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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

米中タイヤ戦争

各邦字紙の発信がおよそ3時間乃至4時間前ですから(ただ今日本時間9月12日午後5時30分)、遅くとも現地時土曜日(9月12日)早朝と言いますか未明、前日夜半にねじ込んだのではないかと思われるのがこの記事です。


http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090912AT2M1201E12092009.html
中国製タイヤ輸入制限 米、関税を3年間上乗せへ 

6月末に勧告は受けていたらしいですが、こそ泥みたいに現地時間夜中に、中国時間で言えばおそらく早朝でしょうか、そんな時に発表する決定事項ではありません。


実はどうも気になっていた事柄がありまして、意味を計りかねていたのですが、

http://japanese.beijingreview.com.cn/zxnew/txt/2009-09/11/content_215965.htm
呉邦国委員長が米大統領と会見 政治的相互信頼の促進などを検討


まず困ったことに、中国政府要人は最高首脳、この場合は胡錦濤国家主席の許しも得ずに、「独自外交」を展開することが間々あります。

そんな例は過去にも吐いて捨てるほどありますが、今回の呉邦国全国人民代表大会委員長の訪米(ついでにキューバも先に訪問していますが、これは名分作りでしょうね)、6日に米国に入国して10日(当然現地時間)に大統領と会談し、それを追うかの様に今回の中国製タイヤ経済制裁、読者ならずとも己が呉邦国氏の立場なら、その時点で離米しているかどうかは別として、面子丸潰れで本国に顔向けできません、本来ならば。


呉邦国全人代委員長は、中国現指導部の中でも数少ない「非胡錦濤派」、少なくとも現政権内部では主流派と距離を置いています。

本来はロシア、中央アジアが「担当」なのですが、この辺りは最近、温家宝首相が(おそらく国家主席の意を受けて)利権(既得権益)をかじり尽くしていますので、今回の訪米は新たな利権獲得も目的だったのでしょう。


しかしオバマ大統領も頭が悪い、次の記事をよく読みなさい、「飛んで火に入る夏の虫」って諺を勉強しなさい。


http://japanese.beijingreview.com.cn/zxnew/txt/2009-09/11/content_215960.htm
米「中国は油井管に補助金」の裁定 中国は断固反対

タイヤに限らず、北京は待ち構えています。

これで「保護貿易の口火を切ったのは米国」と言えるし、放っておいても上海は株価が下がる。

オバマよ、君は何をしたいんだ。

(続く)

by 4kokintou | 2009-09-12 17:53
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