現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou
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半山考

横文字を頻用するのは本意ではないのですが、「アイデンティティ=自分の居場所」が曖昧だと、どうしても負い目を感じるものかもしれません。

その意味で「半山=混血児」はコウモリのような存在で、鳥の所へ行けばお前は獣だと言われ、獣の棲む場所に向かえばお前は鳥だと追い出され、安らぎの場を得ることは出来ません。

ですからどうしても、アイデンティティを「創作」しなければなりませんが、その際、往々にして「負い目、引け目、劣等感」に拠り所を求めてしまいます。


と言う訳で、今回の話題の主は、台湾の馬英九総統。

(おかしいな、以前調べた時は半山扱いだったのに、今は外省人の範疇に入っています)

昨年の地方選挙で惨敗を喫した責任を取って、国民党主席の職を辞した馬英九氏、総統選挙と立法議員(国会議員)のダブル選挙の日程が来年(2016年)1月に設定されたこともあり、完全に死に体なのですが、先日突如として、中国の習近平主席が提唱するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を表明しました。

海峡の両岸で外交音痴が国家元首を務めているのですから頭が痛くなりますが、中国から言えば、台湾は本来固有の領土で、その独立も中国共産党以外の政党による支配も認めていません。

つまり、AIIBへの台湾参加容認は、台湾を国家として遇することを意味しますから、有害無益と言わざるを得ません。

一方の台湾ですが、少なくとも日米が参加の意思を明らかにしていない段階で、率先して参加表明することは、得策ではありません。

では何故、中国は台湾の参加を認め、台湾も参加を申し出たのか、習近平氏も馬英九氏も精神構造は同じです、引け目の裏返しの名誉欲、歴史の己の名を残したいと言う虚栄心です。

習主席は怜悧な団派に、才能の点で劣等感を持っているし、馬氏は国民党保守本流でないことを自覚していますから、どちらも半ば傀儡の様な心理にあり、最高権力者としての実感が持てないと推察されます。

特に馬総統は、国民が親日的であることなどお構いなし、民意を汲めば乗るべき話でないことは明白、それでも強行するのは国民感情なんて糞喰らえだと思っているからです。

馬英九氏はかつて、選挙戦で大勢の聴衆を前にして、自分は「新台湾人」と宣言しましたが、その点に就いては綺麗さっぱり忘れています。

そして民意を無視した今回の独走、その背景には国民主権と民主主義の本質を理解し得ない、「旧中国人」の精神構造があります。

それにしても、習近平氏が最高権力者で良かった、日本にとって煩わしいですが、それだけの愚物ですから。

(続く)
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by 4kokintou | 2015-03-30 21:11

蹇蹇録再考

習近平と言う人物は相当な臆病者らしく、日経によると外出する際、先に待機させておいた数百人の護衛を、現地到着5分前になって一斉に取り換えるらしいです。

汚職摘発で自分だけ免罪符を貰ったばかりに、そしてその手柄を独り占めしたばかりに、「落馬(=失脚の隠語だそうで)」した党員の恨みを買っています。

その習国家主席の肝煎りで始まったアジアインフラ投資銀行(AIIB)ですが、「黒幕」英国が旗振り役を務めたこともあって、ロシアやサウジアラビアも含め、参加国は40か国を超える見通しにあります。

本来なら米国(オバマ政権)が先導役を務めねばならず、締切は今月末ですのでどさくさ紛れの参加表明の可能性も否定出来ませんが、敢えて強行すれば大統領の弾劾に繋がる惧れがあり、身動きが取れないから英国が代役を務めたのでしょう。

AIIB構想の真意は、資金繰りに行き詰っている中国系国有企業の当座の運転資金集め、ですから日本にとって不参加が正解(阿呆、いえ麻生財務相は乗りかけましたが)、ただ面白いのは北朝鮮も参加しない意向、と言いますか、最初から招待されていないのではないかと思われます。

建前上は唯一の軍事同盟国なのですから、邪険に扱えば両国に軋轢が生じていることが表面化しますので、実際は仲違いしていても、何が何でも取り込まねばならないのですが、その辺りの得失を習近平主席は勘案出来ない、好き嫌いと言った感情が優先する性格の人物です。

今に北朝鮮から強烈なしっぺ返しを喰らうことになります。


日清戦争が勃発した時点で、日本政府は英仏に等分して軍船の建造を依頼していたそうです。

この数字が、日本への受け渡し分だけを指すのか、受注残を加えたものを意味するのか、受注残だけを計算しているのかは不明ですが、両国にとって日本は結構な上得意客であったことは想像に難くありません。

この戦争において、日本にとって最も危険な瞬間と言えば、「高陞号事件」を挙げねばなりません。

清軍の兵士を満載して朝鮮半島に向かって疾走していたとはいえ、宣戦布告前の段階で実質的に英国籍の商船を撃沈したのですから(仕出かしたのは後の元帥東郷平八郎)、大英帝国は激怒しました。

そこで陸奥宗光外相が英国側と掛け合って事態を収拾したのですが、その際に陸奥は、日本が英国にとって「上得意客」であることを思い出させながら説得に当たったことになっていますが、そんなことで引っ込むほど、史上初の近代列強にして「海の覇者」大英帝国は柔弱ではありません。

陸奥の言い分が真実ならば、英国への発注を減らしてフランスの比率を高めるぞと匂わすことで、英国は矛を収めたことになりますが、それで解決するなら外交は不要です。

実際は半々だった英仏の比率を、実質的に全て英国に振り替えることで手打ちしたのではないか、そう考えれば話の筋が通ります。

何故三国干渉にフランスが乗ったのか、従来通り「上得意客」であるのなら、これ以上の愚策はありませんが、日本が不義理をしたと仮定すれば、フランスとしても意趣返しをする理由は充分にあります。

そしてプロシアは、ヴィルヘルム二世とロシアのニコライ二世が、「ウィリー」と「ニッキー」と呼び合う仲、ロシアに肩入れするのは当然です。

おそらく陸奥は、フランスを裏切ったことを墓場まで持って行った、三国干渉を甘受せざるを得ないことは、要求を突き付けられる前から理解していたと考えられます。

己の命を削ってまで日本を護ってくれた陸奥宗光に、心から哀悼の意を表したいと思います。

(続く)
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by 4kokintou | 2015-03-29 22:48

飛び火

福建省の要人にも、党中央紀律検査委員会の「毒牙」が及んだとの由、同省は習近平国家主席が、公人として実質的に、その順風満帆な人生を始めた場所で、第二の故郷と言っても良く、その縁で東南アジアに散らばる福建省(及び広東省)系華僑とは昵懇です。

これまで福建省は、「重大な規律違反」とは無縁の安全地帯と見做されていたらしく、事実、これまで福建省関係の党員は手つかずだったのですが、その「暗黙の了解」が今回、反故にされました。

小誌の「裏取引説」に従えば、習国家主席側から言えば福建省の連中は「身内」だから、追及の対象外と言いたいでしょうが、国家主席本人が大見えを切って汚職撲滅を声高に叫んでいるのですから、習主席の思惑など忖度するつもりは毛頭ない、王岐山政治局常務委員(党中央紀律検査委員会書記)とその後ろ盾の胡錦濤「長老」からすれば、「裏取引」の内容解釈権は自分側にあると考えているでしょう。

一部報道によると、その王岐山委員会書記が渡米する模様で、汚職容疑逃れで逃亡している官僚や党員の引き渡しを求めるそうですが、真意は懇意な習主席とオバマ大統領の絆を絶つことにあると思われます。

委員会の動きと連動する様に、李克強政治局員率いる国務院が、国有企業の在外資産を監査(査察)する方針を明らかにしました。

疑わしい人物と不明朗な金の流れは何処までも追い詰めていく、この粘着質こそ「現代の新法党」こと団派(及びその同調者)の本領です。

その団派ですが、自派の「経済的縄張り」とも言うべき「自由貿易試験区」を、これまでの上海だけでなく全国展開する考えで、従来の「経済特区」を根絶やしにする意図を露わにしています。

上海の試験区には日本企業も多数進出していまして、日本と胡錦濤「長老」陣営の緊密な関係が伺えますし、従来の勢力を見限りつつある日本の姿勢が透けて見えます。

そして、李克強首相は金融引き締め策を相変わらず堅持、お蔭で不動産バブルは破裂寸前です。

李首相には、経済成長率の「公約」を達成する考えは微塵もありません。

最近流行りの「新常態」とは、「贅肉を削ぎ落とした、本当の中国の姿」のことです。

(続く)
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by 4kokintou | 2015-03-21 10:46

これでは季刊ですね

気落ちしていると、無為に時間が費やされるだけですね。

少しずつ「平時」を取り戻したいと思います。


衆目の一致するところ、「媚中派」にして「媚韓派」の頭目と言えば、自民党総務会長の二階俊博でしょうが、この政治家、結構「狸」ではないかと睨んでいます。

朴槿恵大統領の言い分を鵜呑みにしたかと思えば、今度は訪中するそうで、しかも福田康夫ボアオフォーラム理事長が同フォーラム年次総会に招待しているのですから、これは安倍総理公認の「出来レース」です。

福田元総理と胡錦濤「長老」の関係を勘案すれば、現地で二階氏の相手をするのは、李克強国務院総理(政治局常務委員)か李源潮国家副主席(政治局員)、或いは汪洋副総理(同左)、いずれも胡長老の「子飼い」です。

おそらく習近平国家主席は蚊帳の外、その習主席ですが、どうやら嵌められた模様です。


胡錦濤「長老」と取引して、汚職摘発はやりたい放題ながら、自分とその一族はその対象外とし、その手柄は己のものと言うことで手打ちしたのでしょうが、手柄を立てれば立てるほど、狙い撃ちされた連中の恨みを買います。

汚職撲滅を明言している以上、その謳い文句はひっこめる訳にも参りませんから、摘発は続けざるを得ず、それを功績に挙げるほど、恨みが募ります。

そもそも、「重大な規律違反」で失脚を余儀なくされた連中の方が、習国家主席とは近い立場にあり、既得権益を共有する側にあるのですが、それを庇ったら我が身を滅ぼすことになりますから、出来ない相談です。

注目しているのは、南京市党書記の消息、例によって党中央紀律検査委員会の取り調べを受けているのですが、習近平主席は昨年、わざわざ南京に赴いて「大虐殺」の式典に出席しているほどですから、この人物は国家主席に近い立場の要人です。

その人物を取調べすると言うのは、王岐山政治局常務委員(党中央紀律検査委員会書記)と、それに繋がる胡長老の意向が働いているとみて差し支えないでしょう。

(続く)
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by 4kokintou | 2015-03-18 00:08