現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou
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承前 ~粘着質と言う致命的弱点~

本題に入る前に、まずご理解頂きたいのは、「政治局員以上の地位にたどり着いたものは、勇退後も含めて如何なる犯罪にも問われない」と言う、一種の政治的妥協がある時期以降の中国で成立していたとすれば、その取り決めを決めた当事者を含め、全ての中国人がこれを一時休戦に過ぎないと理解していることです。

おそらく、一連の政争を経て鄧小平と陳雲との間で成り立った手打ちだと思われますが、これで大手を振って悪事に専念出来る陳雲側も呑める提案ですし、鄧小平側も後進を護って育成すると言う点では悪くない取引でした、何せ国家運営を任せられる人材は鄧小平の方に偏っていますから。

一時的休戦ならば、その前に争いがあるべきで、それを中国では文化大革命と呼びますが、その最大の犠牲者たる劉少奇は「国家主席」と「政治局常務委員」の座を一挙に剥奪され失脚しています。

つまり、状況が変化すれば

「国家主席兼政治局常務委員であっても失脚し得る」

訳で、元祖的存在の劉少奇を野垂れ死にさせられた団派からすれば、それに加担した連中は粛清の対象であれ、赦免の余地はありません。

では習近平「国家主席兼政治局常務委員」の場合はどうか、おそらく胡錦濤「長老」との間に次の様な密約が成り立っているのではないでしょうか、どちらも遵守するつもりなど微塵もありませんが。

「党中央紀律検査委員会(王岐山)と国務院(李克強)のすることに習近平は一切口出しさせない、但し汚職容疑等で習近平を摘発することは無いが、一期五年で国家主席や政治局常務委員からは降りて貰う」

こう考えると、習国家主席の言動に合点が行きます。

王岐山政治局常務委員が率いる党中央紀律検査委員会の行動には白紙委任状を与え、李克強総理の(経済緊縮)政策の遂行にも一切口を挟みません。

ですから国家主席殿の主なお仕事は「外遊」と「反日」、新興国に入り浸っているのは利権開拓の側面もありますし、日本を挑発してあわよくば密約を反故にする魂胆です。

習主席が米国型大統領になりつつあると言う、日経新聞(中国総支局)の記事には腰を抜かしましたが、「小組」の類の組織を新設しているのは、既存組織に政治基盤を持っていないことの表れ、一時「干された」毛沢東の「革命小組」方式を真似ているだけで、取り決めに無いことは何をやっても良いと言う態度です。


次に江沢民ですが、意外にも天寿を全うすると思われます。

驚かれる向きも少なくないかと思われますが、江沢民は死んでからの方が「利用価値」が高いのです。

劉少奇は死後に名誉回復されましたが、康生を引き合いに出すまでもなく、死後に名誉失墜する例も少なくありません。

では何故、江沢民の骸に鞭打つ必要があるのか、生前にお縄を頂戴させた方が国民も溜飲を下げるのではないか、それはそうですが、散々悪事を働いた挙句に「勝ち逃げ」の形であの世へ行った「国家主席兼政治局常務委員経験者」が存在します。

もうお分かりですね、劉少奇の仇、毛沢東です。

粘着質の中国人が「雪辱」や「復仇」を諦めると考える方が、遥かに誤った「歴史認識」です。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-07-31 20:41

序章

どうやら「鬼の王岐山」率いる党中央紀律検査委員会の追及の手は、「政治局常務委員経験者({長老」、中国では「元老」が一般的な様子)にまで及びつつあり、周永康元党中央政法委書記も、その網に絡め取られつつある模様です。

薄熙来氏の失脚で、「現職の政治局員」は汚職捜査の聖域でなくなり、今回の周永康氏粛清劇で「長老」も安全地帯ではなくなりました。

いずれ「現職の政治局常務委員」も摘発の対象になると思われますが、まず「現職の政治局員」で「重大な規律違反」を理由に、党中央紀律検査委員会のお世話になりかねない人物は存在するかと問われれば、小誌の回答はイエスです。


18名の「ヒラ」政治局員の中で、軍人枠の3名はこれで一丁上がり(鄧小平を軍人とみるか背広組とみるかは判断が難しいですが、林彪で軍人は懲り懲りと言うのが一般的な中国人の感覚でしょう、だから軍人は政治局員止まり)、従ってこの3名(馬凱、許其亮、範長竜)は対象外です。

それから団派か胡錦濤「長老」の思想に共鳴している人間集団(9名)も、追い詰める側であって追及される側でないので除外、とすると残るは孫春蘭天津市党書記、孫政才重慶市党書記、李建国中華全国総工会主席、孟建柱党中央政法委員会書記、趙楽際党中央組織部部長(中央書記処書記)、栗戦書党中央弁公庁主任の六名です。

この内、グーグルで天津と入力してスペースを押すと「破綻」と出て来る天津市は、その情報の中身を信じるならば実質的破産状態にあり、直轄市政府を財政破綻させれば出世の目はありませんし、そう言った人物に限って脇が甘いから汚職で摘発されやすいです、「遼寧、大連閥」に属しているのも致命的です。

ですが党中央政法委員会を握る孟建柱、同じく組織部部長の座にある趙楽際両氏の方が標的となりやすい、何故なら公安を掌握する党中央政法委員会を、胡錦濤「長老」陣営は目の仇にしていますし、党人事を把握する組織部は是が非でも抑えておきたい部署です。

特に趙楽際政治局員は、青海省の政治ボスであると同時に、その後は陝西省(習近平国家主席の地盤)で箔を付けてから中央入りしていることを踏まえると、習主席に近い人物、狙い撃ちされても不思議ではありません。


次に「長老(元老)」、すなわち「政治局常務委員か政治局員を最後に党中央から勇退した人間集団」ですが、記憶違いでなければ現在の最年長は宋平氏、ただここも今回の一件で無風ではいられなくなりました。

党中央紀律検査委員会が「重大な規律違反」で取り調べるとすれば、それは李長春元党中央精神文明建設指導委員会主任(元政治局常務委員)、それに李鵬元総理です。

精神文明建設指導委員会は宣伝を含めた思想統制がその職務、イデオロギー面で政敵を糾弾出来る立場にあります。

しかも李長春氏は「遼寧、大連閥」の領袖的存在ですし、「親江沢民、反胡錦濤、反温家宝」的姿勢も今となっては仇です。

李鵬元総理は電力を初めとする工業関連の利権を握る人物ですし、胡錦濤「長老」陣営の周恩来に対する冷ややかな評価を考えれば、その既得権益の少なからぬ部分を継承した李鵬氏は許し難い存在です。

最後に「現職の政治局常務委員」で粛清対象となり得るのは劉雲山氏、「党中央書記処常務書記、党中央精神文明建設指導委員会主任」と言う肩書と、習主席べったりの姿勢が全てを物語っています。

それでは「現職国家主席」習近平氏と、「国家主席級長老」江沢民氏はどうなるのか、実は中国共産党の歴史が既にその答を出していますが、それについては、習主席と胡「長老」の関係を含めて、稿を改めて解説したいと思います。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-07-30 22:19

雑感ですらあるかどうか

中国上海の期限切れ鶏肉問題には思わず苦笑してしまいましたが、安さを売りにする小売業者が依然として、中国に頼らざるを得ない実態も浮き彫りになって、あらためて納得した次第です。

勿論、日本だってこの種の事件が根絶した訳では無く、夫婦で営んでいる零細小売店が、終業後に賞味期限を書き換えていても決して不思議ではありません。

問題は何処まで「良心的」か、爺ちゃん婆ちゃんが賞味期限のシールを貼り換えても、日本の場合は賞味期限そのものの定義が厳しいですから、貼り換えて少しくらいずらしても特に問題はありませんが、老夫婦に法令に抵触していると言う罪の意識は間違いなくあります。

これに対し、中国人は罪の意識が磨滅している、麻痺しているのではなく敢えて「磨滅」としたのは、麻痺ならば存在しているけれど機能していないだけなのに対し、現実には代を重ねる毎に倫理観そのものが低下し消滅していると思われるからで、従って1840年の阿片戦争以降の退化」(小誌の時代区分に従えば「退世」)が、一向に止まっていないと理解せざるを得ません。

唯一の超大国(米国)と張り合える存在と言う夢物語(と言うか「妄想」)に浸るのは自由ですが、その衣を剥がして実像を直視すれば、国民の幸福や安寧は二の次、率直に言って最高権力者から社会の最下層の住人に至るまで、「世の中より自分、他人より己」の一点においては、意見が一致しています。

今の中国にその様な余裕はなく、まずは全ての国民の生活を保障すること、そのために遍在する富の再配分を実施すること、これに尽きます。

この10年は所詮徒花の狂い咲き、代を追う毎に「負の遺産」が加速度的に増加している事実を中国は朝野を挙げて認めるべきなのです。

親の悪行をみて子供は育つ、その子も長じて、社会でもっと酷い悪行を知り、それが次の代になると最初から消化された形で受け渡される、小誌は明治維新を論じた際、「革命は数世代に亘る」との観点から、明治維新の目標(富国強兵、殖産興業)が達成された段階を、中曽根総理の「不沈空母」発言に求めました。(沈んだのは旧ソ連です)

一時的な繁栄で目がくらむのは致し方ないとしても、趨勢として「退歩」に変わりはないと認識さえ出来ていれば、もう少し違った展開になっていたでしょうし、その繁栄も終わりを告げつつありますから、それまでに富の再配分を通じて国民生活を保障出来るか、最近の汚職摘発も突き詰めれば、国家経済と国民生活を守ることが大事か、それとも特定の人間集団の既得権益が優先されるかと言う、長年の政治課題に決着をつける作業とも言えます。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-07-26 18:52

止まらない王岐山

広東省では、これまでに33名の「裸官」党幹部が、王岐山政治局常務委員率いる党中央紀律検査委員会(同委員会書記兼任)に「重大な規律違反=汚職」で摘発されていますが、一部報道によると、捜査の重点地区はこれまでの広東省から中国全土に拡大するそうです。

確かに、天津市公安局長も取調べを受けているそうですし、7月5日には王岐山委員会書記本人が「汚職捜査に聖域なし」と明言してます。

一説によると江沢民元国家主席の愛人にまで捜査の手は伸びているらしいですが、まず広東省からみてみますと、ここは「団派の若大将」胡春華政治局員を、周囲の危惧を押し切る形で胡錦濤「長老」直々の肝煎りで省党書記に就任させたところ、王委員会書記の助力を得て胡春華同省党書記も「長老」の機嫌を損ねずに済みましたが、「長老」の真意は別の所にあったのではないかと思われます。

すなわち、広東省の生え抜き党幹部からすれば、「団派の若大将」を潰せば自己の力量を誇示出来るだけでなく、反胡錦濤勢力に恩を売ることにもなりますが、どうやら陽動作戦に引っ掛かったのではないでしょうか。

胡春華党書記の足を引っ張るのに躍起になって、背後から忍び寄る王岐山書記の「魔手」に対する警戒が疎かになっていたのではないか、確かに党書記の方が「将来のプリンス」だから関心が集まるのは仕方ありませんが、正面切って生え抜き連中をやり合う役割を担っていたのは事実でしょうが、作戦の全貌からすれば所詮は囮」、「主役」の王岐山氏から敵対勢力の目をそらすのが任務だったのではないかと思われます。

と言っても胡春華党書記本人が、最初からそこまで理解して赴任したかは疑問で、広東攻略作戦の全体像を理解していたのは、胡錦濤「長老」、温家宝「長老」、それに王岐山政治局常務委員辺りまでだと推測されます。

秘密裏に事を運ぶにはなるべく少人数の方が好ましく、広東省の生え抜き連中も馬鹿ではありませんから、党書記が知っていればその言動から何かを嗅ぎ付ける惧れがあり、従ってこの場合は知らない方が本人に為でもあり、次世代を担うに足る人材かどうかを見極める「試練」はこれからと言う見方に落ち着きます。


と言う訳で広東省は勝負ありとみて差し支えなさそうですが、深刻なのは天津市で、判で押した様にと言う表現を使っても構わないほど、胡錦濤「長老」陣営は標的の公安部門から崩していきます。

中国は公安が最も腐敗していると言っても過言でない国ですから、党中央紀律検査委員会は掌握しても(それにしてこの組織の一糸乱れぬ動き、王書記の統率力の凄まじさを感じざるを得ません)、公安及びその上の党中央政法委員会を抑えていなかった胡錦濤「長老」陣営とすれば、公安部門を狙うことが制圧の糸口となります。

北京や上海、それに重慶と並ぶ特別市(強いて似たものを探せば、以前の日本の政令指定都市)の天津市ですが(因みにグーグルで「天津」と入力すると「破綻」と出てきます)、党書記は孫春蘭政治局員(女性)、女性ながら23歳で入党していますから、相当に「血筋」は良いとみるべきで、余談ながら22歳で入党するも、その才色で軍を背景にのし上がった彭麗媛陸軍少将(習近平なる人物の嫁さん)とは、反りが合わないと思われます。

話を天津に戻して、孫春蘭党書記はその経歴から「遼寧・大連閥」で、あの薄熙来とも近い人物(一説には犬猿の仲)、問題は天津市の生え抜き幹部との関係ですが、広東省における胡春華党書記の場合とは異なり、党書記と生え抜き連中の間で利害関係を共有する部分が多いと考えられます。

とすると幹部の摘発は党書記の追及に繋がり、ひいては「遼寧、大連閥」を一網打尽にするつもりではないのか、そういう推測も成り立つ訳で、広東省が一段落したなら、天津に人材を投入することは可能です。

尻に火が付く思いでしょう、国家主席殿。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-07-22 21:03

中国人は中国人を崇拝出来るのか ~「北宋以降」再考~

宮崎史観でも、山川左翼欽定教科書でも、この点では見解が一致していますが、唐の滅亡(907年)とその後の五代十国の時代を境に、中国では貴族層が没落して貴族社会が終わりを告げ、代わって士大夫層(=宗族階級=地主層=科挙及第官僚群)が勢力を伸ばしたと一般に解説されていますが、北宋建国(960年)までの半世紀に社会が一変するものか、甚だ疑問に思われます。

中国の中世が貴族社会であり、家柄が幅を利かしたことは事実で、確か唐の昭帝が、とある大貴族に婚姻関係の話を持ち掛けたところ、にべもなく断られましたが、その理由が「家格が違い過ぎる」、そう言われて皇帝側が引き下がらざるを得ないのが、中世の特徴でした。

宮崎市定京都大学名誉教授(故人)の歴史観に従って、後漢の滅亡(220年)から北宋成立(960年)までを中世、別の言い方をすれば「北宋以前」、北宋建国以降を中国史近世(同「北宋以降」)とするならば、その違い唯一つ、「禅譲の否定、具体的には禅譲を口実とする政権簒奪の禁止」、これに尽きます。

要は「一度頭を下げた相手には、子々孫々まで仕えよう」と言う考えですが、では臣下になるのは良いとして「忠節を尽くす」気も「皇帝を崇拝する」気持ちもあるかのかと言えば、やはり怪しいと言わざるを得ません。

中国が「近代化」したと考えるから、事の本質が見えなくなるのであって、未だにその精神構造や文明段階が「前近代=近世」に留まっていると考えれば、より率直に言えば中世すら払拭し切れていないと認識すれば、中国を理解する近道ではないでしょうか。


隋による統一以前の中世中国では、家格が幅を利かす一方、北半分では多数の異民族集団が興亡を繰り返し、南方では皇帝なぞ糞喰らえとばかり短期間で王朝が入れ替わりました。(五胡十六国、或いは魏晋南北朝時代)

これに対し、五代十国時代は、貴族の没落過程である点で五胡十六国と異なりますが、数々の政治集団が覇を唱えた点では違いがありません。

その五大十国時代を経て、北宋が成立するやいきなり「皇帝独裁」を承認し、心から皇帝を崇敬することが出来るのか、結局は建前に過ぎないのであって、「真の主権者」士大夫層にしてみれば、皇帝と言うのは単なる一種の国家安定装置ではないのかと考えざるを得ません。

宮崎教授の「中国史の名君と宰相」(中央文庫)に収められている論文の中に「張溥とその時代」がありますが、この明末の実状を余すところなく活写する名著によると、張溥は南宋を建国した高宗をこき下ろすことで、時の皇帝(崇禎帝)を当てこすっているが、そこに尊敬の念は感じられませんし、張溥率いる復社を初めとする諸団体の存在意義は権力闘争と己の勢力拡大です。

当時の明朝(=大明)は今の日本が引くほどの財政赤字、しかも後の清朝(=大清)との戦費や、最低限必要な水利事業の費用も、士大夫層(正確には「郷紳」)がピンハネしているのですから、何をかいわんやです。

そして有難いことに、張溥は南宋高宗を呼び捨てにしてくれていますから(趙構、或いは単に構)、時代が変われば人物への評価も変わる、それは歴代皇帝でも例外ではないことを教えてくれています。

その点だけは心得ているのが「建国の父」毛沢東、必ず「革命の父」孫文と組み合わせることで、何れかを否定すれば両方を否定しなければならない構図を作っていますが、小誌は別に中国的歴史認識に囚われる必要はありませんので、権力の受け皿を作ることの必要性を理解出来なかった孫文を一顧だにせず、殺傷能力はあっても統治能力が皆無だった毛沢東に最低の評価を与えることに躊躇することはありません。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-07-21 17:58

開眼

漸く眼帯も取れましたが、その間の鬱陶しかったこと、外出もままならず、健康の有難さをあらためて実感する次第です。

11月開催(やはりオバマ大統領がゴリ押しして、日程を中間選挙後にずらした模様です)のAPEC首脳会議で、日中首脳会談の席を設けようと安倍総理が提案しました。

誰が「黒幕」で誰が「脚本家」で誰が「振付師」かは知りませんが、安倍総理にしては上出来の外交工作です。

その時点では米国中間選挙の帰趨が判明していますから、結果次第では習近平国家主席がオバマ大統領を見限ることも考えられます。

但し、その場合は尖閣諸島の件で頭を下げるのが最低条件、二度と尖閣には手を出しませんと誓約しなければ会談は成立しません。

しかしそれは、政治的非力な習国家主席には無理な話、国内諸勢力を纏められないのですから、そんな約束出来ませんし、、唯一の自己保身が「反日」で、散々煽っておいて店仕舞いするのは政治的自殺に等しい行為です。

ですから可能性がゼロとは言いませんが、11月の日中首脳会談はお流れになる公算が大きいと言えます。

それで別に日本側は困りません、むしろ好都合でしょう。

日本が提案する、中国が無視する、筋を通したのは日本で、諾否すら明らかにしない(いずれの口実もないから)中国側が礼を失することになり、それなら日本も相応の行動を取っても許されると言う構図になります。

おそらくAPECが終わった時点で、プーチン大統領(ロシアもAPECに参加しています)はその足で日本に立ち寄る、これが自然ですし、日程的にも無理がありません。

因みに米国中間選挙は11月4日、それからG20財務大臣会談が豪州で11月15~16日の日程で予定され、前後して首脳会談も開催されますから、この前後にAPECと言う段取りになります。

そして、この「プーチン来日」が「安倍訪朝」の地ならし、日露は表向き、北方領土を巡って睨み合っていますが、両国首脳の本題は「シベリア経済特区構想」、日本の人材と技術と資金を活用して、ロシアが背負いかねているシベリアを開発しようと言うもの、この協議の過程で領土問題の解決策が見えてきますし、北朝鮮が話題に上ることになります(と言いますか、相当詰めているでしょうが)

日露首脳に限らず、動くとすれば中間選挙でオバマ大統領が「死に体」になるのを確認してからの方が、何かと動きやすいですし、オバマ大統領に反転攻勢の手掛かりを与えることは極力避けねばなりません。

それに安倍総理の立場からすれば、2015年4月の統一地方選挙と2016年の参議院選挙(おそらく衆参同一選挙)に勝利する必要があり、増税路線を堅持しながら選挙に戦うには、「安倍でないと相手は交渉してくれない」と言う雰囲気を作ることが大前提となります。

ですから来年4月時点には訪朝を終えている、しかも「手ぶら」で帰れば即死ですから、予想以上の、具体的には小泉元総理が訪朝した際を上回る「手土産」を持って帰る必要があり、出来れば野党が拉致問題に如何に向き合ってきたかを示す資料が、北朝鮮から出てくれば言うことありません。

多分、そうなると思います。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-07-20 00:08

お知らせ

眼病のため、最大一週間程度お休みを頂戴することになります。

堪忍してやって下さい、普段からの怠け癖が抜けないところにこれですので。

生まれて初めての眼帯、それにしても今年は生まれて初めてが多すぎます。


小誌執筆者
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by 4kokintou | 2014-07-13 15:53

丁々発止?

今日でちょうど百か日、気が滅入ると言いますか、気持ちが沈む時があって、ご迷惑をお掛けしますが御海容の程を。


習近平国家主席が敢えて「同盟国」北朝鮮を素通りして訪韓しましたが、今回の韓国訪問は中国内部でも「お手並み拝見」だったと思われます。

同盟国と言っても所詮は親分、子分の関係、旧ソ連が健在な頃の北朝鮮は文字通り中ソ間を行ったり来たりする「二股膏薬外交」が展開していましたが、旧ソ連の崩壊で頼みの綱は中国だけになってしまい、しかもそれまでの変節が裏目に出る状況に陥ってしまいました。

ただ、中国にしても同盟関係を謳う以上、親分=宗主国として子分を庇う必要があり、最低でも体制崩壊は防ぐ必要があります。

そして何よりも同盟関係は常に確認し、内外に誇示するのが政治の常道、その意味で訪韓は「禁じ手」なのです。

思うに、習国家主席は「形式」と「現実」を区別出来ない思考の持ち主ではないかと思われます。

中朝間に軍事同盟が存在する以上、北朝鮮が如何に「浮気」しようが、それ以上の関係を浮気相手と持つ訳がなく、その場合は同盟崩壊を意味します。

翻って、中国側も「浮気」出来ない訳で、北朝鮮にとって最も苛立たしいのは韓国と親密になること、北朝鮮にしてみれば統一国家建国を阻む「米帝の傀儡」が他ならぬ韓国なのですから。

その北朝鮮、習近平主席の動向に合わせる様にミサイルを発射していますが、これは単なる意趣返し、それよりも日経記事で目を引いたのが最近の露朝関係で、今年になって両国高官が頻繁に往来しているそうです。

ロシアにとって北朝鮮の優先順位は決して高くありません。

なのに両国はその距離を縮めているのか、各々独自の思惑もありますが、「日朝交渉の立会人兼後見人がプーチン大統領(そして胡錦濤「長老」)」と仮定すれば合点の行く話です。

北朝鮮首脳にとって「一辺倒」ほど危険なものはない、相手の都合に合わさねばならないし、文字通り「干される」ことにもなりかねません。

ところが今の中国は一枚岩でないうえ、ロシアが紹介役となって日本と言う「桃源郷」に合わせてくれると言うのですから、これ以上に旨い話はありません。

同盟関係を崩すのは中朝両国にとって得策ではありませんから、習近平指導部(と言うより本人)もそこまでは踏み込めません。

日朝両国は局長級会談の開催以降、互いに実績を上げています。

北朝鮮に限って言えば日本独自の制裁緩和を勝ち取っています。

では、習近平国家主席の韓国訪問で、両国には如何なる成果があったでしょうか。

共同声明等や発言を読む限り、「表面を取り繕った」以外の印象を持てなかったのは小誌だけでしょうか。

(続く)
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by 4kokintou | 2014-07-10 20:24