人気ブログランキング | 話題のタグを見る

現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

政治局常務委員

Wikiによれば、今の中国共産党中央政治局常務委員の数は多過ぎると言う意味の件がありますが、定員が11名だった時期もあり、今の9名が際立って多い訳ではありません。

こういうのは、バチカンのコンクラーベ(新教皇選出選挙)及び、その後に付き物の枢機卿の新規任命を知っていれば、この「謎」も氷解します。


コンクラーベに際し、特定の派閥が枢機卿団の過半数を制するか、それに近い状態にあれば、選挙も簡単に終わり、その後新たに任命される枢機卿の数も少数に留まります。

対して激烈な合従連衡の末に新教皇が選出された場合、その教皇の子飼いの勢力は少数派に留まりますから、自派を増やす意味からも(枢機卿は原則として解任出来ません)、大勢の新枢機卿が誕生することになります。


ですから中国共産党においても、少なくとも最高首脳がその就任時に政治的基盤が脆弱であった場合は、「中立+味方」の二人を任命する必要があり、どうしても数が増えることになります。

それから、常務委員の数が多ければ、個別の職務の範囲が分散され、特定の人物に権力が集まることを防ぐことが出来ます。

とすれば「習のお坊ちゃん」の出世の目はないと思われますが、如何でしょうか。


Wikiの「中国共産党中央政治局常務委員」の項は、幾ら眺めても飽きません。

例えば最初(1928年7月、李立三を含む)の常務委員の顔触れをみても誠に興味深いです。

今の中国を語るには、その「前史」を含めて徹底的に洗い直す必要性を感じています。

西洋特に西欧では、革命と言えばユダヤ人の関与が顕著ですが、日本(明治維新)や中国(本誌では文化大革命を指します、共産中国建国は、少なくともプロレタリア革命とは認められません)では、ユダヤ人抜きで独自に革命を遂行しました。

中国において、そのユダヤ人の代わりを担ったのは「内なるユダヤ人」客家ではなく、宗族でした。

清朝末期以降、宗族階級は体制側と反体制側に分裂しただけではなく、それぞれに内訌を抱えることになります。

(続く)

by 4kokintou | 2010-04-21 21:35
<< 「団派」 青海地震 >>