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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

日本 ~この愛憎半ばする、無神経で無邪気な存在~

別に謝罪する必要は些かも認めませんが、日清戦争以降太平洋戦争に至るまで、一方的に相手を殴り続けていたのは日本であり、戦争に負けたのに驚異の復活を遂げたのは日本で、戦勝国である筈の中国が、共産主義を選択した事情があるこそすれ、それこそ国家全体が汚泥にまみれた体験をしなければならなかったのか、その点に眼を向ける必要はあります。

日本だって食っていくために侵略した訳で、満州事変で数の上では圧倒的優勢(装備も左程格差が無い)な、張学良率いる国民党軍を葬った石原莞爾だって、真剣に「五族共和」を考えていたとしても、自分の行為を侵略ではないなんて寸毫も夢想していなかった筈です。

当時の満州を「日本固有の領土」なんて思っている日本人は、今も昔も一人も居ません。

ですから「侵略」でないならば「攻略」であり「攻め入り」であり「討ち入り」であり、歴史用語を使えば「唐入り」です。


本誌は徹底した保守の立場を採っていると任じていますが、保守なら現実を直視することを忘れてはいけません。

「日本は生き延びるために侵略(それが嫌なら「生存圏の拡大」)したのであり、それを是としない勢力は終戦に至るまでほぼ皆無で、そのごく少数の例外を除けば誰も侵略を悪いことと思っていなかった」

一部の保守、本誌で言う所の職業保守に、「侵略」がどうのこうのと言う向きがありますが、常に先に手を出したのは日本で、圧勝していたのも日本で、その証拠に日中戦争を通じて「日本固有の同領土」で日中が干戈を交えたことは一瞬たりともありません。

そのうえで「謝罪」をしなければ良い。

腹の底では「悪いと思っていない」のに、口先だけで謝るから相手はいきり立ちます。

「負けたから悪かったなんて、当時も今も一秒たりとも思っていない。但し、負けを認めた以上、その論理的結論である東京裁判の結果を受け入れ、国際社会復帰の条件であったサンフランシスコ講和条約と日米安保条約を遵守し、その精神を堅持する。そして各国と締結した平和条約もそれを護る」、ここから議論が始まります。

現実に米国は「日本が米国に殴りかかったことを反省している」かどうかなぞ、少しも斟酌していません。

敗北を受け入れて、その必然的結論を甘受せよ、これだけです。


日本と言う、この「愛憎半ばする、無神経で無邪気な存在」を、中国は長い時間をかけて受け入れる考えに傾きつつあります。

その苦衷を察すること、そこから中国への理解が始まります。

(続く)

by 4kokintou | 2009-09-29 01:30
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