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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

外交音痴

内政も支離滅裂ですが、外交でも常識知らずの双璧と言えば、米国のオバマ大統領と中国の習近平国家主席をおいて他にいません。

その習近平主席、7月早々に訪韓するそうですが、これって絶対にしてはならない「禁じ手」です。

確かに最近の北朝鮮は「習近平的中国」の、対日接近を図るなど、習国家主席からすればその言動は目に余るかも知れませんが、仮にも両国は互いに唯一の同盟国、その同盟相手の面子を潰す挙に出ることは、同盟関係が実質的に破綻に瀕していることを内外に白状する様なもので、同時に北朝鮮の中国離れの口実にもなりかねません。

ですから先代の胡錦濤氏、先々代の江沢民氏も「まずは訪朝、韓国は後回し」路線を踏襲した訳で、当時の胡錦濤国家主席が、これも「永遠の総書記」金正日氏に厳しい態度で臨もうが、それと同盟関係とは別の話、同盟国はその他の国々と「別格」扱いしなければなりません。

従って今回の「訪朝を後回しにした訪韓」は外交上有り得ない拙策で、要は北朝鮮に対する嫌がらせの域を出ず、では訪韓してそれだけの成果が得られるかと言えば、精々「反日」を謳うだけ、しかも朴槿恵大統領の反日は擬装ですから、わざわざ国家主席殿が足を運ぶ理由がありません。

そもそも習主席の初めての外遊先はアフリカ諸国、おそらく利権の確認或いは開拓が主目的だったと思われます。

つまり習近平主席もオバマ大統領と発想は同じ、子分を養い勢力を拡げるための軍資金づくりしか頭にありません。


今回の北朝鮮無視政策と、対ベトナム強硬路線から浮かび上がってくるのは、習国家主席から距離を置く軍部の動向です。

海底油田を採掘するためとはいえ、海軍ばかりを動員する一方、陸軍を「温存する」現状は、習近平主席が陸軍の大部分を掌握していないのではないか、圧力を加えたければ陸海両面で戦力を展開するのが常道と思われます。

北朝鮮にしても然り、北海艦隊は完全に胡錦濤陣営に鞍替えしていますから、此処では海軍も使えませんが、北朝鮮の態度が気に入らなければ陸軍を動員すれば良く、記憶違いでなければ鄧小平が訪朝した時、25名の師団長を引き連れて平壌に乗り込みました。

つまり「今度来る時は25個師団を連れて来るぞ」と言う恫喝、そこまでしなくとも中朝国境沿いに軍隊を展開すれば済む話です。

日経はオバマ大統領のことを「口先番長」と明記していますが、中国では俗に言うハニー・トラップ(美人局)に引っかかったのか、現地総局長は習近平氏に極めて甘いです。

ですが「口先番長」は習近平氏に相応しい称号ではないでしょうか、陝西省の子飼い軍閥と、嫁さんの縁で後ろ盾になっている山東省軍閥を除いて、軍事力を有さないのですから。

(続く)

by 4kokintou | 2014-06-19 23:23
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