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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

ユニ・チャームの慧眼

本題に入る前に、僚誌「現代の超克」を再開しましたので、こちらほど頻繁に更新出来ないかも知れませんが、等しくご愛顧賜れば幸いです。

「現代の~」の方では文明論の他、雍正帝や石原莞爾も扱って行きたいと思いますが、もう少しで石原莞爾と胡適が会う手筈になっていたとは、以前読んだ書籍を読み返していて発見すると言うへまを仕出かしつつ、驚いている次第です。

ついでに言うと、今の北朝鮮の羅津の重要性を見通していたのも石原莞爾で、本誌の「日朝国交樹立」とそれに伴う「「新潟・元山航路」+「元山~(平壌)~南浦高速道」+「南浦・大連・天津・北京」構想は、石原莞爾の満州経営構想を少し修正して知らず知らずの内に剽窃したのかも知れません。

自覚が無いと言うのが最も怖ろしい。


石油の「ビルマ・ルート」が完成したとの由、これはミャンマー沿岸から中国へと石油を運ぶパイプラインで、何処の石油資本が一枚噛んでいるのかは知りませんが、このパイプラインが重慶(四川省)を通るのは確実で、例の「重慶事変」はパイプラインの争奪戦とも言えます。

2年前に成立したミャンマー現政権ですが、それまで市中に反乱していた漢字を追放する一方、中国側肝煎りの大型公共事業と次々と白紙に戻し、「窓口」だった習近平総書記の「説得」も空しく、パイプライン事業を除いて全て凍結と言う名の取り止めとなりました。


話変わって日本にユニ・チャームと言う企業があり、生理用品と紙おむつ分野では国内はもとより東南アジアを制しています。

この企業がインドに進出したのは2年前、いずれの商品化は度忘れしましたが、2年後のシェアは12%だそうです。

そのユニ・チャームの視線の先にあるのはアフリカだそうで、正直言って最初は「何でアフリカなんだ」と思いましたが、ある言葉を思い出して膝を叩いた次第で、要は「印僑」の商権にのって市場を制覇しようと言う思惑なのだと思われます。


真珠がどうのエメラルドがどうのと、インド洋の制海権を巡って中印の鞘当てが激化しているとの記事等を読んだりしますが、ユニ・チャームはインドの海洋戦略に便乗している訳で、考えてみれば当たり前の話で、米国と言う超大国が存在する限り、その了解が無い限り制海権を云々するのは無意味な話です。

それでもまだインド洋が眼前にあるインドが、海域の制海権を掌握すると言うのは分かりますが、全く足掛かりがない中国がインド洋の制海権をどうすれば握れるのか、昨年は尖閣諸島を巡って日中が派手に遣り合いましたが、このこと自体が中国が東シナ海の制海権を完全に掌握し切れていない証左だと思われます。

とすると南海艦隊の出番となりますが、無事にマラッカ海峡を抜けて、無事にインドの制海権をすり抜けて、無事に中東やアフリカ東岸にまで出張ることが可能か、そんなことやったら次の瞬間にパイプラインは寸断されます。

この話は世界規模での「手打ち」がなければ成り立つ話ではありません。

(続く)

by 4kokintou | 2013-01-13 23:36
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