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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

浦島太郎状態

「継続な力なり」とは良く言ったもので、理由は何であれ一旦途切れると着想が全く湧いてこないから困ったものです。

もっとも、視線の先にある中国も、8月1日を期して全ての地方政府に対し当局(これは例の党中央規律検査委員会ではなくて、国務院の金融関係部門だった記憶があります)が査察に入っていることもあり、「嵐の前の静けさ」とでも言いましょうか、目に止まる話題が少ないのも事実です。


中国人にとって権力とは、国家を食い物にするための手段に過ぎないではないか、そんな思いが過ぎることすらあります。

国務院に所属する国有資産監督管理委員会は現在、上述の党中央規律検査委員会の標的になっていますが、中国では表向き(=建前上)は全て国有なのですが、それが何時の間にか(と言うか設立当初から)私物化され、挙句の果てに個人の私腹を肥やす道具と化してしまいます。

例えばこの国有資産監督管理委員会はその傘下に中国石油化工集団(シノペック)、中国石油天然気集団(CNPC)、そして中国海洋石油総公司(CNOOC)を従えて、具体的には委員会が各々の集団(グループ)と総公司の全ての株式を保有していますが、その子会社として順に中国石油化工(シノペック、略称は親会社?と同じ、親会社の保有株式比率76%)、中国石油天然気(ペトロチャイナ、同86%)、中国海洋石油(これも略称は親会社と同じ、同64%)がありますが、全て董事長は兼務です。

中国の最大の病根は、この「官でも無ければ民でもない」、「共産主義の様で資本主義でもある」と言う点にあるのではないのか、当時は已むを得ざる緊急措置だったとはいえ、これに関しては鄧小平氏の政策的汚点と断じざるを得ません。


誇り高き(?)中国人は頑として認めないでしょうが、共産主義中国であっても「お手本」であり「師匠」は日本で、必死になって「学んだ=真似た」痕跡は随所に見受けられます。

上に挙げた委員会管理下の国有企業「集団(又は総公司)」の支配形態もそうですが、それ以前に「集団」なる用語も日本の「グループ」から導き出したものと言うのが、「没字碑」小誌の根拠なき見解です。

ですが中国が秘かにお手本にした最たるもの、それは「制度」ではないかと考えられます。

「社会主義的市場経済」が国是となった時点の中国人は、社会主義についても半可通(好意的に言って「独自の社会主義、但し文革付き」)、市場(経済)に至っては無知も良いところでした。

近世の微睡の中にいた国家と国民が、いきなり近代に対処せよと言われてもお手本は日本しかないのですが、日本は白人国家以外で初めてにして今に至るも唯一、「近代列強」へと変貌を遂げるに至った国家、漢字圏と言うことで日本をお手本にするのは構いませんが、「前近代」が「近代」を真似ることは出来ません。

中国の悲劇とは要するにこの「背伸び」にあり、追いつくことは叶いませんし、無理に制度を導入しても出て来る答えは全く異なります。

従って「社会主義」もそれが「革命宗族」とその子孫たる太子党の利権を守る盾である限りは有効で、これだってソ連その他の社会主義を日本が咀嚼したものを借りていますし、近代資本主義における「市場」とはとなると、日本を手本にするしかない、それは良いのですが、日本の最悪の部分を更に誤訳して持ち帰ったから、今の中国がある訳です。

その「最悪の部分」は次号にて。

(続く)

by 4kokintou | 2013-10-01 17:38
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