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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

中国と中央集権

リビアは派手ですが、玄人が好むのは中国での「睨み合い」、角を突き合わせているのは勿論、米国(の手先)と中国当局です。

本命は米中の攻防かも知れないと感じています。


久々に「北宋以降」と言う用語を使わせて貰いますが、この政治体制は表向きは「皇帝絶対権力」を謳いながら、主権と言うか実権は士大夫層(=宗族階級)が独占すると言うものでしたので、表面上は「中央集権」、実態は「地方分権」と言う二重構造になりました。

つまり皇帝の座は誰も狙わない、その代わり万が一の場合には責任を取って貰う、士大夫層は君主が華人であれ異民族であれ仕える代わりに責任は取らず、宗族は有力なものだけでも多数存在しますから、権力は分有することになります。


中央集権と地方分権の違い、それは「権威」の有無だと思われます。

日本史で言えば、室町時代は権力分立の過程と理解していますが、その初期にあって斯波氏は「(足利家の)管領たること家の瑕瑾」と公言して憚りませんでした。

おそらく中国人にとって「権威」とは、ご先祖様と霊廟ではないかと思われます。

とすると権力は(表面上)統一出来ても、権威は纏められません。


中国人は共産主義の何たるかを理解したうえで、共産主義中国を選択、建国した訳ではない、これだけは言えます。

蒋介石が許せない、認められないから、まだましと「勘違い」して共産党を選んだ、これに尽きると思われます。

(続く)

by 4kokintou | 2011-03-01 00:28
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