現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou
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戦場は広東

権力に遠心力が働きがちな中国でも、反中央感情がひときわ強いのが広東省、数年前の旧正月休み(春節)の際、広東も時ならぬ大雪に見舞われ、交通が麻痺する事態に陥り、温家宝総理(当時)が現地に赴き陣頭指揮を執りましたが、現地党幹部は面従腹背を決め込み、総理の命令に従わぬどころか陰で妨害工作を試み、あまつさえ食料品等を買い占めてその値段を吊り上げ、一儲けを企みました。

翻って言えば、今や晴れて「長老」の一員となった温家宝氏が属する胡錦濤「長老」陣営からすれば、恥をかかせてくれたのが広東省の現地生え抜き党幹部、中国人の唯一共有し得るものが粘着質であるとすれば、相手を屈服させなければ恨みを晴らすことは出来ません。

と言う訳で、広東省党書記に送り込まれたのが「団派の若大将」胡春華政治局員、この人事は胡錦濤「長老」の肝煎りであったことは御存じの方も多い筈です。

魑魅魍魎が跳梁跋扈する広東省に派遣するのを危ぶむ声を有ったそうで、確かに「麻薬村」摘発では男を上げましたが、「売春村」家宅捜索では情報が事前に漏れていて空振り、省を束ねる党書記としては手痛い結果となりました。

それでも各方面、特に王岐山政治局常務委員率いる党中央紀律検査委員会を助けを得て、コツコツを「重大な規律違反」容疑で下級幹部から取り調べる形で積み上げた結果、その捜査の手は広州市党書記に及ぶ事態となりました。

時事通信によると、その人物は「地元出身官僚から成る『広東閥』の有力者。(中略)将来の省長(閣僚級)候補とみられていた」そうで、要は生え抜き組の領袖かそれに近い権勢を誇る人間、それをお縄にしようとしているのですから大したものです。

この記事で興味深いのは「地方採用(=生え抜き組、この場合は党省支部採用)は原則として省長(=党省筆頭副書記)」止まり、党省書記は中央の「指定席」であることを余すことなく語ってくれています。

そして今まで、省の実務と実権は「生え抜き組」が握り、中央から派遣された党書記は、美味い思いをするけれど政務に口出しせず、その傾向は殊に広東省で顕著であったと思われます。


胡錦濤「長老」陣営が、国務院(李克強総理が掌握)と党中央紀律検査委員会(王岐山主席傘下)を駆使して、壊滅を試みている既得権益は四分野に大別されます。

まず「鉄道利権」、これは陸軍利権の一部と言ってもあながち間違いではありませんが、高速鉄道事故を契機に利権に連なる連中を一掃、ほぼ時を同じくして軍中央も胡錦濤「長老」の意に従う様になりました。

次に標的となっているのが周永康前党中央政法委書記(前政治局中央委員)の指揮下にあった「公安畑」、これは同時に「石油利権」叩きも意味します。

それから「電力利権」ですが、この元締めは李鵬元総理(ご存命!)、李鵬氏は周恩来の養子ですから、周恩来だってそれなりに利権を握り、それを権力闘争の軍資金にしていたことが分かります、つまり周恩来は清廉潔白な人物であると言う評価は伝説に過ぎませ。

そして現在進行中の「広東潰し」、これは恥を雪ぐ意味合いもあるでしょうが、最も反中央的感情の強い地域を屈服させることで、一罰百戒ではないが全土を中央(と言っても習近平国家主席のことではありません)にひれ伏させる狙いがあると考えられます。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-06-28 17:52

虚々実々

7月3日、4日の習近平訪韓を嘲笑うかのように、日朝局長級会談が7月1日に開催されることが発表されました、しかも開催地は北京です。

交渉の場を提供したのが、習近平国家主席でないことだけは明らか、現場を仕切っているのはおそらく王家瑞党中央対外連絡部(中央委員)でしょうから、今回の一件で習国家主席が日朝交渉に口出し出来ない立場にあることが判明しました。

嫁さん(彭麗媛人民解放軍陸軍少将)同伴で韓国に赴く習近平主席、一説には訪問先で国会演説が予定されているとの由、実現すれば「反日」の文言が盛り込まれるでしょうが、中国の国家主席がこの時期に訪韓する「真意」は何処にあるのでしょうか。

結論から言えば「金を出せ」、資金繰りに窮する(国有)企業が続出する中国としては、この国に深入りし過ぎて身動きが取れなくなっている韓国(あるいは韓国系財閥)から、不足分を補わせようと言う魂胆、金を出さなきゃ現地法人を締め上げるぞと言う恫喝です。

金融と財政の両面で国有企業(とその背後の党地方支部幹部)を追い詰めているのが他ならぬ李克強総理、窮地に陥っているそれらの企業を救おうとしているのが習近平国家主席、そしてその側杖を食っているのが韓国と言う構図ですが、習主席側が日本を狙わないのは、国力を勘案する部分もありますが、李総理も属する胡錦濤「長老」陣営が日本と手を組んでいるため、手を出せないのも事実です。

対する韓国の朴槿恵大統領、おそらく「お付き合い」程度は出すかも知れませんが、実質的にはゼロ回答、中国現地幹部と癒着している韓国系財閥現地法人を虐めたければご随意にと言うのが、偽らざる心境だと思われます。

話を北朝鮮に戻して、短距離ミサイルを日本海に向けて発射したそうですが、これは韓国に赴く習近平主席に対する威嚇、決して日本を脅すつもりはありません。

その北朝鮮で国防大臣に相当する人民武力相が交代したそうで、北朝鮮も「党が軍を指導する」朝鮮労働党独裁体制を採用していますから、大事なのは「党の軍事担当最高幹部」、最高意思決定機関は党中央委員会政治局常務委員会ですから、三代目金正恩第一書記に次ぐ立場にある軍部管掌要人に入れ替わりがあるのか、今回の大臣入れ替えはその前触れなのか、関心が集まります。

中国では「重大な規律違反」で、党中央紀律検査委員会の取り調べを受けていない人物が、全国政協会議副主席の職を解かれました。

取り調べの段階で公務を解任されるのは異例、政協会議は「天下り組」と「一丁上がり組」の寄り合い所帯ですから、党の意向を無視して人事を動かすことは出来ません。

と言って、今回の過去に例を見ない解任劇で、習近平主席が得する訳でもなく、むしろ強い反感を持たれてしまいますからそんな話ですし、これだけの大技を打つ力量がありませんから、やはりこれは胡錦濤「長老」陣営が仕掛けたとみるのが妥当です。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-06-26 22:02

一筋縄では行かない連中

確かに、中国本土や朝鮮半島の人達が生き辛いのは分かりますが、それは己が招いた側面も否定出来ず、要は頭が固いと言うか、旧態依然とした思考から抜け切れていません。

勿論、日本人だって嘘をつきますが、事実を正確に把握してからどうやって捏造するかを考える、つまり帳尻合わせをする訳ですが、韓国では中央に上がって来る数字の信憑性が少々怪しく、しかも当局が後先考えずに「創作」しますので、現実との乖離が大きくなってしまいます。

中国に至っては御存じの通り、誰も正確な数字を把握していないのが現状、好意的にみても各種経済統計は「推計」でしか有り得ません。

例えば有効求人倍率は、数字が大きくなる様に中央官庁から職業安定所(ハローワーク)に対し常時「圧力」が掛かるのが周知の事実、そこでハローワーク側も頭を捻りますが、そこには「相場」と言うものがあり、信頼性に欠ける統計を発表すれば、それこそ中央官庁が矢面に立つことになりますから、「圧力」と言っても限度がある訳です。

失業率にしても然り、しかも日本では現実と数値に乖離が大き過ぎると世論が黙っていませんので、信頼出来る水準に落ち着くことになります。

数少ない壮大な例外が、バブル崩壊後に金融機関が抱えた不良債権で、当時は「落ちるところまで落ちなければ不良債権は処理出来ない」と言う単純な真理に気付かず、すなわち不良債権の処理の仕方が分からない、ただ業績が止めどもなく悪化することは確かなので、口をつぐんで業績にお化粧を施していたのが実状でしょう。

仮に「ここまで不良債権が膨らむから、これだけの積立金を計上すれば問題は解決する」と分かっていれば、展開が違っていたかと思われますが、この様に答えが「分かっている」と「分からない」とでは雲泥の差が生じます。

ここで中国に話を戻すと、誰も答を持っていない、有体に言えば事実を把握していないため、的を射た対策を講じることが至難の業なのです。

ですから、党中央紀律検査委員会が汚職摘発と取り調べに熱心かと言えば、それだけ中国共産党が腐敗している事実も見逃せませんが、その過程で「経済の本当の実像」を掌握する側面もあると考えられます。

従って、李克強総理の経済政策と、王岐山党中央紀律検査委員会書記の動向が連動するのは当然で、幾ら金融引き締め政策を打ち出しても、その裏付けがないと空回りするのは必至、王書記が集めた「裏資料」があればこそ、急所を突いた措置を講じることが可能です。


アントニオ猪木氏が7月半ばに訪朝、これで安倍総理のそれ以前の北朝鮮訪問の線は無くなりました。

もっとも、「プーチン今秋来日→安倍訪朝」が、かねてからの持論ですので、それは別に構わないのですが、猪木氏は粛清された張成沢氏に象徴される「旧体制派」に近い人物、同氏の訪朝が公になるのとほぼ時を同じくして、「河野談話をゆがめるな」と北朝鮮が日本側の動きを非難、金正恩第一書記の権力掌握を快く思っていない勢力が反撃に出たのかも知れません。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-06-23 22:28

奇々怪々

先日、李克強総理(政治局常務委員)が訪英した際、エリザベス女王との面会を英国側に強請したとか、結局バッキンガム宮殿ではなくウィンザー城で拝謁は実現したのですが、目立たぬ事件かも知れませんが、中国を裏で操っていたのが英国であれば、今回の一件はまさに画期的と言えます。

その前に想起すべきは、今回の面会劇には前例がありまして、相手国の国家元首に予約を入れずに面会をねじ込んだ人物と言えば副国家主席時代の習近平氏、その先例に倣ったとも言えますし、一種の意趣返しであったとも考えられます。

折に触れて「親オバマ勢力」、「反オバマ陣営」と言った表現を使わせて頂いていますが、前者の領袖は表向きこそオバマ大統領ですが、「本当の黒幕」は英国王室ではないかと言うのが、かねてからの小誌推測で、それを裏付けるかの様に、オバマ大統領が打ち出す政策や決断は、全て米国の国力を弱体化させるか、その権威を失墜させる性質を持つものばかりです。

共産主義中国だって、大英帝国のお膳立てが無ければ、「米帝の傀儡」蒋介石率いる国民党に蹴散らされていた筈、毛沢東が中華人民共和国の建国を宣言したまさにその日、英国は中華民国と断交し共産主義中国を国家として承認したのですから、英国の思惑がどの辺にあったのか、贅言を要しないでしょう。

中国側も革命を声高に叫ぶ連中ほど、実は親英的な場合が多く、香港上海銀行の上海支店は、上海が革命派の牙城であるにもかかわらず営業停止に追い込まれたことは一度もなく、香港支店も香港返還以降、一度たりとも同様に危機に直面したことはありません。

英国(王室)は中国を、現地の子分を使って食い物にする対象としか思っていないでしょうし、その子分の流れを汲むのが現職国家主席の習近平氏、対して「反英愛国的」なのが胡錦濤「長老」とその周辺、各々の源をたどれば毛沢東と陳独秀に遡ります。

今に至るまでの共産主義中国は、「親英革命的」分子と「反英愛国的」分子の権力闘争と言っても過言ではなく、反英派は親英派に苦杯を嘗めさせられてきましたから、その黒幕の英国王室に直談判することなど夢のまた夢でした。

それが今、国務院総理と言う肩書を携えながらとは言え、反英派の中心人物の一人が老いたる英国女王に面会を無理強いする、隔世の感とはこのことを言うのでしょうか、英国も受け入れざるを得ないほど親英派が衰弱していることを認めざるを得なかったと思われます。


前党中央弁公庁主任で、息子の不始末(超高級車を超速度超過で乗り回した挙句に事故死)が祟り、現在は同統一戦線工作部長に左遷されている令計劃氏(中央委員)の身辺にも、「鬼の王岐山(政治局常務委員)」率いる党中央紀律検査委員会の追及の手が及んでいるそうです。

同氏の兄と山西省副省長が「重大な規律違反=例によって汚職」容疑が取調べを受けているそうですが、留意すべきは令計劃氏を含め、三人全員が山西省出身者だと言うこと、そして何より忘れてはならないのは、同省は石炭を初めとする鉱物資源が豊富な場所で、「天然資源利権」が存在すること、それを山分けしている一人が、李鵬元総理の息子で李小鵬氏だと言うことです。

令計劃中央委員が在籍していた弁公庁主任は、党総書記の秘書室長とでも呼ぶべき役職、この人物は確かに団派で、党中央の共青団に属していましたが、傍流ではないにしても「団派本流」と言いかねる人物、要は「中国共産主義青年団中央書記処書記」にはなれず、宣伝部長止まり、キャリア官僚ではあるが三番手程度と言えば分かり易いでしょうか。

推測ながら、息子がフェラーリを乗り回していた時点で、胡錦濤「長老」は令計劃氏を見限っていたのではないか、「長老」はこの種の奢侈が大嫌いですし、「身内」であっても役立たずはお払い箱にする人物ですから、その点では冷徹です。

今回の最終標的は、そうなると李小鵬山西省省長(副党書記)と言う結論になります。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-06-21 18:43

外交音痴

内政も支離滅裂ですが、外交でも常識知らずの双璧と言えば、米国のオバマ大統領と中国の習近平国家主席をおいて他にいません。

その習近平主席、7月早々に訪韓するそうですが、これって絶対にしてはならない「禁じ手」です。

確かに最近の北朝鮮は「習近平的中国」の、対日接近を図るなど、習国家主席からすればその言動は目に余るかも知れませんが、仮にも両国は互いに唯一の同盟国、その同盟相手の面子を潰す挙に出ることは、同盟関係が実質的に破綻に瀕していることを内外に白状する様なもので、同時に北朝鮮の中国離れの口実にもなりかねません。

ですから先代の胡錦濤氏、先々代の江沢民氏も「まずは訪朝、韓国は後回し」路線を踏襲した訳で、当時の胡錦濤国家主席が、これも「永遠の総書記」金正日氏に厳しい態度で臨もうが、それと同盟関係とは別の話、同盟国はその他の国々と「別格」扱いしなければなりません。

従って今回の「訪朝を後回しにした訪韓」は外交上有り得ない拙策で、要は北朝鮮に対する嫌がらせの域を出ず、では訪韓してそれだけの成果が得られるかと言えば、精々「反日」を謳うだけ、しかも朴槿恵大統領の反日は擬装ですから、わざわざ国家主席殿が足を運ぶ理由がありません。

そもそも習主席の初めての外遊先はアフリカ諸国、おそらく利権の確認或いは開拓が主目的だったと思われます。

つまり習近平主席もオバマ大統領と発想は同じ、子分を養い勢力を拡げるための軍資金づくりしか頭にありません。


今回の北朝鮮無視政策と、対ベトナム強硬路線から浮かび上がってくるのは、習国家主席から距離を置く軍部の動向です。

海底油田を採掘するためとはいえ、海軍ばかりを動員する一方、陸軍を「温存する」現状は、習近平主席が陸軍の大部分を掌握していないのではないか、圧力を加えたければ陸海両面で戦力を展開するのが常道と思われます。

北朝鮮にしても然り、北海艦隊は完全に胡錦濤陣営に鞍替えしていますから、此処では海軍も使えませんが、北朝鮮の態度が気に入らなければ陸軍を動員すれば良く、記憶違いでなければ鄧小平が訪朝した時、25名の師団長を引き連れて平壌に乗り込みました。

つまり「今度来る時は25個師団を連れて来るぞ」と言う恫喝、そこまでしなくとも中朝国境沿いに軍隊を展開すれば済む話です。

日経はオバマ大統領のことを「口先番長」と明記していますが、中国では俗に言うハニー・トラップ(美人局)に引っかかったのか、現地総局長は習近平氏に極めて甘いです。

ですが「口先番長」は習近平氏に相応しい称号ではないでしょうか、陝西省の子飼い軍閥と、嫁さんの縁で後ろ盾になっている山東省軍閥を除いて、軍事力を有さないのですから。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-06-19 23:23

尻拭い

ベトナムに外交担当の国務委員を派遣した中国ですが、かつてこの国やミャンマーの窓口は習近平国家「副」主席(当時)でしたが、これを覆したのが団派を中心とする胡錦濤陣営でした。

ですから習近平氏からすればベトナムは裏切り者、従って積極的かどうかは別にして、今回の中越紛争に習国家主席は一枚噛んでいるとみて差し支えないと思われます。

それから強引に海底油田を採掘しているのであれば、所謂「石油閥」も加担しているのは確実、この派閥の領袖かどうかは分かりませんが、周永康前政治局常務委員が大物であることは間違いなく、この人物は江沢民元国家主席とも近いですので、実働部隊が誰かは別として、「江沢民、習近平」ラインで事が運んでいると考えるのが妥当です。

因みに、私見ながら、実働部隊を指揮しているのは、今や習近平主席の側近中の側近とも言うべき、劉雲山政治局常務委員(党中央書記処常務書記、党中央精神文明建設指導委員会主任、党中央党校校長、前党中央宣伝部長)、内蒙古自治区で共青団副書記を務めた経歴を持つ「腰掛け団派」です。


大手不動産企業が倒産し、一部の地域で銀行への取り付け騒ぎが発生し、所謂「理財商品」も紙屑と化しつつある今、窮地に立たされている習近平氏としては、二正面作戦であろうが多正面作戦であろうが、延命のためには贅沢を言っていられません。

と言って、相手を選ばなければならないのが辛いところで、ロシアやインドと対決するのは暴挙と言うもの、多くの国と国境を接していますが、その大部分が戦争事由も無ければ兵站も続かない場所ばかりです。

となると因縁をつけても国内世論の反発を呼ばない日本は当然ですが、大人しく自制されたら困る訳で、だから挑発を繰り返しているのですが、これ以上のことをすれば、今度は米国が立場上、日本に与さなければならず、それで困るのは習主席の「盟友」オバマ大統領、ですから中国としては威嚇の域で留めざるを得ません。

「裏切り者」ベトナムに対する攻勢には、国家主席殿の感情も反映されていると思われますが、海上での限定している点に注目すべきで、陸地での戦いとなれば、これは本格的な戦争になるものの、では中国陸軍の「統帥権」を実質的に誰が掌握しているのかと言えば、習近平国家主席ではなく、おそらく胡錦濤陣営だと推測されます。

ですから対ベトナム陸上戦は無し、その意味でも海上での小競り合い限定です。

新疆ウイグル自治区は、かつて「新疆王」と言われた王楽泉前政治局員(前同自治区党書記)が逐われた後、胡錦濤氏に近い人物が党書記として送り込まれている場所、換言すればまだ「新疆王」の勢力が残っていて、団派系の影響力が浸透し切れていない地域と考えるべきでしょう。

とすれば、このでの狙いは奪権闘争、現職の自治区党書記を解任し、後任に近い人物をすえて、団派の勢いを削ぐのが狙いと思われます。

でも、どれも功を奏していません、やはり軽量とみられているのでしょう、国家主席殿は。

その証拠に、オバマ大統領の妻ミシェル夫人が訪中した際、習主席の細君たる彭麗媛陸軍少将との会談は最初から設定されていたのですが、「嫁会談」が終わった後に、習国家主席はミシェル夫人の面談しています。

つまり嫁からも、その後ろ盾の(山東省系)陸軍からも軽くみられている証拠で、非力な政治家が何をやっても上手く行かないのは当然しかありません。


追伸

明(大明)の時代には、胥吏には科挙を受ける資格が無かったそうな。要は宗族万能時代だったと言うことでしょうね。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-06-17 23:15

角逐

用事が用事を生む状況が続いていまして、腰を落ち着けて仕事が出来ない厄介な状況にあります。

肉親が残した言葉に「人を頼るな」と言う一節がありますが、これにはもう頼れる相手が存在しないと言う他に、安易に他人を頼ると、中国人ほど悪意はないにしても(?)、他人は無責任だから痛い目に遭うと言う警告だったと思われます、特に士業の連中には。


安倍総理が閣僚に発言させる形で訪朝に言及、非力でそのくせ我儘だけは一流のオバマ大統領の意向などお構いなしに、ロシアと北朝鮮への接近を試みています。

北朝鮮に対しては470名の特定失踪者名簿を提出済み、外務上級官僚がプーチン大統領の側近の一人と会談しています。

北朝鮮が日本を名指しで悪しざまに罵ることが無くなって久しく、ロシアも日本が対ロ経済制裁に一枚噛んでいるにもかかわらず、恨み言一つ語っていません。

尖閣諸島を巡っての中国の挑発に日本が乗らないのは、賢明と言うか当然、相手に口実を与えないためでもありますが、裏を返せば挑発しか策が無い習近平政権の窮状を物語っています、要は日本が中国の足元を見ています。

と言う訳でなりふり構わずベトナムに八つ当たり、威勢は良いけれど臆病な国家主席殿のことですから、ベトナム側の首脳会談開催提案は黙殺、筋の通らないことをしているのは中国ですし、習主席には相手を論破するだけの力量がありません。

幾らエネルギ資源価格が高止まりしているからと言って、隣国に軍事的圧力を加えてまで掘削作業を始めると言うのは無茶と言うもの、それだけ「自前の」エネルギー資源が欲しい輩が中国国内に存在していると考えるのが妥当でしょう。


中国人民政治協商会議(政協会議)全国委員会の主席は兪正声政治局常務委員、その下に23名の副主席がいますが(それにしても「副」が23名とは、組織の肥大化も此処に極まれりです)、そのうちの一人が例によって「重大な規律違反」で、これも例によって党中央紀律検査委員会が取調べ中との一報、日経は「現職有力指導者」だと騒いでいますが、党では中央委員止まりで前期(第17期)を以って辞任、政協会議の副主席に「天下り」したと考える方が正しいと思われます。

換言すれば、前職の中央委員までなら粛清お構いなしの段階に来ていると解釈することが出来ます。

おそらく、「現職中央委員→前職政治局員→現職政治局員(失脚当時の薄熙来氏がこの水準)→前職政治局常務委員→現職政治局常務委員→長老(元老)」まで捜査の手が伸びると思われます。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-06-15 00:17

北朝鮮の対話手法

北朝鮮を旅行中の米国民三名が当局によって拘束されたそうです。

一見、人質外交でもやらかす様な印象を受けますが、長期間に亘って勾留する考えは無い筈です。

ただ米国政府の要請には頑として応じません、オバマ大統領の手柄になる様なことは絶対しないでしょうし、中国の習近平国家主席の仲介も受け入れないと思われます、金正恩朝鮮労働党第一書記にとって何の得にもなりませんから。

この「人質」は安倍総理訪朝の際の手土産の一つ、交渉のためにわざわざ平壌まで足を運んだ安倍総理が要請する形ならば、北朝鮮の面子は潰れませんし、何よりもオバマ大統領(と習近平国家主席)に政治的非力が浮き彫りになります。

見方を変えれば、安倍訪朝は間近に迫りつつあり、オバマ大統領に打撃を与えるのであれば、中間選挙(11月4日)以前、プーチン訪日が8月公式発表の9月来日ならば(現段階では「今秋」と言う曖昧な表現)、安倍訪朝の公表はその直後、来日は10月と言う段取りになります。


中国共産党が「寄り合い所帯」であるとの前提に立てば、無数の派閥が存在することになりますが、その中でも最高指導者を輩出し得るのは、団派(「共青団=中国共産主義青年団)と「中国共産党毛沢東派」だけです。

これ以外は駄目、「党(文官)が軍を領導する」原則から言って軍人(軍部)は党中央指導部の風下に立たねばならず、ブルジョア(金持ち)も論外、それから「出自」も問題になります。

その意味で周恩来は、実家が裕福であったことや、名家と言っても後に党や行政機関の「セミ・キャリア」と「ノン・キャリア」を構成する胥吏代弁者であったことから、第一人者になる資格がありませんでした。

鄧小平も然り、最後まで党中央軍事委員会主席の座を離さなかったことから明らかな様に、一貫して軍人でしたし、客家出身であることも足を引っ張ったのではないでしょうか。

毛沢東も客家ですが、客家も色々ござんすで「老舗客家」もあれば「チンピラ客家」もあって然るべき、そして「毛沢東だから我慢している」状況下で、軍事力を擁する別の客家が後継者として最高指導者になることは、周囲にしてみればその人柄云々以前に生理的に拒否してしまいます。

鄧小平が劉少奇や胡耀邦、更に江沢民後継として胡錦濤登用を約束させた背景には、国家を運営していく力量があるのは、「盟友」劉少奇の流れを汲む団派出身者しかいないと考えていたからだと思われます。

陳雲こと廖陳雲も、その実力がありながら最高指導者にならなかった人物で、そもそも苗字を隠すことそのものが面妖で、おそらく少数民族出身ではないのか、であれば最高権力者に立つことには、華人が結束して反対することが予想されます。

趙紫陽失脚前後の政局では、この最高権力者になれない鄧小平と陳雲が激突し、「民主化」を称して窮地に追い込む戦略に出たのが陳雲、天安門広場を血に染めて歴史に悪名を刻んでも陳雲側の攻勢を食い止めたのが鄧小平、腕力では「私兵」を有する鄧小平が優勢でも、歴史的惨事に手を染めたことと、何よりもそれに相応しい「手駒」に欠いていたことが致命的でした。

優位に立つ陳雲側も人材不足では似たり寄ったり、結局、「次の指導者は陳雲側が出し、その次は団派(胡錦濤)」と言うことで手打ちが成り立ちました。

と言う訳で陳雲が自身の傀儡として担ぎ出したのが江沢民、「漢奸」の息子を指名した陳雲のお里が知れますし、その弱みを活用して操り人形として使う魂胆だったと考えられます。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-06-07 16:48

中国共産党の「正体」

結局、中国共産党とは「太子党の集団」に他ならない、これが特徴と言うか致命的欠陥と言うか、いずれにしても排他的です。

まず縦軸として、「共産主義中国建国時点で、父祖が党中央採用の党員であること」、つまり「キャリア党員」でなければ後々、権力中枢を担うだけの立場に至ることは出来ません。

次に「軍人は駄目、但し形式だけでも軍籍を離脱するか、その子息ならば民間人と見做す」、軍閥の跳梁跋扈に悩まされた反省が、この原則に表れていますが、一方で軍事力を後ろ盾にしなければ権力を掌握出来ませんので、必然的に「有力軍閥の子息で、他の軍閥からも支持が得られる人物」が権力の頂点に立つことが多くなります。

習近平国家主席が毛沢東の真似をするのも、両者の支持基盤が「地方軍閥」と「旧裏社会勢力」だからですが、猿真似では誰もついてきませんので苦しんでいる訳です、国家主席殿は。


それから中国共産党には二大派閥があり、その一方が建国に至るまでの党内権力闘争を生き延びた毛沢東派とその末裔、他方が中国共産党よりも先に結成され、後に合流した共青団(=中国共産主義青年団、通称「団派」)です。

ただ旧宗族階級を背景とする団派も排他的で、二十歳前後で党中央採用の党員になることは必須条件、しかも団派の場合は集団内で熾烈な競争があり、「中国共産主義青年団中央書記処書記」に就任した経歴を持つ「団派本流」しか中央政界に出ることは叶いません。

勿論、何事にも例外はあり、王岐山政治局常務委員(党中央紀律検査委員会書記兼任)は、団派を束ねる胡錦濤「長老」の考えに共鳴して汚職摘発に邁進していますし、韓正上海市党書記は団派傍流(上海の共青団出身)ながら、政治局員にまで上り詰めていますが、両者が「国家」主席や「党」総書記になることは有り得ません、出自が「超一流」でないから。

ですから周恩来や鄧小平、或いは陳雲が何故、「副」の座に留まったのか、それは中国共産党と中華人民共和国の最高指導者たるには何かが欠けている、特に共産主義的「出自」の点で決定的に欠落している要因があると判断せざるを得ません。

これに地方採用の「セミ・キャリア」或いは「ノン・キャリア」党員に、地方軍閥在籍者或いは出身者が絡んできますので、中国最高権力者の「必要十分条件」とは何なのか、非常に難しい問題が横たわっています。

でもそれが分かれば今の中国を理解するのは簡単、次はこの難問に挑みます。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-06-01 18:10