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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

歴史の使命

昨日は理不尽としか表現の仕様がない事実を発見しまして、己の全てが正しいとは言わないものの、この世はやはり「木の葉が沈んで石泳ぐ」のかと嘆息するばかりでしたが、共産主義中国の建国以来、この国民はまさに理不尽な体験の連続でした。

ちょっと道草しますが、小誌は努めて中国「人民」と言わず「国民」と表記してきました。

確かに「国民」党主導の中華民国が先に誕生していたのは事実で、中国共産党が成立させた国家が中華「国民」共和国では紛らわしいし実質的に同義ともとられかねません。

他方、日本の左翼勢力は戦前から「人民」を使っていた関係もありますし、共産主義が国家主義(ナショナリズム)を排し国境を越えた国際的連帯を標榜していた点からも、その国名に「国民」が付くのは如何なものかと言われても致し方ありません。

従って「起て、万国の労働者」や「世界(同時)革命」は民族主義や国家主義を超越してこそ初めて出てくる発想で、レーニンそしてスターリンが帝政ロシア(ロマノフ王朝)打倒後の新国家名を「ソビエト社会界主義共和国連邦(ソ連)」としたのも当然の帰結で、ロシア民族による革命だったとしてもそれは発火点に過ぎず、ですから国名に「ロシア」が入る余地がなかったのです。

このソ連の観点からすると、中華人民共和国は共産主義の理念から後退している、何故ならば「中華(China)」とは何事だ、共産主義は「遍在」すべきものであって「偏在」すべきものでなく、地名更に民族名(そして「国」)を連想させる用語を挿入することは罷りならない、ソ連の傘下に入るのであれば十六番目の共和国として「地域的民族的特性」を考慮しても良いし、先輩格のモンゴルの様にコミンテルンに忠実で実質的にソ連の勢力圏であれば、お手本にして教師たるソ連の承諾を得た国名を称することは認められますが、親分の許可を得ず勝手に国名を付けるのは「分派行為」です。

そもそもモンゴルを巡って水面下で縄張り争いしてきた両国ですから、最初から水と油の関係で、共産主義中国がソ連方式に従うのならかつてのソ連同様、複数(ソ連の場合は15)の共和国や自治国から成る「社会主義連邦」であるべきです。

要は「ソ連が嫌い」だから徹底して反抗した訳で、名称が全然違うのもそこに端を発していると思われますが、漢文(中国史)を少しでも習っていれば「人民」は拙かったことに思い至る筈です。

例えば日本では「官吏」は立派な日本語ですが、ひょっとしたら今でも中国では「官」と「吏」は別物、同様に「人民」は違和感なく日本で使えますが、少なくとも古代中国史を紐解けば、これはおかしいと言う話になります。

端的に言って「人」は一級市民、「民」は二級市民、その下に「臣(奴隷階級)」が存在しますが、これって清朝(=大清)や今の共産主義中国にも当てはまります、但しひっくり返っていますが。

辛亥革命以前の中国における実質的主権者は宗族階級(士大夫層)、農民に代表される被支配者層がその下に存在し、裏社会や軍に籍を置くものはその下に見做されていました。

今は逆で裏社会や軍閥出身者が最上級(そのご本尊が毛沢東)、農民とかは相変わらず形のうえでは次で、かつての支配階級は打倒された筈ですから陳独秀や劉少奇の流れを汲む旧宗族階級出身者は最下位に身を寄せねばなりません。

ところが統治能力の点で最上層が最も劣り、最下位の連中に政治を委ねればならない、それが癪で既得権益も削られるから、一段落すると粛清が始まって「反右派闘争」だの「文化大革命」だのと利権と縄張りの奪い合いに没頭します。

ですからこの国民が唯一蓄積し得た知見は「国を見限ること」、華僑と言う先輩がいますから同じことをすれば良く、最近は日本にも押し寄せているらしいです。

今の中国が世界史に貢献出来るとすれば、「偉大なる中華民族」と自称して悦に入ることでもなければ「中国の夢(「無限」の間違いだと思います)」を重要思想として取り上げることでもなく、小誌が阿片戦争以降の中国の歴史を「近世」でも「近代」でもない「退世」と評した段階から脱し、「負の連鎖」を断ち切ることです。

過去の歴史において「負の連鎖」を克服し「退世」を斥けることが出来た例は皆無と呼んで良いほど少なく、別の意味で「退世」に突入しつつある日本の手本になり、ここで再び日本よりも先を歩む「常態」に戻ることが出来ます。

今頃になって金(ゴールド)を買い占めても、それこそ国際金融資本の餌食になるだけで、申し訳ないが中国は「夜郎自大」の「田舎者」の水準にまで堕していることを自覚すべきです。

反日番組が多すぎることへの批判が漸く公になりつつあります。

中国も韓国も生き延びる唯一の条件は「反日」ではなく克「反日」なのです。

(続く)

by 4kokintou | 2013-08-21 19:06
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