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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

平壌激震

ソウルを取り上げると言いながら愚図愚図していたら、平壌に激震が走りました。

朝鮮人民軍の領袖とも言って良い、李英浩氏が全ての役職から解任されました。

同氏は金日成軍事総合大学卒、「永遠の国家主席」様の名前が付いた大学に入ること自体、その人物の「成分」が高いこと、間違っても母親が「在日」でないことを物語っています。

1942年生まれですから今年70歳、先代の「永遠の総書記」金正日将軍様と同年代ですから、この人物は将軍様の「ご学友」そして「宿老」と言った立場にある人物で、換言すれば30歳にもならない三代目の大将様からすれば鬱陶しくて仕方がありません。

階級は次帥(上から4番目)、但し最上級と二番目は初代と二代目の追悼称号みたいなものなので、実質的には上位から二番目の階級でしたが、これも剥奪されました。

今回、解職された職責は、朝鮮人民軍総参謀長、朝鮮労働党政治局常務委員、同党中央軍事委員会副委員長、まさに根こそぎと言う印象を受けます。


初代の「永遠の国家主席」様は、後の「永遠の党書記」様を早くから後継者に指名し、然るべき人物達の忠誠心を確かめ側近を選抜する一方、その兄弟に肩入れする集団や二股膏薬的人物を粛清する時間的余裕がありました。

そして当たり前ですが、二代目の両親の「成分」を問う必要も無く、但し母方とは同じ乃至高い「成分」の階層集団も存在したと思われますので、その連中の一部は粛清の対象になりえたかも知れませんが、兎も角、二代目の取り巻き集団は北朝鮮版「保守本流」です。

従って先代の遺言とはいえ、母方の成分が極めて低い=「在日」の三代目の襲名を、その「保守本流既得権益集団」が冷ややかにみつめていたことは想像に難くありません。

つまり新旧勢力の権力闘争は不可避だった訳です。


先日も大将様の実妹とも妻とも憶測される人物の映像が朝鮮全土に流されていましたが、考えるまでもなく妹は「在日を母に持つ女性」で、妻であるのならば保守本流とは一線を画す集団の出身か、保守本流から寝返った連中です。

順当に考えるならば、この妻の実家が三代目の権力の源泉と言えます。


先代の急死で保守本流の真っ只中に放り込まれた大将様、まさに孤立無援で、相手は既得権益を握って放さない巨大強力勢力です。

今回の政変劇は、保守本流にとって痛手でしょうが、全面解体を余儀なくされた訳ではなく、今後も権力闘争は続くでしょうから、日本や中国、そして米国に構っている暇が無いと言いますか、事を構える余裕がありません。

この三ヶ国に対して殆ど敵対的言辞を履いていないのは、権力闘争に没頭する意味合いもありますが、刺激したくないのです。

しかしながら内紛ほど諸外国の容喙を招くものはなく、日本も好餌をぶら下げながら手を突っ込んでやれと言うのが小誌所見です。


権力闘争が不可避の北朝鮮と、国家経済の凋落を横目にみながら政争に明け暮れる南朝鮮(=韓国、これでも保守のつもりです)、どっちもどっちですが、北朝鮮が韓国よりも優っている数少ない点の一つに、「近代の扉に少し近いこと」が挙げられます。

韓国は朴大統領時代を別にして、それ以降は急速に「反日」に傾いてきましたが、韓国が曲がりなりにも近代化の体裁を整えることが出来たのは、日本による統治があったから、そしてアジアにとって日本はすなわち「近代及びそれ以降」ですから、反日を叫ぶ毎に真の近代は遠ざかります。

北朝鮮の場合は、連年の国難と中国(胡錦濤)の冷徹な態度が否応なく、日本についての考察を強いる結果となりました。

特に妻が「在日」、母が「在日」の二代目と三代目にとっては、それは突きつけられた課題です。

野田や玄葉(いずれも敬称不適切)なら無理ですが、其処に目を付けて交渉すれば良い(勿論、最終段階で中国と共に打っちゃりを食らわせます)、「近代化」の点では地ならしが可能なのですから。

(続く)

# by 4kokintou | 2012-07-16 17:01

丁々発止

胡錦濤国家主席が先日、返還15周年式典出席のため香港を訪れた際、主催者側発表で40万人が民主化要求抗議行動に参加したとの由、その前後に発生した新疆ウイグル自治区のバスジャック事件に象徴される一連の「嫌がらせ」をみる限り、反胡錦派の勢力先細りの印象が否めません。

重慶に続き北京も胡錦濤勢力に抜かれ、残る直轄市は天津と上海、前者は温家宝総理の出身地ですから抑えが利くと思われ、後者の上海についても敵対勢力骨抜き工作は着々と進んでいるとみられますが、地方の党大会を全て終えた今、目立った動きは秋までないでしょう。

但し胡派は、党中央規律検査委員に身柄を送致されている薄煕来「前」重慶市党書記と、反対勢力が臭い物に蓋、或いは死人に口無しとばかりに死刑を執行しようとした浙江省の女性実業家(終身刑に実質減刑)と言う二枚の「切り札」を持っていまして、いずれも政府要人の汚職に繋がるのは贅言を要しません。

習近平国家副主席の場合、「徹底抗戦」か「名誉ある花道(=政治局常務委員第四位の政協会議主席」の選択肢があるかも知れませんが、李長春党中央精神文明建設指導委員会書記(第五位)、周永康中央政法委員会書記(第九位)は、勇退=花道である訳がなく、この夏にどれだけ踏ん張れるかで「余生」も決まってくるでしょう。


ボアオ・アジアフォーラム中日企業経営者交流会が先日横浜で開催、基調演説者の一人は勿論、同フォーラム理事長、福田康夫元首相、副理事長の曽培炎氏は江沢民氏と近く、元首相は「名誉職」、副理事長は「閑職」と言ったところでしょうか。


次回は久々に韓国を取り上げますが、国家そのものが相当傷んでいますね。

(続く)

# by 4kokintou | 2012-07-10 12:23

ミャンマー事変

ミャンマーで連邦議会が開催、守旧派と目され、おそらくは中国との有力な窓口であった人物(副大統領)が更迭されました。

中国側の窓口だったのは習近平国家副主席、今は別人物と入れ替わっている筈ですが、習副主席は少なくともベトナムとミャンマー、これに加えてタイ及びその他のインドシナ諸国との窓口役からも降ろされています。

これで秋に総書記に就任出来るのでしょうか。


その今秋の党大会(全体会議)を代表団を決める省、自治区、そして直轄市(北京、天津、上海、重慶)の全てで党大会が終了しました。

産経新聞によれば北京の党大会は当初5月の開催予定、それが水面下の調整(=殴り合い)が難航して最も遅い開催となったそうです。

結末はご承知の通りですが、これを以って全ての党大会で胡主席が唱える「科学的発展観」が採択されたそうです。

今回新たに北京市党書記に就任した郭金竜氏の様に、心に決めた相手に影の様に寄り添い、その人物(この場合は胡錦濤国家主席)のためなら地位も名誉も欲しない生き様を選ぶ人間が中国人にはごく稀ですが存在します、史実でも現代でも。

それはそれで素晴らしいのですが、これを国民が等しく有するのが「近代」なのです、中国「国民」の皆様。


胡錦濤国家主席は「票固め」を終えたのではないでしょうか。

党大会では党中央委員会の委員が選ばれ、その中から政治局員が選出され、更には常務委員が決まりますが、記憶が曖昧なので是非お助け願いたいのですが、確か各々の段階で代表者が投票する決まりになっている筈です。

ですから中央委員は「各自治体」代表者が投票する訳で、党側が推薦した人物のそれぞれについて「賛成」、「反対」、「棄権(白票)」を投じますが、その推薦の段階で反胡錦濤勢力はふるい落とされることになり、政治局常務委員を選ぶ段階で習近平国家副主席は、推薦を辞退しなければ反対多数で落選の憂き目に遭う状況に追い込まれるのではないか、そう愚考する次第です。


以前のお便りで「団派内部は撤退した自由投票」とのご教示を受けた記憶がございます。

そして党中央の各段階の構成員も間接選挙で形骸化しているとは言え、選挙で選出される点には違いなく、李鵬元総理は全人代(=国家)だったか全体会議(=党)だったか忘れましたけれど、反対票と白票の嵐を喰らってた記憶があります。

共産中国史上初の「選挙戦」が展開されるかも知れません。

(続く)

# by 4kokintou | 2012-07-10 01:48

日中韓総まくり

相手国の国家元首(胡錦濤国家主席)に、引き連れた陣笠全員との握手を強いる小沢一郎氏を小誌は毛嫌いしていますが、同氏の心情を理解することは無益と考えていません。

岡田克也(国益を賊するこの輩だけは絶対に敬称略)如き小人から党員資格停止処分を受け、歴代屈指の愚物総理菅直人氏からは徹底的に干され、今に至るも家族関係を含めてあらゆる方面から仕打ちを受ける齢七十を迎えた漢が考えること、それは名誉回復と言う名の「断じて許せない」と言う虚仮の一念です。

「原」民主党諸兄(諸と兄の間に「愚」を挿入するか否かはご随意に)に問いたい、小沢一郎と言う「異物」を敢えて体内に取り込んだのは、そのままでは政権奪取どころか一つの政党としても体を為さなくなるからではなかったのではないでしょうか。

つまり政権奪取のための「超有能選挙参謀」で、同時に「党内凝固材」的役割を求めていた筈です。

其処に「小沢は総理大臣にしない」とか「政権奪取後に小沢はポイ捨て」、「政権は小沢以外でたらい回し」と言った但し書きを付けるのはご勝手ですが、総理への路も面子も社会的名誉も失い悪鬼と化した小沢一郎に、取り柄は保身だけの諸兄が敵うと考えるのは傲岸の至りです。

「超有能選挙参謀」兼「党内凝固材(接着剤)」を放擲して一致団結が可能なのか、下品(この言葉がお似合いです)だが、小沢一郎氏の師たる金丸信氏が名言を吐いています、「馬糞の川流れ」。

凝固剤なくして党内一枚岩を維持出来ると考える方が馬鹿で、悪鬼羅刹と化した小沢氏が民主党内に手を突っ込んでかき回すことは火を見るよりも明らかです。


南朝鮮(=韓国、保守を自認していますが絶対にこれは譲らない)に右も左もありはしない、李明博大統領の最近の極端な反日政策をみるにつけ、同国に期待する方が無益だと悟りつつあります。

「韓国憲政史上最低の大統領」の烙印を押されるのを怖れての言動かと理解しますが、根底にあるのは「在日」です。

1940年大阪生まれの李大統領、敗戦後に帰国するまで差別と屈辱を味わったのは同情申し上げますが、それを消化しきれなかったのはご貴殿とその同胞に罪があります。

脱北者が朝鮮半島南部で味わう最大の苦痛は、経済的困窮ではなく受け売れ側の国民の「限りなく容赦なき差別意識」だそうで、反日を叫び続けた咎が、差別意識の横行と言う化け物を生み出したのです。(僑胞だっけ、倭僑でしたっけ、そんな言葉も今だ「有効」なのでしょうか)

遠からぬ将来、そのしっぺ返しを受けることになるでしょうが、それはさておき、帰国後の李明博氏を待ち受けていたものは、同胞による限りなく容赦ない差別の言辞だったのではないでしょうか。

悪いがそちらで受けた差別に対して日本は一切の責任はありません、あると言うのなら遡って1945年8月16日以降も日本の植民地であり続けて下さい。

「在日」だからと差別する同胞を諭すべきで、日本を逆恨みされても困ります。

この「逆恨み」の心理は江沢民(漢奸の息子)、馬英九(台湾総統、所謂「半山」でしたっけ、外省人と本省人の「混血児」のこと)、李明博の三氏ともに共通するもので、それを咀嚼乃至消化出来た者だけが「近代」の扉を叩くことが出来るのです。

将軍様の愛妻にして三代目「大将様」のご母堂を見習いなさい、同じ大阪出身なんだし。


高氏は暗殺されたと理解しています。

「永遠の総書記」金正日氏が、長男以外(つまり次男か三男)を後継者にすると分かった時の、北朝鮮国内の「上層階級」の動揺は言葉に尽くせなかったのではないでしょうか。

仄聞するに、北朝鮮には80前後の「成分=階級」があり、在日や日本人妻は全て下の10%だそうです。

高氏はつまり敵対階級の最下位の部類に属する人物で、要は朝鮮総連から将軍様への貢物(の一人)、最下級集団の朝鮮総連としては、少しでも待遇を良くして貰おうと思えば誰でも良いから絶えず美女を送って寵愛を得るしかありません。

だから底知れぬ差別と屈辱と敵視の中で、高氏は将軍様の妻の座を勝ち取り、この最高権力者を「親日家」にするのに成功しました。

三代目の大将様は複雑な対日感情を持っていると思われますが、先代を「永遠の総書記」にすることで総書記就任を阻んだ北朝鮮の「保守本流」に対して一方ならぬ反感を抱いているのは間違いなく、母君の映像を公開している事実は、権力闘争を幕を切って落としたことを意味します。

小誌なら胡国家主席の了解を得たうえで、中国が三代目への代替わりを認めなくとも、大将様の後方支援を行います。

大将様が親日かどうかは知りませんし、政治は時として為政者の感情を平気で蹂躙しますが、母親が好きならば(好きだから画面に登場させたのではないでしょうか)、その生まれ故郷にミサイルは打ち込めません。

相手の感情が複雑であろうが、それを利用するのが政治です。

(続く)

# by 4kokintou | 2012-07-07 02:09

眼精疲労

解けつつあるこの国に何とか痛撃を与えようと色々仕掛けてみたのですが、結局は蟷螂の斧、ご褒美に眼精疲労を患いまして、それなら小誌と僚誌「現代の超克」に残り少なき能力を傾注し、読者各位を含めた後生に託すことが捷径であると感得、癒えたのを機会に再開した次第です。

早速本題に入ります。


順不同で参りますが、産経新聞がブルームバーグ紙から引用する形で、習近平国家副主席及びその親族の推計保有資産を公表、その記事の見出しは「"太る"習氏」、次期国家元首内定者に対して無礼な態度を取った場合、面子を重んじる中国人は必ず反撃すると思うのですが、右膝痛にも苦しむ小誌の脳味噌の動きが鈍っているのでしょうか。

「太る」の次は「汚職」と読んでいます。


北朝鮮に軍需物資を密輸出したとかで中国政府が叩かれていますが、出港地が大連と言うことは、「遼寧省・大連」閥の要人の一人である李長春政治局常務委員が一枚噛んでいると噛んでいると考えるのが妥当、要は故意に見過した党中央が、「無事に」相手国に届いてから情報漏洩したと思っています。

つまり「遼寧省・大連」閥を一網打尽にする魂胆なのではないかと推察しています。

それから「北京事変」、北京市党書記は「団派」ではないけれど、胡国家主席の側近だそうです。


以前に頂戴したお便りに中で、自らも含めた常務委員全員を団派本部に赴かせ、そこで国家主席本人が一席ぶった件に関し、小誌の誤解でなければ一種の「宗族と現代版科挙復活宣言」とのご意見を承った記憶がありますが、革命宗族(=太子党)や裏社会宗族(=反社会的勢力)を抹殺する決意に変わりはないと思われますが、「団派」そのものの門戸を広げつつ、非「団派」出身者も人材であれば登用する、これは中国版「近代革命」と言えます。

それにしても何と時間を無駄にし歴史を台無しにしてきたことか、乾隆帝から康生に至る中国は。

(続く)

# by 4kokintou | 2012-07-06 00:17