人気ブログランキング | 話題のタグを見る

現代中国考


現代中国に独自の観点から考察を加えます
by 4kokintou

重慶が教えてくれたこと

今回、日本サッカーチームが試合をする競技場の正式名称、ご存知ですか。

正解は「重慶オリンピックスタジアム」。

「あれれ、五輪が開催されるのは、確か北京の筈じゃあ」と思った読者は、健全な思考の持ち主です。

ではなぜ、重慶に「オリンピック」スタジアムがあるのか。


それが中国なんです。日本の公共事業よりも歯止めが利かないのです。

「北京に五輪開催のための競技場を作るのなら、我が〇〇省にも同じ施設を作るべきだ」、「〇〇省に建設するくらいなら、××省が先じゃないか」、「▲▲市になんで五輪関係の建物が許可されるんだ。□□市も要求する。それが駄目なら自分で作る」

かくして、中国津々浦々に「五輪」と銘打った建物、建設物、肖像、工場が乱立することになります。


恐ろしいのはこれからです。これでご理解頂けますように、五輪関係は、ごく一部を除いて仮需です。もっと言えば、不必要な物を作って需要を嵩上げしていたことになります。

では、五輪後は、いいえ、仮需が途切れてしまったら。

中央も地方も、お金の余裕は最早ありません。

素人でも分かりますが、強烈なデフレ圧力が掛かります。既に圧力は強まりつつあります。


ついでに言えば、「中国は消費大国にもなる」と言っていた、自称評論家、文化人、経済通各位、下駄を履かせた仮需要なぞ、どれだけ実体経済に寄与するのですか。

日本のバブルをみれば一目瞭然。傷跡だけを残しました。


これでも中国は「大躍進」を続けるのでしょうか。


中国を巡る日米関係については次回で。

(続く)

by 4kokintou | 2008-02-20 16:33
<< 無い袖は振れない ~中央政府~ 最大の悪夢 >>