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現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

虚々実々

7月3日、4日の習近平訪韓を嘲笑うかのように、日朝局長級会談が7月1日に開催されることが発表されました、しかも開催地は北京です。

交渉の場を提供したのが、習近平国家主席でないことだけは明らか、現場を仕切っているのはおそらく王家瑞党中央対外連絡部(中央委員)でしょうから、今回の一件で習国家主席が日朝交渉に口出し出来ない立場にあることが判明しました。

嫁さん(彭麗媛人民解放軍陸軍少将)同伴で韓国に赴く習近平主席、一説には訪問先で国会演説が予定されているとの由、実現すれば「反日」の文言が盛り込まれるでしょうが、中国の国家主席がこの時期に訪韓する「真意」は何処にあるのでしょうか。

結論から言えば「金を出せ」、資金繰りに窮する(国有)企業が続出する中国としては、この国に深入りし過ぎて身動きが取れなくなっている韓国(あるいは韓国系財閥)から、不足分を補わせようと言う魂胆、金を出さなきゃ現地法人を締め上げるぞと言う恫喝です。

金融と財政の両面で国有企業(とその背後の党地方支部幹部)を追い詰めているのが他ならぬ李克強総理、窮地に陥っているそれらの企業を救おうとしているのが習近平国家主席、そしてその側杖を食っているのが韓国と言う構図ですが、習主席側が日本を狙わないのは、国力を勘案する部分もありますが、李総理も属する胡錦濤「長老」陣営が日本と手を組んでいるため、手を出せないのも事実です。

対する韓国の朴槿恵大統領、おそらく「お付き合い」程度は出すかも知れませんが、実質的にはゼロ回答、中国現地幹部と癒着している韓国系財閥現地法人を虐めたければご随意にと言うのが、偽らざる心境だと思われます。

話を北朝鮮に戻して、短距離ミサイルを日本海に向けて発射したそうですが、これは韓国に赴く習近平主席に対する威嚇、決して日本を脅すつもりはありません。

その北朝鮮で国防大臣に相当する人民武力相が交代したそうで、北朝鮮も「党が軍を指導する」朝鮮労働党独裁体制を採用していますから、大事なのは「党の軍事担当最高幹部」、最高意思決定機関は党中央委員会政治局常務委員会ですから、三代目金正恩第一書記に次ぐ立場にある軍部管掌要人に入れ替わりがあるのか、今回の大臣入れ替えはその前触れなのか、関心が集まります。

中国では「重大な規律違反」で、党中央紀律検査委員会の取り調べを受けていない人物が、全国政協会議副主席の職を解かれました。

取り調べの段階で公務を解任されるのは異例、政協会議は「天下り組」と「一丁上がり組」の寄り合い所帯ですから、党の意向を無視して人事を動かすことは出来ません。

と言って、今回の過去に例を見ない解任劇で、習近平主席が得する訳でもなく、むしろ強い反感を持たれてしまいますからそんな話ですし、これだけの大技を打つ力量がありませんから、やはりこれは胡錦濤「長老」陣営が仕掛けたとみるのが妥当です。

(続く)

by 4kokintou | 2014-06-26 22:02
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