業と言っても寄せ集めに過ぎないのではないかと察せられます。

ですから国有企業本社幹部の意向通りに支社が動くとは限らず、従って経営戦略の一元化は夢のまた夢です。


胡錦濤「長老」が党総書記を退く際、他の「旨みのある」職責は譲っても、規律検査委員会の座だけは死守して、最も信頼の置ける王岐山政治局員に預け、国家元首を辞する時も国務院は団派の後継者的存在の李克強総理に委ねたのも、その目標が「中央集権確立、地方に蟠踞する生え抜き党支部幹部の排除、及び党中央の地方に対する優越」を実現するためと考えれば合点が行きます。

つまり党中央紀律検査委員会だけは地方支部に対する査察の権限を有し、現に今年(2013年)8月から半年間に亘って、地方支部(省党支部、市町村党支部、国有企業党支部)と地方政府(省政府+市町村政府)を対象とする検査を実施しています。

一方で国務院を掌握することで「党優越」を改め「国家優先」方針を打ち出し、国家主席こそ習近平氏に譲りましたが、国家副主席(李源潮政治局員、前党中央組織部長)、国務院総理、国務院副総理(計四名の内、劉延東、汪洋両政治局員は「長老」陣営所属)は押さえていますから、おさおさ怠りがありません。

党を重んじ国家(=政府)を軽んじる方針は、国内で通用しても海外では通じませんから、国際社会で一定の存在感を持つに至った中国にとって、党の肩書よりも政府要人都市の肩書が重視される時代になりつつあります。

だからこそ現職の国家主席殿は孤立無援なのですが、「長老」は党中央の制覇についても用意周到で、政治局常務委員会の7名の内、自派は2名(李克強、王岐山)に過ぎませんが、18名で構成される政治局は、その内の9名(王滬寧、劉延東、劉奇葆、李源潮、汪洋、張春賢、胡春華、郭金竜、韓正)が「長老」陣営、所謂「軍人枠」の3名は常務委員に昇格しないのが慣例ですから、実質的には15名の内の9名を送り込んでいる計算になります。

「党と国家の両面における中央集権の確立」、これが「長老」の狙いであり、従ってその先兵たる党中央紀律検査委員会は真っ先に掌握せねばならず、従って党中央組織部長としての李源潮氏の主たる任務の一つは、党中央紀律検査委員会からの「異分子」排除だったと考えられます。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-11-27 23:27

伸長する陣営、退潮する勢力

ロシアで先日、これまで国営企業ガスプロムが独占してきた液化天然ガス(LNG)の輸出が他の企業にも認められることになりました。

ガスプロムは確かメドベージェフ首相の弟が副社長を務める云わば「新興財閥」の牙城、その輸出権益がロスネフチ(プーチン大統領の側近が会長、これも国営企業)やノバテク(表向きは独立系、ガスプロムと競り合っているのだから新興財閥とは距離を置いている筈)にも開放されるのすから、プーチン陣営の勝利と言えなくもありません。

ただLNGの輸出まではガスプロムも織り込み済みで、焦点は天然ガスパイプラインの独占使用権を今後も維持できるかどうかに移りつつあり、プーチン陣営は使用権の開放(=事実上のガスプロム締め出し)で利権を奪取したいところですし、対する新興財閥側は断固拒否の構えです。

対日関係の観点から両者を眺めれば、不法占拠している北方領土に政府要人として初めて上陸したメドヴェージェフ首相なのに対し、森喜朗総理と昵懇で、昨年の記者会見で北方領土問題に言及したのがプーチン大統領で、しかもシリア問題でオバマ米大統領をその剛腕でねじ伏せたのが他ならぬ大統領です。

ですから大統領が反オバマ陣営の有力な一角ならば、メドヴェージェフ首相を担ぐ新興財閥は親オバマ勢力に属していると思われ、特に大統領の子飼い企業ロスネフチに取締役を派遣しているのが、あの全米大手金融資本の雄にして反オバマ陣営の中心的存在のモルガン・スタンレー(MS)、しかも送り込んでいる取締役が最高経営責任者(CEO)経験者と言うから大物中の大物です。

そのMSを持ち分適用会社の対象としているのが我らが三菱財閥(正しくは三菱東京UFJ銀行)、つまり日(三菱)米(MS)露(大統領)同盟が成立していることが、こられの事実からも分かります。

それにしても「国有企業の私物化」が罷り通る点では、大統領派も首相派(新興財閥)も変わりはなく、無理に無理を重ねても旧ソ連が遂に「超大国=現代」に到達し得ず、瓦解した挙句に「近代」に必須条件の一つである「公の私に対する優先」すら台無しにしたのですから、ロシアと言う国と国民も辛い現状と将来を甘受せざるを得ない立場にあります。


昔の名前で出ていますではないですが、ウアルカイシ氏が「出頭目的」で香港への上陸を試みたものの、入管当局がそれを拒否し同氏の滞在地である台湾に強制送還しました。

上海閥を初めとする反胡錦濤勢力と国民党「保守本流」による一種の嫌がらせと思われますが、おそらく台湾側もこの厄介者を持て余しているでしょうし、「民主活動家」と言う名の「民主化屋」は、海峡の両岸で最早粗大ゴミ扱いです。

多分、少なくとも上海閥は「焼きが回った」状態にあると察せられます。

「防空識別圏」の設定も、団派を含む胡錦濤「長老」陣営の力量を以ってすれば未然に防げた筈、だとすれば「分かっていて黙認した」訳で、つまり今回の決定に関わった連中に責任を負わせる腹積もりです。

ヒラリー前国務長官が「尖閣諸島は日本の固有領土」と明言したにもかかわらず、オバマ大統領は中国による領空及び領海侵犯行為に対し、日米安全保障条約に基づいた措置を講ぜず今に至っていますが、「防衛識別圏」なるものを設定されて、しかもそれを看過したら安保条約の盟主国の立場がありませんし、中国に屈したと見做されたら最後、超大国としの権威は地に墜ちます。

つまり今回の中国の決定は、オバマ大統領に軌道修正を強いると共に、米国の反応次第では返す刀で政策決定者に対して責任追及が出来ると言う、誠に一石二鳥としか言い様のない効果を秘めています。

やはり頭の切れる輩は違うと言うのが小誌の率直な感想です。


カトリック系神父が、北朝鮮による対韓軍事行動を擁護する様な発言を行ったのに対し朴槿恵大統領が激怒、陸軍は大統領にとって数少ない支持基盤ですから、それを虚仮にされたら黙っていられませんし、その神父に対して教唆したのは巨大財閥のどこかでしょう。

その教唆犯が現代財閥と推測する理由は、この財閥が資金繰りで相当無理を重ねているからで、例えば現代建設の海外受注累計額が1,000億ドルを突破したそうですが、その少なからぬ部分は日銭欲しさの赤字受注とみられます。

「財閥解体=同族経営の排除と経営の民主化」が実現する日も近いかも知れません。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-11-26 16:49

知的頽廃の成れの果て

歴史は1840年の阿片戦争勃発を以って中国「近代」の始まりとしていますが、そうではなくこの歴史的事件により「近世型大帝国」清朝(=大清)が没落の第一歩を踏み出すと共に、「近世」から「近代」へと飛躍するのに失敗し、むしろ文明の退化をその特徴とする「退世」に突入してしまい、その「退世」は文化大革命の終焉後も続いて今に至っています。

結局、1840年は西欧近代列強との「文明の衝突」が始まった時であって、決して「近代」に手が届いた訳ではなく、「破竹の勢い」の経済発展の現状も所詮は槿花一朝の夢、しかもその夢物語は、選りによってあの日本に頭を下げ、或いは真似をして初めて現実のものとなったのですから、中国人の伝統的感覚からすれば溜まったものではありません。

知的頽廃でも知的退化でも結構ですが、その最大の特徴は幼稚化(幼児化)、何処の国でも子供は同じで、我儘は言うわ、駄々をこねるわ、大声を張り上げて相手を威嚇するわ、約束は平気で破るわで、全くもって中国の「退世」終幕の兆しは見えて参りません。

ですから次の様な記事を目にすると頭が痛くなり、挙句に「嗚呼、已んぬる哉」と天を仰いでしまいます。

「中央紀律検査委、春節の花火や爆竹の公費購入・贈呈厳禁」(人民網日本語版)

今までは公費で花火や爆竹を購入しても何のお咎めもなかったことを、この報道を教えてくれています。

日本では国であろうが地方であろうが公的機関が花火や爆竹を購入するとすれば、必ず法的根拠が必要となりますが、これこそが法治国家の「いろは」、中国でそれに相当する法律が存在するかどうかは存じませんが、何が哀しくて党中央のしかも紀律検査委員会が通達を出さねばならないのか、その通達は党支部に限られるのか、それとも国務院及び地方政府に対する拘束力があるのか、「曖昧」は法治国家の最も嫌うところですが、致し方ありません、「退世」なんですから。

今回、中国が設定した防空識別圏なるものも、上海閥が勝手に設定したか、習近平国家主席の(事後)承諾乃至は暗黙の了解を得て実行したことと推測され、逆に言えば上海閥に連なる人脈は、日本が挑発に乗ってくれねば起死回生の一手が打てないほどに追い込まれているとみて差し支えなさそうです。

ロシアの都市サンクトペテルブルグで開催された「中国観光年」に閉幕式で汪洋国務院副総理(党政治局員)が式辞を述べたとの由、これで汪洋政治局員が窓口として担当する国は、少なくとも日米露であることが判明、汪道涵海峡両岸関係協会会長を叔父に持つ一方で、団派傍流(党中央共青団書記経験者を「団派本流」とするのに対し、地方共青団出身者を「団派傍流」と呼んでいます)ながら、胡錦濤「長老」陣営が総力を結集して引き立てている人物です。

2年後の党大会ではまず確実に、王滬寧党中央政策研究所主任と共に政治局常務委員会入りしていると思われます。

ただ、Wikiでは若い時に苦労したみたいな記述がありますが、1955年生まれで1975年入党ですから「広義の太子党」です、でも習近平国家主席と同様に「若い時に辛酸を嘗めた」ことにしなければ説得力が無いと言うのが小誌の推測です。


その習国家主席が党総書記に就任して1年が経ちましたが、下降気味だった地価を押し上げて前年同期比20%の上昇率を記録させたことだけで、北京の地価は東京と同水準に達しているそうです。(生活水準は五分の一)

遠からず「中国型」不動産バブルも弾けますが、これも「主犯」はおそらく上海閥、最期の足掻きと見做しています。

ですから海外進出は、不正蓄財を海外に逃すことが目的で、上海汽車集団(本社は勿論上海)がタイの財閥で、潮州(広東省)系華僑の謝国民氏を総帥に戴くチャロン・ポカパン(CP)と提携して同国に進出するのも、党(中堅)幹部の不正蓄財を合法的に海外逃避させるための手段と考えるのが妥当です。

日本人は朝野を問わず祖国を離れたがらないのに対し、中国人の場合は家族を海外に住まわせ、自分だけは残る事例が多いと仄聞しますが、しこたま儲けたのなら自分も逃亡を図れば良いと思うのですが、要は「国土をしゃぶり尽くす」つもりなのでしょう。

残念ながら、それをやっている限り中国に近代は訪れません。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-11-25 23:23

政治人生色々

一見すると反日強硬姿勢を崩さず、日本に対し罵詈雑言を頻繁に投げ掛けている感のある朴槿恵大統領ですが、それを受けた日本政府は静観を決め込んでいるのみならず、「極右」政権を率いる安倍総理本人が朴大統領を評して「非常に優れた指導者」と発言、喧嘩に弱い安倍総理が臆病風に吹かれたのではなく、両者の間に黙約が存在していると解するのが妥当と考えられます。

反日姿勢を維持することで朴大統領は政敵から「日本に弱腰」との汚名を着せられることもありませんし、日本だって自制しているのが得策、国民の反中反韓感情は鬱積していますから、それが結局は両国経済に悪影響を及ぼすことになりますので、下手に事を構えるより放置している方が賢明と言えます。

それも「安倍電撃訪朝」までの辛抱、今回の天皇皇后両陛下の訪印は中国への牽制と共に、ロシアへの隠密行動的橋渡しも依頼することになるから、随行員にプーチン大統領と懇意の森喜朗元総理が選ばれたものと思われ、訪朝の環境は少しずつながら整いつつある印象を受けます。


日本には口うるさいものの、具体的な敵対行為や制裁措置を講じていない朴大統領の本心は「反日」にあるのではなく、不倶戴天の敵とも言うべき国内の財閥とそれに寄り添う官僚機構、所謂「財官複合体」の解体にあるのは明々白々と言えましょう。

それで今回、朴大統領が打ち出したのが電力料金の値上げ、2012年時点の数字ですから円高是正がどれだけ反映されているのか分かりませんが、韓国の電気料金(82ドル)は日本(194ドル)の四割弱、突出して高い日本の電力会社にも、殿様商法に安住せず襟を正して企業努力に努めよと言いたくなりますが、OECD(経済協力開発機構)平均の122ドルをも遥かに下回る韓国の電気料金は異常です。

同国では韓国電力公社が電気を一手販売しているのですが、価格決定権は政府にあり、政府は財閥の御用聞きですから後者の値上げ申請を受け入れる筈もなく、流石に最近は一般国民の怒りと逼迫する電力需給事情を背景に、重い腰を上げつつありますが、それでも公社そのものが官僚と財閥出身者の天下り団体的な性格を持っていますから、いざとなれば国庫が赤字の肩代わりしてくれると多寡を括っているのです。

換言すれば安価な電力料金を維持するには国民がその負担を背負う必要があり、法人向け料金よりも更に低水準に一般家庭の電気料金は設定されていますが、法人(=財閥)の分まで負担しているのが国民と言うことは、国際競争力維持を口実に国民から財閥への「富の移転」が正当化され、その不当に廉価な電力料金で得た国際競争力がもたらす「旨み」を、財閥と官僚が山分けしてきた訳です。

それに待ったをかけたのが「韓国のジャンヌダルク」朴槿恵大統領、今回の上げ幅は5.4%ですが産業用は6.4%ですから、明らかに製造業(=財閥)に厳しい決定となっています。

しかも日経がその見出しで「まず」平均5.4%上げと記している様に、第二弾や第三弾が待ち構えて模様で、「電力料金体系を悪用した財閥による国民の搾取」を是正する決意がそこから読み取れます。

大統領と複合体の死闘は始まったばかりです。


北朝鮮の金正恩第一書記が20年ぶりに軍保衛活動大会を主宰、旧大日本帝国陸海軍の憲兵隊に相当する保衛司令部ですが、その幹部を招集して忠誠を誓わせたと言うことは、大胆な政策転換を打ち出した際の軍部の動揺と反発の芽を予め摘み取っておく意図があると思われ、政策転換とは勿論、日本敵視政策の正式な放棄と対日国交樹立交渉開始です。

その北朝鮮が13ヶ所もの経済開発区の新設を発表、これとは別に中朝国境の新義州(後悔側の都市、川向いが丹東)には「特殊経済地帯」を設立する念の入れ様で、先日閉幕した三中全会で、胡錦濤「長老」陣営肝煎りの「自由貿易(試験)区」を中国全土で実現する構想が打ち出されたことを踏まえると、これは従来から存在する経済特区の導入ではなく、「北朝鮮版自由貿易(試験)区」と言えます。

見逃せないのは、その経済開発区や特殊経済地帯が順調に立ち上がるかもさることながら、「自由貿易(試験)区」をお手本にした点に意義があり、実は現時点で北朝鮮には経済特区が二か所存在するのですが、今回の決定が「経済特区に象徴される反長老勢力との絶縁、自由貿易(試験)区への追随に伴う長老陣営への追随意思表明」である点に意義があり、北朝鮮のそれらが順調に稼働するかは、極論すれば二の次です。

そして入れ替わるように、北朝鮮の「経済特区」から、招商銀行(本社所在地広東省深圳市)を擁する招商局集団(登記上の本社は香港)が撤退を表明、香港は広州の管轄ですから、今回の撤退劇は広東省と北朝鮮で示し合わせたもの、換言すれば「団派の若大将」胡春華広東省党書記と金正恩第一書記の「出来レース」、若大将もなかなかやるものです。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-11-23 09:08

速過ぎる流れ

本当は「前近代」も絡めて中国の実態を解明したいのですが、少しでもお休みを頂戴すると、たちまち置いてきぼりを喰らうのが東アジア情勢(そう言えば「極東情勢」とは記されなくなった印象を受けます)ですので、一つ一つ丹念に追いかけるしかありません。


日立製作所の会長が広州にまで足を運び、「団派の若大将」胡春華広東省党書記(党政治局員)に面会、政治局員とは言いながら省の党書記級の人物に日本を代表する企業の最高幹部が往訪するのは本来なら異例ですが、先の財界訪中団がこちらは「団派の期待の星」汪洋国務院副総理(政治局員)と面談したことと重ね合わせると、日本側は財界が中心になって「団派」を含めた胡錦濤「長老」陣営の若手有望株を「先物買い」しているものと察せられます。

「長老」陣営としても、財界を筆頭に経済大国日本を後ろ盾にすることは損な話でなく、要は対日姿勢が弱腰との批判の口実を与える隙を与えねば良い訳で、時間を追う毎に対日関係の冷却化を後悔しなければならなくなるのは中国の朝野ですから、いずれ勝手に棚上げしながら日中戦略的互恵関係をあらためて持ち出して関係修復を図るものと思われます。

広東省にはトヨタもハイブリッド車を現地企業と共同開発する意向を明らかにしていまして、これら日本の財界の一連の動きは「広東省なら大丈夫」と言う感触を日本側が掴んでいる、換言すれば「団派の若大将」はあちらこちらで障害と衝突しながらも、同省を掌握しつつあると判断しても差し支えないと考えられます。


その中国の「長老」連中を相手に、スペインの裁判所がチベットでの大量虐殺を理由に、江沢民元国家主席、李鵬元首相、そして喬石元全人代表常務委員長(まだ生きてたんだ)を含む5名の逮捕状の請求を認めたとの由、これとは別に胡錦濤も同様の容疑での提訴を同国司法当局は受理しているそうです。

何で遥か彼方のスペインが中国国内の事件で逮捕状を出すのかは不明ですが、日西関係の意外な親密さを踏まえた場合、日本政府と「長老」陣営の合同作戦ではないかと推測されます。

つまりいつまでも「反日」を叫び続けるのであれば、チベットの件で国際世論に「反中」を訴え続けるぞと言う脅しで、勿論実現の可能性が無いのは事実ですが、それと心理的圧力とは別の話です。

どうも「長老」陣営は捺印を渋る習近平国家主席(党総書記)に対し、「周永康前政治局常務委員の首を獲らせないのであれば、江沢民氏にもお縄を頂戴させるぞ」と迫っているのではないか、どちらも嫌な国家主席殿はだから、北京市警察当局に周「長老」の身辺を調査させたり(=これを意訳すると「保護」と言います)しているのではないかと推測されます。

ステルス型無人航空機「利剣」の試験飛行に成功したとの由、実践におかれても指示通りに作動しますように、ステルスの性能もどこまで信じて良いのやら。


時代は変わるもので、大統領時代には江沢民国家元首(当時)と組んで散々に日本を虐めたクリントン元大統領が北京で演説、「日中両国の衝突は望まない」と説いて対日強硬政策の緩和を求めました。

ホワイトハウスでの性的醜聞に関する偽証疑惑で、訴追の恐れがあった期間だけ訪中し難を逃れた当時のクリントン大統領ですが(日本に立ち寄らず)、おそらく今回はゴールドマン・サックス(GS)の特使の役割も担っている筈で、その役目は上海閥に圧力を加えて東海艦隊の尖閣諸島への「出撃」を抑え込む様に、習国家主席に迫ったものと思われます。

あれだけ世話になりながら御用済みとなれば処分するのですから、江沢民氏を領袖とする上海閥もやり切れないでしょうが、オバマ大統領に与し続けて時機を逸したのが致命傷になりました。

対するオバマ大統領、まさに「テコ入れ」のために日韓及び東南アジア歴訪を来春に予定、日韓では敵対勢力(安倍総理並びに朴槿恵大統領)の影響力拡大を抑え込み、「身内」(特に韓国系財閥)への攻勢緩和を強く求めることになるでしょう。

東アジアは支持層である華僑資本への支援が目的で外遊することになると思われます。

その韓国ですが、朴大統領は先進国でも突出して安い電気料金の値上げを決断、財閥の泣き所を衝いて喧嘩を売る始末、日本も自分の都合を優先するオバマ大統領には憤慨していますので、米国大統領の今回の日韓訪問は無駄足になることが確実と言えます。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-11-22 14:15

プーチンの深謀遠慮

プーチン露大統領が12月19日に記者会見を開くことを同国大統領府が発表、大統領の記者会見は年に一度程度と頻度が少ないものの会見時間は長く、4時間半に及んだ前回(2012年12月)の会見では北方領土問題にも触れました。

北方領土問題は所謂「瀬踏み」の段階にあり、北朝鮮問題や各国が抱える領土問題を含めた極東情勢と深く関わっていますが、この「極東情勢」が複雑怪奇な連立方程式であることは周知の事実、絡み合った糸を解そうとする者もいれば、もっと絡めようと策する勢力(その頭目は言わずと知れたオバマ米国大統領)も存在します。

来月の記者会見でプーチン大統領は、国威掲揚の観点からも、自己の権力基盤強化のためにも、ソチ五輪成功に対して不退転の決意を表明するとみられ、それを口実に成功の妨げとなる人物や組織に対して事実上の宣戦布告をすることが予想されます。

その反対勢力とは勿論、メドヴェージェフ首相を頂点に戴く「新興財閥」の連中で、五輪閉幕後速やかに排除及び粛清に着手するものとみられます。

そのためにも五輪成功は不可欠、但し失態があっても首相や新興財閥に責任転嫁する腹積もりでしょうから、どちらに転んでも権力基盤の強化にはなりますが、国民の支持を得る為には前者が好ましいのは言うまでもありません。


中国共産党の最高権力者である政治局常務委員(7名)に次ぐ立場にあるのが政治局員、その政治局員の序列第二位の人物が、王滬寧党中央政策研究所主任で、「滬」の文字からもしやと思って調べるとやはり上海出身、まさに「名は体を表す」です。

あまり知られていないのは、外国の要人と面談したり外遊したりしないからで要は「政策通」、ただその方面で右に出る者がいないのは、同氏を紹介した日経が記事の中に載せた写真に、「格上の張高麗党政治局常務委員に、まるで指示するように話しかける王滬寧党政治局」との説明を付けていることからも明らかです。

張高麗党政治局常務委員は「権力を行使する」能力があったとしても、「権力を生み出す」能力には欠けている、換言すれば権力者には政策企画立案遂行能力が不可欠ながら、それを持たない権力者が存在するのがむしろ当たり前、日本だってその例に漏れず安倍某や阿呆もとい麻生某をみれば、精々「操り人形」に過ぎないことが分かります。

つまり王滬寧党政治局は「癪に障るが居ないと困る存在」で、江沢民と胡錦濤の両「長老」に仕えていますがいずれにも媚なかった筈、ただ「論客」或いは「理論派」であれば「自分さえ良ければ、今さえ良ければそれで満足」とは口が裂けても言えず(理論も政策も不特定多数を対象にするから)、現状に危機感を抱いているとすると、習近平国家主席や一部の不勉強な政治局常務委員に与することは、党中央政策研究所主任としての矜持が許しません。

海外要人と滅多に会わず謎に包まれた存在であるのも、おそらく「時間の無駄」と考えているから、率直に言えば馬鹿と話したくないのです。

この人物が三中全会の決議内容に関わっているのは間違いなく、今回の決定事項の目玉と言えば、前回触れた「労働教養制度を廃止」の他、「一人っ子政策の事実上の廃止」、「国有企業経営への民間企業の一部参加」、「農地の流動化促進」そして「党中央規律検査委員会の強化(責任の所在の明確化)」及び「党幹部・官僚等に対する徹底的な汚職取り締まり」
が挙げられますが、いずれも王氏が長年に亘って温めていた事案と思われます。

これだけの政策を提言し議決に持ち込む過程で反対意見が出て来るのは当然のこと、それを論破するのにうってつけの人物が件の党中央政策研究所主任と言う訳で、この人物から目を離すことは出来ません。

また国有企業の国庫納付率引き上げ措置も、同氏が中央集権志向であれば肯ける話で、企業政府を傘下に収める地方政府を操る各自治体の中国共産党支部に対する締め付け策の一環でしょうし、戸籍制度改革(農民の非農民戸籍への移行及び一本化)や社会保障制度の都市と地方の格差是正も、社会正義の実現の観点からすれば当然の帰結です。


三中全会はこうして盛りだくさんな政策を提案して閉会、王主任の手を離れると共に、胡錦濤「長老」陣営が如何にそれを実現するかに注目が移りました。


日中経済協会所属の財界人が訪中、現地で会談したのが汪洋国務院副総理(政治局員)、これにより汪洋氏は王岐山政治局常務委員から日米の窓口を引き継いだことが明らかとなりました。

これにより日米両国に対する政策決定段階は、

胡錦濤及び温家宝「長老」>李克強国務院総理>(王岐山政治局常務委員)>汪洋副総理

であると推測されます。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-11-20 23:53

両陛下におかれては、くれぐれもご自愛の程を

天皇、皇后両陛下は今月30日から12月6日まで一週間の日程で訪印されます。

ご高齢で必ずしもご健勝と拝察の叶わない両陛下が、それでも強いて外遊を挙行されるのにはそれなりの理由があるからですが、日印両国間の親善を深めるのであれば国家元首に「準ずる者」であっても国際儀礼上、失礼には当たりませんが、それが許されないところに皇室が抱える懊悩があります。

因みに随行員は、あのプーチン露大統領が心を許す数少ない人物の一人の森喜朗元総理、巧妙なことに総理経験者でありながら今は国会議員を辞して一介の日本国民に過ぎませんので、相手国に対して礼儀を失することなくきな臭い話が出来る人物で、今回の訪印の効果はいずれ判明するでしょうが、森元総理が安倍総理の特使として今年訪露し、プーチン大統領と膝詰談判している点を踏まえても、何らかの「黙約」が取り交わされれと思われます。


そのインド、ロシアの空母アドミラル・ゴルシコフ(旧名バクー)を受け取り(艦船名をビクラマディティヤに改称)、これで空母2隻体制になったとの由ですが、中国海軍が誇るウクライナ生まれの航空母艦「遼寧」共々「ジャンプ台」付き、旧ソ連構成国は海軍国ではないのですから、設計思想は大日世界大戦以前の日米英独に劣るのは自明の理、せめて旧宗主国の英国に発注するか、いっそのこと日本に建造を打診した方がまだ理に適っています。

ですから「インド洋の覇権を巡って中印が鍔迫り合いを演じている」なんて報道は笑うしかなく、仮に中国海軍が北海、東海、南海の三艦隊を糾合して連合艦隊を結成したとします。(実現の可能性は甚だ怪しいと言わざるを得ませんが)

そして「連合艦隊」がマラッカ海峡を東進して抜けたところでインド海軍が待ち受けたとするとどんな海戦が展開されるのか、同士討ちあり、故障による自沈あり、燃料切れあり弾薬切れありの、これが21世紀かと疑いたくなる「海戦」が展開されると思われます。

因みにその時は機動隊の中心に位置する空母からは攻撃機が発信しません、味方の艦船に撃墜されるおそれがありますから。


国家元首として言って良いことと決して口にしてはならないことの区別がつかない人物、習近平氏はこの分野に区分すべき人間かも知れません。

今月13日に閉幕した三中全会ですが、その閉会日当日に習国家主席が発した言葉が、「改革は、中国の現在の問題に対処するための手段だが、一挙に実現することはできない」(国営テレビ)、最高首脳として会議に臨みながら、その決議事項に対し早期実現の可能性を否定することが、自己否定に繋がることに気付かないのでしょうか。

最高権力者は最高責任者でもある筈、ならば決定事項は全力で実現する意気込みを見せるのが当たり前、例えて言えば郵政民営化を訴えて総選挙に勝利した当時の小泉総理が、選挙後に郵政法案を再提出せず、「郵政改革は一挙に実現出来ない」と言い出しても政治生命が安泰かどうか、贅言は必要ないと思われます。

結局、三中全会に関する習近平主席の言動は上述の発言と、肝煎りで周永康「長老」(前政治局常務委員)の汚職疑惑を北京警察に命じて「捜査」すること、そして「国家安全委員会」なる組織の立ち上げを決めたこと、これだけです。

換言すれば、三中全会は全く意のままにならぬまま終了し、自分とは距離のある人物が会議を切り盛りしたため、その内容に不満が残っただけと言うことになります。

周永康「長老」の件にしても、では党中央規律検査委員会の追及が鈍るとも思えませんし、国家安全委員会にしても、いみじくもロイターが伝えている様に「同委員会がどのように運営され、いつ稼働開始するのかなど具体的な計画は明らかにされていない。、つまり具体的なことは何にも決まっていません。

では国家安全委員会の「真の」設立趣旨は何か、公安関係者の天下り先だと思われます。

三中全会についてはあらためて総括しますが、重要決定事項の一つに労働教養制度を廃止が挙げられます。

司法へ送致せずに行政(公安、警察)の段階で逮捕、拘束して強制労働に就かせるこの制度は元々中国でも悪評ですが、それを廃止すると多くの公安関係者が不要になりますが、放置しますと不満分子になりますから、「窓際の椅子」を用意したものと察せられます。

次々と矢を放つ胡錦濤「長老」陣営、国家主席殿にはその矢面に立つ気概はありません。

(続く)
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by 4kokintou | 2013-11-18 15:35