現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou
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暑さ寒さも

お盆までにして欲しいものです、全く。

特に今年は新盆と言うことで、何かにつけて勝手が狂っていますし、生活の規律も乱れてしまって困っています。


「どうすれば毛沢東を全面否定出来るのか」と言う、我ながら途方もない命題を設定してしまって、それこそ途方に暮れているのが実状です。

そんな訳で、あれやこれやと考えを巡らせている内に浮かんできた言葉が「反日の系譜」、反日感情は米欧型とアジア型に二分されますが、根源は同じです、「優越感の蹂躙」。

中国の一枚看板は「中国が世界一」、これを中華思想と言いますが、西洋列強に殴られ続けられながらも、「アジアでは負けない」との自負が慰めとなっていました。

ところが東夷こと倭(日本)に日清戦争で思わぬ敗戦、ここで1840年の阿片戦争から始まった下り坂(小誌で言うところの「退世」)が一気に加速しました。

その転落過程に終止符が打てるかどうかが、今の中国に問われていることなのですが、文明の没落と知的頽廃に何らかの相関関係があるとすれば、中国は重要な分岐点に立たされていると言えます。

「衣食足って礼節を知る」、この箴言は古代中国で生まれたと記憶しますが、今の中国は「転落の期間が長すぎて、上から下まで礼節を忘れてしまった」のが現実だと思われます。

ですからGDPが水膨れしても、むしろ国家経済の規模が拡大するほど、社会不安が醸成されるのは、朝野を挙げて「貪欲」だから、中国が西洋列強に追いついたのはこの分野だけです。

規律も礼節に属すると考えると、日清戦争時点でさえ日本は「衣食は足りない」けれど「礼節は知って」いました。

日本の国家経済が中国のそれを凌駕したのは何時頃か存じませんが、日本は「近代化」でも「礼節」の点でも、清朝以降の中国に大きく水を開けたと言えます。

要は、中国が日本に誇り得るものは何もない、強いて言えば、囲碁と核兵器保有と戦勝国であったことですが、そんなもの、何の足しにもなりません。

西欧列強だって事情は同じ、日本と喧嘩したお蔭で白人絶対優位の信仰は見事に粉砕され、挙句に植民地を手放す羽目に、そして米国と言うご主人様に頭を下げる屈辱を味わうことになりました。

米国も含めて列強が中国を可愛がり、日本を警戒するのは、日本に己と同じ体臭を感じるから、つまり「黄色い肌の大英帝国」だからで、中国は収奪の対象たり得ますが、この島国は列強どころか超大国すら食いかねない猛獣です。

兎に角何にでも手を出して頂点に立ちたがるのが日本人、野球やサッカーでも日本の「跳梁跋扈」が目立ちますが、その分だけ脱落する者もいる訳で、好い加減にしてくれと言うのが本音でしょう。

ですが文句の付け様が無いから黙らざるを得ない、でも沈黙と甘受は別の話で、日本の行動様式は明治維新直後の江華島事件以来、全く変わっていません。

一致団結して延々と努力する、こんな近代国民国家をみたら、誰だって警戒するのですが、それでも白人優越信仰が邪魔して西欧列強は現実を直視することが出来ませんでした。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-08-14 22:58

口開けて はらわた見せる ザクロかな ~確かイザヤ・ベンダサン~

現代中国史の専門家を称する女性学者が、今回の周永康氏の件で各方面の映像媒体に出演していますが、目立ちたがりの人間は、辻褄が合わないことに無頓着で困ります。

大物「長老」の逮捕劇で国民が溜飲を下げるかどうかと言うことと、共産党中国が亡国に瀕しているかどうかは全く別の話で、「汚職」と「腐敗」すら区別がつかないのですから噴飯物です。

明治維新にしろ、フランス革命やロシア革命にせよ、或いは米国独立戦争にしても、特定の個人乃至は人間集団の汚職を止めさせれば、それらが成就しなかったかと言えば、そんな筈はありません。

逆に自由民主党のしぶとさは何なんだ、党の歴史は「汚職」の歴史と言っても過言ではないこの政党に、国民は戦後政治の大半を委ねてきました。

そもそも、周永康と言う大物が捕縛されたことで、あの中国人が不正蓄財を止めるか、甚だ疑問です。

それから江沢民氏を過大評価し過ぎています、真っ当な中国人ならば、この「漢奸(対日協力者)」の息子を毛嫌いし、馬鹿にしている筈で、誰も江沢民閥の一員だとは思っていないでしょう、要は利用しているだけです。

江沢民氏の抜擢は、鄧小平と陳雲の政争の副産物と言うべきもので、その過程で胡耀邦元総書記を筆頭に、趙紫陽、胡啓立等、国政を担える人材が次々と失われていきましたが、失う側すなわち糾弾される方が鄧小平、攻める側が陳雲と言う構図に変わりはありませんでした。

但し陳雲側も最初から人材は払底、国政を任せる器の人物と言えば鄧小平か陳雲でしょうが、それは互いに許すことが出来ず、結局、「子飼いでしかも脛に傷を持つから寝首を掻かれない」人物として陳雲が持ち出したのが、後に国家主席にまで上り詰める江沢民氏です。

ですから江沢民元国家主席本人に求心力がある訳では無く、ただ入党規定の緩和、外資導入、公害工場の誘致と言った利権ばら撒きで一部の人心を繋ぎとめていたに過ぎません。

ですから江沢民が上海閥の領袖みたいな見方をするのは危険と思われます。


度々ご紹介している中嶋嶺雄氏の仮説ですが、毛沢東は文化大革命に踏み切るにあたって、林彪と周恩来と手を結び、「三者不可侵条約」とでも言うべき取り決めがなされたそうで、要は互いに攻撃しないと言う内容の密約でした。

それでも林彪は最終的に始末され、(批林)批孔運動が執拗に展開されたのは、実は周恩来へのあてこすり(孔子も周恩来も著書が無い)だとすると、毛沢東に密約を遵守する意志が毛頭なかったことが分かります。

ただ、毛沢東(反団派系党内勢力)、林彪(軍)、周恩来(国務院=行政)に標的にされた側の恨みは凄まじい筈で、この三者の衣鉢を継ぐ者は根絶やしにしなければ腹の虫がおさまらないでしょう。

林彪は早々に粛清されましたので、その後継者的存在はいませんが、強いて言えば習近平(現職の国家主席)、父親譲りの地方軍閥を後ろ盾にする様な人物は不要です。

周恩来の場合は養子でもある李鵬、これもその死後に「死者を鞭打つ」方式が取られるのではないでしょうか、周恩来を全否定する意味でも。

厄介なのが、「革命の父」孫文の精神の正統な継承者にして「国家の父」毛沢東、でもこれを全否定しない限り、中国の未来はありません。

江沢民(厳密にはその死骸)がそのための道具に過ぎないのは以前に申し上げた通り、次は「どうすれば毛沢東を全否定出来るか」を検証します、無茶苦茶難しい問題ですが。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-08-01 18:38

承前 ~粘着質と言う致命的弱点~

本題に入る前に、まずご理解頂きたいのは、「政治局員以上の地位にたどり着いたものは、勇退後も含めて如何なる犯罪にも問われない」と言う、一種の政治的妥協がある時期以降の中国で成立していたとすれば、その取り決めを決めた当事者を含め、全ての中国人がこれを一時休戦に過ぎないと理解していることです。

おそらく、一連の政争を経て鄧小平と陳雲との間で成り立った手打ちだと思われますが、これで大手を振って悪事に専念出来る陳雲側も呑める提案ですし、鄧小平側も後進を護って育成すると言う点では悪くない取引でした、何せ国家運営を任せられる人材は鄧小平の方に偏っていますから。

一時的休戦ならば、その前に争いがあるべきで、それを中国では文化大革命と呼びますが、その最大の犠牲者たる劉少奇は「国家主席」と「政治局常務委員」の座を一挙に剥奪され失脚しています。

つまり、状況が変化すれば

「国家主席兼政治局常務委員であっても失脚し得る」

訳で、元祖的存在の劉少奇を野垂れ死にさせられた団派からすれば、それに加担した連中は粛清の対象であれ、赦免の余地はありません。

では習近平「国家主席兼政治局常務委員」の場合はどうか、おそらく胡錦濤「長老」との間に次の様な密約が成り立っているのではないでしょうか、どちらも遵守するつもりなど微塵もありませんが。

「党中央紀律検査委員会(王岐山)と国務院(李克強)のすることに習近平は一切口出しさせない、但し汚職容疑等で習近平を摘発することは無いが、一期五年で国家主席や政治局常務委員からは降りて貰う」

こう考えると、習国家主席の言動に合点が行きます。

王岐山政治局常務委員が率いる党中央紀律検査委員会の行動には白紙委任状を与え、李克強総理の(経済緊縮)政策の遂行にも一切口を挟みません。

ですから国家主席殿の主なお仕事は「外遊」と「反日」、新興国に入り浸っているのは利権開拓の側面もありますし、日本を挑発してあわよくば密約を反故にする魂胆です。

習主席が米国型大統領になりつつあると言う、日経新聞(中国総支局)の記事には腰を抜かしましたが、「小組」の類の組織を新設しているのは、既存組織に政治基盤を持っていないことの表れ、一時「干された」毛沢東の「革命小組」方式を真似ているだけで、取り決めに無いことは何をやっても良いと言う態度です。


次に江沢民ですが、意外にも天寿を全うすると思われます。

驚かれる向きも少なくないかと思われますが、江沢民は死んでからの方が「利用価値」が高いのです。

劉少奇は死後に名誉回復されましたが、康生を引き合いに出すまでもなく、死後に名誉失墜する例も少なくありません。

では何故、江沢民の骸に鞭打つ必要があるのか、生前にお縄を頂戴させた方が国民も溜飲を下げるのではないか、それはそうですが、散々悪事を働いた挙句に「勝ち逃げ」の形であの世へ行った「国家主席兼政治局常務委員経験者」が存在します。

もうお分かりですね、劉少奇の仇、毛沢東です。

粘着質の中国人が「雪辱」や「復仇」を諦めると考える方が、遥かに誤った「歴史認識」です。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-07-31 20:41

序章

どうやら「鬼の王岐山」率いる党中央紀律検査委員会の追及の手は、「政治局常務委員経験者({長老」、中国では「元老」が一般的な様子)にまで及びつつあり、周永康元党中央政法委書記も、その網に絡め取られつつある模様です。

薄熙来氏の失脚で、「現職の政治局員」は汚職捜査の聖域でなくなり、今回の周永康氏粛清劇で「長老」も安全地帯ではなくなりました。

いずれ「現職の政治局常務委員」も摘発の対象になると思われますが、まず「現職の政治局員」で「重大な規律違反」を理由に、党中央紀律検査委員会のお世話になりかねない人物は存在するかと問われれば、小誌の回答はイエスです。


18名の「ヒラ」政治局員の中で、軍人枠の3名はこれで一丁上がり(鄧小平を軍人とみるか背広組とみるかは判断が難しいですが、林彪で軍人は懲り懲りと言うのが一般的な中国人の感覚でしょう、だから軍人は政治局員止まり)、従ってこの3名(馬凱、許其亮、範長竜)は対象外です。

それから団派か胡錦濤「長老」の思想に共鳴している人間集団(9名)も、追い詰める側であって追及される側でないので除外、とすると残るは孫春蘭天津市党書記、孫政才重慶市党書記、李建国中華全国総工会主席、孟建柱党中央政法委員会書記、趙楽際党中央組織部部長(中央書記処書記)、栗戦書党中央弁公庁主任の六名です。

この内、グーグルで天津と入力してスペースを押すと「破綻」と出て来る天津市は、その情報の中身を信じるならば実質的破産状態にあり、直轄市政府を財政破綻させれば出世の目はありませんし、そう言った人物に限って脇が甘いから汚職で摘発されやすいです、「遼寧、大連閥」に属しているのも致命的です。

ですが党中央政法委員会を握る孟建柱、同じく組織部部長の座にある趙楽際両氏の方が標的となりやすい、何故なら公安を掌握する党中央政法委員会を、胡錦濤「長老」陣営は目の仇にしていますし、党人事を把握する組織部は是が非でも抑えておきたい部署です。

特に趙楽際政治局員は、青海省の政治ボスであると同時に、その後は陝西省(習近平国家主席の地盤)で箔を付けてから中央入りしていることを踏まえると、習主席に近い人物、狙い撃ちされても不思議ではありません。


次に「長老(元老)」、すなわち「政治局常務委員か政治局員を最後に党中央から勇退した人間集団」ですが、記憶違いでなければ現在の最年長は宋平氏、ただここも今回の一件で無風ではいられなくなりました。

党中央紀律検査委員会が「重大な規律違反」で取り調べるとすれば、それは李長春元党中央精神文明建設指導委員会主任(元政治局常務委員)、それに李鵬元総理です。

精神文明建設指導委員会は宣伝を含めた思想統制がその職務、イデオロギー面で政敵を糾弾出来る立場にあります。

しかも李長春氏は「遼寧、大連閥」の領袖的存在ですし、「親江沢民、反胡錦濤、反温家宝」的姿勢も今となっては仇です。

李鵬元総理は電力を初めとする工業関連の利権を握る人物ですし、胡錦濤「長老」陣営の周恩来に対する冷ややかな評価を考えれば、その既得権益の少なからぬ部分を継承した李鵬氏は許し難い存在です。

最後に「現職の政治局常務委員」で粛清対象となり得るのは劉雲山氏、「党中央書記処常務書記、党中央精神文明建設指導委員会主任」と言う肩書と、習主席べったりの姿勢が全てを物語っています。

それでは「現職国家主席」習近平氏と、「国家主席級長老」江沢民氏はどうなるのか、実は中国共産党の歴史が既にその答を出していますが、それについては、習主席と胡「長老」の関係を含めて、稿を改めて解説したいと思います。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-07-30 22:19

雑感ですらあるかどうか

中国上海の期限切れ鶏肉問題には思わず苦笑してしまいましたが、安さを売りにする小売業者が依然として、中国に頼らざるを得ない実態も浮き彫りになって、あらためて納得した次第です。

勿論、日本だってこの種の事件が根絶した訳では無く、夫婦で営んでいる零細小売店が、終業後に賞味期限を書き換えていても決して不思議ではありません。

問題は何処まで「良心的」か、爺ちゃん婆ちゃんが賞味期限のシールを貼り換えても、日本の場合は賞味期限そのものの定義が厳しいですから、貼り換えて少しくらいずらしても特に問題はありませんが、老夫婦に法令に抵触していると言う罪の意識は間違いなくあります。

これに対し、中国人は罪の意識が磨滅している、麻痺しているのではなく敢えて「磨滅」としたのは、麻痺ならば存在しているけれど機能していないだけなのに対し、現実には代を重ねる毎に倫理観そのものが低下し消滅していると思われるからで、従って1840年の阿片戦争以降の退化」(小誌の時代区分に従えば「退世」)が、一向に止まっていないと理解せざるを得ません。

唯一の超大国(米国)と張り合える存在と言う夢物語(と言うか「妄想」)に浸るのは自由ですが、その衣を剥がして実像を直視すれば、国民の幸福や安寧は二の次、率直に言って最高権力者から社会の最下層の住人に至るまで、「世の中より自分、他人より己」の一点においては、意見が一致しています。

今の中国にその様な余裕はなく、まずは全ての国民の生活を保障すること、そのために遍在する富の再配分を実施すること、これに尽きます。

この10年は所詮徒花の狂い咲き、代を追う毎に「負の遺産」が加速度的に増加している事実を中国は朝野を挙げて認めるべきなのです。

親の悪行をみて子供は育つ、その子も長じて、社会でもっと酷い悪行を知り、それが次の代になると最初から消化された形で受け渡される、小誌は明治維新を論じた際、「革命は数世代に亘る」との観点から、明治維新の目標(富国強兵、殖産興業)が達成された段階を、中曽根総理の「不沈空母」発言に求めました。(沈んだのは旧ソ連です)

一時的な繁栄で目がくらむのは致し方ないとしても、趨勢として「退歩」に変わりはないと認識さえ出来ていれば、もう少し違った展開になっていたでしょうし、その繁栄も終わりを告げつつありますから、それまでに富の再配分を通じて国民生活を保障出来るか、最近の汚職摘発も突き詰めれば、国家経済と国民生活を守ることが大事か、それとも特定の人間集団の既得権益が優先されるかと言う、長年の政治課題に決着をつける作業とも言えます。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-07-26 18:52

止まらない王岐山

広東省では、これまでに33名の「裸官」党幹部が、王岐山政治局常務委員率いる党中央紀律検査委員会(同委員会書記兼任)に「重大な規律違反=汚職」で摘発されていますが、一部報道によると、捜査の重点地区はこれまでの広東省から中国全土に拡大するそうです。

確かに、天津市公安局長も取調べを受けているそうですし、7月5日には王岐山委員会書記本人が「汚職捜査に聖域なし」と明言してます。

一説によると江沢民元国家主席の愛人にまで捜査の手は伸びているらしいですが、まず広東省からみてみますと、ここは「団派の若大将」胡春華政治局員を、周囲の危惧を押し切る形で胡錦濤「長老」直々の肝煎りで省党書記に就任させたところ、王委員会書記の助力を得て胡春華同省党書記も「長老」の機嫌を損ねずに済みましたが、「長老」の真意は別の所にあったのではないかと思われます。

すなわち、広東省の生え抜き党幹部からすれば、「団派の若大将」を潰せば自己の力量を誇示出来るだけでなく、反胡錦濤勢力に恩を売ることにもなりますが、どうやら陽動作戦に引っ掛かったのではないでしょうか。

胡春華党書記の足を引っ張るのに躍起になって、背後から忍び寄る王岐山書記の「魔手」に対する警戒が疎かになっていたのではないか、確かに党書記の方が「将来のプリンス」だから関心が集まるのは仕方ありませんが、正面切って生え抜き連中をやり合う役割を担っていたのは事実でしょうが、作戦の全貌からすれば所詮は囮」、「主役」の王岐山氏から敵対勢力の目をそらすのが任務だったのではないかと思われます。

と言っても胡春華党書記本人が、最初からそこまで理解して赴任したかは疑問で、広東攻略作戦の全体像を理解していたのは、胡錦濤「長老」、温家宝「長老」、それに王岐山政治局常務委員辺りまでだと推測されます。

秘密裏に事を運ぶにはなるべく少人数の方が好ましく、広東省の生え抜き連中も馬鹿ではありませんから、党書記が知っていればその言動から何かを嗅ぎ付ける惧れがあり、従ってこの場合は知らない方が本人に為でもあり、次世代を担うに足る人材かどうかを見極める「試練」はこれからと言う見方に落ち着きます。


と言う訳で広東省は勝負ありとみて差し支えなさそうですが、深刻なのは天津市で、判で押した様にと言う表現を使っても構わないほど、胡錦濤「長老」陣営は標的の公安部門から崩していきます。

中国は公安が最も腐敗していると言っても過言でない国ですから、党中央紀律検査委員会は掌握しても(それにしてこの組織の一糸乱れぬ動き、王書記の統率力の凄まじさを感じざるを得ません)、公安及びその上の党中央政法委員会を抑えていなかった胡錦濤「長老」陣営とすれば、公安部門を狙うことが制圧の糸口となります。

北京や上海、それに重慶と並ぶ特別市(強いて似たものを探せば、以前の日本の政令指定都市)の天津市ですが(因みにグーグルで「天津」と入力すると「破綻」と出てきます)、党書記は孫春蘭政治局員(女性)、女性ながら23歳で入党していますから、相当に「血筋」は良いとみるべきで、余談ながら22歳で入党するも、その才色で軍を背景にのし上がった彭麗媛陸軍少将(習近平なる人物の嫁さん)とは、反りが合わないと思われます。

話を天津に戻して、孫春蘭党書記はその経歴から「遼寧・大連閥」で、あの薄熙来とも近い人物(一説には犬猿の仲)、問題は天津市の生え抜き幹部との関係ですが、広東省における胡春華党書記の場合とは異なり、党書記と生え抜き連中の間で利害関係を共有する部分が多いと考えられます。

とすると幹部の摘発は党書記の追及に繋がり、ひいては「遼寧、大連閥」を一網打尽にするつもりではないのか、そういう推測も成り立つ訳で、広東省が一段落したなら、天津に人材を投入することは可能です。

尻に火が付く思いでしょう、国家主席殿。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-07-22 21:03

中国人は中国人を崇拝出来るのか ~「北宋以降」再考~

宮崎史観でも、山川左翼欽定教科書でも、この点では見解が一致していますが、唐の滅亡(907年)とその後の五代十国の時代を境に、中国では貴族層が没落して貴族社会が終わりを告げ、代わって士大夫層(=宗族階級=地主層=科挙及第官僚群)が勢力を伸ばしたと一般に解説されていますが、北宋建国(960年)までの半世紀に社会が一変するものか、甚だ疑問に思われます。

中国の中世が貴族社会であり、家柄が幅を利かしたことは事実で、確か唐の昭帝が、とある大貴族に婚姻関係の話を持ち掛けたところ、にべもなく断られましたが、その理由が「家格が違い過ぎる」、そう言われて皇帝側が引き下がらざるを得ないのが、中世の特徴でした。

宮崎市定京都大学名誉教授(故人)の歴史観に従って、後漢の滅亡(220年)から北宋成立(960年)までを中世、別の言い方をすれば「北宋以前」、北宋建国以降を中国史近世(同「北宋以降」)とするならば、その違い唯一つ、「禅譲の否定、具体的には禅譲を口実とする政権簒奪の禁止」、これに尽きます。

要は「一度頭を下げた相手には、子々孫々まで仕えよう」と言う考えですが、では臣下になるのは良いとして「忠節を尽くす」気も「皇帝を崇拝する」気持ちもあるかのかと言えば、やはり怪しいと言わざるを得ません。

中国が「近代化」したと考えるから、事の本質が見えなくなるのであって、未だにその精神構造や文明段階が「前近代=近世」に留まっていると考えれば、より率直に言えば中世すら払拭し切れていないと認識すれば、中国を理解する近道ではないでしょうか。


隋による統一以前の中世中国では、家格が幅を利かす一方、北半分では多数の異民族集団が興亡を繰り返し、南方では皇帝なぞ糞喰らえとばかり短期間で王朝が入れ替わりました。(五胡十六国、或いは魏晋南北朝時代)

これに対し、五代十国時代は、貴族の没落過程である点で五胡十六国と異なりますが、数々の政治集団が覇を唱えた点では違いがありません。

その五大十国時代を経て、北宋が成立するやいきなり「皇帝独裁」を承認し、心から皇帝を崇敬することが出来るのか、結局は建前に過ぎないのであって、「真の主権者」士大夫層にしてみれば、皇帝と言うのは単なる一種の国家安定装置ではないのかと考えざるを得ません。

宮崎教授の「中国史の名君と宰相」(中央文庫)に収められている論文の中に「張溥とその時代」がありますが、この明末の実状を余すところなく活写する名著によると、張溥は南宋を建国した高宗をこき下ろすことで、時の皇帝(崇禎帝)を当てこすっているが、そこに尊敬の念は感じられませんし、張溥率いる復社を初めとする諸団体の存在意義は権力闘争と己の勢力拡大です。

当時の明朝(=大明)は今の日本が引くほどの財政赤字、しかも後の清朝(=大清)との戦費や、最低限必要な水利事業の費用も、士大夫層(正確には「郷紳」)がピンハネしているのですから、何をかいわんやです。

そして有難いことに、張溥は南宋高宗を呼び捨てにしてくれていますから(趙構、或いは単に構)、時代が変われば人物への評価も変わる、それは歴代皇帝でも例外ではないことを教えてくれています。

その点だけは心得ているのが「建国の父」毛沢東、必ず「革命の父」孫文と組み合わせることで、何れかを否定すれば両方を否定しなければならない構図を作っていますが、小誌は別に中国的歴史認識に囚われる必要はありませんので、権力の受け皿を作ることの必要性を理解出来なかった孫文を一顧だにせず、殺傷能力はあっても統治能力が皆無だった毛沢東に最低の評価を与えることに躊躇することはありません。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-07-21 17:58

開眼

漸く眼帯も取れましたが、その間の鬱陶しかったこと、外出もままならず、健康の有難さをあらためて実感する次第です。

11月開催(やはりオバマ大統領がゴリ押しして、日程を中間選挙後にずらした模様です)のAPEC首脳会議で、日中首脳会談の席を設けようと安倍総理が提案しました。

誰が「黒幕」で誰が「脚本家」で誰が「振付師」かは知りませんが、安倍総理にしては上出来の外交工作です。

その時点では米国中間選挙の帰趨が判明していますから、結果次第では習近平国家主席がオバマ大統領を見限ることも考えられます。

但し、その場合は尖閣諸島の件で頭を下げるのが最低条件、二度と尖閣には手を出しませんと誓約しなければ会談は成立しません。

しかしそれは、政治的非力な習国家主席には無理な話、国内諸勢力を纏められないのですから、そんな約束出来ませんし、、唯一の自己保身が「反日」で、散々煽っておいて店仕舞いするのは政治的自殺に等しい行為です。

ですから可能性がゼロとは言いませんが、11月の日中首脳会談はお流れになる公算が大きいと言えます。

それで別に日本側は困りません、むしろ好都合でしょう。

日本が提案する、中国が無視する、筋を通したのは日本で、諾否すら明らかにしない(いずれの口実もないから)中国側が礼を失することになり、それなら日本も相応の行動を取っても許されると言う構図になります。

おそらくAPECが終わった時点で、プーチン大統領(ロシアもAPECに参加しています)はその足で日本に立ち寄る、これが自然ですし、日程的にも無理がありません。

因みに米国中間選挙は11月4日、それからG20財務大臣会談が豪州で11月15~16日の日程で予定され、前後して首脳会談も開催されますから、この前後にAPECと言う段取りになります。

そして、この「プーチン来日」が「安倍訪朝」の地ならし、日露は表向き、北方領土を巡って睨み合っていますが、両国首脳の本題は「シベリア経済特区構想」、日本の人材と技術と資金を活用して、ロシアが背負いかねているシベリアを開発しようと言うもの、この協議の過程で領土問題の解決策が見えてきますし、北朝鮮が話題に上ることになります(と言いますか、相当詰めているでしょうが)

日露首脳に限らず、動くとすれば中間選挙でオバマ大統領が「死に体」になるのを確認してからの方が、何かと動きやすいですし、オバマ大統領に反転攻勢の手掛かりを与えることは極力避けねばなりません。

それに安倍総理の立場からすれば、2015年4月の統一地方選挙と2016年の参議院選挙(おそらく衆参同一選挙)に勝利する必要があり、増税路線を堅持しながら選挙に戦うには、「安倍でないと相手は交渉してくれない」と言う雰囲気を作ることが大前提となります。

ですから来年4月時点には訪朝を終えている、しかも「手ぶら」で帰れば即死ですから、予想以上の、具体的には小泉元総理が訪朝した際を上回る「手土産」を持って帰る必要があり、出来れば野党が拉致問題に如何に向き合ってきたかを示す資料が、北朝鮮から出てくれば言うことありません。

多分、そうなると思います。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-07-20 00:08

お知らせ

眼病のため、最大一週間程度お休みを頂戴することになります。

堪忍してやって下さい、普段からの怠け癖が抜けないところにこれですので。

生まれて初めての眼帯、それにしても今年は生まれて初めてが多すぎます。


小誌執筆者
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# by 4kokintou | 2014-07-13 15:53

丁々発止?

今日でちょうど百か日、気が滅入ると言いますか、気持ちが沈む時があって、ご迷惑をお掛けしますが御海容の程を。


習近平国家主席が敢えて「同盟国」北朝鮮を素通りして訪韓しましたが、今回の韓国訪問は中国内部でも「お手並み拝見」だったと思われます。

同盟国と言っても所詮は親分、子分の関係、旧ソ連が健在な頃の北朝鮮は文字通り中ソ間を行ったり来たりする「二股膏薬外交」が展開していましたが、旧ソ連の崩壊で頼みの綱は中国だけになってしまい、しかもそれまでの変節が裏目に出る状況に陥ってしまいました。

ただ、中国にしても同盟関係を謳う以上、親分=宗主国として子分を庇う必要があり、最低でも体制崩壊は防ぐ必要があります。

そして何よりも同盟関係は常に確認し、内外に誇示するのが政治の常道、その意味で訪韓は「禁じ手」なのです。

思うに、習国家主席は「形式」と「現実」を区別出来ない思考の持ち主ではないかと思われます。

中朝間に軍事同盟が存在する以上、北朝鮮が如何に「浮気」しようが、それ以上の関係を浮気相手と持つ訳がなく、その場合は同盟崩壊を意味します。

翻って、中国側も「浮気」出来ない訳で、北朝鮮にとって最も苛立たしいのは韓国と親密になること、北朝鮮にしてみれば統一国家建国を阻む「米帝の傀儡」が他ならぬ韓国なのですから。

その北朝鮮、習近平主席の動向に合わせる様にミサイルを発射していますが、これは単なる意趣返し、それよりも日経記事で目を引いたのが最近の露朝関係で、今年になって両国高官が頻繁に往来しているそうです。

ロシアにとって北朝鮮の優先順位は決して高くありません。

なのに両国はその距離を縮めているのか、各々独自の思惑もありますが、「日朝交渉の立会人兼後見人がプーチン大統領(そして胡錦濤「長老」)」と仮定すれば合点の行く話です。

北朝鮮首脳にとって「一辺倒」ほど危険なものはない、相手の都合に合わさねばならないし、文字通り「干される」ことにもなりかねません。

ところが今の中国は一枚岩でないうえ、ロシアが紹介役となって日本と言う「桃源郷」に合わせてくれると言うのですから、これ以上に旨い話はありません。

同盟関係を崩すのは中朝両国にとって得策ではありませんから、習近平指導部(と言うより本人)もそこまでは踏み込めません。

日朝両国は局長級会談の開催以降、互いに実績を上げています。

北朝鮮に限って言えば日本独自の制裁緩和を勝ち取っています。

では、習近平国家主席の韓国訪問で、両国には如何なる成果があったでしょうか。

共同声明等や発言を読む限り、「表面を取り繕った」以外の印象を持てなかったのは小誌だけでしょうか。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-07-10 20:24

戦場は広東

権力に遠心力が働きがちな中国でも、反中央感情がひときわ強いのが広東省、数年前の旧正月休み(春節)の際、広東も時ならぬ大雪に見舞われ、交通が麻痺する事態に陥り、温家宝総理(当時)が現地に赴き陣頭指揮を執りましたが、現地党幹部は面従腹背を決め込み、総理の命令に従わぬどころか陰で妨害工作を試み、あまつさえ食料品等を買い占めてその値段を吊り上げ、一儲けを企みました。

翻って言えば、今や晴れて「長老」の一員となった温家宝氏が属する胡錦濤「長老」陣営からすれば、恥をかかせてくれたのが広東省の現地生え抜き党幹部、中国人の唯一共有し得るものが粘着質であるとすれば、相手を屈服させなければ恨みを晴らすことは出来ません。

と言う訳で、広東省党書記に送り込まれたのが「団派の若大将」胡春華政治局員、この人事は胡錦濤「長老」の肝煎りであったことは御存じの方も多い筈です。

魑魅魍魎が跳梁跋扈する広東省に派遣するのを危ぶむ声を有ったそうで、確かに「麻薬村」摘発では男を上げましたが、「売春村」家宅捜索では情報が事前に漏れていて空振り、省を束ねる党書記としては手痛い結果となりました。

それでも各方面、特に王岐山政治局常務委員率いる党中央紀律検査委員会を助けを得て、コツコツを「重大な規律違反」容疑で下級幹部から取り調べる形で積み上げた結果、その捜査の手は広州市党書記に及ぶ事態となりました。

時事通信によると、その人物は「地元出身官僚から成る『広東閥』の有力者。(中略)将来の省長(閣僚級)候補とみられていた」そうで、要は生え抜き組の領袖かそれに近い権勢を誇る人間、それをお縄にしようとしているのですから大したものです。

この記事で興味深いのは「地方採用(=生え抜き組、この場合は党省支部採用)は原則として省長(=党省筆頭副書記)」止まり、党省書記は中央の「指定席」であることを余すことなく語ってくれています。

そして今まで、省の実務と実権は「生え抜き組」が握り、中央から派遣された党書記は、美味い思いをするけれど政務に口出しせず、その傾向は殊に広東省で顕著であったと思われます。


胡錦濤「長老」陣営が、国務院(李克強総理が掌握)と党中央紀律検査委員会(王岐山主席傘下)を駆使して、壊滅を試みている既得権益は四分野に大別されます。

まず「鉄道利権」、これは陸軍利権の一部と言ってもあながち間違いではありませんが、高速鉄道事故を契機に利権に連なる連中を一掃、ほぼ時を同じくして軍中央も胡錦濤「長老」の意に従う様になりました。

次に標的となっているのが周永康前党中央政法委書記(前政治局中央委員)の指揮下にあった「公安畑」、これは同時に「石油利権」叩きも意味します。

それから「電力利権」ですが、この元締めは李鵬元総理(ご存命!)、李鵬氏は周恩来の養子ですから、周恩来だってそれなりに利権を握り、それを権力闘争の軍資金にしていたことが分かります、つまり周恩来は清廉潔白な人物であると言う評価は伝説に過ぎませ。

そして現在進行中の「広東潰し」、これは恥を雪ぐ意味合いもあるでしょうが、最も反中央的感情の強い地域を屈服させることで、一罰百戒ではないが全土を中央(と言っても習近平国家主席のことではありません)にひれ伏させる狙いがあると考えられます。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-06-28 17:52

虚々実々

7月3日、4日の習近平訪韓を嘲笑うかのように、日朝局長級会談が7月1日に開催されることが発表されました、しかも開催地は北京です。

交渉の場を提供したのが、習近平国家主席でないことだけは明らか、現場を仕切っているのはおそらく王家瑞党中央対外連絡部(中央委員)でしょうから、今回の一件で習国家主席が日朝交渉に口出し出来ない立場にあることが判明しました。

嫁さん(彭麗媛人民解放軍陸軍少将)同伴で韓国に赴く習近平主席、一説には訪問先で国会演説が予定されているとの由、実現すれば「反日」の文言が盛り込まれるでしょうが、中国の国家主席がこの時期に訪韓する「真意」は何処にあるのでしょうか。

結論から言えば「金を出せ」、資金繰りに窮する(国有)企業が続出する中国としては、この国に深入りし過ぎて身動きが取れなくなっている韓国(あるいは韓国系財閥)から、不足分を補わせようと言う魂胆、金を出さなきゃ現地法人を締め上げるぞと言う恫喝です。

金融と財政の両面で国有企業(とその背後の党地方支部幹部)を追い詰めているのが他ならぬ李克強総理、窮地に陥っているそれらの企業を救おうとしているのが習近平国家主席、そしてその側杖を食っているのが韓国と言う構図ですが、習主席側が日本を狙わないのは、国力を勘案する部分もありますが、李総理も属する胡錦濤「長老」陣営が日本と手を組んでいるため、手を出せないのも事実です。

対する韓国の朴槿恵大統領、おそらく「お付き合い」程度は出すかも知れませんが、実質的にはゼロ回答、中国現地幹部と癒着している韓国系財閥現地法人を虐めたければご随意にと言うのが、偽らざる心境だと思われます。

話を北朝鮮に戻して、短距離ミサイルを日本海に向けて発射したそうですが、これは韓国に赴く習近平主席に対する威嚇、決して日本を脅すつもりはありません。

その北朝鮮で国防大臣に相当する人民武力相が交代したそうで、北朝鮮も「党が軍を指導する」朝鮮労働党独裁体制を採用していますから、大事なのは「党の軍事担当最高幹部」、最高意思決定機関は党中央委員会政治局常務委員会ですから、三代目金正恩第一書記に次ぐ立場にある軍部管掌要人に入れ替わりがあるのか、今回の大臣入れ替えはその前触れなのか、関心が集まります。

中国では「重大な規律違反」で、党中央紀律検査委員会の取り調べを受けていない人物が、全国政協会議副主席の職を解かれました。

取り調べの段階で公務を解任されるのは異例、政協会議は「天下り組」と「一丁上がり組」の寄り合い所帯ですから、党の意向を無視して人事を動かすことは出来ません。

と言って、今回の過去に例を見ない解任劇で、習近平主席が得する訳でもなく、むしろ強い反感を持たれてしまいますからそんな話ですし、これだけの大技を打つ力量がありませんから、やはりこれは胡錦濤「長老」陣営が仕掛けたとみるのが妥当です。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-06-26 22:02

一筋縄では行かない連中

確かに、中国本土や朝鮮半島の人達が生き辛いのは分かりますが、それは己が招いた側面も否定出来ず、要は頭が固いと言うか、旧態依然とした思考から抜け切れていません。

勿論、日本人だって嘘をつきますが、事実を正確に把握してからどうやって捏造するかを考える、つまり帳尻合わせをする訳ですが、韓国では中央に上がって来る数字の信憑性が少々怪しく、しかも当局が後先考えずに「創作」しますので、現実との乖離が大きくなってしまいます。

中国に至っては御存じの通り、誰も正確な数字を把握していないのが現状、好意的にみても各種経済統計は「推計」でしか有り得ません。

例えば有効求人倍率は、数字が大きくなる様に中央官庁から職業安定所(ハローワーク)に対し常時「圧力」が掛かるのが周知の事実、そこでハローワーク側も頭を捻りますが、そこには「相場」と言うものがあり、信頼性に欠ける統計を発表すれば、それこそ中央官庁が矢面に立つことになりますから、「圧力」と言っても限度がある訳です。

失業率にしても然り、しかも日本では現実と数値に乖離が大き過ぎると世論が黙っていませんので、信頼出来る水準に落ち着くことになります。

数少ない壮大な例外が、バブル崩壊後に金融機関が抱えた不良債権で、当時は「落ちるところまで落ちなければ不良債権は処理出来ない」と言う単純な真理に気付かず、すなわち不良債権の処理の仕方が分からない、ただ業績が止めどもなく悪化することは確かなので、口をつぐんで業績にお化粧を施していたのが実状でしょう。

仮に「ここまで不良債権が膨らむから、これだけの積立金を計上すれば問題は解決する」と分かっていれば、展開が違っていたかと思われますが、この様に答えが「分かっている」と「分からない」とでは雲泥の差が生じます。

ここで中国に話を戻すと、誰も答を持っていない、有体に言えば事実を把握していないため、的を射た対策を講じることが至難の業なのです。

ですから、党中央紀律検査委員会が汚職摘発と取り調べに熱心かと言えば、それだけ中国共産党が腐敗している事実も見逃せませんが、その過程で「経済の本当の実像」を掌握する側面もあると考えられます。

従って、李克強総理の経済政策と、王岐山党中央紀律検査委員会書記の動向が連動するのは当然で、幾ら金融引き締め政策を打ち出しても、その裏付けがないと空回りするのは必至、王書記が集めた「裏資料」があればこそ、急所を突いた措置を講じることが可能です。


アントニオ猪木氏が7月半ばに訪朝、これで安倍総理のそれ以前の北朝鮮訪問の線は無くなりました。

もっとも、「プーチン今秋来日→安倍訪朝」が、かねてからの持論ですので、それは別に構わないのですが、猪木氏は粛清された張成沢氏に象徴される「旧体制派」に近い人物、同氏の訪朝が公になるのとほぼ時を同じくして、「河野談話をゆがめるな」と北朝鮮が日本側の動きを非難、金正恩第一書記の権力掌握を快く思っていない勢力が反撃に出たのかも知れません。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-06-23 22:28

奇々怪々

先日、李克強総理(政治局常務委員)が訪英した際、エリザベス女王との面会を英国側に強請したとか、結局バッキンガム宮殿ではなくウィンザー城で拝謁は実現したのですが、目立たぬ事件かも知れませんが、中国を裏で操っていたのが英国であれば、今回の一件はまさに画期的と言えます。

その前に想起すべきは、今回の面会劇には前例がありまして、相手国の国家元首に予約を入れずに面会をねじ込んだ人物と言えば副国家主席時代の習近平氏、その先例に倣ったとも言えますし、一種の意趣返しであったとも考えられます。

折に触れて「親オバマ勢力」、「反オバマ陣営」と言った表現を使わせて頂いていますが、前者の領袖は表向きこそオバマ大統領ですが、「本当の黒幕」は英国王室ではないかと言うのが、かねてからの小誌推測で、それを裏付けるかの様に、オバマ大統領が打ち出す政策や決断は、全て米国の国力を弱体化させるか、その権威を失墜させる性質を持つものばかりです。

共産主義中国だって、大英帝国のお膳立てが無ければ、「米帝の傀儡」蒋介石率いる国民党に蹴散らされていた筈、毛沢東が中華人民共和国の建国を宣言したまさにその日、英国は中華民国と断交し共産主義中国を国家として承認したのですから、英国の思惑がどの辺にあったのか、贅言を要しないでしょう。

中国側も革命を声高に叫ぶ連中ほど、実は親英的な場合が多く、香港上海銀行の上海支店は、上海が革命派の牙城であるにもかかわらず営業停止に追い込まれたことは一度もなく、香港支店も香港返還以降、一度たりとも同様に危機に直面したことはありません。

英国(王室)は中国を、現地の子分を使って食い物にする対象としか思っていないでしょうし、その子分の流れを汲むのが現職国家主席の習近平氏、対して「反英愛国的」なのが胡錦濤「長老」とその周辺、各々の源をたどれば毛沢東と陳独秀に遡ります。

今に至るまでの共産主義中国は、「親英革命的」分子と「反英愛国的」分子の権力闘争と言っても過言ではなく、反英派は親英派に苦杯を嘗めさせられてきましたから、その黒幕の英国王室に直談判することなど夢のまた夢でした。

それが今、国務院総理と言う肩書を携えながらとは言え、反英派の中心人物の一人が老いたる英国女王に面会を無理強いする、隔世の感とはこのことを言うのでしょうか、英国も受け入れざるを得ないほど親英派が衰弱していることを認めざるを得なかったと思われます。


前党中央弁公庁主任で、息子の不始末(超高級車を超速度超過で乗り回した挙句に事故死)が祟り、現在は同統一戦線工作部長に左遷されている令計劃氏(中央委員)の身辺にも、「鬼の王岐山(政治局常務委員)」率いる党中央紀律検査委員会の追及の手が及んでいるそうです。

同氏の兄と山西省副省長が「重大な規律違反=例によって汚職」容疑が取調べを受けているそうですが、留意すべきは令計劃氏を含め、三人全員が山西省出身者だと言うこと、そして何より忘れてはならないのは、同省は石炭を初めとする鉱物資源が豊富な場所で、「天然資源利権」が存在すること、それを山分けしている一人が、李鵬元総理の息子で李小鵬氏だと言うことです。

令計劃中央委員が在籍していた弁公庁主任は、党総書記の秘書室長とでも呼ぶべき役職、この人物は確かに団派で、党中央の共青団に属していましたが、傍流ではないにしても「団派本流」と言いかねる人物、要は「中国共産主義青年団中央書記処書記」にはなれず、宣伝部長止まり、キャリア官僚ではあるが三番手程度と言えば分かり易いでしょうか。

推測ながら、息子がフェラーリを乗り回していた時点で、胡錦濤「長老」は令計劃氏を見限っていたのではないか、「長老」はこの種の奢侈が大嫌いですし、「身内」であっても役立たずはお払い箱にする人物ですから、その点では冷徹です。

今回の最終標的は、そうなると李小鵬山西省省長(副党書記)と言う結論になります。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-06-21 18:43

外交音痴

内政も支離滅裂ですが、外交でも常識知らずの双璧と言えば、米国のオバマ大統領と中国の習近平国家主席をおいて他にいません。

その習近平主席、7月早々に訪韓するそうですが、これって絶対にしてはならない「禁じ手」です。

確かに最近の北朝鮮は「習近平的中国」の、対日接近を図るなど、習国家主席からすればその言動は目に余るかも知れませんが、仮にも両国は互いに唯一の同盟国、その同盟相手の面子を潰す挙に出ることは、同盟関係が実質的に破綻に瀕していることを内外に白状する様なもので、同時に北朝鮮の中国離れの口実にもなりかねません。

ですから先代の胡錦濤氏、先々代の江沢民氏も「まずは訪朝、韓国は後回し」路線を踏襲した訳で、当時の胡錦濤国家主席が、これも「永遠の総書記」金正日氏に厳しい態度で臨もうが、それと同盟関係とは別の話、同盟国はその他の国々と「別格」扱いしなければなりません。

従って今回の「訪朝を後回しにした訪韓」は外交上有り得ない拙策で、要は北朝鮮に対する嫌がらせの域を出ず、では訪韓してそれだけの成果が得られるかと言えば、精々「反日」を謳うだけ、しかも朴槿恵大統領の反日は擬装ですから、わざわざ国家主席殿が足を運ぶ理由がありません。

そもそも習主席の初めての外遊先はアフリカ諸国、おそらく利権の確認或いは開拓が主目的だったと思われます。

つまり習近平主席もオバマ大統領と発想は同じ、子分を養い勢力を拡げるための軍資金づくりしか頭にありません。


今回の北朝鮮無視政策と、対ベトナム強硬路線から浮かび上がってくるのは、習国家主席から距離を置く軍部の動向です。

海底油田を採掘するためとはいえ、海軍ばかりを動員する一方、陸軍を「温存する」現状は、習近平主席が陸軍の大部分を掌握していないのではないか、圧力を加えたければ陸海両面で戦力を展開するのが常道と思われます。

北朝鮮にしても然り、北海艦隊は完全に胡錦濤陣営に鞍替えしていますから、此処では海軍も使えませんが、北朝鮮の態度が気に入らなければ陸軍を動員すれば良く、記憶違いでなければ鄧小平が訪朝した時、25名の師団長を引き連れて平壌に乗り込みました。

つまり「今度来る時は25個師団を連れて来るぞ」と言う恫喝、そこまでしなくとも中朝国境沿いに軍隊を展開すれば済む話です。

日経はオバマ大統領のことを「口先番長」と明記していますが、中国では俗に言うハニー・トラップ(美人局)に引っかかったのか、現地総局長は習近平氏に極めて甘いです。

ですが「口先番長」は習近平氏に相応しい称号ではないでしょうか、陝西省の子飼い軍閥と、嫁さんの縁で後ろ盾になっている山東省軍閥を除いて、軍事力を有さないのですから。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-06-19 23:23

尻拭い

ベトナムに外交担当の国務委員を派遣した中国ですが、かつてこの国やミャンマーの窓口は習近平国家「副」主席(当時)でしたが、これを覆したのが団派を中心とする胡錦濤陣営でした。

ですから習近平氏からすればベトナムは裏切り者、従って積極的かどうかは別にして、今回の中越紛争に習国家主席は一枚噛んでいるとみて差し支えないと思われます。

それから強引に海底油田を採掘しているのであれば、所謂「石油閥」も加担しているのは確実、この派閥の領袖かどうかは分かりませんが、周永康前政治局常務委員が大物であることは間違いなく、この人物は江沢民元国家主席とも近いですので、実働部隊が誰かは別として、「江沢民、習近平」ラインで事が運んでいると考えるのが妥当です。

因みに、私見ながら、実働部隊を指揮しているのは、今や習近平主席の側近中の側近とも言うべき、劉雲山政治局常務委員(党中央書記処常務書記、党中央精神文明建設指導委員会主任、党中央党校校長、前党中央宣伝部長)、内蒙古自治区で共青団副書記を務めた経歴を持つ「腰掛け団派」です。


大手不動産企業が倒産し、一部の地域で銀行への取り付け騒ぎが発生し、所謂「理財商品」も紙屑と化しつつある今、窮地に立たされている習近平氏としては、二正面作戦であろうが多正面作戦であろうが、延命のためには贅沢を言っていられません。

と言って、相手を選ばなければならないのが辛いところで、ロシアやインドと対決するのは暴挙と言うもの、多くの国と国境を接していますが、その大部分が戦争事由も無ければ兵站も続かない場所ばかりです。

となると因縁をつけても国内世論の反発を呼ばない日本は当然ですが、大人しく自制されたら困る訳で、だから挑発を繰り返しているのですが、これ以上のことをすれば、今度は米国が立場上、日本に与さなければならず、それで困るのは習主席の「盟友」オバマ大統領、ですから中国としては威嚇の域で留めざるを得ません。

「裏切り者」ベトナムに対する攻勢には、国家主席殿の感情も反映されていると思われますが、海上での限定している点に注目すべきで、陸地での戦いとなれば、これは本格的な戦争になるものの、では中国陸軍の「統帥権」を実質的に誰が掌握しているのかと言えば、習近平国家主席ではなく、おそらく胡錦濤陣営だと推測されます。

ですから対ベトナム陸上戦は無し、その意味でも海上での小競り合い限定です。

新疆ウイグル自治区は、かつて「新疆王」と言われた王楽泉前政治局員(前同自治区党書記)が逐われた後、胡錦濤氏に近い人物が党書記として送り込まれている場所、換言すればまだ「新疆王」の勢力が残っていて、団派系の影響力が浸透し切れていない地域と考えるべきでしょう。

とすれば、このでの狙いは奪権闘争、現職の自治区党書記を解任し、後任に近い人物をすえて、団派の勢いを削ぐのが狙いと思われます。

でも、どれも功を奏していません、やはり軽量とみられているのでしょう、国家主席殿は。

その証拠に、オバマ大統領の妻ミシェル夫人が訪中した際、習主席の細君たる彭麗媛陸軍少将との会談は最初から設定されていたのですが、「嫁会談」が終わった後に、習国家主席はミシェル夫人の面談しています。

つまり嫁からも、その後ろ盾の(山東省系)陸軍からも軽くみられている証拠で、非力な政治家が何をやっても上手く行かないのは当然しかありません。


追伸

明(大明)の時代には、胥吏には科挙を受ける資格が無かったそうな。要は宗族万能時代だったと言うことでしょうね。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-06-17 23:15

角逐

用事が用事を生む状況が続いていまして、腰を落ち着けて仕事が出来ない厄介な状況にあります。

肉親が残した言葉に「人を頼るな」と言う一節がありますが、これにはもう頼れる相手が存在しないと言う他に、安易に他人を頼ると、中国人ほど悪意はないにしても(?)、他人は無責任だから痛い目に遭うと言う警告だったと思われます、特に士業の連中には。


安倍総理が閣僚に発言させる形で訪朝に言及、非力でそのくせ我儘だけは一流のオバマ大統領の意向などお構いなしに、ロシアと北朝鮮への接近を試みています。

北朝鮮に対しては470名の特定失踪者名簿を提出済み、外務上級官僚がプーチン大統領の側近の一人と会談しています。

北朝鮮が日本を名指しで悪しざまに罵ることが無くなって久しく、ロシアも日本が対ロ経済制裁に一枚噛んでいるにもかかわらず、恨み言一つ語っていません。

尖閣諸島を巡っての中国の挑発に日本が乗らないのは、賢明と言うか当然、相手に口実を与えないためでもありますが、裏を返せば挑発しか策が無い習近平政権の窮状を物語っています、要は日本が中国の足元を見ています。

と言う訳でなりふり構わずベトナムに八つ当たり、威勢は良いけれど臆病な国家主席殿のことですから、ベトナム側の首脳会談開催提案は黙殺、筋の通らないことをしているのは中国ですし、習主席には相手を論破するだけの力量がありません。

幾らエネルギ資源価格が高止まりしているからと言って、隣国に軍事的圧力を加えてまで掘削作業を始めると言うのは無茶と言うもの、それだけ「自前の」エネルギー資源が欲しい輩が中国国内に存在していると考えるのが妥当でしょう。


中国人民政治協商会議(政協会議)全国委員会の主席は兪正声政治局常務委員、その下に23名の副主席がいますが(それにしても「副」が23名とは、組織の肥大化も此処に極まれりです)、そのうちの一人が例によって「重大な規律違反」で、これも例によって党中央紀律検査委員会が取調べ中との一報、日経は「現職有力指導者」だと騒いでいますが、党では中央委員止まりで前期(第17期)を以って辞任、政協会議の副主席に「天下り」したと考える方が正しいと思われます。

換言すれば、前職の中央委員までなら粛清お構いなしの段階に来ていると解釈することが出来ます。

おそらく、「現職中央委員→前職政治局員→現職政治局員(失脚当時の薄熙来氏がこの水準)→前職政治局常務委員→現職政治局常務委員→長老(元老)」まで捜査の手が伸びると思われます。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-06-15 00:17

北朝鮮の対話手法

北朝鮮を旅行中の米国民三名が当局によって拘束されたそうです。

一見、人質外交でもやらかす様な印象を受けますが、長期間に亘って勾留する考えは無い筈です。

ただ米国政府の要請には頑として応じません、オバマ大統領の手柄になる様なことは絶対しないでしょうし、中国の習近平国家主席の仲介も受け入れないと思われます、金正恩朝鮮労働党第一書記にとって何の得にもなりませんから。

この「人質」は安倍総理訪朝の際の手土産の一つ、交渉のためにわざわざ平壌まで足を運んだ安倍総理が要請する形ならば、北朝鮮の面子は潰れませんし、何よりもオバマ大統領(と習近平国家主席)に政治的非力が浮き彫りになります。

見方を変えれば、安倍訪朝は間近に迫りつつあり、オバマ大統領に打撃を与えるのであれば、中間選挙(11月4日)以前、プーチン訪日が8月公式発表の9月来日ならば(現段階では「今秋」と言う曖昧な表現)、安倍訪朝の公表はその直後、来日は10月と言う段取りになります。


中国共産党が「寄り合い所帯」であるとの前提に立てば、無数の派閥が存在することになりますが、その中でも最高指導者を輩出し得るのは、団派(「共青団=中国共産主義青年団)と「中国共産党毛沢東派」だけです。

これ以外は駄目、「党(文官)が軍を領導する」原則から言って軍人(軍部)は党中央指導部の風下に立たねばならず、ブルジョア(金持ち)も論外、それから「出自」も問題になります。

その意味で周恩来は、実家が裕福であったことや、名家と言っても後に党や行政機関の「セミ・キャリア」と「ノン・キャリア」を構成する胥吏代弁者であったことから、第一人者になる資格がありませんでした。

鄧小平も然り、最後まで党中央軍事委員会主席の座を離さなかったことから明らかな様に、一貫して軍人でしたし、客家出身であることも足を引っ張ったのではないでしょうか。

毛沢東も客家ですが、客家も色々ござんすで「老舗客家」もあれば「チンピラ客家」もあって然るべき、そして「毛沢東だから我慢している」状況下で、軍事力を擁する別の客家が後継者として最高指導者になることは、周囲にしてみればその人柄云々以前に生理的に拒否してしまいます。

鄧小平が劉少奇や胡耀邦、更に江沢民後継として胡錦濤登用を約束させた背景には、国家を運営していく力量があるのは、「盟友」劉少奇の流れを汲む団派出身者しかいないと考えていたからだと思われます。

陳雲こと廖陳雲も、その実力がありながら最高指導者にならなかった人物で、そもそも苗字を隠すことそのものが面妖で、おそらく少数民族出身ではないのか、であれば最高権力者に立つことには、華人が結束して反対することが予想されます。

趙紫陽失脚前後の政局では、この最高権力者になれない鄧小平と陳雲が激突し、「民主化」を称して窮地に追い込む戦略に出たのが陳雲、天安門広場を血に染めて歴史に悪名を刻んでも陳雲側の攻勢を食い止めたのが鄧小平、腕力では「私兵」を有する鄧小平が優勢でも、歴史的惨事に手を染めたことと、何よりもそれに相応しい「手駒」に欠いていたことが致命的でした。

優位に立つ陳雲側も人材不足では似たり寄ったり、結局、「次の指導者は陳雲側が出し、その次は団派(胡錦濤)」と言うことで手打ちが成り立ちました。

と言う訳で陳雲が自身の傀儡として担ぎ出したのが江沢民、「漢奸」の息子を指名した陳雲のお里が知れますし、その弱みを活用して操り人形として使う魂胆だったと考えられます。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-06-07 16:48

中国共産党の「正体」

結局、中国共産党とは「太子党の集団」に他ならない、これが特徴と言うか致命的欠陥と言うか、いずれにしても排他的です。

まず縦軸として、「共産主義中国建国時点で、父祖が党中央採用の党員であること」、つまり「キャリア党員」でなければ後々、権力中枢を担うだけの立場に至ることは出来ません。

次に「軍人は駄目、但し形式だけでも軍籍を離脱するか、その子息ならば民間人と見做す」、軍閥の跳梁跋扈に悩まされた反省が、この原則に表れていますが、一方で軍事力を後ろ盾にしなければ権力を掌握出来ませんので、必然的に「有力軍閥の子息で、他の軍閥からも支持が得られる人物」が権力の頂点に立つことが多くなります。

習近平国家主席が毛沢東の真似をするのも、両者の支持基盤が「地方軍閥」と「旧裏社会勢力」だからですが、猿真似では誰もついてきませんので苦しんでいる訳です、国家主席殿は。


それから中国共産党には二大派閥があり、その一方が建国に至るまでの党内権力闘争を生き延びた毛沢東派とその末裔、他方が中国共産党よりも先に結成され、後に合流した共青団(=中国共産主義青年団、通称「団派」)です。

ただ旧宗族階級を背景とする団派も排他的で、二十歳前後で党中央採用の党員になることは必須条件、しかも団派の場合は集団内で熾烈な競争があり、「中国共産主義青年団中央書記処書記」に就任した経歴を持つ「団派本流」しか中央政界に出ることは叶いません。

勿論、何事にも例外はあり、王岐山政治局常務委員(党中央紀律検査委員会書記兼任)は、団派を束ねる胡錦濤「長老」の考えに共鳴して汚職摘発に邁進していますし、韓正上海市党書記は団派傍流(上海の共青団出身)ながら、政治局員にまで上り詰めていますが、両者が「国家」主席や「党」総書記になることは有り得ません、出自が「超一流」でないから。

ですから周恩来や鄧小平、或いは陳雲が何故、「副」の座に留まったのか、それは中国共産党と中華人民共和国の最高指導者たるには何かが欠けている、特に共産主義的「出自」の点で決定的に欠落している要因があると判断せざるを得ません。

これに地方採用の「セミ・キャリア」或いは「ノン・キャリア」党員に、地方軍閥在籍者或いは出身者が絡んできますので、中国最高権力者の「必要十分条件」とは何なのか、非常に難しい問題が横たわっています。

でもそれが分かれば今の中国を理解するのは簡単、次はこの難問に挑みます。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-06-01 18:10

承前の承前 ~習近平氏が国家主席(兼党総書記)になれた理由~

「芋づる式」と言う表現がありますが、その好例が今の中国の汚職摘発状況、周永康元政治局常務委員の「石油閥」、李鵬元国務院総理の「電力閥」の関連と思われますが、国務院のエネルギー局に捜査の手が伸びています。

報道の通りなら、習近平国家主席の「強力な指導」で汚職追及が進められている筈ですが、一節に邦貨換算で330億円も(不正)蓄財している当の本人の立場が、このままでは一層危うくなります。

その習近平主席が主宰する政治局会議が先日開催、政治局常務委員のみならず平の政治局員まで招集するのですから、国家主席は真剣かも知れませんが、空回りしている印象を受けます。

そんな習主席が何故、最高権力者の座にまで登りつめ得たのか、幾ら「毛並み」が良くても凡庸では出世競争の途中で落伍するのが道理なのではないのか、にもかかわらず如何にして最終候補として残ったのかが分からないと、この人物の権力の源泉が見えてきません。


団派(共青団)を主力とする胡錦濤「長老」陣営と比較して、この集団を快く思わない勢力の弱点は、人材の層が薄いことにあります。

逆に腕力(軍隊、暴力団)では負けないとの自負があるのですが、それは団派がその設立当初より、旧宗族階級の知識人で構成されているから、軍人や裏社会の住人からは最も遠い位置に存在します。

ですが共青団とは別の流れの「中国共産党本流」は、長い内ゲバを経て毛沢東を筆頭とする「愚連隊」が形成するところとなり、共産主義中国の建国に伴い、「団派」と「愚連隊」を二大派閥とする中華人民共和国が成立しました。

ここで留意すべきは、建国に伴い必要とされるのは行政手腕を持つ「団派」、ですが「愚連隊」も共産中国成立時の立場によって利権や出世と言う「ご褒美」が得られましたので、茲に巨大な既得権益集団が誕生しました。

ですが「愚連隊」が国家を運営するのは無理、周恩来が束ねていたと思われる旧胥吏層、すなわち「セミ・キャリア」や「ノン・キャリア」集団は、実務に長けていたかも知れませんが国家理念までは持ち合わせていません。

とすると「団派」が政権を掌握している時は国家も安泰だけれど、それは往々にして「愚連隊」の利権を脅かすことになるので、連中は同調してくれる内外の勢力を借りてでも権力奪還に動きます。

そのために犠牲になった団派出身者が劉少奇であり胡耀邦で、葬ったのはそれぞれ毛沢東と陳雲でした。

ただ、時間の経過とともに、「愚連隊」では駄目で「団派」に国政を任せようとする方向に世論が傾くのは当然、それと共に上海閥に代表される地方閥の退潮も明白になりつつあります。

つまり習近平氏は「反団派勢力が結集した最後の操り人形」と言えます、そして英国の。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-05-27 22:28