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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

疲れているので少しだけ

第二次世界大戦後のユーラシア大陸の百獣の王、それはまさしくソ連でありスターリンでした。

米国は如何なる戦争でも例外なく、可能な限り速やかに数多く、自国民を兵役から解いて除隊させますし、それに伴い占領地には必要不可欠な兵力を残して撤退します。

終戦直後の状況下でこれほどの愚挙を実行に移すとは、無数のソ連製戦車の進撃を食い止めたのは独占していた原爆であり、その運搬手段であったと言えます。

因みにモロトフは「戦後ソ連外交の勝利」について、質問した米国外交団に対し、ソ連の原爆保有に至るまで、米国側から攻撃を受けなかったこと、寸土たりとも国土を侵されなかったこと、占領地の返還を回避したことをその根拠に挙げたと記憶していますが、ヒトラーとも互角以上に渡り合った(そのしっぺ返しは想像を絶するものでしたが)モロトフからすれば、「理想主義者」米国外交団なぞ、赤子にしか思えなかったでしょう。

裏を返せば「米国は馬鹿」と言うのがモスクワの見解で、裏を返せば立場が逆なら確実に軍事力(核兵器)と外交を駆使して米国を締め上げて国益の最大化を図る、これが常識だとモロトフは言っているのです。


共産主義者はドイツにこだわる傾向があります。

勿論、その地政学的重要性もありますが、「元祖」マルクスがドイツでのプロレタリアート革命を予言した点も見逃せません。

つまり「共産主義革命はドイツから始まる」のが正統な理論であって、ロシアやモンゴル、それに中欧及び東欧諸国、果ては中国の共産主義革命は「ずれている」との感覚が、意識的か無意識下は別として、共産主義者の共通認識だったと考えられます。

ですから当時のソ連にとって「第一戦線(欧州)」の最終到達地点はドーバー海峡、少し譲ってライン川と言う結論になります。

そしてソ連を基準に「政治力(外交能力)有り、軍事力有り、核兵器無し」としますと、

米国は「政治力無し、軍事力有り、核兵器有り」

英国は「政治力有り(少し怪しい所もありますが)、軍事力無し、核兵器無し」

仏国「無い無い尽くしのド・ゴールのみ」

ド・ゴールの賭け、ソ連への罵声がフランスを「戦勝国」に導いたとも言えなくありません。


「第二戦線(中東)」のソ連の最終到達点はボスフォラス海峡とペルシャ湾、ここでソ連に立ち向かったのは、一つは米国の潜在的(無意識的)核抑止力、そして英国の存在(イラン分割)でした。

では「第三戦線」(中国)はと言うと、これは当面現状維持、だから蒋介石と取引しました。

これにより日米英仏、更にはソ連及びドイツ、全ての列強が手を引いた状況下で、国民党と中国共産党は殴り合いを始めました。

(続く)

by 4kokintou | 2010-12-09 02:16
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