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読者のご意見の中で、何故日本人は海外に留学しても律儀に帰国するのかと、中国人留学生から問われて困惑した旨のお話をご紹介頂きまして、実はその質問が気になって、答を探してのですが、意外な所にありました。
「春秋左氏伝を繰り返し読みなさい」 但し、斉の立場になって。 斉は春秋時代最初の「覇者」です、中国市場最初の大国と言って良いでしょう。 しかし、後に周王朝の代理人として覇者の地位を獲得する晋に後塵を拝し、南から攻め入り「黄河中原文明」そのものの撲滅と天下統一を目指す、稲作文明の雄の楚に抜かれ、一流国と二流国の間くらいの立場に置かれます。 そうなってからの斉ほど見苦しいものはありません。 本来ならば周王朝の一翼を担うべき存在なのに、晋楚激突の時代において、晋に頭を下げたくないばかりに、中立を装ってみたり、あろうことか楚と通じたり、全く一貫性と論理性に欠けた外交を展開します。 近代中国は屈辱と媚態の連続であった点は同情の余地があります。 しかし、頭に血が上って現状分析すら満足に出来なくなったり、現実逃避の延長として海外に身を移しても、何の解決にもなりません。 中国から頂いた言葉に「捲土重来」があり、また日本には「江戸の仇を長崎で討つ」と言う諺があります。 日本人の感覚からすると、両方とも時間を要する、屈辱や罠に嵌められたら、その報復には時間が必要と考えます。 その延長に、「自らは捨て石になっても、後生に託す」と言う信頼する心があります。 逆に「何故中国から逃げようとするのか」、自分しか信じられないからではないですか。 農村でお婆さんが足を挫いて難儀していたら、助けの手を差し伸べるのが日本人です。 別にその農婦と自分が「別世界の人間」とは、決して考えない筈です、まともな日本人であれば。 同時代人、しかも同じ国家と言う共同体に属している人間を信頼できないのなら、後生を信頼して託し、或いは先祖を心から敬慕することは出来ない筈です。 中国人と韓国人の「祖先礼拝」はどうも嘘くさい、これ見よがしのパフォーマンスにみえて仕方がないのは、誤った認識でしょうか。 今生きていることに対して感謝できる国なり共同体を作ること、その方が大国復活を夢想するよりも大切ではないのでしょうか。 (続く)
by 4kokintou
| 2008-10-08 20:09
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