現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou
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承前の承前 ~習近平氏が国家主席(兼党総書記)になれた理由~

「芋づる式」と言う表現がありますが、その好例が今の中国の汚職摘発状況、周永康元政治局常務委員の「石油閥」、李鵬元国務院総理の「電力閥」の関連と思われますが、国務院のエネルギー局に捜査の手が伸びています。

報道の通りなら、習近平国家主席の「強力な指導」で汚職追及が進められている筈ですが、一節に邦貨換算で330億円も(不正)蓄財している当の本人の立場が、このままでは一層危うくなります。

その習近平主席が主宰する政治局会議が先日開催、政治局常務委員のみならず平の政治局員まで招集するのですから、国家主席は真剣かも知れませんが、空回りしている印象を受けます。

そんな習主席が何故、最高権力者の座にまで登りつめ得たのか、幾ら「毛並み」が良くても凡庸では出世競争の途中で落伍するのが道理なのではないのか、にもかかわらず如何にして最終候補として残ったのかが分からないと、この人物の権力の源泉が見えてきません。


団派(共青団)を主力とする胡錦濤「長老」陣営と比較して、この集団を快く思わない勢力の弱点は、人材の層が薄いことにあります。

逆に腕力(軍隊、暴力団)では負けないとの自負があるのですが、それは団派がその設立当初より、旧宗族階級の知識人で構成されているから、軍人や裏社会の住人からは最も遠い位置に存在します。

ですが共青団とは別の流れの「中国共産党本流」は、長い内ゲバを経て毛沢東を筆頭とする「愚連隊」が形成するところとなり、共産主義中国の建国に伴い、「団派」と「愚連隊」を二大派閥とする中華人民共和国が成立しました。

ここで留意すべきは、建国に伴い必要とされるのは行政手腕を持つ「団派」、ですが「愚連隊」も共産中国成立時の立場によって利権や出世と言う「ご褒美」が得られましたので、茲に巨大な既得権益集団が誕生しました。

ですが「愚連隊」が国家を運営するのは無理、周恩来が束ねていたと思われる旧胥吏層、すなわち「セミ・キャリア」や「ノン・キャリア」集団は、実務に長けていたかも知れませんが国家理念までは持ち合わせていません。

とすると「団派」が政権を掌握している時は国家も安泰だけれど、それは往々にして「愚連隊」の利権を脅かすことになるので、連中は同調してくれる内外の勢力を借りてでも権力奪還に動きます。

そのために犠牲になった団派出身者が劉少奇であり胡耀邦で、葬ったのはそれぞれ毛沢東と陳雲でした。

ただ、時間の経過とともに、「愚連隊」では駄目で「団派」に国政を任せようとする方向に世論が傾くのは当然、それと共に上海閥に代表される地方閥の退潮も明白になりつつあります。

つまり習近平氏は「反団派勢力が結集した最後の操り人形」と言えます、そして英国の。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-05-27 22:28

承前 ~習近平氏が国家主席(兼党総書記)になれた理由~

本題に入る前に少し朝鮮半島情勢に触れますと、砲弾の撃ち合いをしたかと思えば、9月にソウルで開催されるアジア競技会への参加を北朝鮮が発表、何故この時期に軍事的緊張を高め、何故この時期に現政権に有利な材料(大会参加表明)を提供するのか、答は簡単、6月4日に韓国で実施される統一地方選挙で、朴槿恵大統領率いる与党に勝って貰いたいから、要は南(朴大統領)と北(金正恩第一書記)は「出来ています」。

統一地方選挙を何処まで重要視するかも問題ですが、与党のソウル市長候補が現代自動車財閥の総帥である鄭夢九氏であることには留意しておいた方が良さそうです。

現代財閥の創業者一族の仲が悪いのは、創業者の死後に財閥が四集団に分裂したことからも明らか、「反財閥」を標榜する朴大統領が敢えて鄭夢九氏を市長候補に担ぎ上げたのは、ただでさえ脆いこの一族の結束に楔を打ち込むのが目的です。

ですから財閥解体が進めば鄭夢九氏は用済み、ソウル市長だから率いる財閥の資金繰りは面倒みてくれるなんて思っていたとすれば甘過ぎますし、それどころか脱税か汚職辺りで葬られる可能性もなくはありません。

朴槿恵大統領はその程度のことを平気でやってのける冷血漢、唯一の望みが「父親の名誉回復」ですから、それを阻止する勢力は断固排除する、これら大統領の信念です。

従って「反日」なんて優先順位が低く、敵対勢力に付け入る隙を見せないための政治的擬装と考えるのが最も妥当と思われます。

習近平国家主席の周辺に碌な人材がいないことは、その朴大統領との会談の際に「安重根記念館の建設を指示したのは他ならぬ私」と公言したり、ご丁寧にも「縄張り」の陝西省に「韓国光復軍記念石碑」を建立したりしていますが、日本人の感情を逆撫でする一方、朴大統領からすれば有難迷惑でしかなく、日本の世論が大統領に対して一層いきり立つだけ損と言うものです。

上述の言動だけでも、習国家主席の政治的感覚の無さが分かりますが、東(尖閣諸島、日本と対立)、南(南シナ海、ベトナムと一触即発)、西(新疆ウイグル自治区の憎悪の連鎖)と三方同時に事を荒立てる心理が理解出来ません。

もっとも、習主席が確固たる政権基盤を構築出来ていないとしたら話は簡単で、あちらこちらで承諾を得ずに手柄欲しさに事を構えているとすれば辻褄が合うのですが、それでも政治的力量の無さは歴然としています。

ですから余計に、これだけ凡庸な人物が権力の頂点に登りつめ得たのか、そこが疑問で、八大元老(八老)の子息でも必ずしも政界で出世街道をまっしぐらとは行きません。

「八老」とは鄧小平、陳雲、彭真、楊尚昆、薄一波、李先念、王震、鄧穎超、後に補充する格好で宋任窮、万里、そして習仲勲が加わっています。(例によってWiki丸パクリ)

この内、鄧穎超(周恩来夫人)の養子の李鵬が政治局常務委員(兼国務院総理)に、薄一波の息子(薄熙来)が政治局員(常務委員になる一歩手前で失脚)に至っていますが、両者共に人気が無く、政治的手腕は習近平氏と似たり寄ったりでしょう。

とすると「中国共産党的に血筋が良い」のは当然としても必要条件に過ぎず、何か別の決定的要因があると思われます。

「軍閥の合従連衡」ではないかと、こう考える次第です。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-05-25 00:48

習近平氏が国家主席(兼党総書記)になれた理由

常々不思議で仕方ないのですが、団派を軸とする胡錦濤「長老」陣営を除いたとしても、今の中国には習近平氏以外に人材はいなかったのか、この人物以外に重責を務める出来る者が存在しなかったのか、有体に言えば習近平氏程度で何故、最高権力者に上り詰めることが出来たのか、これが分かりかねています。

父親の習仲勲が最後まで胡耀邦総書記(当時)を庇ったことが幸いしたとか、王岐山政治局常務委員(党中央紀律検査委員会書記)との関係が今日の習近平氏をあらしめたと、したり顔で解説する輩もいますが、胡耀邦総書記が失脚した後も、習仲勲氏は権力の中枢に居座っていますし、1948年生まれの王岐山氏が中国共産党への入党を許されたのは1983年ですから35歳の時、20歳で党員となった誰かさんとは違い、酸いも甘いも嘗めつくした「叩き上げ組」です。

因みに、現指導部(7名からなる政治局常務委員)の内、25歳時点で入党していないのは序列最下位の張高麗国務院常務副総理だけ、この人物とて27歳ですから今の中国では「縁故が無くて若い時期に入党出来ないと、一生浮かばれない」社会構図となっています。

付言しますと、「漢奸の息子」江沢民も20歳で入党、1946年の上海でこの決断は大したものですが、上海にいれば何かと英国関連情報が入手しやすいことを考えた場合、この時点で「英国が持てる国力を振り絞って、反蒋介石勢力を糾合、中国共産党を軸に地方弱小軍閥や裏社会集団が纏まりつつある」ことを嗅ぎ付けたのかも知れません。

寄り道ついでに当時の米国はと言えば、国民が自発的総動員で「天皇助命」をGHQに嘆願している状況、占領した筈なのに「逆包囲」された格好になり、身動きが取れなくなっていた頃、ひょっとすると「天皇処刑」の噂を流して日本国民を「天皇助命」に駆り立てたのは英国かも知れませんね。

話を習近平氏に戻して、これは団派にも言えるのですが、中国共産党にせよ中国共産主義青年団(共青団=団派)にせよ、「中央採用」と「地方採用」があって、「20代前半で中央採用で入党出来る人物」が将来の幹部候補生と言うことになります。

まずこの条件を満たすには、相当に太い縁故が無いと駄目で、胡錦濤氏も22歳で入党していますが、この人物の父親は党内の有力者ではなかったので、引っ張ったのは胡耀邦と言うのが小誌の推論、ですから両者は同一宗族に属すると考える訳です。

これに対し、習近平氏の父親は、推測するに陝西省の軍閥の領袖、死後は革命戦士が眠る墓地に埋葬された他、「縄張り」だった陝西省でも埋葬されていますし、八大元老の一人にも数えられていますから、息子は結構、「スタート地点」では有利だったと思われます。

ですが、だからと言って「将来の幹部候補生」たり得ても「将来の最高権力者」には直結しません。

団派から言えば説明がつかない訳でもありません、「一歩後退二歩前進」、最高権力者の竿を譲る代わりに、尻拭いも全部押し付けようと言う算段であることは理解出来ます。

問題は「純正太子党」の側、習近平で一本化出来た理由です。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-05-22 21:50

周さんと李さんと

相変わらず汚職摘発に余念のない党中央紀律検査委員会、この組織を統べる王岐山同委員会書記(政治局常務委員)が多忙を極めていることは容易に想像がつきますが、最近は少し風向きが変わってきた感があります。

以前は最終目標が周永康「長老」(前政治局常務委員)であるかの様な内容の記事が多かったのですが、最近は李鵬「大長老」(元国務院総理、元全人代委員長、元政治局常務委員)の周辺にも捜査の手が伸びている印象を受けます。

主な記事を拾っても、「中国当局、周永康氏らの資産900億元超差し押さえ」、「中国軍元高官、汚職などで起訴(記事によると谷俊山・元総後勤副部長=中将は江沢民人脈)」、「中国大型国有企業、華潤集団董事長を汚職で調査(宋林董事長は「李鵬元首相に近いとされる」)」、「ペトロチャイナ副総裁が離職(「石油閥」領袖周永康氏追及の一環かと日経は記す)」、とこんな感じですが、李鵬「大長老」に関してはこれだけでは済みません。

周永康「長老」が石油閥なら、李鵬「大長老」一家は電力閥、息子や娘を含め、電力利権を一手に握っているそうで、これに関連して三峡ダムの権益も独占しているとのことです。

そこで注目されるのが「重大な規律違反(=汚職)」容疑で取調べを受けている、重慶市人民代表大会常務委員会の譚栖偉副主任で、譚氏は「(三峡)ダム建設を主導した李鵬元首相や元重慶市トップの薄熙来氏らと近い関係にある」との由、とすれば李鵬「大長老」も視野に入っていると考えて良さそうです。

ここで留意すべきは李鵬氏が周恩来氏の養子であること、中国の養子制度については不案内なので、何で養子なのに姓が違うのかは不明ですが、周恩来氏の持っていた利権の少なくとも一部は引き継いでいる筈です。

つまり李鵬を撃つことは間接的に周恩来を貶めることになりますから、中国には周恩来を快く思わない人間集団が存在し、その代表的存在が団派を初めとする胡錦濤「長老」陣営だと思われます。

ついでに言えば周永康「長老」も、周恩来氏と同一宗族ではないかとの推測が成り立ちます。

中国では「周さん」と「周さん」は結婚出来ないですが、周さんも色々ござんすで、同一宗族に属する周さんとは同じ廟にご先祖様も自分も祀られなければならない筈です。

因みに中国共産党で原籍を公開しているのは胡錦濤前国家主席だけ、安徽省績渓県龍川に「胡氏宗祠」があるそうです。

仮に周恩来氏と周永康が同一宗族だとすると、後者が前者の利権の一部を継承しても不思議ではなく、周恩来が胥吏階級の利権代弁者だとすれば、党と国務院並びに軍隊(文官)の「セミ・キャリア」と「ノン・キャリア」を掌握している筈で、周恩来が劉少奇は勿論、毛沢東や林彪を向こうに回すだけの権益を保持していたとしても不思議でありません。

胡錦濤氏が国家主席(兼総書記)時代、周恩来に対し冷淡であったのは、この辺りにあるのかも知れません、鄧小平氏に対し好意的であるのとは対照的に。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-05-22 01:04

再開します

何時までも悲嘆に暮れていても仕方がないですし、理不尽を受け止めそれを乗り越えるのが人間に課せられた使命ですから、たとえ少数でも小誌の復刊を喜んで下さる読者がいるのであれば、その声に応えるのも天命と理解したいと思います、以前の切れ味(?)に戻るには時間を要するかも知れませんが。


再開すると言えば、粛清が再び始まるかも知れないのが北朝鮮で、平壌で集合住宅が崩落、多数の死者が出た模様ですが、それを同国報道機関がいち早く伝えている点がこれまでと違います。

しかも事故原因が「手抜き工事」と判明しているらしく、従来の北朝鮮ならひた隠しにしたでしょうが、それは責任者追及の矛先を鈍らせる効果もありました。

ですが今回は、「首都平壌の集合住宅が手抜き工事で崩落して多数の死傷者が出た」と報じた以上、責任者を特定する必要が出てきますので、それを口実に粛清が再開されたとしても不思議ではありません。

そもそも、先代の金正日「永遠の総書記」時代、小誌の推測が正しければ総書記は部下に対し、「特区」と称してその地域の全権を与える代わりに上納金を課する、一種の封建制度みたいな政治体制を採用し、その象徴とも言える人物が三代目が粛清した張成沢氏、但し「特区」を任されていたのは張氏だけではないと思われます。

任せる部下が多ければ多いほど、上納金の金額も大きくなりますし、何より不意の出費が発生した場合、臨時の上納金を課すにはその対象の多い方が何かと便利です。

つまり「ミニ張成沢」は存在している訳で、これらの封建的発想の輩は、「領土は全て金日成商店の私領」と考えている三代目(金正恩第一書記)の中央集権志向とは相容れない存在です。

少々旧聞に属しますが、朝鮮人民軍総政治局長だった崔竜海氏の消息に注目が集まった時期がありましたが(失脚したかどうかは不明)、これはおそらく崔氏が「私的既得権益」を保持していたためで、北朝鮮全土で「金日成商店」の手を通さない利権は罷りならないと言う第一書記と対立せざるを得ない立場にあったと思われます。


その第一書記率いる北朝鮮と、日本政府はストックホルム(スウェーデン)で「公式」日朝局長級会談の開催を決定、今までは非公式協議が多かったですし、役職ももう少し低い場合が多かったのですが、もう誰憚ることなく話し合いしていることを公にしています。

これは同時に、金正恩体制が動揺していない証左でもあり(権力基盤の固まっていない相手とは交渉出来ません)、皮肉にも第一書記を支えているのが日本の存在でもあります。


手抜き建築物が崩落するのは朝鮮半島のお家芸ですが、今の韓国における二大関心事と言えば、転覆した船と、緊急入院及び手術したサムスン財閥総帥の容体です。

前者の件では朴槿恵「表向きは反日、反財閥は本気」大統領が窮地に立たされているそうですが、「父親(朴正煕元大統領)の名誉が回復されるまでは死ぬに死ねない(←朴正煕元大統領は名誉回復されていないと言うのが韓国人の当たり前の受け止め方なんだと驚いています)」と公言するこの娘さん、謝罪は繰り返していますが返す刀で海洋警察の解体を含む政府機構改革の意向を表明、更に(日経によれば)「ずさんな運航管理で事故を防げなかったとして、安全管理体制を抜本的に見直し、公務員の関連業界への天下り規制を強化する方針も打ち出した」と言うのですから、「財官労複合体」解体に賭ける朴槿恵大統領の執念たるや桁外れのものがあります。


次回は中国に話題を戻します。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-05-19 21:16

何時までも

泣いていても始まりませんので、49日が終わる頃から再開したいと思います。

小誌執筆者


でも辛いです、この哀しみの山を乗り越えるのは。
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by 4kokintou | 2014-05-07 21:29