現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou
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承前 ~習近平氏が国家主席(兼党総書記)になれた理由~

本題に入る前に少し朝鮮半島情勢に触れますと、砲弾の撃ち合いをしたかと思えば、9月にソウルで開催されるアジア競技会への参加を北朝鮮が発表、何故この時期に軍事的緊張を高め、何故この時期に現政権に有利な材料(大会参加表明)を提供するのか、答は簡単、6月4日に韓国で実施される統一地方選挙で、朴槿恵大統領率いる与党に勝って貰いたいから、要は南(朴大統領)と北(金正恩第一書記)は「出来ています」。

統一地方選挙を何処まで重要視するかも問題ですが、与党のソウル市長候補が現代自動車財閥の総帥である鄭夢九氏であることには留意しておいた方が良さそうです。

現代財閥の創業者一族の仲が悪いのは、創業者の死後に財閥が四集団に分裂したことからも明らか、「反財閥」を標榜する朴大統領が敢えて鄭夢九氏を市長候補に担ぎ上げたのは、ただでさえ脆いこの一族の結束に楔を打ち込むのが目的です。

ですから財閥解体が進めば鄭夢九氏は用済み、ソウル市長だから率いる財閥の資金繰りは面倒みてくれるなんて思っていたとすれば甘過ぎますし、それどころか脱税か汚職辺りで葬られる可能性もなくはありません。

朴槿恵大統領はその程度のことを平気でやってのける冷血漢、唯一の望みが「父親の名誉回復」ですから、それを阻止する勢力は断固排除する、これら大統領の信念です。

従って「反日」なんて優先順位が低く、敵対勢力に付け入る隙を見せないための政治的擬装と考えるのが最も妥当と思われます。

習近平国家主席の周辺に碌な人材がいないことは、その朴大統領との会談の際に「安重根記念館の建設を指示したのは他ならぬ私」と公言したり、ご丁寧にも「縄張り」の陝西省に「韓国光復軍記念石碑」を建立したりしていますが、日本人の感情を逆撫でする一方、朴大統領からすれば有難迷惑でしかなく、日本の世論が大統領に対して一層いきり立つだけ損と言うものです。

上述の言動だけでも、習国家主席の政治的感覚の無さが分かりますが、東(尖閣諸島、日本と対立)、南(南シナ海、ベトナムと一触即発)、西(新疆ウイグル自治区の憎悪の連鎖)と三方同時に事を荒立てる心理が理解出来ません。

もっとも、習主席が確固たる政権基盤を構築出来ていないとしたら話は簡単で、あちらこちらで承諾を得ずに手柄欲しさに事を構えているとすれば辻褄が合うのですが、それでも政治的力量の無さは歴然としています。

ですから余計に、これだけ凡庸な人物が権力の頂点に登りつめ得たのか、そこが疑問で、八大元老(八老)の子息でも必ずしも政界で出世街道をまっしぐらとは行きません。

「八老」とは鄧小平、陳雲、彭真、楊尚昆、薄一波、李先念、王震、鄧穎超、後に補充する格好で宋任窮、万里、そして習仲勲が加わっています。(例によってWiki丸パクリ)

この内、鄧穎超(周恩来夫人)の養子の李鵬が政治局常務委員(兼国務院総理)に、薄一波の息子(薄熙来)が政治局員(常務委員になる一歩手前で失脚)に至っていますが、両者共に人気が無く、政治的手腕は習近平氏と似たり寄ったりでしょう。

とすると「中国共産党的に血筋が良い」のは当然としても必要条件に過ぎず、何か別の決定的要因があると思われます。

「軍閥の合従連衡」ではないかと、こう考える次第です。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-05-25 00:48

習近平氏が国家主席(兼党総書記)になれた理由

常々不思議で仕方ないのですが、団派を軸とする胡錦濤「長老」陣営を除いたとしても、今の中国には習近平氏以外に人材はいなかったのか、この人物以外に重責を務める出来る者が存在しなかったのか、有体に言えば習近平氏程度で何故、最高権力者に上り詰めることが出来たのか、これが分かりかねています。

父親の習仲勲が最後まで胡耀邦総書記(当時)を庇ったことが幸いしたとか、王岐山政治局常務委員(党中央紀律検査委員会書記)との関係が今日の習近平氏をあらしめたと、したり顔で解説する輩もいますが、胡耀邦総書記が失脚した後も、習仲勲氏は権力の中枢に居座っていますし、1948年生まれの王岐山氏が中国共産党への入党を許されたのは1983年ですから35歳の時、20歳で党員となった誰かさんとは違い、酸いも甘いも嘗めつくした「叩き上げ組」です。

因みに、現指導部(7名からなる政治局常務委員)の内、25歳時点で入党していないのは序列最下位の張高麗国務院常務副総理だけ、この人物とて27歳ですから今の中国では「縁故が無くて若い時期に入党出来ないと、一生浮かばれない」社会構図となっています。

付言しますと、「漢奸の息子」江沢民も20歳で入党、1946年の上海でこの決断は大したものですが、上海にいれば何かと英国関連情報が入手しやすいことを考えた場合、この時点で「英国が持てる国力を振り絞って、反蒋介石勢力を糾合、中国共産党を軸に地方弱小軍閥や裏社会集団が纏まりつつある」ことを嗅ぎ付けたのかも知れません。

寄り道ついでに当時の米国はと言えば、国民が自発的総動員で「天皇助命」をGHQに嘆願している状況、占領した筈なのに「逆包囲」された格好になり、身動きが取れなくなっていた頃、ひょっとすると「天皇処刑」の噂を流して日本国民を「天皇助命」に駆り立てたのは英国かも知れませんね。

話を習近平氏に戻して、これは団派にも言えるのですが、中国共産党にせよ中国共産主義青年団(共青団=団派)にせよ、「中央採用」と「地方採用」があって、「20代前半で中央採用で入党出来る人物」が将来の幹部候補生と言うことになります。

まずこの条件を満たすには、相当に太い縁故が無いと駄目で、胡錦濤氏も22歳で入党していますが、この人物の父親は党内の有力者ではなかったので、引っ張ったのは胡耀邦と言うのが小誌の推論、ですから両者は同一宗族に属すると考える訳です。

これに対し、習近平氏の父親は、推測するに陝西省の軍閥の領袖、死後は革命戦士が眠る墓地に埋葬された他、「縄張り」だった陝西省でも埋葬されていますし、八大元老の一人にも数えられていますから、息子は結構、「スタート地点」では有利だったと思われます。

ですが、だからと言って「将来の幹部候補生」たり得ても「将来の最高権力者」には直結しません。

団派から言えば説明がつかない訳でもありません、「一歩後退二歩前進」、最高権力者の竿を譲る代わりに、尻拭いも全部押し付けようと言う算段であることは理解出来ます。

問題は「純正太子党」の側、習近平で一本化出来た理由です。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-05-22 21:50

周さんと李さんと

相変わらず汚職摘発に余念のない党中央紀律検査委員会、この組織を統べる王岐山同委員会書記(政治局常務委員)が多忙を極めていることは容易に想像がつきますが、最近は少し風向きが変わってきた感があります。

以前は最終目標が周永康「長老」(前政治局常務委員)であるかの様な内容の記事が多かったのですが、最近は李鵬「大長老」(元国務院総理、元全人代委員長、元政治局常務委員)の周辺にも捜査の手が伸びている印象を受けます。

主な記事を拾っても、「中国当局、周永康氏らの資産900億元超差し押さえ」、「中国軍元高官、汚職などで起訴(記事によると谷俊山・元総後勤副部長=中将は江沢民人脈)」、「中国大型国有企業、華潤集団董事長を汚職で調査(宋林董事長は「李鵬元首相に近いとされる」)」、「ペトロチャイナ副総裁が離職(「石油閥」領袖周永康氏追及の一環かと日経は記す)」、とこんな感じですが、李鵬「大長老」に関してはこれだけでは済みません。

周永康「長老」が石油閥なら、李鵬「大長老」一家は電力閥、息子や娘を含め、電力利権を一手に握っているそうで、これに関連して三峡ダムの権益も独占しているとのことです。

そこで注目されるのが「重大な規律違反(=汚職)」容疑で取調べを受けている、重慶市人民代表大会常務委員会の譚栖偉副主任で、譚氏は「(三峡)ダム建設を主導した李鵬元首相や元重慶市トップの薄熙来氏らと近い関係にある」との由、とすれば李鵬「大長老」も視野に入っていると考えて良さそうです。

ここで留意すべきは李鵬氏が周恩来氏の養子であること、中国の養子制度については不案内なので、何で養子なのに姓が違うのかは不明ですが、周恩来氏の持っていた利権の少なくとも一部は引き継いでいる筈です。

つまり李鵬を撃つことは間接的に周恩来を貶めることになりますから、中国には周恩来を快く思わない人間集団が存在し、その代表的存在が団派を初めとする胡錦濤「長老」陣営だと思われます。

ついでに言えば周永康「長老」も、周恩来氏と同一宗族ではないかとの推測が成り立ちます。

中国では「周さん」と「周さん」は結婚出来ないですが、周さんも色々ござんすで、同一宗族に属する周さんとは同じ廟にご先祖様も自分も祀られなければならない筈です。

因みに中国共産党で原籍を公開しているのは胡錦濤前国家主席だけ、安徽省績渓県龍川に「胡氏宗祠」があるそうです。

仮に周恩来氏と周永康が同一宗族だとすると、後者が前者の利権の一部を継承しても不思議ではなく、周恩来が胥吏階級の利権代弁者だとすれば、党と国務院並びに軍隊(文官)の「セミ・キャリア」と「ノン・キャリア」を掌握している筈で、周恩来が劉少奇は勿論、毛沢東や林彪を向こうに回すだけの権益を保持していたとしても不思議でありません。

胡錦濤氏が国家主席(兼総書記)時代、周恩来に対し冷淡であったのは、この辺りにあるのかも知れません、鄧小平氏に対し好意的であるのとは対照的に。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-05-22 01:04

再開します

何時までも悲嘆に暮れていても仕方がないですし、理不尽を受け止めそれを乗り越えるのが人間に課せられた使命ですから、たとえ少数でも小誌の復刊を喜んで下さる読者がいるのであれば、その声に応えるのも天命と理解したいと思います、以前の切れ味(?)に戻るには時間を要するかも知れませんが。


再開すると言えば、粛清が再び始まるかも知れないのが北朝鮮で、平壌で集合住宅が崩落、多数の死者が出た模様ですが、それを同国報道機関がいち早く伝えている点がこれまでと違います。

しかも事故原因が「手抜き工事」と判明しているらしく、従来の北朝鮮ならひた隠しにしたでしょうが、それは責任者追及の矛先を鈍らせる効果もありました。

ですが今回は、「首都平壌の集合住宅が手抜き工事で崩落して多数の死傷者が出た」と報じた以上、責任者を特定する必要が出てきますので、それを口実に粛清が再開されたとしても不思議ではありません。

そもそも、先代の金正日「永遠の総書記」時代、小誌の推測が正しければ総書記は部下に対し、「特区」と称してその地域の全権を与える代わりに上納金を課する、一種の封建制度みたいな政治体制を採用し、その象徴とも言える人物が三代目が粛清した張成沢氏、但し「特区」を任されていたのは張氏だけではないと思われます。

任せる部下が多ければ多いほど、上納金の金額も大きくなりますし、何より不意の出費が発生した場合、臨時の上納金を課すにはその対象の多い方が何かと便利です。

つまり「ミニ張成沢」は存在している訳で、これらの封建的発想の輩は、「領土は全て金日成商店の私領」と考えている三代目(金正恩第一書記)の中央集権志向とは相容れない存在です。

少々旧聞に属しますが、朝鮮人民軍総政治局長だった崔竜海氏の消息に注目が集まった時期がありましたが(失脚したかどうかは不明)、これはおそらく崔氏が「私的既得権益」を保持していたためで、北朝鮮全土で「金日成商店」の手を通さない利権は罷りならないと言う第一書記と対立せざるを得ない立場にあったと思われます。


その第一書記率いる北朝鮮と、日本政府はストックホルム(スウェーデン)で「公式」日朝局長級会談の開催を決定、今までは非公式協議が多かったですし、役職ももう少し低い場合が多かったのですが、もう誰憚ることなく話し合いしていることを公にしています。

これは同時に、金正恩体制が動揺していない証左でもあり(権力基盤の固まっていない相手とは交渉出来ません)、皮肉にも第一書記を支えているのが日本の存在でもあります。


手抜き建築物が崩落するのは朝鮮半島のお家芸ですが、今の韓国における二大関心事と言えば、転覆した船と、緊急入院及び手術したサムスン財閥総帥の容体です。

前者の件では朴槿恵「表向きは反日、反財閥は本気」大統領が窮地に立たされているそうですが、「父親(朴正煕元大統領)の名誉が回復されるまでは死ぬに死ねない(←朴正煕元大統領は名誉回復されていないと言うのが韓国人の当たり前の受け止め方なんだと驚いています)」と公言するこの娘さん、謝罪は繰り返していますが返す刀で海洋警察の解体を含む政府機構改革の意向を表明、更に(日経によれば)「ずさんな運航管理で事故を防げなかったとして、安全管理体制を抜本的に見直し、公務員の関連業界への天下り規制を強化する方針も打ち出した」と言うのですから、「財官労複合体」解体に賭ける朴槿恵大統領の執念たるや桁外れのものがあります。


次回は中国に話題を戻します。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-05-19 21:16

何時までも

泣いていても始まりませんので、49日が終わる頃から再開したいと思います。

小誌執筆者


でも辛いです、この哀しみの山を乗り越えるのは。
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# by 4kokintou | 2014-05-07 21:29

無念なのは己だけじゃない

心温まるお言葉を下さった「きりしま」様を初め、読者各位におかれてはくれぐれもご自愛なされます様、お礼方々申し述べさせて頂きます。

正直言って、受けた心痛と背負った罪は半端でないのですが、それを抱えながら歩んでゆくことが使命と思料し、肉親の入滅を以って「第一の人生の小誌」も失せ、同時に輪廻転生して「第二の人生の小誌」が生まれたと現段階では解釈しております。


胡錦濤前国家主席だって無念でしょう。

むしろ(おそらく同一宗族の)胡耀邦元総書記(故人)の無念を最も身近で知る立場にあり、それなりの政治的立場にありながらその失脚を防げなかった悔しさは想像に難くありませんし、その後の中国の「繁栄」を許してしまったことへの自責の念も一方ならぬものがあると思われます。

先日、胡錦濤前国家主席が胡耀邦元総書記の生家に足を運んで花を手向けたことが報じられ、日経などは習近平国家主席も承諾を与えたと報じていますが、軟禁状態にある訳では無し、「長老」に対してあそこは行くなとか言う権限を、現職の国家主席(兼党総書記)は持ち合わせていません。

それなら上海と北京を行ったり来たりしている江沢民元国家主席はどうなるのですかと言いたくなります。

そもそも「長老」は中南海の一角に住居が与えられるのが慣例で、上海出身であろうが原籍が安徽省であろうが、「長老」は北京に在住するのが慣わし、その慣習にすら従わない江沢民「長老」はどうなのかと訊ねたいが、日経新聞は教えてくれません。


習国家主席が何と言おうが胡錦濤「長老」は墓参をしていた、理由は簡単、故人の無念を晴らす準備が整ったことを伝えるため、云わば「逆文化大革命」宣言に等しいのですが、揚子江(長江)を泳ぐ毛沢東と異なり、胡錦濤「長老」は己の性格に合ったやり方で意思表示したのだと考えられます。

前後してボアオ・アジア・フォーラムが開催、このフォーラムの議長は国家主席時代の胡錦濤氏が「日中戦略的互恵関係」を結んだ間柄の福田康夫元総理、その福田氏の「接待役」を務めたのが李克強総理(党政治局常務委員)、勿論胡錦濤「長老」側の大物政治家です。

確か昨年は海南島まで赴いて福田元総理とも会談している習近平主席は今回欠席、このフォーラムは「団派」が仕切っていますから、居心地がすこぶる良くないのです。

また胡耀邦元総書記の長男の胡徳平氏が来日し首相官邸にて安倍総理と極秘会談、日本の内閣総理大臣が面会するには肩書が足りないのですが、「胡長老の名代」或いは「胡一族の代表、団派を初めとする胡長老陣営の使節団長」と考えれば、このい極秘会談は「日本側と胡長老陣営の最終的な詰めの確認」であると推察されます。

とすれば日本の了解と後ろ盾を得た今、胡錦濤氏は必ず動く、故人の無念を晴らすため、そして非力だった己の過去に別れを告げるためにも、中国に巣食い、或いは中国を食い物にする内外の既得権益層を殲滅するために、遠からず行動を開始します。


別に手厳しいご意見も頂戴している模様ですが、これについては稿を改めて考察する所存、暫時ご猶予の程を、今回はこの辺りで失礼させて頂きますが、小誌の唯一の取り柄は「執筆者より読者が粒揃いで優れていること」、過去に頂戴したお便りだけで金言集が出来上がるのではないかと思われる逸品です、是非ご一読の程を。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-04-17 17:39

お知らせ

薬石効なく、最愛の肉親が死亡致しました。

茲にご報告申し上げますと共に、暫時入稿が不規則になる点に就きまして御海容願います。


小誌執筆者
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# by 4kokintou | 2014-04-01 19:15

「習」対「李」 ~承前~

日韓で次官級協議が開催される一方、日朝では課長級から局長級に格上げすることで合意、所謂「すり合わせ」が続いています。

他方、中国では人民元の対ドル変動幅が従来の1%から2%へと広げられたと思ったら、早々に1%を超す下落幅を記録、これにより本土の不動産に資金を塩漬けにしている東南アジア系華僑は、為替差損も抱え込むことになりました。

中国不動産市場が曲がり角に来ている、有体に言えば土地バブルの崩壊過程にあることは、浙江省で先日、不動産企業が570億円相当もの負債を抱えて倒産したことからも明らか、李克強国務院総理の政策方針は明瞭で、「不動産バブル潰し、国債買い切りオペ等による市場からの資金吸収=金融政策の引き締め方向への転換、全業種の余剰生産能力削減」これに尽きます。

これらの政策を推し進めているのは李総理が属する「団派」を筆頭とする胡錦濤「長老」陣営、決して習近平国家主席ではなく、むしろ既得権益層を護る立場にありますから、両者の利害は真っ向から対立しているのです。


前号にて建国当時の中国共産党は「ブルジョア(出身者)だらけ」で、しかもコミンテルン(=スターリン)の影響力を排除する方向に傾く連中なぞ、スターリンからすれば「似非共産主義政党」に過ぎなかったと思われます、つまり「異端」。

対して国民党率いる蒋介石は正統派のブルジョア、立派な資本主義国たる米国の支援を受けていますし、自らも貪欲で「四大家族」の一角として富の蓄積に余念がなく、何より「小中国主義者」ですから、実力が伴わない限り外蒙古を返せなんて言いません。

加えて日本に対して消極的な和平は結ぶが、積極的に連携して対ソ共同戦線を張る気配はなく、満州帝国のお蔭でただでさえ対独と対日の二正面作戦を念頭に置かねばならないスターリンとすれば、「第三戦線」の構築は悪夢以外の何物でもありません。

それにスターリンの理論から言えば「ブルジョア革命→プロレタリア革命」であり、ロシアの場合はブルジョアが未成熟だからプロレタリアがブルジョア革命を代行しただけの話、これに対し中国には国民党と言う立派なブルジョア政党があるのですから、まずブルジョア革命を国民党が起こして、全土を纏めれば良いと言う結論になります。

おそらくスターリンは、その後に「コミンテルンの指導下において」共産主義政党が国民党政府を打倒して赤化するとの筋書きを描いていたでしょうが、流石のスターリンも見落としたことがあります。

帝政ロシアは西欧列強の資本に従属しつつ、弱小国に対しては強面の態度に出ると言う二面性がありましたが、それより重視すべきは、皇帝一族、貴族、ブルジョア、農民(解放農奴を含む)、それにプロレタリアの区分は明確でした。

そしてブルジョアが未成熟であると言うことは、富の再配分が為されていないことを意味します。

これに対し中国の場合、辛亥革命の時点で帝政を廃されたものの、かつての実質的主権者であった宗族階級は零落するも消滅した訳では無く、胥吏層も健在、大多数を占める農民は今も昔も同じで発言権が無く疲弊したまま、ブルジョアの未成熟どころかプロレタリアートも少数しか存在していません。

ですが帝政ロシアと異なる点は、富の再配分が変態的な形態で進んでいたことで、急速に富を蓄積していった人間集団が存在しました。

それを一言で表現すれば「大英帝国の手先」、ある時は裏社会の住人であり、ある時は軍閥、場合によっては客家でした。

つまり中国で進行していたのは「大英帝国主導の新旧ブルジョアを共存させたプロレタリア革命」だったのです。

ここに毛沢東が少なからぬ農民から敬愛され、「建国の父」となり得た理由があります。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-03-20 17:18

「習」対「李」

習近平国家主席と李克強国務院総理の反りが合わないのは、各々の性格に起因する部分もあるかも知れませんが、根本的には「階級闘争」であり「異なる政党間の政策論争」と同質だからです。

「胥吏層」の利益代弁者たる周恩来は内政だけでなく、軍事的才能にも外交手腕にも恵まれている人物で、中ソ論争が勃発した当初、当時のソ連の最高権力者だったフルシチョフ(確か第一書記)が、周恩来がブルジョア階級出身であることをあげつらったのに対し、「自分と第一書記の相違点はその出身階級(フルシチョフはプロレタリアと言う名の貧乏人)、共通点は出身階級を裏切ったこと」と当意即妙に切り返したことは有名な話です。

フルシチョフが出身階級を裏切ったかどうかは知りませんが、最高権力者に相応しい頭脳の持ち主でなかったことは、「周恩来の出身母体は共産主義中国において消滅したか」否かに思いを巡らせなかったことからも明らかです。

以前にも触れましたが、中国ではブルジョア革命もなければプロレタリア革命も発生していません、君主制に代えて共和制を採用し、蒋介石的部分を排除しただけです。

ソ連と比較すると一目瞭然、ロマノフ王朝とその周辺の貴族階級は一掃され(これがブルジョア革命)、そのブルジョアも根絶し(プロレタリア革命)、ご丁寧にもネップで生じたクラーク(富農)まで後々粛清しています。

スターリンにとって封建的残滓たる王朝及び貴族の存在はもとより、ブルジョアジーも許容するに値せず、生まれながらの特権階級も、何らかの事情で富を得た人間集団(クラーク)も存在が許されないのです。

とすると「王朝、貴族、ブルジョア(クラーク)出身の共産主義者」なんて胡散臭い以外の何物でもない、また共産主義を隠れ蓑にして民族の安全を図るユダヤ人の考えも、共産主義に対する冒涜以外の何物でもない、だからボルシェビキのユダヤ系幹部は悉く粛清されましたし、スターリン以降のソビエト指導部に王室関係者や貴族出身者、ブルジョアの子弟が紛れ込む筈がありません。

この点を正しく理解したのが北朝鮮で、金日成は南朝鮮労働党(南労)出身を全て粛清していますが、これは南労幹部が中国の宗族に相当する両班出身者ばかりだからです。

そして成立した共産党中国の顔ぶれを見ると、これも「ブルジョアジー」出身者ばかり、しかも皇帝(大清)を担ぎながら実質的主権者であった宗族階級出身の中国共産党「幹部」までいますから、スターリンならずとも目を疑ってしまいます。

辛亥革命で愛新覚羅一族は権力から排除されましたが、封建主義的勢力(その代表が宗族)は居残り、「胥吏層」の名家出身者まで顔を並べている、毛沢東だって父の遺産を得て裕福だったと言いますから、似非共産主義者集団にしか見えません。

しかも中国共産党は、コミンテルンに忠実な分子を排斥し続けた経緯がありますから、スターリンからすればすべての条件を呑まねば「有罪」、異端の烙印を押せば次の瞬間に瓦解します。

加えてスターリンが信頼していた蒋介石率いる国民党を台湾に逼塞させたのですから、中国共産党は処罰の対象であっても支援する相手ではありません。

「半植民地状態の国家が、君主制から共和制へと移行した場合のその後を、歴史的観点から実験する」、これが辛亥革命以降の中国の実相です。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-03-19 23:25

噴飯物 ~日本「お笑い」経済新聞~

不可欠な情報源だとは重々承知し、大いに活用させて頂いていますが、中沢某氏が差配する中国総局が、的外れな記事を盛んに執筆しては紙面に掲載させています。(何でしたら、「中国取材改革深化小組」でも立ち上げて頂ければ、喜んで就任させて頂きますけれど)

例えば団派の肝煎りで設立された「上海自由貿易試験区」、これは上海閥の「金の生る木」だった経済特区を根絶やしにするのがその存在意義であることは誰の目にも明らか、その試験区に習近平国家主席が不快感を抱いていたことは、開所式前日に現地入りしていた李克強国務院総理に些細な用事を申し付けて北京に呼び戻し、式典に出席出来なくさせたことからも明らかですが、それにしても国家元首とは思えぬ姑息な遣り口です。

その試験区が、いつしか「習の試験区」に衣替えしていたと日経記事は断言していますが、その理由が全人代の際に上海代表団に対し、「大胆に突き進め」と檄を飛ばしたからだそうで、「檄を飛ばした」が「いつしか」巨大試験区が掌中に収まると考えているのであれば、お目出度いとしか言い様がありません。

新聞記者の端くれなら、死んでも「いつしか」なんて書けません、そこを取材するのが記者の腕の見せ所で、換言すれば故意に虚偽情報を流している、誰のためかは存じ上げませんが。

上海試験区は団派が上海閥の根城に打ち込んだ楔、団派を含めた胡錦濤「長老」陣営が簡単に手放す訳が無く、この試験区構想が成功すれば「長老」陣営の勢力伸長と上海閥の衰退に繋がりますから、国家主席は経歴から言っても上海閥をテコ入れする必要があります、しないと他の政治勢力が習主席の政治力に見切りを付けますから。

国家主席の真意は次の何れか、まず「盟友」だった筈のオバマ米国大統領との間に隙間風が吹き始めたのを受け、反オバマ陣営、具体的には国内では長老陣営、海外ではプーチン露大統領への接近を余儀なくされた結果、試験区推進(=上海閥切り捨て)に至ったか、全人代での発言が心にもないものであるか、激怒してダライ・ラマと会談したオバマ大統領の様子を見る限り、前者が妥当と思われます。

それから「李(総理)が裁量で決められる分野は民生・福祉に限られているとの見方もある」、その人物が全人代閉幕後に「企業のデフォルト(=倒産)容認」と言う、国家経済を揺るがしかねない発言をするのでしょうか。

そもそも試験区だって「団派の若頭」李総理は関与していても習主席は消極的、試験区設置と言う一大重要案件を推進する人物の裁量の範囲が「民正と福祉」なのですか、仮に実権を奪取したと言うのなら、そこを解明するのが記者冥利に尽きると言うものです。

記事ではむしろ別の個所に貴重な情報があり、遼寧省大連では今でも(日系)企業に対し、税収不足が見込まれると難癖を付けて罰金を徴収していくそうな。

党支部は地方政府が目標とする税収を徴収出来ないと分かると、臨時税をその場で設定するか、罰金と称して金銭を徴収しますが、これば別に日系企業に限った話ではなく、また国民が対象になることの方が多く、そして上意下達でノルマが課されていますので、地方政府の下部組織が独自の判断で「税金」を設定し徴収します。

おそらく「遼寧・大連閥」はまだ健在で、その領袖はおそらく李長春「長老」(前政治局常務委員)、温家宝「長老」とは不倶戴天の敵で当然ながら反胡錦濤派、「一極体制」を確立した習近平主席が黙認しているのは、手を出すと李「長老」の怒りを買うからと、「反日」の嫌がらせは団派への牽制です。

でも非力な最高権力者の思惑とは逆に事態は粛々と進んでいて、元本の返済と利払いが滞っている理財商品の主な受け皿となっている、山西省の石炭企業最高幹部が公安当局に拘束されています。

この石炭会社は民間企業なのですが、山西省政府が同社と「戦略的事業再建案」で合意し再建を支援してきたのですから、要は現地生え抜き党要人が実質的に「私物化」する企業です。

党中央紀律検査委員会は王岐山政治局常務委員が、政府の汚職追及機関は李克強総理が掌握しています。

習近平国家主席の出る幕はありません。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-03-18 07:46

中国の「利用価値」

本題に先立って、日米韓三ヶ国首脳会談がオランダにて(3月24日から2日間の日程で「核安全保障サミット」なる珍妙な会議が開催され、それに各国首脳が出席します)実現する見通しにあるとのことですが、そんなことより日韓次官級会談の方が重要度と言う点では段違いです。

次官級会談の議題は、断じて朴槿恵大統領が折に触れて訴える「正しい歴史認識」云々ではなく、日本が北朝鮮と交渉するにあたって「筋を通す」ことにあり、その代りに朴政権が今後断行するであろう「財閥の民主化=同族経営の排除」と「公社(公企業)の解体」に日本が手を貸すことになります。

安倍内閣も4月以降、支持率低下に悩まされるかも知れず、実はその傾向が既に出始めていますが、案ずるには及びません。

増税して内閣支持率が維持出来ると考える方がおかしい訳で、しかも住宅を筆頭に駆け込み需要の反動が必ず出現しますから景気も後退局面入り、これで安倍内閣に対する国民が不満が高まなければ、奇跡以外の何物でもありません。

ですがそれも半年の辛抱、秋にはプーチン閣下が極東の島国に足を運んでくれますし、それが済めば「安倍電撃訪朝」乃至「ロシア極東部での日朝首脳会談実現」です。

プーチン露大統領来日の表向きの成果は「領土問題の存在の再確認」それに「北方領土返還交渉(のための予備交渉)の開始」、真意は「シベリア特区構想」でその通路にあたる北朝鮮は特区構想の一環でもあります。

そのロシアが仲介する形で日朝交渉開始、先に譲歩するのは北朝鮮の方、やはり拉致は犯罪ですから、そして同時並行的に国交樹立交渉が始まります。

日本は拉致問題の全面解決を求め、北朝鮮は国家賠償を求めますから交渉難航しますが、話し合いは長引いた方が良いのです、2016年の衆参同日選挙の直前に全面解決すれば良いのですから。

ですから北朝鮮は拉致問題でも「小出し」してくる、と同時に「(当時の)最高権力者の意向を蔑ろにして、独自の判断で拉致を実行した人間集団の粛清」も欠かすことが出来ません。

それを以って日本への謝罪とすると同時に、独裁的権力を確立する、これが金正恩第一書記の算段だと思われます、ですから粛清はまだ終息しません。


ヒトラーやスターリンと言った「まともな」政治家は、二正面作戦(多正面作戦)を極端に恐れますが、それを全く意に介さない国が存在します。

日本と米国です。

「海の覇者」英国も世界戦略を展開していますし、その手腕は老獪と言って良く、また島国と言うこともあって二正面作戦を危惧する必要はありませんが、制海権が維持出来なくては日干しになる懸念があります、先の大戦のUボートみたいに。

その英国の二の舞になりかけたのが戦争最末期の大日本帝国、制海権も制空権も奪われたところで白旗を上げたので助かりました。

でも本質的に二正面作戦を怖がっていないからこそ、大英帝国にも米国からも了解を得ずに中国へと兵を進めて行った訳で、仮に日本にヒトラーかスターリンがいれば、必ず米英いずれかの承諾を得たうえで進軍しています。

そもそも米英まとめて敵に回す覚悟があったから、軍縮会議で米英相手にあれだけごねた訳で、少なくとも大英帝国は多少の違約を大目に見るつもりはあった、「裏」日英同盟を欲していた筈ですが、そう言うことが嫌いな日本人にはその種の発想が浮かびませんでした。

そんならと米国が蒋介石を擁して第二戦線を構築、太平洋戦争は第一戦線(主戦場)たる日米間で開戦の火蓋が切って落とされる前に、第二戦線が火を噴いた珍しい戦争でした。

実は米国、日本に対して再度二正面作戦を強いています、バブルで沸き立っていた日本に対し。

東京との地価と全米のそれが等しくなると言う異常事態に米国側が戦慄を覚えても無理はなく、日本人も醜いまでに傲慢でした。

ならばとバブル崩壊後の日本を横目に、中国に対する(設備)投資を開始、経済面で廉価な労働力を売り物にする第二戦線を作り上げました。


もうお分かり頂けたかと思料致しますが、日本を敵と見做したときのみ、中国は第二戦線としての価値が生じる訳で、つまり米国にとって日本が如何なる存在かで中国の立場も決まってくる、近代は日中の上下関係を覆してしまったのです。

では、米国が日本と友好的である方が国益に叶うと判断したら、贅言を要しませんが第二戦線としての中国は不要です。

そして今、中国は第二戦線を解体し自ら日本に接近する岐路に立たされています。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-03-17 21:31

○○は死ななきゃ治らない ~某経済全国紙への鎮魂歌~

明日(3月17日)から人民元の対ドル変動幅が1%から2%に拡大されますが、これにより遠からず人民元は大幅下落することになります。

端的に言って、外資に対しては早期の資金逃避を促すと共に、国内の政治ボスと結託して不動産価格を吊り上げていた東南アジア系華僑に対しては、不動産バブルの破裂と為替差損の「負の連鎖」でその資金力を弱めることが今回の政策決定の真意、決して通貨安による輸出促進が狙いではありません。

その東南アジア系華僑の雄と言えば、やはりシンガポールを牛耳る李一族、SWF(政府系投資ファンド)に分類されるテマセクも、実態は一族の資産運用装置、おそらく国土も「私領」の感覚で統治しているのだと思われます。

そのテマセクがオラムなる農産物商社に対するTOB(株式公開買い付け)を発表、昨年末から支援していた模様ですが、おそらく公的(?)資金を注入しなければオラム救済は不可能と言うところまで追い込まれたのでしょう、ですがテマセクも中国の不動産バブルに加担していない筈が無く、これから含み損と不良債権が雪だるま式に膨れ上がることが予想されます。


オバマ米国大統領の妻ミシェル夫人が3月20日から26日までの日程で訪中し、その間に「一極体制」を構築した筈の習近平国家主席夫人の彭麗媛人民解放軍陸軍少将との会談が予定されていますが、その中国側の亭主、3月22日から4月1日まで外遊、オバマ大統領も3月24日から2日間の日程で開催される「株安全保障サミット」に出席、現地で米中首脳会談が設定されているそうです。

ほぼ間違いないと思われますが、ミシェル夫人は3月20日か遅くとも21日に彭麗媛夫人と面会し、「亭主の不始末」を詫びたうえでそれなりの「誠意」を見せる、それを受けて少将は22日の出発前に亭主を説得、嫁に頭が上がらない習近平国家主席は折れざるを得ず、オランダでオバマ大統領の要請を受け入れる形でAPEC開催を10月に変更します。

各国への根回しをやり直さなければなりませんので、すぐには日程が公表されませんが、いずれ軽侮の念がこもった内外の視線を浴びながら、議長国として10月開催を発表することになります、もっとも、どちらの亭主も嫁さんに愛想を尽かされているでしょうけれど。

かくして米中関係は「嫁さん外交」で辛うじて繋がる異常事態に、どっちもどっちです。


日経新聞の中沢某氏が嬉々として記していますが、習国家主席がまたしても「小組」を立ち上げたとの由、今度は「(党)中央軍事委国防・軍隊改革深化指導小組」だそうで、これでまた「習総書記が軍を掌握した」とでも論評するのでしょうが、こんな「令外官」みたいな組織を新設するのは、党内の既存部署に権力基盤がないからです。

ですから「習一極体制」は断じて有り得ないですし、この試みは間違いなく失敗します、毛沢東と比較すれば一目瞭然です。


毛沢東が文革小組を設立して奪権闘争に乗り出した際、既に毛沢東派の横の繋がりが出来たうえで小組を立ち上げたのであって、その逆ではありません。

ですが水面下で中国の端から端まで横の繋がりを構築できたのか、ここで「周恩来」と言う補助線を引けば疑問は氷解します。

旧胥吏層の利益代弁者であり、国務院のノン・キャリアを握っていた(分かりやすく言えば国務院ノン・キャリアは旧胥吏層で構成されていた)周恩来総理が文革に一枚噛んでいたとする中嶋嶺男氏の仮説が正しければ、「食い詰め者」を率いる毛沢東よりも、軍を代表するも全ての各地軍閥を掌握していた訳では無い林彪よりも、「段取り」が出来るのは周恩来においてありません。

だから今回の習主席の一連の企みは絶対に挫折します、周恩来に相当する人物が存在しませんから。

加えて順序が逆です、「秘密裏に横の繋がりを作る→組織を表舞台に持ち上げる」、だから表面化した時点で劉少奇や鄧小平は後れを取ったのです。

でも「中身のない組織を新設してから、志(利害)を同じくする者の結集を目指す」のでは、誰だって読めますから阻止出来ます。


申し訳ないですけれど、小誌に見破られる様な企みは稚拙の域を出ません。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-03-17 00:16

嗚呼、日本経済新聞中国総局

本題に入る前に、先日実施された北朝鮮の最高人民会議代議員選挙に、金正恩第一書記の父方の叔母で、粛清された張成沢氏の妻だった金慶喜女史が立候補しなかった(=選出されなかった)と一斉に報じられている件ですが、「犬より劣る」男を亭主に持っていた女性が最高人民会議の代議員に選ばれる訳がありません。

普通の感覚で言えば「蟄居」、「幽閉」、そして「賜死」でしょう。


嫁さんに頭が上がらないのは特段珍しいことではありませんが、それが内政や外交にまで影響を及ぼすのは考え物です。

オバマ米国大統領のミシェル夫人が今月20日~26日の日程で訪中、本日(3月14日)中国外務省から発表があったそうで、対するは久々の登場、習近平国家主席夫人の彭麗媛人民解放軍陸軍少将です。

3月下旬に米中首脳会談が開催されると言うのに、なぜこの時期に米中首脳「夫人」会談の席を設けなければならないのか、かかあ天下に怯える亭主同志ですが、関係がこじれているのは明らか、原因はAPECの日程変更をオバマ大統領が習国家主席に無理強いしたからですが、「混血亭主」オバマ氏は「純潔黒人」ミシェル夫人からすれば軽蔑の対象でしかなく、しかも夫人の目から見ても関係悪化の非はオバマ大統領側にありますから、今回の訪中と相成りました。

西安や成都を訪問するのも、地方回りをすることで謝罪を意を表明するため、一週間も滞在すること自体、お詫びを含んでいます。

つまり、非は認めるからAPECの日程の件では中国側が譲ってくれと言うのが、大統領夫人が国家主席夫人少将に伝えたいこと、疎遠になれば互いに不利益を蒙るとの考えに基づいています。

彭麗媛夫人もそこの所は分かっていて、非力な亭主を説得する目算はついているのだかと思われ、だとすれば北京APECは10月開催、党大会は11月に先送りする羽目になり、内外両方で面子が潰れることになります、国家主席殿の。

でも、そんなこと、彭夫人からすればどうでも良い話、「本籍人民解放軍」の夫人からすれば、今の亭主は見下すしかない存在です。

それにしても超大国の国家元首夫人が体制の異なる国に単身で長期滞在するのは異例にして醜悪、双方の亭主ともそう考える発想すらないのですから凡庸では済まされません。


日経新聞の中沢某なる中国総局長は、己の出世のためか経済的欲望のためか、はたまた中国の一部勢力に何らかの弱みを握られているのか、日経本社も少しは内容の妥当性を検証してから記事にするか決めて欲しいものです。

毛沢東の強権体制にも重なる「習一極体制」が姿を表しつつある、との由。(この場合の「表す」は「現す」が正しいのは指摘するまでもないが、時代の先端を行く日経の方が正しいのでしょう)

中沢某はその理由として、全人代初日の基調演説で、李克強国務院総理が国家主席の名前を5回も口にしたことを挙げたうえで、ご丁寧にも従来は総書記の名前を触れるのは1度だけと書き添えている。

ではお訊ねするが、林彪なんて一度の演説で毛沢東の名前を何十回と唱えているが、あれは何なのか、全人代基調演説で総理が総書記の名前を一度しか言及しないと言う不文律は本当に存在するのか、何時から定着した慣行なのか、過去の基調演説でその習慣は必ず守られているのか。

「習は演説を終えた李と握手もしない」、理由を全て教えて差し上げましょう、李総理が繰り返し習国家主席の名前を口にしたのは、これからの改革によって生じる負け犬達の恨みつらみを全部転嫁する考えだから、それが分かっていて手を打てないから、握手もしないと言う子供じみた抵抗しか出来ないのです。

「偉大な総書記、敬愛する習主席、中華民族はあなたにより必ず復興する」」と言う歌がインターネット上で聞けるそうですが、その習主席(に違い人物)が握っている数少ない分野が宣伝部門、なりふり構っていられないのですから、ですが中華民族以外は復興出来ないんですね、総書記兼国家主席殿。

最高指導部(現在7名とありますから政治局常務委員のことを指すと思われます)は各担当分野で大きな権限を持ち、互いに口を出さないと、ここだけは認識が正しいのですが、「習はその伝統を覆した」とのこと、そう言い切るだけの根拠は何処にあるのですか、現実と論説が乖離していませんか。

それなら李総理(政治局常務委員)の企業デフォルト容認発言も、王岐山党中央紀律検査委員会書記(同左)による汚職追及も、最近の不動産バブル崩壊も、全部国家主席殿の仕業なのですか。

それだけの力量があるのなら、妙な委員会や小組(グループ)を次々と作る必要はありません、「一極体制」なのでしょう、何で新たな組織を作って己の手で「二極体制」にしなければならないのですか。

最高人民法院(最高裁)と最高人民検察院(最高検)の活動報告に批判票が集まっている(全体の16%乃至17%)理由は理解出来ますか、摘発予備軍の心の叫びです、この辺りで手を緩めてくれと言う、そしてそんな連中に支えられているのが他ならぬ国家主席殿です、そもそも習主席への「権力集中」現象が起こっているのなら、反対票を投じるのは相当な度胸と覚悟が必要ではありませんか。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-03-15 01:07

誤算

思惑通りに行かないのが世の常とは言え、日米英は誤解に基づいて対中戦略を立てていましたので、そこに誤算が生じても致し方ありません。

それでもまだ真っ当だったのは意外にも日本で、貧乏なのに腕っぷしが強いのですから出来ることは唯一つ、「侵略」これあるのみ、しかも満州事変勃発(1931年)から日支事変(日華事変、日中戦争とも)が一段落するまで(1938年とします、その後も延々と戦っているのも事実)に中国中枢部を押さえましたが、惜しいことに四川盆地まで進撃し占領するだけの能力が無く、それが結局は命取りになりました。

やはり日本の行為は国際法の観点から言っても正当化されるものではなく、正統性を論じればやはり蒋介石政権に軍配が上がり、たとえ国土の一角を維持しているだけでも存在価値はあるのです。

だから重慶と成都まで打通すれば蒋介石政権は根拠地なき流浪政権になり、これでは流石の米英も援助の仕様がなく、蒋介石の勢力は自然消滅していたと思われます。

余談ながら、大(貧乏)日本帝国陸軍が西安(昔の長安)まで足を延ばさなかったのは、兵站が延び切るだけで何の得にもならなかったから、間違っても延安に逼塞する中国共産党の紅軍を惧れらからではなく、西安の手前に交通の要衝があったから、そこまで制圧していた訳です。

西安を抱く盆地は多数の人口を養えるだけの広さと地味を持ち合わせていませんが、それでも弱小軍閥なら存在し得たでしょうし、何なら共産党が進軍して解放するのが筋と言うものではないか、それすら出来ないのですから、当時の中国共産党は周辺地域の軍閥のおこぼれに与っていたのが実情だと思われます。

仮に日本が中国中枢部を完全制覇していたら、スターリンは中国共産党幹部のモスクワ移転と紅軍の武装解除またはソ連領への転進程度の要求なら呑んでいたかも知れません、当時のスターリンはヒトラーの一挙手一投足に神経を尖らせて、とてもではないが両面作戦を遂行出来る状態にありませんでしたから。


大英帝国時代の外交に舌を巻かざるを得ないのは、考えてみれば日清戦争も日露戦争も、本来ならば大英帝国がすべき戦いで、そりゃあ気前よく対日借款に応じる筈です、債務不履行の場合も想定して。

その精緻な外交術に綻びが見え始めるのは日英同盟を破棄してから、第一次世界大戦後に唯一にして最大の債権国となった米国の意向を無視出来なくなった側面もありますし、日清、日露、それに第一次世界大戦で勝ち過ぎた日本はまさに「誤算」でしたが、袖にされた日本からすれば仕組んだ米国よりも大英帝国の方が憎い、日本側が昨日までの同盟国を今日から敵性国家と見做すのかと訴えれば、心中察してくれと言うのが大英帝国側の言い分、結局、この頃から外交上手になった米国に踊らされたと言うことでしょうか。

米国が蒋介石を表に出して「中国制覇」を目論みましたが、中国共産党を通じて裏社会勢力と弱小諸軍閥を糾合した英国の奇策に敗れ、撤退を余儀なくされましたが、その頃にはソ連の伸長が著しく、ベルリンを巡って睨み合いを続ける一方、米国を中心とする西側諸国の戦力を削いで消耗戦に持ち込むために始めたのが朝鮮戦争、ですから南北朝鮮の建国は戦争直前、つまり南北は消耗戦をするために建国された国家であり、それ以外に建国の必要性を米ソともに認める意志が毛頭なかったのは、それまで朝鮮半島に大韓民国も朝鮮民主主義人民共和国も存在していない事実からも明らかです。

そんでもって得したのは敗戦国の日本、大損は戦争と粛清に明け暮れる中国でしょうか。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-03-13 09:18

日韓朝中総捲り

安倍総理が内閣改造を9月から8月に繰り上げることを模索しているとの報道がありますが、これは「今秋」来日予定のプーチン露大統領の都合次第、大統領が多忙を極めているのは御存じの通りですが、それでも万難を排して来日するでしょう。

とすると改造内閣は完全に「露(プーチン)、北朝鮮(金正恩第一書記)」シフトになる筈、今でも日朝赤十字会談と称して両国外務省の課長級が協議を重ねていますが、その席で日本側が「日本人拉致問題の再調査」を依頼、地ならしは粛々と進みつつあります。


韓国では6月4日の統一地方選挙に向けて既に与野党が臨戦態勢、形勢不利とみた野党側は第一党が第二党が合併して新党結成、与党に対抗しようとしていますが、現職(野党候補)の与党対抗馬が、現代財閥の創業者の息子にして現代製鉄を統べる鄭夢準候補、日経は「鄭氏と朴大統領の関係は微妙」と記していますが、水と油の関係ですから当たり前の話です。

それでも朴槿恵大統領が鄭夢準候補を推す理由は何か、離間策だと思われます。

現代財閥は創業者の鄭周永氏死去の後、跡目相続争いの後、結局は「現代デパート系」、「現代自動車系」、「現代製鉄系」、そして「本家(?)現代(現代峨山、現代商船)」の四集団に分裂します。

近親憎悪の典型例とも言えますが、それでも「血は水よりも濃い」らしく、現代製鉄が自動車用鋼板量産化に成功したのを機に、現代自動車は発注先を従来のPOSCOから現代製鉄に変更、割を食ったPOSCOは東南アジア向け赤字輸出を余儀なくされています。

そして大統領の標的はおそらく現代自動車財閥の鄭夢九氏、2006年に不正資金容疑で逮捕されながら、財閥の代弁者李明博前大統領が2008年に恩赦で釈放、間違いなく地団太を踏んだ検察は、朴大統領の大事な権力基盤の一つです。

その韓国で大統領の医療政策を不服とする大韓医師教会が「集団休診」と称するストライキを敢行するも、厳罰主義で臨む大統領に屈したのか、参加率は三割を割り込み失敗。

でも整形医が医者の中で最も人気がある国って、何か歪んでいると思います、自殺者も過去20年で3倍に膨れ上がっているそうですし。


中国の最高検(最高人民検察院)が全人代にて2013年の「成果」報告、それによると立件した公務員(≒党員)は過去最高の5万人強、そのうえで今後の重点分野として「鉄道、電力、石油、通信」を名指ししてます。

実はこれに金融を加えた5業種が「閉鎖的で非効率」として、今後積極的に民間参入を実施すべき部門(旗振り役は勿論、李克強国務院総理)に挙げられていまして、既に企業のデフォルトを事実上認めた金融業は白旗を掲げている、と言いますか地方政府に隠れて姿を見せない現地党支部(及び)生え抜き幹部を資金面で締め上げる先導役を務めているのが金融分野です。

結局、先の全人代で習近平国家主席は何一つ思い通りに決められませんでした。

不動産バブルの破裂が表面化していますが、この人物からは全く具体策の言及はなし、そもそも問題解決能力の有無が問われる人材ですので仕方ないですが、飾り物の国家主席(兼党総書記)では居心地が悪いと思われます。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-03-12 23:59

「現代」中国史

李克強国務院総理の財政、金融両面からの金融政策が如何に厳しいものかは、先日の中国系太陽光パネル企業の事実上の倒産(社会償還不履行)からも明らかですが、「影の政府」に対する規制強化、新規設備の建設承認先延ばし(事実上の中断)、そして総量規制に伴う流動性低下がもたらした不動産バブルの破裂と多岐に亘っています。

その中国で開催中の全人代、「一応」習近平派とみられる張徳江全人代常務委員長の晴れ舞台ですが、習国家主席の「鶴?の一声」で晩餐の鮑は自粛となったそうですが、3,000名近くの委員に毎年、鮑をご馳走していたのかと思うと、それって反共産主義的思考の極致だとしか考えられないのですが(そんなブルジョアな食材、公費で食べるものではないでしょう)、小誌が間違っているのやら、中国人が道を誤ったのやら。

その全人代も本日(3月9日)で閉幕、日ならずして火を噴くのが周永康「長老」の汚職疑惑、胡錦濤陣営は汚職摘発(王岐山党中央紀律検査委員会書記)と金融引き締め(李総理大臣)の両面から、中国全土に巣食う「寄生虫支配層」を炙り出して締め上げる魂胆と思われ、日経によると早速、雲南省副省長が「重大な規律違反」の疑いで取り調べを受けています。

雲南省昆明では先日、無差別テロが起こったばかり、実はこの副省長には「違法行為」の疑いもかけられていますから、雲南省(又は昆明市)政府及び現地党支部の「自作自演」の可能性も一概には否定出来ないと思われます。

あの事件で不可思議だったのは、実行犯が捕まってもいない段階で雲南省当局が「新疆分離派の仕業」と断定していた点で、裏があると今でも思っています。

2月の輸出額は前年同月比18%減(ドル建て)、生産者物価は24か月連続で下落し、消費者物価も13か月ぶりの低水準に落ち込んでいますから、李総理の「バブル潰し」は本腰が入っていると言えます。


一説にヒトラーに傾倒していると言われる北朝鮮の金正恩第一書記の体制になって初の最高人民会議代議員選出の選挙が実施されたそうですが、やはり「若手の登用」、「今まで選出されたなかった成分(身分階級)からの抜擢」があった模様で、再選率は30%にも満たなかったそうです。

中国でも北朝鮮でも、党員証の更新や代議員選出も一種の政敵蹴落としの手段で、権力基盤を強化するために実施されることが多く、今回の北朝鮮でも登用或いは抜擢された人物や人間集団は、第一書記に忠誠を誓うと考えて間違いないでしょう。

とすると「反日」を言いだす野暮は北朝鮮には最早存在しないのであって、こうして「安倍電撃訪朝」の地ならし作業は進んでいくとみられます。


以前にもご紹介した推計ですが、1820年時点の中国(清朝)のGDP(国内総生産)は、世界全体の3分の1を占めていたそうです。

1820年と言えば、そろそろ阿片が問題として浮上してくる時期で、清朝の栄華もその最盛期から翳りつつありましたが、それでも圧倒的な経済力を誇っていたことが分かりますし、銀の流出が痛手とは言え、阿片戦争以降の諸々の損失と比較すると、この段階の経済的損害は微々たるものです。(列強は最終的に阿片の自由取引まで認めさせたのですから、厚顔も此処までくれば大したものです)

ですから1840年の阿片戦争の原因は、経済問題でもなければ社会規律の紊乱を怖れてのものでもなく、要は帝国に害をなす英国なる不埒な国を遠ざけたかっただけではないかと推測する次第ですが相手が悪かった、最初の「近代列強」にして「海の覇者」大英帝国ですから。

時代は下り、中国で文化大革命が終結した頃、日本なる国が世界のGDPの10%を占める「経済大国」になっていました。

これも以前の個人的試算ですが、その時点の中国のGDPは日本の10分の1(人口は中国が10倍ですから一人当たりでは100分の1、当たらずしも遠からずでしょう)、1820年から1980年頃の間に全体のGDPがどの程度膨張したのか存じ上げませんが、仮に30倍としても絶対額で1820年時点に及ばない、人口は4億から10億以上に増加したにもかかわらず。

では、共産主義中国が成立した1949年段階の同国のGDPはどの程度の規模か、まだ「大躍進政策」も「文化大革命」も知らない時代ですから、「まだ下には下がある」運命を嘗めていないある意味幸せな時代でしたが、それでも日支事変(日華事変、日中戦争とも)と戦後の「国共内戦」で疲弊していたのは確かでしょう。

何を言いたいのか、日米英はいずれも勘違いしていたのではないかと、まだ中国を食いもにする値打ちがあるのだと。(貧乏な日本からすれば多少は妥当性のある見解ですが)

「辛亥革命以降、損益分岐点は上昇の一途をたどり、対費用効果は悪化し続けていたことに、日米英は気付かなかった」、これが小誌の仮説です。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-03-10 08:28

鼻薬?

最近の日経の記事を読んでいると、反対勢力から「特殊な接待」を受けているのではないかと疑いたくなるほど内容が変更しています。

少し前に取り上げた、習近平国家主席が全権を掌握したかの様な主旨の記事は後追いも無ければ裏付けも無し、むしろ「盟友」オバマ大統領がダライ・ラマと面会(その後、連邦上院で祈りを奉げることを許す厚遇ぶり)することで面子丸潰れ、己が米国大統領にとって「金の生る木」か「便利な存在」に過ぎないことが白日の下に晒されています。

逆に「団派の若頭」李克強国務院総理に対しては総じて辛口で、特に経済政策については景気減速の責任は全て総理にある様な書きぶりです。

遅くとも昨年12月には、中国の経済政策は引き締め方向に転換していまして、鉄鉱石の輸入量がこの月から前年同月実績を割り込んでいます。

前後して上海株式市場がIPO(新規銘柄上場)を再度凍結、値崩れを避けるために「上海閥」が執った防衛策です。

李総理とその周辺は本気で、水膨れした中国経済の絞り込みと企業選別に着手していまして、それらを大別しますと、

大規模な「売り切りオペ(公開市場操作)」の頻繁な実施
「ドル買い人民元売り」介入実施
「貸出残高の総量規制」

の三種類の分かれます。

この内、「売り切りオペ」は流動性吸収、「人民元売り介入」は流動性向上と矛盾した政策の様に見えますが、後者は資産バブル(=不動産価格高騰)の元凶たる東南アジア系華僑に為替差損と言う損害を与えるための政治的意図があります。

流動性低下が効き始めていることは、旧正月明けも石炭在庫が積み上がったまま一向に減らないことや、鋼材在庫が一月で20%も増加している事実から明らか、景気は減速しているのではなく、故意に減速させているのです。

太陽光パネル大手企業のデフォルトが噂されているのも、資金調達に窮したからで、これから国有企業は「公的資金注入と引き換えに、裏で企業を操る党員の一掃」、民間企業は文字通り選別されると思われます。


一方で李総理が特に力を入れているのが上海自由貿易試験区、関連記事が毎日の様に掲載されている現実からは、上海閥の牙城に打ち込んだ楔が順調に立ち上がっている様子が伺えます。

そもそも李克強総理を擁する団派と、習近平国家主席を推す太子党(や上海閥に代表される地域閥)とは肌合いが相当異なり、その違和感は結党当時にまで遡ると考えられ、端的に言えば「毛沢東対陳独秀」、どちらも譲れない思想的背景があります。

ところで、「団派」や「太子党」と言った用語を何気なく使っていますが、果たして正しい定義を理解したうえで用いているのでしょうか。

日本人はとかく、固い話は抜きにしてと言う傾向がありますが、これだけは素通りできないのです、上海閥にしても。

実はこれが「英国が奇跡の大逆転で米国を中国から追い出した瞬間」に繋がっていきます。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-03-07 22:47

積年の恨み

周永康「長老」(前政治局常務委員)の逮捕が秒読み段階に入っている模様で、日経は同氏の息子が拘束されたとの憶測記事を流していますし、政治協商会議(3月3日開催、全人代は3月5日)の報道官に至っては、「党規や法規を犯せば、地位の高さに関係なく、あらゆる容疑者は厳しい調査を受けなければならない」と断言しています。

この発言に従えば、江沢民「大長老」も習近平国家主席も、法律に抵触すれば捜査の対象になります。

薄熙来元政治局員が逮捕され有罪判決を受けるまで、中国では「罪は政治局員(経験者)に上らず」、つまり政治局員とその上の政治局常務委員については、そこに至るまでの罪も、在任中の悪行も、勇退後も規律違反についても一切問われないと言う不文律が存在しました。

おそらく文化大革命の反省から、これ以上の政争を繰り広げても体力を消耗するだけと言う認識で一致した両派が、余計な政争を避けるために手打ちした内容が、「政治局常務委員の管掌部門には、別の常務委員が口を出さない」と、この「罪は政治局員に上らず」だったと思われますが、どちらかと言えば「劉少奇・鄧小平」路線に属する人脈にとっては不利な中身と言えます。

ですから薄熙来氏の失脚は、現職政治局員の逮捕と言う点で、その手打ちが反故になったことを意味すると共に、団派を中核とする胡錦濤「長老」陣営が、かつての不本意な約束を覆しても、袋叩きに遭う惧れが無いまでに実力を蓄えるに至ったと言えます。

とすると、「長老」で言えば江沢民、呉邦国、李長春の各氏は首を洗って待っていた方が賢明ですし、現指導部の内でも、習近平と劉雲山の両氏は管掌分野を取り上げられて「死に体」で2017年秋に常務委員を勇退することになります。

付言しますと、張徳江、張高麗両氏は、大人しくしておれば2017年に定年で「長老」入りです。


それにしても長い権力闘争でした。

汚職摘発と人民元急落(当局のドル買い人民元売り介入)、それに不動産バブル破裂と中国経済急減速、そしてひょっとして例の架空通貨破綻は、一本の線で繋がっていると思われます。

まず国務院(中央銀行)から地方政府に対する貸し付けを大幅減額する代わりに、資金調達の自由裁量権を地方政府に与えます。

地方政府を実質的に支配する現地党支部(生え抜き)幹部からすれば、中央の紐付き融資より自己裁量で資金を掻き集めて運用することの方が遥かに旨みがありますから、東南アジア系華僑も誘って手を出したのが「地方政府事業体(日本語で言えば「公社」に近い)」の設立、傘下国営企業の「影の銀行」、同じく国有銀行による「理財商品」の発売、そして何よりも不動産の乱開発でした。

そうしておいて2013年を通じて金融政策を引き締め方向に転換、具体的には国債売り切りオペ(公開市場操作)を当局が実施、金融市場からの資金調達が不可能な状態にしたうえで人民元を対ドルで下落させました。

金融市場を麻痺させることで地方政府(と党支部幹部)は、華僑や一般国民からの借り入れに益々傾いていきましたが、土地神話崩壊で返済が滞りつつあり、加えて華僑は不動産の評価損に為替差損を抱えることになりました。

こうなると「理財商品」や「影の銀行」を使った資金繰りに頼らざるを得ませんが、それも時間の問題となりつつあります。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-03-04 23:23

複合汚職

「複合汚染」なる言葉がかつて一世を風靡した記憶がありますが、中国の汚職構造はもつれて絡まった糸よりも解すのが難しいと思われるのですが、その「ゴルディウスの結び目」をいとも容易く、しかも同時並行で解決していくのですから、王岐山党中央紀律検査委員会書記(政治局常務委員)の手腕たるや、想像の域を超えたものがあります。

日経によると、周永康「前」政治局常務委員は、その権力の源泉であった「石油利権」、「公安人脈」、「四川省人脈」の各方面から追及されているそうですが、党指導部各員に対する監視や盗聴行為も頻繁に行っていたと言うから、証拠が挙がれば言い逃れは出来ませんし、その諜報活動の報告を受けていた人物も咎を免れることは出来ないと思うのでしょうが、如何でしょうか、江沢民「長老」。

その江沢民「長老」に歴史的業績たる三峡ダムに絡む汚職も表面化、やはり火付け役は党中央紀律検査委員会で、同委員会が先週発表した報告書によると、中国長江三峡集団公司を舞台に特別税を横流しすると言う不法行為が罷り通っていたそうです。

やはり狙いは「上海の大物長老」とみてよさそうです。


お隣韓国では、同国第三位の財閥SKグループ会長の横領罪を最高裁も認めて有罪判決を申し渡し、これで懲役4年の実刑判決が確定しましたが、この一件からも朴槿恵大統領の財閥創業者一族集団に対する並々ならぬ憎悪がうかがえますし、国内で三番目の規模を誇る財閥を統べる人物が収監されても大事件として扱われない点に、この国の異常さが浮き彫りになっています。


日米英による中国争奪戦で、中国を単独で併呑出来る可能性を示したのは、「最も遅れた列強」大日本帝国でした。

世界地図を見れば一目瞭然なのですが、満州事変に始まって日支事変(日華事変、日中戦争とも)が一段落した時点で、日本が占領していない「緑の部分」つまり平野は、重慶と成都を抱く四川盆地だけ、仮にここまで日本が手中に収めていたとすれば、蒋介石国民党政権はその軍事力を維持することが出来ずに解体していたでしょう。

裏を返せば、蒋介石政権は重慶で自滅すると読んだ陸軍が馬鹿であって、米英の支援の足掛かりをなくすためにも、四川盆地奪取のための陸空合同作戦を敢行すべきでした。

制空権を完全に掌握していたから、5年近くに亘る重慶爆撃作戦が可能だった訳で、四川盆地を攻め落とせば、中国には満州帝国と汪兆銘国民党政権、それに親日傀儡政権しか残りませんから、その段階でスターリンは延安を見捨てるでしょうし(中国全土を軍事侵攻した日本と誰が事を構えましょうか)、しかも中小軍閥や国民党や共産党の残党の掃討、そして「旨みのある」中国中枢部の治安確保に要する兵力は、これまでよりも少なくて済みます。

とすると対ソ戦線に備えることも出来ますし、何より相当数の兵力を中国大陸から引き離すことも可能で、米国に対して「力の外交」を展開し得たかも知れません。

ですが現実には太平洋戦争で日本は敗北して脱落、ソ連は蒋介石に対して中国共産党への軍事支援をしないことを誓約、その蒋介石率いる国民党は、時には米国からの借款で米国製兵器を購入しながら、軍事顧問はドイツから招聘すると言う、首を傾げたくなることもしてくれましたが、終戦時点では間違いなく親米勢力、その表向きの目的は「中国全土の赤化防止」、真意は「英国系勢力の完全駆逐」にありました。

今度の英国は経済的にも米国と雲泥の差があり、軍事力でも米国の風下に甘んじるしかなかった筈なのですが、なまじ中央集権を目指した蒋介石の「覇権主義」に目を付け、「蒋介石に反感を持つ、全ての中小軍閥、反社会勢力等の、中国共産党への結集」と言う政治的奇跡を成し遂げ、ここに英国を後ろ盾とする共産主義中国が誕生しました。


ですがそこで英国は何を見たのでしょうか。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-03-01 16:40

中国を巡る日米英の「帳尻」 ~承前の承前~

「中央インターネット安全情報化指導グループ」(グループは多分「小組」)なる組織が中国共産党内で立ち上がったそうで、習近平、李克強、それに劉雲山氏の三名が政治局常務委員会から参加しています。

李国務院総理を必ず新設部署に加えているのは、仕事を増やしてその動きを封じ、あわよくば落ち度を見つけるため、劉雲山党中央精神文明建設指導委員会主任の役割もそこにあると言えますが、こんな小細工をしなければ李克強総理を牽制出来ないのですから、習近平国家主席も知恵の無い人物です。

一方、六歳も年下の習主席に仕える劉雲山政治局常務委員も腹に一物ある筈で、何の見返りも無しで忠誠に励んでいるとは考えられません。

中国経済の「槿花一日の栄」も終演に近づきつつありますから、その責任のなすり合いも見ものです。


第一次世界大戦終了時点で、中国に対する影響力が増したのは米国、逆に戦争で疲弊し存在感が薄れたのは大英帝国で、日英同盟が破棄される遠因も此処にあります。

陸奥宗光が存命ならば絶対に採用しなかった拙劣な外交を、第一次世界大戦中に展開したのが日本で、二十一カ条要求を袁世凱に突きつけたのは良いのですが、相手の心理を見極めてから策を講じるべきでした。

21世紀になった今も、ほぼ全ての有色人種は白人を怖れていると言っても過言ではありませんが、例外が一つだけありまして、それが他ならぬ日本です。

ですから帝政ロシアに殴りかかり、ドイツ相手に火事場泥棒を働き、米国を敵に回して総力戦を展開する、それも全て先に手を出しているのが日本なのですから、白人だからと言って恐れていない連中なのです。

日清戦争も含め、「負けたら即刻亡国」の恐怖で戦い続けたことになりますが、尚武の伝統に加え、本家の大英帝国も顔負けの「暴力容認型侵略主義」国家ですから、こっちが劣勢だからと言って、白人国家相手に先に手を出す根性があるのは、世界広しと雖も我が国しかありません。

一方、人間とは不思議な存在で、中華思想が現実と乖離すればするほど、人間は中華思想にすがる傾向があり、と言っても白人国家(西洋列強)相手に中華思想を前面に押し出す中国人もこれまた皆無、でも「お前だけには言われたくない」と言う存在があるのですね、東夷の倭国と言いますけれど。

内心、「西洋人には勝てない」と思っている(その素振りを見せない点だけはお見事ですが、これも情報公開の観点からすれば己に不利益です)中国人からすれば、せめて自分達より格下と思いたいのが「東夷、南蛮、西戎、北狄」、大日本帝国に敗れたことも認めざるを得ないし、日本も加わった列強の圧力に屈して苦汁を飲まされるのも我慢出来ますが、日本単独の恫喝に前面屈服するのだけは、「自我の崩壊」に繋がりますので絶対に受け入れられません。

二十一カ条要求は「反日」で中国の国論を一本化する効果があっただけでなく、「反日」を罪状にすることは不可能になりました。

陸奥宗光ならば、戦争終結を待って大英帝国と組んで要求を中国に呑ませていたでしょう、如何に疲弊していても大英帝国に喧嘩を売る国は存在しませんし、日英同盟は有効なのですから共同謀議を誰も咎めることが出来ず、しかも中国人の「対白人恐怖症」も使えますし、「反日」で国論を統一させると言う愚挙には至りませんでしたから。

暫く大英帝国は動けないでしょうが、その間は日本が英国の権益まで獲得、保護すれば良いのです、そして英国が体力を回復して戻ってきたら、確保していた英国の利権は何の留保条件も付けずに差し出す、そうすれば大英帝国の信頼を失うことは無かったと思われます。

しかし現実は、軍縮論争の過程で日本は師匠たる大英帝国まで敵性国家と見做す方針を採用します。

日本も裏切られた思いでしょうが、英国からすれば「何で分からないんだ」、漁夫の利を得る格好で米国が中国に浸透していきます。

(続く)
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# by 4kokintou | 2014-02-28 23:02