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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

政治家 ~盆も正月もない人種~

韓国の鉄道ストは国会に小委員会を設置することで収束、要は労組側の顔を立てただけの話で実態は朴槿恵大統領陣営の圧勝、新年からは攻守所を代えて「朴大統領の報復」が始まります、標的は当然、今回のストの黒幕たる現代財閥ですが、攻撃対象は全ての財閥に及ぶことが予想されます。

一方の北朝鮮では張成沢氏の周辺が片っ端から粛清されている模様で、親分の張氏処刑の前段階から自殺者が続出していたとの由、それなら日中韓の報道機関は役立たずの無駄飯食らいと言うことになります、粛清されていない時点で情報を入手していなければおかしいですから。

おそらく見逃していたのでしょう、張氏が私領みたいに扱っていた「特区」における人の出入りだけ眺めていても、何らかの異変は感知できたものと思われます。


何かと身辺が騒がしくなっているのが、周永康「長老」(元政治局常務委員、元党中央政法委書記)、情報が錯綜しているので不明な点もありますが、党中央紀律検査委員会が元秘書まで取り調べていますから、相当危ない印象を受けますが、紀律検査委員会の活動が目立つと共に浮上してきたのが、三中全会で新たに認められた全面改革指導小組、その「組長」に他ならぬ習近平総書記が就任することが先日判明しました。

「小組」と言えば、一定年齢以上の中国人なら悪夢以外の何物でもない文化大革命の「中央文革小組」、「小組」と言う命名そのものが復古主義と言いますか、権力奪還の意思表示です。

ただ今回は「狩られる」側が総書記を神輿に担いで結託して保身に走っているだけで、何の戦略も目標も計画もありませんから、それ以外の「組員」(構成員)は決まっていません。

習総書記も己の手を汚したくないので、最初は渋っていたとみられますが、集中砲火を浴びるのは誰もが嫌、と言うことで三中全会閉幕から一月半を経て漸く「組長」が決まりましたが、今に至るも「組員」が集まらず、11月25日付人民網日文版記事「中央幹部が地方に着任 三中全会後も人事調整が続く」の中で、「三中全会で創設の決まった改革全面深化指導小組(中略)の枠組みや人員構成がまだ発表されていないことに注意する必要がある」と明記されているのですから、推して知るべしです。

そんな非力な総書記がもがいている間にも、党中央紀律検査委員会は「党員(殊に党幹部)の会員制高級クラブへの出入り禁止」通達を発し(ロイターは「習近平政権が進める腐敗撲滅活動の一環」と報じていますが、習一族の資産規模を踏まえた場合、腐敗撲滅活動の最初の犠牲者はこの一族と思われます)、全人代常務会は近々「一人っ子政策緩和」を正式承認する見通し、更に「労働教養制度」廃止も決定、習総書記(国家主席)の意思に関係なく話はどんどん進んできます。

そしてこの年の瀬に、今年6月末時点の中国地方政府債務総額が邦貨換算310兆円(17.9兆人民元)にまで膨張していることが判明、ブルームバーグによるとこの内の4.3兆人民元は地方政府に返済の義務はないそうです。

地方政府(=中国共産党各地支部)の連中は帳簿を必死になって隠すか改竄したでしょうし、「本当の数字」を出したら世界が発作を起こしかねませんので、「大本営発表」の落し所を決めるのにも一苦労だったと思われます、これが半年もかかった最大の理由でしょう。

そして新年の中国の最大の課題は当然「地方政府や国有銀行を含めた国有企業が抱える不良債権処理」、これに尽きます。

(続く)

by 4kokintou | 2013-12-31 23:10
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